郷原信郎の発言 (法務委員会)
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○郷原参考人 今お尋ねの点は、法曹というものを社会の中でどう位置づけていくのかということにかかわる問題だろうと思います。
もともとの、日本の社会における司法ないし法曹の役割というのは非常に限られたものでしかなかったわけですね、二割司法という言葉もあったように。さまざまな、社会の中で起きる問題解決が司法によって行われる割合というのは非常に低かった。だから、それに伴って、法曹資格者というのは非常に希少価値を持った存在だったわけですね。
それを根本的に変えて、もっと司法的な解決を社会の中でふやしていこうという方向性で行われたのが司法制度改革であり法曹養成の制度改革だと思うんですが、それじゃ法曹というもののあり方を変えるのかというと、結局それはなかなか簡単なことじゃないと思うんですね、裁判所の制度、検察、弁護士会、さまざまな、もう既にでき上がった司法インフラというのがあるわけですから。そういうものを、いきなり数をふやしていこうとしたからこういうことになってしまった。しかも、そこで数を考えるに当たって、先ほど申し上げたように、まさに法曹を商品のように考えて、需給関係だけで考えてしまった。
やはり、そこに、法曹の役割を変えていくのであれば、では法曹はどういう役割を果たし、そして、法律的な仕事というのは必ずしも法曹に限らないわけですね。周辺の士業というのもありますし、それから、企業などで法務で活躍する人材には必ずしも法曹資格が必要じゃない人もいる。そういう意味では、弁護士資格にも、イギリスのように、ソリシター、バリスターという、法廷弁護士、非法廷弁護士を分ける制度もあり得ます。そういうさまざまな制度の中から、日本の実情に合った制度を選択していくべきだったと思うんですが、それが十分に検討されないまま、ただ数だけ、五万人とか三千人とかということが先行してしまった、そこに根本的な問題があるんじゃないかと思います。