井田良の発言 (法務委員会)
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○井田参考人 御質問いただき、ありがとうございます。
私自身が事情を若干知っている点となりますと、ドイツなんですけれども、ドイツは二〇〇六年にこの条約、TOC条約を批准しています。ただ、ドイツには昔から、結社罪の規定が以前からありまして、そういう意味で、この問題との関係では、いわゆる国内法整備等々新たな立法は必要でなかったというふうに私は承知しているところです。
それで、日本にとってドイツというのは法律学の先生でもあって、世界の中でも法治国家としては私は非常に高いレベルの国であると思っています。
そういうドイツの結社罪を見ますと、これは大変要件が広範です。簡単に言いますと、およそ何らかの犯罪を実行することを主目的として組織、団体をつくりますと、それだけで犯罪になります。それから、その構成員となることも犯罪ですし、構成員を募ることも犯罪になるという非常に広範な構成要件といいますか処罰規定になっています。先ほど私、法案は三つの限定、三重の限定がかかっているというお話をしましたけれども、ドイツの結社罪というのは一個の絞りだけ、しかもその一個の絞りも、日本の法案と比べるとはるかに広いものになっているということです。
同時に、刑事訴訟法にはそれに対する通信傍受の規定もありますので、そういう意味でいうと、かなり、ドイツは日本よりははるかに広い法制を持っているわけです。
にもかかわらず、監視社会であるというような言葉は、ドイツで私は聞いたことはございません。そういう意味で、むしろそれは、現代化した犯罪に対してどうやって捜査機関に武器を持たせて対抗していくのか、ただ、それは法律でもってきちっと規定して、法律を守らせよう、こういうような考え方を基本、それが法治国家なんだという考え方をしているのではないかと思います。
それと比べると、日本の場合はそういう意味でいうと物すごく限定したものでありますけれども、また、通信傍受の規定も入れないということですので、そういう意味では非常に謙抑的なといいますか、非常に控え目な組織犯罪対処規定であるというふうに感じて、ますます、そういう意味で監視社会の批判は当たらないのではないかと思っております。