2017-05-10
衆議院
小早川光郎
政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
小早川光郎の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)
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○小早川参考人 衆議院議員選挙区画定審議会会長の小早川でございます。
本日は、発言の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
当審議会は、衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律、いわゆる衆議院選挙制度改革関連法でございますが、その規定に基づきまして、去る四月十九日に内閣総理大臣に対し、衆議院小選挙区選出議員の選挙区の改定案についての勧告を行ったところでございます。
本日は、審議の経過と勧告の概要について御説明を申し上げたいと存じます。
まず、当審議会における審議の経過について御説明を申し上げます。
昨年五月二十日に今回の区割り改定の根拠となる衆議院選挙制度改革関連法が成立し、五月二十七日に施行されました。
この衆議院選挙制度改革関連法では、衆議院小選挙区の選挙区間における人口格差を是正するため、日本国民の人口に基づき、都道府県別定数配分の方式として、いわゆるアダムズ方式を直近の大規模国勢調査である平成三十二年国勢調査から適用することになりましたほか、衆議院議員の定数を小選挙区六、比例代表四、合わせて十減ずることとされました。
また、この衆議院選挙制度改革関連法の附則におきまして、平成三十二年までの緊急是正措置として行う平成二十七年の国勢調査の結果に基づく改定案の作成及び勧告についての規定がされております。具体的には、定数が削減となる六県の選挙区や人口基準を満たさない選挙区など、改定対象となる選挙区が列挙されております。
この人口基準につきましては、各選挙区における日本国民の人口に基づき、人口の最も少ない県の中の人口最少選挙区を基準として、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口において、選挙区間の人口格差を二倍未満とすることと定められております。
なお、平成三十二年見込み人口は、平成二十七年日本国民の人口に、平成二十二年から二十七年までの増減率を乗じて算出するということが衆議院選挙制度改革関連法に規定されております。
さて、当審議会としましては、衆議院選挙制度改革関連法で、平成二十七年の国勢調査の結果に基づく区割り改定案の勧告については、法律の施行の日から一年以内である本年五月二十七日までにおいて、できるだけ速やかに行うものとするとされておりました。それを受けまして、昨年六月八日に審議を開始しました。
まず、今回の区割り改定に用いられる平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口というものは、昨年十月二十六日に公表されましたが、平成二十七年国勢調査人口の確定値によって判明するものでありましたので、それまでの間は、既に公表されていた国勢調査人口の速報値に基づき、改定対象選挙区と見込まれる選挙区を有する都道府県について、選挙区の人口及び人口格差の状況やこれまでの区割り改定の経緯等を確認するためのレビューを行いました。
次に、衆議院議員選挙区画定審議会設置法第八条には、「審議会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができる。」とされておりまして、それを踏まえまして、当審議会としては、都道府県の行政、地勢、交通等全般に通じ、区割りについて都道府県全体を総合的に判断し得る視点を持っておられると考えられる関係都道府県知事に対しまして、区割り基準や具体的な区割りなどについての意見照会を行いました。
この間、昨年十月二十六日に先ほどの平成二十七年国勢調査人口の確定値の公表があり、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口が確定いたしました。
これを踏まえて改定対象選挙区の範囲の確認を行い、また、その上で知事意見の回答をいただき、その報告を受けまして、それらをも参考としまして、区割り基準や作業手順等を定める区割り改定案の作成方針について審議をし、昨年十二月二十二日にこれを決定し、公表いたしました。
さらに、この作成方針に基づいて、本年一月十六日より具体的な区割りの改定作業に入り、その後は週一回のペースで審議会を開催し、審議を進めました。
当審議会としましては、精力的に改定案の作成作業に取り組み、二十八回の審議を経て、区割りの改定案を取りまとめ、四月十九日に内閣総理大臣に対し勧告を行ったところでございます。
では、続きまして、当審議会が具体的な区割り改定案を作成する上での指針となる、そういうものとして作成しました区割りの改定案の作成方針について御説明申し上げます。
今回の区割り改定案の作成方針は、前回改定時の作成方針と同様に、改定を検討する選挙区、改定対象選挙区の区割り基準、そして改定案作成の作業手順という三つの部分から構成されております。
まず、改定を検討する選挙区につきましては、衆議院選挙制度改革関連法を踏まえた内容となっております。
ということは、まず、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口において人口の最も少ない県、これは鳥取県でございますが、鳥取県の選挙区、これが一つ。次に、〇増六減によりまして選挙区の数が一減少する六県の選挙区、これが一つであります。
そして、鳥取県内の人口最少選挙区を基準として、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口において、格差二倍未満の人口基準に適合しない選挙区と、それから、当該選挙区を格差二倍未満とするために必要最小限の範囲で行う改定に伴い改定すべきこととなる隣接選挙区等につきまして、改定案の作成を行うことを基本とすることといたしました。
以上が、改定を検討する選挙区です。
次に、改定対象選挙区の区割り基準につきましては、人口の最も少ない鳥取県内の人口最少選挙区を基準として、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口において、選挙区間の人口格差を二倍未満とすること。それから、鳥取県内の選挙区については、各選挙区の人口の均衡を図ること。それから、人口格差を二倍未満とするための選挙区の改定に当たっては、選挙区の区域の異動は必要最小限とすること。
さらに、選挙区は飛び地にしないこと。市区町村の区域は原則として分割しないことでございますが、市区の人口が人口基準の上限人口を超える場合等、やむを得ない一定の場合に限り分割することができるということ、これが一つでございます。
さらに、地勢、交通その他の自然的、社会的条件を総合的に考慮すること。また、郡の区域はできるだけ分割しないものとすることなど、おおむね前回の区割り基準を踏襲した内容となっております。
なお、このうち市区町村の分割基準につきましては、おおむね前回改定時の基準を踏襲することとしつつ、今回の区割り改定の趣旨に鑑み、大規模な改定は避けることとし、改定に係る市区町村の数または人口を必要最小限とするべく、選挙区間の市区の入れかえによる改定が可能であっても、相当数の人口異動を伴う場合は分割による改定を行うなどの基準を、必要最小限の改定にとどめるための基準として追加した次第であります。
最後に、第三の、改定案作成の作業手順ですが、これにつきましては、具体的な区割りの改定作業を行っていく際の作業の流れを示したものであります。
具体的には、鳥取県については、各選挙区の人口格差二倍未満の基準となるため、他の都道府県よりも先行して審議を行い、区割り改定原案を作成することといたしました。結果としまして、今回、鳥取県は一区と二区の人口が極めて均衡していることから、見直しは行わず、現状を維持することといたしました。
次いで、選挙区の数が減少することとなる六県については、県内の選挙区のうち人口が最も少ないもの、言いかえれば一票の価値が最も重くなっている選挙区に注目いたしまして、それを手がかりとし、改定案を作成する。
そのほか、選挙区の数の増減がなく、格差二倍以上の選挙区が多数存在する東京都につきましては、改定案の作成に当たって手がかりとする選挙区の決め方を明記いたしまして、それによって決められた選挙区から順次調整を図っていくこと。さらに、作業の結果得られた区割りの改定案が合理的かつ整合性のとれたものになっているかどうかの総合的な検討を行うことなどをこの方針においては示しております。
以上が、区割りの改定案の作成方針の概要でございます。
そこで、次に、勧告いたしました区割りの改定案の概要について御説明をいたします。
最初に、都道府県別定数の異動ですが、これは衆議院選挙制度改革関連法で定められているものでありまして、〇増六減によりまして、青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島の六県で一減となっております。
次に、今回の改定案で変更される選挙区の数は、十九都道府県で九十七選挙区となります。
その選挙区の内訳は、衆議院選挙制度改革関連法で定める区分によりますと、まず、選挙区の数が減少することとなる県の区域内の選挙区として、先ほど申し上げた六県の二十七選挙区。
次に、格差二倍未満等の人口基準に適合しない選挙区の改定に伴うものとして、鳥取県の人口最少選挙区との格差が二倍以上である選挙区とその隣接選挙区等で、具体的には埼玉県、東京都、神奈川県などの十都道府県五十六選挙区です。
そして次が、鳥取県の人口最少選挙区の人口を下回る選挙区とその隣接選挙区ということで、宮城県、福島県、愛媛県、長崎県の四県十一選挙区がございます。
そのほか、北海道の総合振興局の区域との整合を図るためのものとして、北海道の三選挙区。
以上の選挙区を改定するということになっております。
人口最少選挙区との格差が二倍以上となる選挙区の数につきましてですが、現在ですと平成二十七年日本国民の人口で三十二選挙区ございますが、今回の改定案においては、平成二十七年日本国民の人口及び平成三十二年見込み人口でいずれもゼロとなり、格差二倍以上の選挙区は解消されるということになっております。
また、最大人口格差の方ですが、現在、平成二十七年日本国民の人口で二・一七六倍になっておりますが、今回の改定案におきましては、平成二十七年日本国民の人口でいいますと一・九五六倍となりまして、過去の区割り改定と比べて最も格差を縮減することとしております。また、今後の五年間においても格差が二倍以上とならないよう見直しをしておりますことから、平成三十二年見込み人口でも二倍を下回っており、一・九九九倍となっております。
今回の改定案におけるもう一つは、分割市区町でございます。改定対象となる九十七選挙区における分割市区町の状況でございますが、分割が解消される市区町が九、新たに分割される市区が二十六で、全体としては十七増の百五となっております。
最後でございますが、今回の区割り改定について総括的に申し上げますと、今回の区割り改定は、衆議院選挙制度改革関連法により、次回見直しまでの五年間を通じて格差が二倍未満となるよう、平成三十二年見込み人口においても格差を二倍未満とすることが求められておりまして、平成三十二年国勢調査までの緊急是正措置ではありますが、結果として改定対象選挙区の数は約百選挙区にも及ぶものとなりました。
また、改定案の作成に当たりましては、地域のさまざまな事情を考慮して、つぶさに見直しを検討する必要がありました。
改定対象選挙区の構成市区から、分割に反対する声も多く聞かれたところであります。どのような改定を行うことが最善かということに審議会としては相当腐心したところでございます。
例えば、東京都などの都市部におきましては、格差が二倍以上もしくは二倍近くである選挙区が林立しておりまして、市区の分割が避けがたいという状況がございました。また、被災地である選挙区や人口減少の選挙区などの見直しにつきましても、被災地の状況や地域のつながりを考慮することに審議会としては極力配意したところでございます。
そうした状況はそれぞれございましたが、私どもとしては、鋭意調査審議に努め、当審議会として最善と考える改定案を取りまとめたところであります。
何とぞ、その点、御理解のほどよろしくお願いいたします。
以上で、私からの審議の経過と勧告の概要説明を終わらせていただきます。(拍手)