2017-05-31
衆議院
細田博之
政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
細田博之の発言 (政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○細田(博)委員 ありがとうございます。
このたび、〇増十減、定数十減と、それから格差是正、一票の格差是正を基本とする改正案が、具体的に去年の改正法に基づいて、区割りも含めて実現するということで、質問をさせていただきたいと思います。
そもそも格差の問題は、御存じのように、憲法十四条におきまして、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」当初はこの条文は行政と司法だけを拘束するという説がありましたが、その後、今日は、立法者も拘束する、三権の全ても拘束するということが定説になっているわけでございます。特に定数の不均衡問題は、参政権という民主主義の根幹を支える権利のまさに侵害であるということから、より厳しい判決が下っているわけでございます。
戦後初めての総選挙は、男女ともに参政権が与えられて初の選挙が昭和二十一年の四月十日に行われました。そのときは、現在は高市大臣初め女性代議士も多いわけでございますが、当初の選挙で三十九人の女性代議士が誕生した。それが初めての選挙で、女性にとって初の投票権、初の被選挙権が設定されたわけでございます。
ところが、当時の格差でいえば、ほとんど人口的には均等割に近かったわけでございますが、当時の昭和二十年の人口から戦後大変な急増が起こり、そして大都市部はさらに大きくなった、大集中をしたわけですね。
当時の総人口は七千万人強でございました。戦災とかいろいろなことがあり、疎開をしている人もいる。そういう状況でしたが、東京都の人口は三百四十八万人でした。今何人かというと千三百五十万人ですから、四倍近くなっているわけですね。ずっと一億二千万まで達して、都会化が進み、東京だけではなくて都市部に人口が集中した。
他方、新潟県などをとってみると、米どころですから、戦後はたくさん人がおりました、農業に従事したり疎開をしたりして。その人口は二百三十九万人でした。先般の平成二十七年人口で何人だったかというと、二百三十万人。昭和二十年より平成二十七年の方が八万人も減っているわけでございます。
そういう人口が変化をする中で、この選挙区格差の問題は、先輩たちがいろいろ苦労して、格差を是正するためにどういうことが行われてきたかというと、中選挙区制の時代では、四百六十六人であった戦後の定数、奄美復帰、沖縄復帰でふえた面もありますが、むしろ定数増でもって大都会部分は対応してきたわけでございます。そして、最大のときには五百十二人の定数にまで来て、大体四十五人ふやしてきたわけでございます。しかしながら、それでなかなか追いつかずに、中選挙区の格差は、当時判決が出ておりますが、六十三年の判決では、当日の人口で二・九二倍、これを合憲と判断したわけでございます。
それが、平成八年にかわりまして、五百人、しかし小選挙区が三百ということになったわけで、そうなった経緯は、自民党で金権政治批判、その他政治改革が起こりまして、小選挙区制度が望ましいということで、小選挙区比例代表並立制が導入されたわけでございます。
しかし、最初は、やはり激変緩和であると。例えば島根県の五区五人は、定数が二になっても大変であるということで、各県一割り振りということが行われて、定数が三になりました。高知県なども同じでございます。その激変緩和の結果、きょうお配りしているこの表がございまして、御参考まででございますが、平成六年の区割りでは二・一三七倍の格差でございました。そして三百選挙区。
ところが、その後、比例定数が減ったり、これは格差と関係ございませんが、やはり修正を加えなければならない、違憲状態判決が出るということで対応して、平成十四年には二・〇六四倍、平成二十五年には一・九九八倍にしたわけで、国勢調査上二倍を初めて切ったわけでございます。
二倍を一倍にしろという説はありますが、これは数学的に難しゅうございまして、例えば、鳥取県というのは五十七万人しかいませんから、五十七万人で一議席にすれば、全定数は二百十幾つになるんです、小選挙区の定数は。ところが、鳥取県の定数を二にすると、全定数はその倍の四百四十近くになる。つまり、実際の定数は三百弱ですから、その間でどうしても格差が生ずる。これはアメリカ合衆国下院においても同じでございまして、小さな州、バーモント州と、カリフォルニア州やニューヨーク州の格差は一・八八倍になっているんですね。日本でもこれは、結果として東京と鳥取県の格差は、この都道府県別格差であるように、一・八倍台で今回もなっているわけでございます。
そして、今回の改正で画期的なことは、今後の五年間の国勢調査の推移も加味しようと。なぜなら、前回の判決で、一・九九八倍にしたにもかかわらず、東北、宮城県で二万人の宮城五区の人口減があった、被災地でございましたからそういうことがあった、しかし形式的には二・一倍強になった。これも違憲状態であるという判決が出ました。私は賛成しかねるわけでございますけれども。それは、ベースとしては国勢調査で考えなきゃいけないじゃないか、そういうことでございますが。
それはともかくとして、我々国会は、最初に申しました憲法の解釈から見て、違憲状態であると言われること自体は国会の恥でもあるし、それから、全ての立法の根拠について疑いが持たれる。したがって、断固衆議院としては格差を是正していって、最高裁判決の線に沿っていかなければならない。それでまさに前回も二倍未満を達成しているわけでございますが、それでも人口変化がその後あるじゃないかということですので、今回は、人口異動推計を次の国勢調査に対しても行って、それも加味するという法律を昨年通して、それに基づいて区割り変更を行っている。
このような考え方の推移というのは、次々に、一歩ずつではありますが、進化してきて、そして、これで少なくとも今の違憲判決が指摘する問題については、ようやく四回の改正を経て解決していく。しかし、もちろん小選挙区制度自体の問題点もございますし、今後どういう選挙制度がいいかというのは各党によっても意見が違いますから、我々としてはいろいろ検討を今後していかなきゃならないと思います。
そこで、論点として、まず一つ、これは選挙部長で結構ですが、質問いたします。
国勢調査人口、そして住民基本台帳人口とか有権者人口とか、いろいろなことが言われておりますが、日本では政府の公式統計というのは国勢調査ですから、やはり国勢調査に基づいて法のもとの平等を議論するのは国政としては当然の判断ではないかと思います。
それから、有権者人口という議論もありますけれども、憲法の十四条の根拠というのは子供も含めた権利であるということを考えれば国民人口であって、有権者の数が、例えば地方の方が高齢者の割合が大きいとか、そういうもので格差を考えるべきではなくて、やはり子供を含めた国民の統計によるということを基本とすべきである。これは学説はほとんどそういうふうになっております。
この点は、選挙部長、総務省にお伺いするけれども、小選挙区の区割りについて国勢調査を用いることとしている理由を簡単に言ってください。