政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

2017-05-31 衆議院 全265発言

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会議録情報#0
平成二十九年五月三十一日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 竹本 直一君
   理事 あべ 俊子君 理事 岩屋  毅君
   理事 奥野 信亮君 理事 神田 憲次君
   理事 山下 貴司君 理事 落合 貴之君
   理事 牧  義夫君 理事 佐藤 茂樹君
      秋本 真利君    安藤  裕君
      今枝宗一郎君   うえの賢一郎君
      大野敬太郎君    鬼木  誠君
      加藤 寛治君    門  博文君
      門山 宏哲君    小松  裕君
      國場幸之助君    今野 智博君
      坂本 哲志君    白須賀貴樹君
      助田 重義君    瀬戸 隆一君
      寺田  稔君    長尾  敬君
      鳩山 二郎君    平沢 勝栄君
      藤原  崇君    古川  康君
      細田 博之君    牧原 秀樹君
      宮内 秀樹君    宮川 典子君
      務台 俊介君    山田 美樹君
      山本  拓君    和田 義明君
      緒方林太郎君    岡田 克也君
      吉良 州司君    黒岩 宇洋君
      後藤 祐一君    階   猛君
      篠原  孝君    田島 一成君
      馬淵 澄夫君    升田世喜男君
      松田 直久君    國重  徹君
      富田 茂之君    吉田 宣弘君
      穀田 恵二君    塩川 鉄也君
      浦野 靖人君    椎木  保君
    …………………………………
   総務大臣         高市 早苗君
   総務副大臣        原田 憲治君
   総務大臣政務官      冨樫 博之君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   文部科学大臣政務官    樋口 尚也君
   最高裁判所事務総局民事局長
   兼最高裁判所事務総局行政局長           平田  豊君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  安田  充君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部長)           大泉 淳一君
   政府参考人
   (総務省統計局長)    会田 雅人君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 武笠 圭志君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官)    佐藤 安紀君
   衆議院調査局第二特別調査室長           荒川  敦君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十一日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     秋本 真利君
  うえの賢一郎君    安藤  裕君
  小松  裕君     藤原  崇君
  白須賀貴樹君     宮川 典子君
  古川  康君     加藤 寛治君
  牧原 秀樹君     細田 博之君
  宮内 秀樹君     鳩山 二郎君
  和田 義明君     山田 美樹君
  岡田 克也君     松田 直久君
  黒岩 宇洋君     升田世喜男君
  篠原  孝君     階   猛君
  田島 一成君     後藤 祐一君
  馬淵 澄夫君     緒方林太郎君
  富田 茂之君     吉田 宣弘君
同日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     今枝宗一郎君
  安藤  裕君     うえの賢一郎君
  加藤 寛治君     門  博文君
  鳩山 二郎君     國場幸之助君
  藤原  崇君     小松  裕君
  細田 博之君     牧原 秀樹君
  宮川 典子君     白須賀貴樹君
  山田 美樹君     和田 義明君
  緒方林太郎君     馬淵 澄夫君
  後藤 祐一君     田島 一成君
  階   猛君     篠原  孝君
  升田世喜男君     黒岩 宇洋君
  松田 直久君     岡田 克也君
  吉田 宣弘君     富田 茂之君
同日
 辞任         補欠選任
  門  博文君     古川  康君
  國場幸之助君     大野敬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     宮内 秀樹君
    ―――――――――――――
五月三十日
 政党助成金の廃止に関する請願(畠山和也君紹介)(第一四五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六五号)
     ――――◇―――――
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竹本直一#1
○竹本委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、衆議院議員選挙区画定審議会設置法及び公職選挙法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局長安田充君、総務省自治行政局選挙部長大泉淳一君、総務省統計局長会田雅人君、法務省大臣官房審議官武笠圭志君、文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君、文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官佐藤安紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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竹本直一#2
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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竹本直一#3
○竹本委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局民事局長兼行政局長平田豊君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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竹本直一#4
○竹本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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竹本直一#5
○竹本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田博之君。
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細田博之#6
○細田(博)委員 ありがとうございます。
 このたび、〇増十減、定数十減と、それから格差是正、一票の格差是正を基本とする改正案が、具体的に去年の改正法に基づいて、区割りも含めて実現するということで、質問をさせていただきたいと思います。
 そもそも格差の問題は、御存じのように、憲法十四条におきまして、「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」当初はこの条文は行政と司法だけを拘束するという説がありましたが、その後、今日は、立法者も拘束する、三権の全ても拘束するということが定説になっているわけでございます。特に定数の不均衡問題は、参政権という民主主義の根幹を支える権利のまさに侵害であるということから、より厳しい判決が下っているわけでございます。
 戦後初めての総選挙は、男女ともに参政権が与えられて初の選挙が昭和二十一年の四月十日に行われました。そのときは、現在は高市大臣初め女性代議士も多いわけでございますが、当初の選挙で三十九人の女性代議士が誕生した。それが初めての選挙で、女性にとって初の投票権、初の被選挙権が設定されたわけでございます。
 ところが、当時の格差でいえば、ほとんど人口的には均等割に近かったわけでございますが、当時の昭和二十年の人口から戦後大変な急増が起こり、そして大都市部はさらに大きくなった、大集中をしたわけですね。
 当時の総人口は七千万人強でございました。戦災とかいろいろなことがあり、疎開をしている人もいる。そういう状況でしたが、東京都の人口は三百四十八万人でした。今何人かというと千三百五十万人ですから、四倍近くなっているわけですね。ずっと一億二千万まで達して、都会化が進み、東京だけではなくて都市部に人口が集中した。
 他方、新潟県などをとってみると、米どころですから、戦後はたくさん人がおりました、農業に従事したり疎開をしたりして。その人口は二百三十九万人でした。先般の平成二十七年人口で何人だったかというと、二百三十万人。昭和二十年より平成二十七年の方が八万人も減っているわけでございます。
 そういう人口が変化をする中で、この選挙区格差の問題は、先輩たちがいろいろ苦労して、格差を是正するためにどういうことが行われてきたかというと、中選挙区制の時代では、四百六十六人であった戦後の定数、奄美復帰、沖縄復帰でふえた面もありますが、むしろ定数増でもって大都会部分は対応してきたわけでございます。そして、最大のときには五百十二人の定数にまで来て、大体四十五人ふやしてきたわけでございます。しかしながら、それでなかなか追いつかずに、中選挙区の格差は、当時判決が出ておりますが、六十三年の判決では、当日の人口で二・九二倍、これを合憲と判断したわけでございます。
 それが、平成八年にかわりまして、五百人、しかし小選挙区が三百ということになったわけで、そうなった経緯は、自民党で金権政治批判、その他政治改革が起こりまして、小選挙区制度が望ましいということで、小選挙区比例代表並立制が導入されたわけでございます。
 しかし、最初は、やはり激変緩和であると。例えば島根県の五区五人は、定数が二になっても大変であるということで、各県一割り振りということが行われて、定数が三になりました。高知県なども同じでございます。その激変緩和の結果、きょうお配りしているこの表がございまして、御参考まででございますが、平成六年の区割りでは二・一三七倍の格差でございました。そして三百選挙区。
 ところが、その後、比例定数が減ったり、これは格差と関係ございませんが、やはり修正を加えなければならない、違憲状態判決が出るということで対応して、平成十四年には二・〇六四倍、平成二十五年には一・九九八倍にしたわけで、国勢調査上二倍を初めて切ったわけでございます。
 二倍を一倍にしろという説はありますが、これは数学的に難しゅうございまして、例えば、鳥取県というのは五十七万人しかいませんから、五十七万人で一議席にすれば、全定数は二百十幾つになるんです、小選挙区の定数は。ところが、鳥取県の定数を二にすると、全定数はその倍の四百四十近くになる。つまり、実際の定数は三百弱ですから、その間でどうしても格差が生ずる。これはアメリカ合衆国下院においても同じでございまして、小さな州、バーモント州と、カリフォルニア州やニューヨーク州の格差は一・八八倍になっているんですね。日本でもこれは、結果として東京と鳥取県の格差は、この都道府県別格差であるように、一・八倍台で今回もなっているわけでございます。
 そして、今回の改正で画期的なことは、今後の五年間の国勢調査の推移も加味しようと。なぜなら、前回の判決で、一・九九八倍にしたにもかかわらず、東北、宮城県で二万人の宮城五区の人口減があった、被災地でございましたからそういうことがあった、しかし形式的には二・一倍強になった。これも違憲状態であるという判決が出ました。私は賛成しかねるわけでございますけれども。それは、ベースとしては国勢調査で考えなきゃいけないじゃないか、そういうことでございますが。
 それはともかくとして、我々国会は、最初に申しました憲法の解釈から見て、違憲状態であると言われること自体は国会の恥でもあるし、それから、全ての立法の根拠について疑いが持たれる。したがって、断固衆議院としては格差を是正していって、最高裁判決の線に沿っていかなければならない。それでまさに前回も二倍未満を達成しているわけでございますが、それでも人口変化がその後あるじゃないかということですので、今回は、人口異動推計を次の国勢調査に対しても行って、それも加味するという法律を昨年通して、それに基づいて区割り変更を行っている。
 このような考え方の推移というのは、次々に、一歩ずつではありますが、進化してきて、そして、これで少なくとも今の違憲判決が指摘する問題については、ようやく四回の改正を経て解決していく。しかし、もちろん小選挙区制度自体の問題点もございますし、今後どういう選挙制度がいいかというのは各党によっても意見が違いますから、我々としてはいろいろ検討を今後していかなきゃならないと思います。
 そこで、論点として、まず一つ、これは選挙部長で結構ですが、質問いたします。
 国勢調査人口、そして住民基本台帳人口とか有権者人口とか、いろいろなことが言われておりますが、日本では政府の公式統計というのは国勢調査ですから、やはり国勢調査に基づいて法のもとの平等を議論するのは国政としては当然の判断ではないかと思います。
 それから、有権者人口という議論もありますけれども、憲法の十四条の根拠というのは子供も含めた権利であるということを考えれば国民人口であって、有権者の数が、例えば地方の方が高齢者の割合が大きいとか、そういうもので格差を考えるべきではなくて、やはり子供を含めた国民の統計によるということを基本とすべきである。これは学説はほとんどそういうふうになっております。
 この点は、選挙部長、総務省にお伺いするけれども、小選挙区の区割りについて国勢調査を用いることとしている理由を簡単に言ってください。
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大泉淳一#7
○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の区割りにつきましては、昨年の衆議院選挙制度改革関連法に基づきまして、衆議院小選挙区の各都道府県の定数配分とそれから区割りの改定案の作成の基準として、最近の、直近の国勢調査の結果による日本国民人口を用いることとしておるところでございます。
 この点、国勢調査でございますが、従来から、衆議院小選挙区の定数配分あるいは区割りの改定につきましては、国勢調査人口は人口の把握そのものを目的として統計法、法令に基づき国が全国一斉に行う実地調査による人口であり、確度が高いということ、それから、衆議院議員の定数配分につきましては、大正十四年の衆議院議員選挙以来一貫して国勢調査人口を基準として行われてきていること、それから、国勢調査は五年に一度なわけでございますが、議員の定数配分についてはある程度の安定性を要することなどの理由により、国勢調査人口が従前からも使われてきていると承知しております。
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細田博之#8
○細田(博)委員 国勢調査にはもう一つの問題がございます。それは、従来、各戸別に配付して各戸別に集めておりますから、日本に住む外国人の人口が含まれておるわけでございます。
 しかし、これは投票権がないわけですから、本来は除外すべきである、投票権がない人を母数に加えて格差というのは全く無意味でありますからという指摘はかねてしておりましたが、調査のときに、一〇〇%日本国民であるか、そうでないかという判断をしていなかったものですから、ただ自由に書き込んでいいということだったものですから、統計局にお願いして、今回の数字を出す前提として、若干ずれましたけれども、日本国民の人口というのを正確に選挙区ごとに出すように依頼を数年前からして、それが実現しておるわけでございます。
 例えば、全国で、外国人で日本で国勢調査に答えている者は、実に、もはや百七十五万人おりまして、有権者というか、人口の一・五%近くなっているわけです。コンビニへ行けばみんな外国人が働いているような時代になっておりますから、これは当然除外すべきである。
 そこで、今回の区割りについては、当然、外国人人口を除いてそれを計算したと思いますが、総務省、どのようにして行ったのか、質問をいたします。
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大泉淳一#9
○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 これは、昨年五月に成立しました衆議院議員選挙制度改革関連法に基づきまして、総人口から日本国民人口を用いるということに改正されたことによるものでございますけれども、これは、国政選挙は主権者たる国民の代表を選ぶものであって、日本国民のみが国政選挙の選挙権を有すること、それから、先ほど細田先生からありましたとおり、近年、外国人の人口が増加して、一票の格差に関しても非常に重要な要素となっているというようなことを踏まえて改正がされたものでございまして、今回の区割り改定法につきましても、この法律に従って、日本国民人口を用いているものでございます。
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細田博之#10
○細田(博)委員 今回は、したがって、日本人人口が確定的に出た、それをもとにまた区割りをやっていますから、東京一区のように非常に外国人人口の多いところは、見かけは非常に、二倍をかなり超えて、相当切らなくちゃいけないような状態でございますが、実質はそれほどではなかった。もちろん切る必要はあったわけでございますが、そういうことですね。
 そこで、私は、統計局にもお願いをしまして、速報値から実際の値が、日本人人口が出るまで今まで八カ月近くもかかって、半年以上かかっておりましたから、最初に発表するときは格差何倍と大きく出て、実際の日本人人口が出ると小さくなる、そういうことをやると誤解も生ずるので、最初から日本人人口を公表しろ、そのための調査をしっかり積み上げろということを要望してきたわけです。
 統計局長、大分御検討を前向きにしていただいたようですが、次の国調についてはどういう体制でございますか。
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会田雅人#11
○会田政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇一五年の平成二十七年国勢調査におきましては、調査実施から四カ月後に総人口と世帯数を速報値として公表しまして、一年後に総人口や、その内訳であります日本人人口などを確報値として公表いたしました。
 衆議院議員選挙区改定案の作成に直近の国勢調査結果に基づく日本国民の人口を用いることとなったことを受けまして、二〇二〇年の国勢調査におきましては、総人口から外国人人口を除きました日本国民の人口を特別集計しまして、二〇一五年のときよりも早期になります、最初の公表である速報の段階で公表することといたしております。
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細田博之#12
○細田(博)委員 統計局もそのような体制を組んでいただいているということで、細かいことのようですが、もう無視できない数字でもありますし、外国人統計もいろいろ有用な使い道がありますから、そのように措置するということは大変大事だと思っております。
 そして、大事なことは、今回の法改正というのは、常に、次の国勢調査に対して、各選挙区ごとの人口趨勢を見て、大都市部は多少ふえるだろう、地方部は相当人口が減る、一番小さな鳥取二区、鳥取一区がどのぐらいになるかということが格差の原点でございますから、それで、鳥取一区なり二区を定数一としたときに、東京が、一番大きいところの格差がどのぐらいになるかということを推計しないと、油断をするとまた憲法違反状態になる、それは避けねばならないということで措置がされている。
 条文上はそういうことでありますから、平成六年に、当時の細川内閣が、いわゆる七党、七会派の政治改革論で小選挙区比例代表並立制ができて、そのときからずっと存在する憲法問題がようやく基本的には解決する。その他の問題まで解決するわけじゃないけれども、肝心の、衆議院議員あるいは衆議院のあり方が憲法違反状態じゃないかと言われることはない状態になっている。
 しかし、考えてみると、参議院が、これは参議院で今議論されていると思いますが、鳥取県という五十七万人の県で一名出しますと、今度は、それで二倍未満にしようと思うと、東京都は十人選ばなきゃいけないということになる。
 それで、この間の参議院の選挙は、合区問題ということで、鳥取と島根、高知と徳島は合区をした。しかし、このままほっておくと、二十の選挙区でこれから合区をしなければならないといった大問題が発生するわけです。今までのものを含めて、例えば愛媛と香川とか、石川と福井だとか、和歌山とどこかとか、長崎とどこかとか、全部合区をしなければその二倍問題は解決しない。
 これは、やはり憲法の改正、地方自治と法のもとの平等も含めて、基本的に、せっかく憲法改正議論が行われるわけでございますから、こういったことは我々も検討しなきゃいけません。政党側も検討しなきゃいけませんし、それから最高裁の方も考えてもらわなきゃいけないんですね。
 形式論で、この間までの判決は、合区をしなさい、衆議院も参議院も変わりありません、二倍未満にしなさいと簡単に言っていますけれども、そうすると政治そのものの仕組みがやはり壊れてしまうということで、二十と言っているのはかつての民主党案で、参議院の選挙法改正のときには、二十の県を合区しろという提案がありました。
 しかし、二つやってみると、地方は、今の党じゃありませんが、前の党で、民主党でそういう案がとりあえず出たわけでございますが、やはりよく考えていかなければならない。これは特に質問いたしません。我々国会の問題でございますから。
 それから、もう一つの問題は、今回、安倍総理が、党首討論の結果、国会議員の数はとにかく定数削減するんだ、どうでしょうかと言われて、そうですねと言った、まあいろいろな経緯があって、定数削減を常にすべきだすべきだという議論が長い間行われてきた。
 佐々木調査会では、日本は決して定数は多過ぎない、アメリカ合衆国下院は膨大な人口がありますから例外とすれば、ヨーロッパその他の国から見ると国会議員の数は多過ぎない、しかし、そんなにやりたいんなら十減したらどうだといって十減に今度なるわけで、具体的に県ごとに割り振りするわけですね。その結果として、定数が小選挙区の場合は六減するわけです。
 高市総務大臣の地元の奈良も、何か格差とは余り関係ないのに、アダムズ方式とやらという数式によって、一減もやむを得ないでしょう、のみなさいと。奥野議員もおられますけれども、そういうことになっているわけですが、これから、法律で書いてありますから、見直し条項はありますが、そのとおりやると、さらに九増九減しなきゃいけないんですね。
 今回でも、被災地の青森や岩手や、奈良や三重や熊本、鹿児島も。私は、本当は民主主義の原則からいうと気の毒だなと思っているわけですが、それがさらに宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、広島、山口、愛媛、長崎と九減しなくちゃいけない。
 それは何のためにやるかというと、東京が四増、神奈川二増、埼玉、千葉、愛知を一増するためにやる。東京が大きいことは事実ですが、計算方式によるとそうなっちゃう。地方の国政に対する意見が、五人区が四人になり、四人区が三人になり、和歌山県は三人区が二人区になる。そういう内容が、今、法律的には決められて、みんなでわっしょわっしょと去年決めたわけですが。
 それで、総務大臣も被害者として伺いますけれども、何でこうなっているんだろうか。決めたことだからしようがないというのは一つのあれだけれども、決めたことならしようがないのか。やはり民主主義の基本と憲法十四条の格差の議論というのはバランスがとられなきゃいけない。参議院もこれからそうですね、地方自治との関係と。
 したがって、総務大臣に唯一の質問ですが、その辺の御感想を、実際に定数削減にこれからなる、もうこの法案が通れば一減を現にやらなきゃいけない、そういうお立場と総務大臣としてのお立場の葛藤があるかもしれませんが、ちょっとお気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
 地方の立場というのはもうちょっと大切にしないと。さっき言ったように、東京は人口が戦後これほど増加して、地方はどんどん減っている。それで、また地方の国会議員を減らして代表の意見を減らすということ自体について、思想的にちょっと私は受け入れがたい点があるんですが、どうぞ。
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高市早苗#13
○高市国務大臣 地方の小選挙区の定数が削減されることを懸念する意見があるということについては、承知をいたしております。
 総務省としては、やはり地方創生を進めて地方への人の流れをつくり出していくという取り組みも非常に重要だと考えております。
 しかしながら、今回御審議を賜っております法律案でございますが、議員立法によって平成二十八年五月に成立した衆議院選挙制度改革関連法においては、衆議院議員の定数削減や一票の格差を是正することが規定されており、この法律に基づいて作成し、御審議をお願いしているというものでございます。
 各都道府県への小選挙区の定数配分の方法も含めまして、衆議院の選挙制度のあり方については、議会政治の根幹にかかわる重要な問題でございますので、これは各党各会派で御議論いただくべき事柄だと考えております。
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細田博之#14
○細田(博)委員 参議院の問題が大きな問題を含んでいるということは、先ほど申しました。単純に二倍未満とすることは、七十三議席しかない選挙区選挙においては難しい。だから、合区をするかしないか。すると、都道府県の代表という性格が失われる。それでいいのかどうかということで、今、全国知事会は、むしろ反対である、何とか工夫してほしいということを言っているわけですね。
 また、衆議院の場合も、今後の検討事項が入っておりますけれども、これで十減をして、定数もそこまで削減した。そして、それでももっと、あと何十もやれと言う人はありますし、いつぞやのマニフェストで、本当は八十減らさなきゃいかぬと言った党もあった、今はない党ではございますが。
 しかし、余り減らすことばかり言っていることは、議会が逆に弱体化する原因にもなるので、法律上の見直し論も含めて、特に総務省は地方自治というものを所管しており、知事会、市長会その他からさまざまな要請が出ているわけですから、選挙部長、この点については何か考えがあるかどうか、答弁を願います。
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大泉淳一#15
○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 非常に重たい質問でございますが、衆議院及び参議院の選挙制度のあり方につきましては、いずれも国会における審議や各党各会派における議論の積み重ねの中で現在のような制度となっております。小選挙区比例代表並立制が平成六年に成立しまして、そのとき、同じ年に、参議院の選挙区の定数是正が何増何減という方式を初めて採用したのもまた平成六年でございまして、その後もずっと議論がされているというようなところと承知はしております。
 いずれにいたしましても、議会政治の根幹にかかわる重要な問題でありますので、各党各会派において御議論いただくべき事柄と考えております。
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細田博之#16
○細田(博)委員 今度の三年後の国調に基づくアダムズ方式による定数増減で、肝は、やはり最も格差の大きな東京都を四増することに結果的になる。人口統計によって、計算値で変わってくるんですが。東京都の選挙区というのは今二十五区あって、実はきれいに分かれているんです、市区町村が。大田区を二つに分けざるを得ないから大田区と品川区、目黒区と世田谷区、練馬区と豊島区、北区と足立区、江戸川区と葛飾区、この五つだけが、人口が圧倒的に多いところですから、二つにまたがって一つの区にするということでおさまっている。港、千代田、新宿もそうだ。
 ところが、今回、格差ということに着目しただけでほとんどの市区町村が、例えば板橋区も切れる、それから杉並区も切れる、それから世田谷区なんかは三つに切れて、そして、渋谷区や新宿区は何かずたずたになっていろいろなところが入ってくる。そういう区割りを強いる。いわば特別区といえども一つの自治を形成しているわけですから、そういうことになって非常に形式的なことになる。これを四増すると、東京都の区割りは全てめちゃくちゃになりますよ。それはもう予想の範囲内なんだ。
 それも含めて、私は、地方自治の実態から見て何がいいのかという観点で、もう一度、自治制度と投票制度、特に衆議院の制度をどう考えるかということについてはよく検討してもらいたいと思いますが、選挙部長から答弁を願います。
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大泉淳一#17
○大泉政府参考人 先ほど申し上げましたけれども、議会政治の根幹にかかわる重要な問題でございますので、まず各党各会派において御議論いただくべき事柄と考えております。
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細田博之#18
○細田(博)委員 最後になりましたが、そういった、やってみろということでやってみるわけでございますが、それぞれ制度というのは、それぞれの問題点を包含しているわけですから、我々国会も実態に即して再検討をしていく必要もある。
 小選挙区至上論者もおられますよ。その場合には、格差至上論者、そして、できるだけ都会をふやせと言う人もいるかもしれない。しかし、地方の人の権利もちゃんと保護しなきゃならない。そもそも党によっては、小選挙区制も、ぎりぎりやっても、これはよろしくない、定数も減らし、民意を代表する部分が小さくなり過ぎる、だから反対であると。うなずいておられる党もありますけれども。
 だんだん政党の数が大きくなってくると、少数政党ほど不利になるような制度なんです、これは。時に政権交代が起こるという意味では当初の目的は達成しているけれども、少数政党にとっては明らかに不利な制度でございますから、それをどうするかということも含めて、やはり今後、選挙法というのはよく考えていくべき問題である、憲法だけではない、政治の実態、民意の反映という意味で考えるべきであると思います。
 以上、質問を終わります。
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竹本直一#19
○竹本委員長 次に、藤原崇君。
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藤原崇#20
○藤原委員 自由民主党の衆議院の藤原であります。
 私の方からも、今回の公職選挙法の改正について質問をさせていただきたいと思っております。
 私としては、この一票の格差の問題、非常に難しい問題があるんだろうと思っております。ただ、法律そのものではなくて、その前提となる最高裁の裁判のあり方、あるいは法務省の裁判の進め方、そういう点を中心にお聞きをしていきたいと思っております。
 まず、前提として、総務省にお伺いをしますが、今回の区割り再編で市区町村の分割はどれくらい生じたか、改定前の数字とあわせて示していただきたい。そして、新たに分割される市区町村について、当該市区町村の首長や議会からどれくらい抗議があったか、そのことをお示しください。
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大泉淳一#21
○大泉政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の区割りの改定案では、分割市区町の数が、従来八十八でございましたが、十七増加して百五となるということとなっております。この内訳でございますが、定数が減少する県におきましては、九の市と町の分割が解消された一方で、その他の都道府県においては、都市部を中心に二十六の市区が新たに分割されて十七増加するということとなっております。
 また、市区町村からの、市の区域を分割しないように求める要望書、意見書などにつきましては、分割の可能性のあった市も含めまして、勧告の前後でございますが、全部で十四の団体から提出がございました。そのうち、今回の区割り改定案により新たに分割等をされた二十六のうちにおいては六市から要望書等の提出があったということでございます。
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藤原崇#22
○藤原委員 ありがとうございます。
 今回の区割りの改定でさらに分割がふえた、それについては、一部の市区町村からは、そういうことはしないでいただきたい、やはりそういう要望もあったということであります。
 ただ、この区割りをどうするかということは、やはり一票の格差をどう是正するかということが至上命題でありますので、二倍以内にしなければいけないと考えるとどうしても分割は避けられないということになります。
 その点を翻って見ますと、そもそも二倍以内というのが必ずしも正しいのか。最高裁の判決がある以上、正しいということになるんだとは思うんですが、ただ、憲法の解釈として本当にそれが正しい解釈なのかという点が問題になるんだろうと思っております。
 そういう意味で、最高裁にお聞きをします。
 一票の格差訴訟を例にとってみますと、最高裁の二倍以内にという判例の結果、実質的に、市区町村の分割が避けられない状況になっています。これについては、先ほどのとおり、各地域の首長さん方などからネガティブな意見も出されております。
 一般論としてお尋ねをしますけれども、裁判所の判決に従って国の政策が大きく動く、結果的にそれによってある面でマイナスの影響が出てしまった場合、そのことについて裁判所はどうお考えでしょうか。
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平田豊#23
○平田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 一般論としましては、判決の中には大きな社会的意義を持つものがあり、このような判決が社会にさまざまな影響を及ぼす可能性があるということは認識しておりますし、個々の裁判体におきましては、判決が社会に及ぼすさまざまな影響につきまして慎重に考慮した上で審理、判断するよう努めているものと考えております。
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藤原崇#24
○藤原委員 ありがとうございました。
 そういうのも含めてということでありますが、今回の区割り改定について、各県の知事に意見の聴取を総務省の方でしておると思います。何点か紹介をしたいと思います。
 福島県であります。「関係町村の意見」。「一票の格差の点については、合区や区割り変更の考え方も理解できるが、国会議員が日本国のために活動するための多くのヒントは、日本全国各地の風土や文化などにも多く隠されていると考える。このような観点から、各地域に均等な選挙区配分と一票の格差にとらわれない選挙制度の確立を要望する。」
 別なところです。「地方の声がますます届かなくなることは明白である。近年消滅自治体が象徴的な言葉となっているが、地方と大都市圏の格差は多方面にわたっており、選挙での一票の格差以上に地方は厳しい現実に晒されている。」
 それから、また別の県です。「前回の区割り改定により佐世保市の一部が四区から三区に分断され、住民の混乱が懸念されておりましたが、実際に分断された地区において、分断後初めて行われた平成二十六年の衆議院議員選挙における投票率の低下や無効票の増加という傾向が見受けられました。」
 このように、実際、県の知事さん方の意見の中でもマイナスの影響というのが指摘をされている。
 そのことを踏まえての判決だというお話がありましたけれども、結果的にマイナスの影響が生じた場合、それについて裁判所が責任をとる、あるいは是正をするということは、現行の三権分立の中で想定されているんでしょうか。
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平田豊#25
○平田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 これもやはり一般論ということになりますけれども、確定しました判決の内容につきまして、裁判所が社会に生じた影響によりその結論を変更などするということは、現行の三権分立の中では想定されていないものと承知しております。
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藤原崇#26
○藤原委員 二倍以内でなければならないと判決を出したとして、それが間違いかどうかというのは、正解がある話ではないと思いますので、一つの選択肢として二倍以内という判断をしたけれども、それによるメリットもあれば弊害もあるというふうになった場合であっても、それを少なくとも簡単には変えられない。変える方法というのは、恐らく判例変更というやり方しかないんだろうと思っておりますが、なかなか簡単ではないと思います。
 引き続き、ちょっと裁判所の話をお聞きしますけれども、一般論としてまたお尋ねをします。
 裁判所の判決において、国会の裁量権行使の方向性に言及した上で、国会に対して、特定の行動をとることを合理的期間内に果たすべきである、そういうことを判決で述べること、これは司法府の立場として許されるんでしょうか、お聞きをします。
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平田豊#27
○平田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 裁判所が、具体的な事件を審理、判断する際に、必要な範囲で国会の裁量権行使に関して一定の言及をするということは、三権分立の制度のもとであり得るものと承知しております。
 もっとも、どのような場合にどのような言及をするのがよいかということにつきましては、個々の裁判体の判断にわたる事項でありますため、事務当局としてはお答えする立場にないものと存じております。
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藤原崇#28
○藤原委員 私が念頭に置いているのは、ある最高裁の大法廷判決であります。そのうちの、ある裁判官の補足意見で、特定の方向性で国会は行動するべきである、そういうところまで言及をする。
 これは、私は筆が滑っているんだと思うんですね。妥当かどうかという判断をすることは裁判所として許される。だけれども、裁判所が、こういうふうにやるべきである、そういうふうなことまで言うというのは、私は誤りなんだろうと思っております。誰とかいつの判決ということは言いませんけれども、やはりそれは問題なんだろうと思っております。
 実際、ある新聞の中で、ある憲法学者さんの言葉で、「判決が投票価値の平等を実現する方法として、合区しか示していないのには違和感があります。論理的には、合区以外にも、人口の多い大都市部の定数を増やす方法もあるからです。」というように、判決は合区をしろ、合区をしろと、ほかにも立法府としてはいろいろな選択肢がある中で、なぜ合区だけを裁判所は言うのか、果たしてそれがいいことなのかということを私としては思います。
 さはさりとて、裁判所というのは当事者の訴訟活動に基づいて判決をするということで、一方当事者である法務省さんにお話を移したいと思っております。
 一票の格差訴訟に関する審理回数、これは第一審においては平均でどれくらいでしょうか。さらに、提訴から判決まで百日を超えている事例はどれくらいありますか。
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武笠圭志#29
○武笠政府参考人 お答え申し上げます。
 一番近くに行われました平成二十八年七月十日の参議院議員の通常選挙について提起されました一票の格差をめぐる選挙無効訴訟は、全国で十九件ございます。
 このうち、弁論終結までの口頭弁論期日の回数が一回のものが十八件、二回のものが一件でございまして、平均いたしますと約一・〇五回でございます。また、これらの訴訟について、提訴から判決までに百日を超えているものは十件でございます。
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