安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。
憲法改正についてお尋ねがありました。
日本維新の会が、憲法改正について、教育のあるべき姿を含め具体的な考え方を示して真摯に議論しようとされていることに、まずもって敬意を表したいと思います。
子供たちこそ日本の未来であります。次なる七十年を見据えたときに、教育が重要であることは論をまちません。
憲法は、国の未来そして理想の姿を語るものであり、新しい時代の理想の姿を私たち自身の手で描いていくという精神が日本の未来を切り開いていくことにつながっていくと考えております。
新しい時代にどのような憲法がふさわしいのか、各党各会派がそれぞれの意見を持ち寄り、国会の憲法審査会において議論が深められ、具体的な姿があらわれてくることを期待したいと思います。
また、憲法改正解散についてお尋ねがありましたが、衆議院の解散については現在一切考えておりません。
日米同盟強化及び沖縄の負担軽減についてお尋ねがありました。
昨年十一月にトランプ大統領とニューヨークで会談し、さまざまな課題について私の基本的な考え方を伝えました。議論の詳細は差し控えますが、大変充実した意見交換を行い、日米同盟の重要性を確認できたと考えています。
トランプ政権の在日米軍駐留経費に係る立場について予断することは差し控えますが、アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、日米同盟は、アジア太平洋の平和と繁栄の礎として不可欠な役割を果たしています。日米安保体制は、日米いずれかのみが利益を享受するような枠組みではなく、したがって、在日米軍の駐留経費についても、日米間で適切な分担が図られるべきものと考えます。
日米同盟は、我が国の外交、安全保障の基軸であり、トランプ大統領とできるだけ早期に会談したいと考えています。アジア太平洋や世界の平和と繁栄について幅広く意見交換し、トランプ大統領との信頼関係のもとに、揺るぎない日米同盟のきずなをさらに強化していきたいと考えています。
沖縄の基地負担軽減を図ることは政府の大きな責任です。地元の方々の理解を得る努力を続けながら、確実に結果を出していかなければなりません。
先月、北部訓練場、四千ヘクタールの返還が二十年越しで実現しました。沖縄県内の米軍施設の約二割、本土復帰後最大の返還です。今月には、日米地位協定の軍属に関する補足協定に署名しました。引き続き、普天間飛行場の全面返還に向けて全力で取り組んでまいります。
今後とも、米軍との信頼関係のもと、抑止力を維持しながら、沖縄の基地負担軽減に一つ一つ結果を出していく決意であります。
身を切る改革についてお尋ねがありました。
我々政治家は、政策を実現するため、真摯に努力を続け、国民の負託に応えていかなければなりません。国民の皆さんにさまざまな御負担を求める以上、我々政治家も常にみずからを省みる必要があることは当然であります。
日本維新の会がそうした観点から具体的な行動に取り組んでおられることにつきましては敬意を表したいと思います。
その上で申し上げるとすれば、政治に要する費用の問題は、議会政治や議員活動のあり方、すなわち民主主義の根幹にかかわる重要な課題であり、国会において国民の代表たる国会議員が真摯に議論を行い、合意を得る努力を重ねなければならない問題であると考えております。
地方議員の年金、政務活動費についてお尋ねがありました。
地方議員の厚生年金への加入については、国民の幅広い政治参加や、地方議会における人材確保の観点から必要との考え方もありますが、他方で、保険料の公費負担などの課題もあります。
いずれにせよ、地方議員の身分の根幹にかかわることであり、国民の皆様の声や地方議員の声もよく聞きながら検討がなされる必要があると考えています。
また、政務活動費の収支報告書のネット公開という御提案をいただきましたが、政務活動費については、現行法上、議長が使途の透明性確保に努める義務を負っています。まずは、各地方議会において、住民に対する説明責任の徹底や使途の透明性の向上などみずからの取り組みを通じて、住民の信頼確保に努めていただきたいと考えております。
公務員の給与についてお尋ねがありました。
労働基本権が制約されている国家公務員の給与については、その代償措置である人事院勧告制度を尊重するとの基本方針のもと、民間の水準を踏まえて決定されております。
また、人事院が行っている官民比較の手法については、人事院において専門的見地から判断されるものであると考えております。
こうした中にあっても、厳しい財政事情を踏まえ、国家公務員の総人件費に関する基本方針に沿って、給与制度の総合的見直しの実施や定員合理化等を行うことなどにより、人件費の抑制を図ってまいります。
国家公務員の天下り等についてお尋ねがありました。
今回の文部科学省における再就職規制違反事案は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことであります。まずは、文部科学省において徹底した調査を行い、再発防止策を講じてもらいたいと思います。
また、現行制度による厳格な監視が機能したからこそ本事案が明らかになったものでありますが、本事案で生じた国民の疑念を払拭するため、山本国家公務員制度担当大臣に対し、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うよう指示しました。今後、準備ができ次第調査をし、その結果を明らかにしてまいります。
必要なことは何でもやるとの考えで、国民の信頼を確保してまいります。
また、教育の無償化の財源についてお尋ねがありましたが、我が国の未来、それは子供たちであり、どんなに貧しい家庭で育っても夢をかなえることができるよう、誰もが希望すれば進学できる環境を整えなければなりません。このため、これまでも、幼児教育無償化の段階的推進、奨学金制度の充実、授業料免除の拡大などに取り組んできたところであります。
来年度からは、高校生への奨学給付金を拡充するとともに、成績にかかわらず、必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにします。さらに、返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設することとしました。
今後とも、必要な財源を確保しつつ、教育費負担の軽減にしっかりと取り組んでまいります。
なお、交付金、補助金については、徹底的に効率化を図り、不要なものについて削減することは当然のことであります。
IRの経済効果及びギャンブル依存症対策についてお尋ねがありました。
IRについては、プールや水族館など家族連れで過ごせる施設があり、ビジネスの国際会議を世界じゅうから招致し、家族連れで会議に参加してもらえるなど、まさに総合的なリゾート施設であり、観光や地域振興、雇用創出といった効果が非常に大きいと期待されます。
シンガポールでは、経済情勢などの要因もあるかと思いますが、開業後四年で、国全体の観光客数が六割増、観光収入が九割増となったと聞いております。我が国においても、その効果が十分に発揮されるよう、検討を進めてまいります。
一方で、IRについてはさまざまな懸念点もあると認識しており、制度上の措置の検討も必要です。
政府としては、推進法の国会審議における御議論や同法の附帯決議の内容も十分に受けとめながら、ギャンブル等依存症対策も含め、我々、さまざまな懸念事項への対策について検討を進めてまいります。
二〇二五年国際博覧会の日本への誘致の必要性についてお尋ねがありました。
国際博覧会の国内への誘致は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会となります。開催地のみならず、我が国各地を訪れる観光客が増大し、地域経済が活性化する起爆剤になると考えます。
昨年、私から関係閣僚に対し、協力して立候補に向けた検討を進めるよう指示しました。既にフランスは、開催国に立候補しています。現在、経済界や学識経験者、関係省庁等が行っている、大阪府の基本構想の検証と立候補に向けた国としての検討を、スピード感を持って進めます。
先日、東南アジア諸国への出張の際には、各国首脳に日本が正式に立候補した際の支持を要請しました。立候補が正式に決定すれば、全力で誘致に取り組んでまいります。
天皇陛下の御公務の負担軽減等に係る基本的な考え方についてお尋ねがありました。
昨年八月の天皇陛下のお言葉に対する国民の皆様の受けとめを踏まえ、現在、有識者会議で御議論いただいており、昨日、論点整理が行われ、公表されました。先ほど、衆参両院の議長、副議長にもお示ししたところです。
この問題は、国の基本、そして、長い歴史とこれからの未来にかけての極めて重い課題であります。決して政争の具にしてはならず、政治家がその良識を発揮しなければならないものです。
今後、衆参両院におかれまして、議長、副議長を中心に各党各会派からの意見聴取が行われるものと承知しております。それをしっかり受けとめ、政府における検討をさらに進めていく所存であります。(拍手)