安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 上田勇議員にお答えをいたします。
配偶者控除等の見直しについてお尋ねがありました。
配偶者控除等については、配偶者の収入制限を百三万円から百五十万円に引き上げるなどの見直しを行うこととしました。これは、パート労働者が週三十時間働いた場合の年収水準なども踏まえた見直しであります。これにより、働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる環境づくりに寄与するとともに、人手不足の解消を通じて日本経済の成長にも資することが期待されるものと考えています。
企業の家族手当のあり方等についてお尋ねがありました。
就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築は、税制だけで達成できるものではありません。御指摘のように、企業の配偶者手当に配偶者の収入制限があることも就業調整の大きな要因の一つと考えています。
経団連は、一月十七日に取りまとめた経労委報告で、配偶者手当の再点検や見直しの検討を企業に促しております。一月二十五日の経済財政諮問会議では、私からも企業の配偶者手当の見直しなどの取り組みをお願いしました。
引き続き、労使の真摯な話し合いのもと、前向きな取り組みが行われるよう働きかけていきたいと考えています。
所得税制のあるべき姿等についてお尋ねがありました。
平成二十九年度の与党税制改正大綱においては、所得再分配機能の回復の観点から、現在所得控除方式をとっている基礎控除などの人的控除等における控除方式の見直し、多様な働き方を踏まえた、所得の種類に応じた控除と人的控除のあり方の全体としての見直しなどの個人所得課税改革の方向性が示されています。
個人所得税改革については、御指摘のように、負担構造のあるべき姿について検討が必要であることから、引き続き丁寧に検討を進めてまいりたいと考えています。
寡婦控除についてお尋ねがありました。
寡婦控除については、平成二十九年度の与党税制改正大綱において、家族のあり方にもかかわる事柄であることや他の控除との関係にも留意しつつ、夫との死別、離婚等の事情に基づく配慮という制度の趣旨も踏まえながら、所得税の諸控除のあり方の議論の中で検討を行う旨が示されているところです。与党における検討も注視しつつ、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
所得拡大促進税制についてお尋ねがありました。
安倍内閣においては、平成二十五年度において所得拡大促進税制を創設し、その後、拡充を行ってまいりました。
平成二十七年度の適用金額は、議員御指摘のとおり約二千八百億円となっており、多くの企業が賃上げに際して本税制を活用しております。
中小企業も含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続で実現しておりますが、政労使会議の開催といった取り組みのほか、こうした税制も一つのきっかけとなったものと考えております。
平成二十九年度税制改正においては、この所得拡大促進税制について、中小企業の賃上げへの支援を重点的に行うなど、めり張りをつける見直しを行い、賃上げのインセンティブを強化します。
こうした改正を受けて、企業における賃上げがより一層進むことを期待しています。
償却資産に係る固定資産税の減額措置についてお尋ねがありました。
地域経済を支える中小企業の収益の拡大を実現し、経済の好循環を確かなものとするため、平成二十八年度税制改正において、中小企業の生産性を高める機械、装置の設備投資について、固定資産税の特例措置を講じたところであります。
今般の税制改正においては、この特例措置の対象に器具、備品、工具等を加え、小規模なサービス産業の生産性向上などを後押しすることとしています。
その際、固定資産税が市町村財政を支える安定した基幹税であることも踏まえ、制度そのものは堅持しつつ、地域や業種について重点化を図ることとしたところであります。
この特例措置は、一定の要件を満たす経営計画を持った企業であれば、赤字であっても活用できるものです。中小・小規模事業者の集中的な攻めの投資を促し、景気回復の風を全国津々浦々にお届けしてまいりたいと思います。
酒税改革についてお尋ねがありました。
今回の改革では、ビール系飲料に対する酒税の税率格差を三段階で解消し、平成三十八年十月に一本化することとしております。
税率の見直しに当たっては、自民党、公明党の税制改正大綱に示されたとおり、消費者への影響に配慮して、税率の段階的な見直しの都度、経済状況を踏まえ、家計への影響等を勘案した上で実施してまいります。
国外財産に対する相続税の納税義務の見直しについてお尋ねがありました。
日本経済のさらなる活性化を図り、競争力を高めていくため、優秀な外国人材を我が国に積極的に呼び込んでいくことが重要です。
御指摘のように、駐在等の一時的に日本に住所を有する外国人について、本国にある自宅等の国外資産にも相続税が課される可能性がある、そのような不安が外国人材の来日の阻害要因の一つとなっているとの声がありました。
今般の法案においては、こうした御意見等も踏まえ、一時的に日本に住所を持つ外国人同士の相続税については、本国の資産には日本の相続税を課さないこととしており、外国人材の受け入れの促進につながるものと考えております。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕