小林信一の発言 (農林水産委員会)
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○小林参考人 ありがとうございました。
指定団体制度の強化につきましては、これは現在の指定団体十ブロックになっておりますが、それではメーカーあるいは量販店に対しての乳価交渉力という点でまだまだ弱いということであります。
これは例えば東京大学の鈴木先生が数量的に計測されていらっしゃいますけれども、例えば、生産者が一とするとメーカーが九ですとか、逆に、メーカーと量販店の間でも一対九というふうな、非常に力の差がまだまだある。
こういう中では、現在、生産者の選択肢をふやすために指定団体制度を壊すということなんですが、逆に、生産者がばらばらにされることによって、さらに生産者の力が弱くなってしまう。これが一対九じゃなくて、〇対十ですとかということになりかねないということを非常に心配しております。
ですから、これはイギリスの例でもう既に実証済みであります。オーストラリアについても、先ほど山下参考人からのお話がありましたけれども、二〇〇〇年で酪農改革で全て規制は撤廃したんです。ただ、その後、十年間は賠償支払いということで一戸について一千万円ぐらいの支払いをしました。結果、何が起こったかというと、圧倒的に生産者の力が弱くなり、酪農家の協同組合が日本のキリンの子会社に買収されたりあるいはニュージーランドのフォンテラに買収されたりということで、生産者がばらばらになって、スーパーでは牛乳戦争ということで一リットル当たり一ドル以下で売り続けられているということで、非常に酪農家が苦境に陥っているという事例があります。世界どこを見てもそういうふうな事例がある。これをどうしてきちっとして総括しないのかというのが非常に不思議であります。済みません、長くなって。
部分委託についても、生産者の選択肢を広げるという、それは確かにそうかもしれませんが、現行制度の中でも、先ほど山下参考人がおっしゃったように、一日三トンまではできるわけですね。しかも、現行の制度の中では、ある意味では安定的に、自分が売れない部分は指定団体に委託販売することによってプール乳価を保障してもらえる。売れ残りがないわけですね。そして、一日三トンまで加工、販売できる。こういう制度は非常にいいと思います。これは生産者にとって有利であると思いますし、今現在、一日当たり三トン以上を、あるいは三トン近くを自分で加工、販売しているところというのを私は知りません。
昨日も栃木で、みずから加工、販売されている農家の方のお話を伺いました。この方は、わずか二十頭で一億円の売り上げで、十人の雇用をされているそうです。これは販売力が非常に強いということでそういうことができていて、この方はアウトサイダーでありますけれども、彼は、今の制度、指定制度というのが重要である、こういうマスはきちっとした指定団体に支えられることによって、自分たちのようなニッチが生き残ることができるんだ、この共存が大事だというふうに言っていらっしゃいます。
もう一つは、二十頭でも生きていけるという経営ができるんだというお話も、非常に感銘を受けて聞いた次第です。
以上でございます。