安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 宮本岳志議員にお答えをいたします。
 平成二十八年度税収の見通しについてお尋ねがありました。
 平成二十八年度の税収について、対当初予算比で一・七兆円減の五十五・九兆円と見積もりました。その主な要因は、海外経済に弱さが見られる中で、平成二十八年の年初から円高が進行したことにより、法人税収や消費税収が当初予算から減少すると見込んだためです。
 平成二十九年度税収は、平成二十八年度補正後税収から一・九兆円増の五十七・七兆円と見込んでいます。これにより、安倍内閣において、国、地方合わせた税収は、民主党政権時に比べて二十二兆円増加することとなり、政権交代以降、税収が増加している基調に変化はありません。
 また、アベノミクスの破綻が明白ではないかという御指摘でありますが、政権交代後、アベノミクスによって、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出すことができ、名目GDPは九・五%、四十七兆円、実質GDPは五・三%、二十六兆円増加し、過去最高の水準となりました。特に、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しており、就業者数は百七十万人増加、正規雇用についても、一昨年、八年ぶりにプラスに転じ、昨年と合わせて七十七万人増です。有効求人倍率は、史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超えるなど、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれており、御指摘は当たりません。
 経済の好循環と個人消費についてお尋ねがありました。
 先ほども申し上げたとおり、アベノミクスにより、政権交代後、極めて短い期間でデフレでないという状況をつくり出す中で、GDPは過去最高の水準となりました。特に、就業者数が百七十万人増加したように、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しています。賃金についても、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続で実現し、パートで働く方々の時給はここ二十四年間で最高の水準となっているなど、所得環境の改善も進んでいます。
 雇用・所得環境の改善等を背景に、税や社会保障負担等を差し引いた家計の可処分所得は二年連続で増加し、二〇一五年にはその伸びが高まっています。
 このような中、御指摘の個人消費については、二〇一六年は三年ぶりに前年比プラスに転じ、持ち直しの動きが見られます。この流れをより確かなものとするため、ことしの賃上げに向けて、少なくとも昨年並みの水準の賃上げ、特に四年連続のベアの実施、期待物価上昇率も勘案した賃上げの議論等を産業界に対してお願いをしているところです。
 一月十七日に経団連がことしの春季労使交渉に向けた基本スタンスを取りまとめた経労委報告は、これを受けたものとなっており、ことしの春季労使交渉においても前向きな成果が出ることを期待しています。
 また、一億総活躍社会実現に向けた最大のチャレンジである働き方改革の中で、同一労働同一賃金を実現します。正規と非正規の労働者の格差を埋め、若者が将来に明るい希望を持てるようにすることにより、中間層の厚みを増すことにつながると考えております。
 労働分配率と我が国の労働環境についてお尋ねがありました。
 雇用者報酬が国民所得に占める割合である労働分配率は、二〇一五年に二年ぶりに低下しました。これは、先ほども申し上げた雇用・所得環境の改善等を背景に、雇用者報酬が三年連続で増加する中、国民所得全体がそれ以上に増加したことによるものであり、賃金がふえていないとの御指摘は当たりません。
 非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職についている方の割合は前年に比べて低下、働き盛りの五十五歳未満では、二〇一三年から十五四半期連続で、非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているなど、着実に改善をしております。
 正規雇用労働者は、一昨年、八年ぶりにプラスに転じ、七十七万人増加、正社員の有効求人倍率も〇・九二倍と、調査開始以来過去最高となっています。
 さらに、労働環境の改善に向け、平成二十九年度予算において、非正規から正社員への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金の拡充など、企業における正社員転換や待遇改善の強化を進めることとしています。
 なお、我が国は、最先端の技術を用いた米国の装備品を導入していますが、これは我が国の防衛に不可欠なものであり、日米の相互運用性の向上を初め、日米同盟の強化にもつながっています。安全保障と経済は当然分けて考えるべきですが、これらは結果として米国の経済や雇用にも貢献するものと考えております。
 安倍内閣における税収増についてお尋ねがありました。
 安倍内閣における税収増についてですが、平成二十九年度の国、地方の税収は、政権交代前の平成二十四年度当初予算に比べて約二十二兆円増加しています。
 民主党政権下の平成二十四年度の第三・四半期までは、名目、実質ともに成長率はマイナスからゼロ近傍でしたが、政権交代直後の二十五年一―三月期は一%を超えるプラス成長に転じました。
 こうした事実に鑑みれば、二十四年度当初予算から決算にかけての国、地方の税収の増加一・九兆円は、二十四年の年末から、政権交代を見越した景気回復と、政権交代後の安倍内閣の政策によって実現したものと考えています。
 また、平成二十九年度税収は、アベノミクスの政策により、雇用・所得環境の改善が続く中で、民需を中心とした景気回復が見込まれることを反映し、国税について、平成二十八年度第三次補正予算において見込んだ税収から一・九兆円増の五十七・七兆円と見込んでおります。政権交代以降、税収が増加している基調に変化はありません。
 こうしたことから、税収面でのアベノミクスの成果をあらわすものとしては、二十二兆円が適切であると考えております。
 この二十二兆円のうち、消費税率引き上げによる消費税の増収は八兆円ですが、このほか、所得税収、個人住民税収が約五兆円、法人税収、地方法人二税の税収が約六兆円増加をしております。これは、安倍内閣のもとでの三本の矢の政策により、好調な企業収益が雇用・所得環境の改善につながり、それが消費や投資に結びつくという経済の好循環の拡大を反映したものと言えるものではないかと考えています。
 消費税率引き上げによる消費税の増収八兆円についても、税率を引き上げることができたのは、安倍政権におけるアベノミクスの三本の矢により、増税にも耐え得る経済状況をつくり上げたからこそできたのであると考えております。
 法人税改革及び研究開発税制についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、企業の収益力拡大に向けた前向きな投資や継続的な賃上げが可能な体質への転換を促すため、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるとの考え方のもと、法人税改革を行ってまいりました。
 具体的には、法人実効税率を国際的に遜色のない水準である二〇%台にまで引き下げると同時に、政策税制や大企業の欠損金繰越控除制度等を見直し、特に大企業の課税ベースの拡大に取り組んできています。
 また、御指摘の研究開発税制は、大企業を優遇するためのものではなく、将来の経済成長の礎となる企業の研究開発投資を後押しするためのものであり、利用件数を見ると、中小企業も含め、幅広く利用されています。
 さらに、二十九年度税制改正において、企業の研究開発投資の増加を強く促す制度となるよう、めり張りをつけた見直しを行ったところです。今回の改正を受けて、企業の研究開発投資がさらに増加していくことを期待しています。
 防衛イノベーションと安全保障技術研究推進制度についてのお尋ねがありました。
 安全保障環境が厳しさを増す中、新たな脅威に対応し、戦略的に重要な分野において技術的な優位性を確保していくためには、中長期的な視点に基づく研究開発の推進が必要であります。また、新ガイドラインも、防衛装備、技術協力の発展、強化を明記しています。
 共同声明における防衛イノベーションに関する記述は、こうした分野での日米協力を強化していくことを確認したものです。
 防衛省における安全保障技術研究推進制度は、防衛にも応用可能な先進的な民生技術について公募により研究を行うものであり、研究への参加はあくまでも研究者の自由な意思によるものであります。研究対象は基礎研究分野に限られていることから、そのまま防衛装備に適用できるものではありません。
 また、本制度は、研究成果の公開を重視しており、政府として、研究成果の公表を制限することはなく、研究成果を秘密に指定することもありません。また、研究者に対して秘密を提供することもありません。
 このようなことから、本制度に基づく研究が日米間の防衛技術協力の対象となることは想定されません。
 なお、学術界における議論について、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。(拍手)
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発言情報

speech_id: 119305254X00620170216_015

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2017-02-16

院: 衆議院

会議名: 本会議