大平喜信の発言 (本会議)
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○大平喜信君 私は、日本共産党を代表して、独立行政法人日本学生支援機構法改正案、いわゆる給付型奨学金法案について質問します。(拍手)
安倍総理は、施政方針演説で、誰もが希望すれば進学できる環境を整えなければなりませんと述べました。しかし、一体誰が、希望しても進学できない環境をつくってきたのでしょうか。
まず問われるべきは、日本の大学の学費が極めて高いことです。今や、国立大学の初年度納付金は八十一万七千八百円、私立大学は平均で約百三十一万円に上ります。
学生生活調査によれば、大学生の学費と生活費を合わせた平均額は年間百八十六万二千円です。このうち学費は百十九万五千三百円で、実に支出の六割を占めています。二年前と比べても、学費は二万円近く上がり、生活費は約四万円も減少しています。
このような極めて異常な状況をつくってきた歴代の自民党政権の責任は極めて重大です。今行うべきは、高過ぎる学費を引き下げることではありませんか。大臣の答弁を求めます。
奨学金は本来、学生の生活費補填が目的ですが、今はそれが学費の支払いに充てられており、多くの学生が生活のためにアルバイトに追われています。実際、学生のバイト就労率は七一・九%に上り、週二十時間以上が一三・九%、深夜の就労は二〇・七%にも及びます。奨学金を利用する学生は、九〇年代には二割程度だったものが、今では五割を超えています。格差と貧困の拡大が進む中、世帯収入が百万円も減少していることが重い負担に拍車をかけています。これが今の実態ではありませんか。
しかも、重大なことは、この奨学金の大半が有利子奨学金だということです。
一九九九年に、自民、公明両党の合意で、有利子奨学金の規模を増大させました。今や、奨学金事業全体の六割以上が有利子となっているのです。その結果、多くの学生が、卒業時に三百万円、五百万円もの奨学金という名の借金を背負わされる状況がつくり出されたのではありませんか。
その上、大学を卒業しても正社員になれないという不安定な雇用環境の中で返済を迫られ、返済が滞れば延滞金を課され、裁判というおどしまでかけられている。まさに、サラ金まがいの取り立てが横行しています。この実態を放置し続けるのですか。延滞金や強引な取り立ては直ちにやめさせるべきです。そして、有利子奨学金は全て無利子にするよう望みます。
今、進学を希望する多くの若者たちが直面するのは、進学をしてバイト漬けと借金返済という日々を送るか、あるいは進学を断念し夢を諦めるかという余りにも苦しい選択なのです。
こうした深刻な実態に対し、多くの学生、保護者が立ち上がり、長年にわたってその改善を求め、給付奨学金の創設を要求してきましたが、安倍政権は冷たく突き放してきました。
今回、ようやく給付型奨学金を創設することになりましたが、本法案はその期待に応えるものとなっているでしょうか。
まず、支給対象の問題です。
対象となる家計基準は住民税非課税世帯としています。しかし、経済的理由で進学ができない学生は、決して住民税非課税世帯にとどまりません。なぜ住民税非課税世帯だけに対象を絞るのですか。
しかも、住民税非課税世帯の高校生は、政府の試算でも一学年十五万九千人いるにもかかわらず、支給されるのはその一割程度の二万人とされています。なぜ二万人なのですか。その根拠をお示しください。
この数は、高校ごとに見れば二人から三人程度にすぎません。これでは、希望する圧倒的多数の学生が対象外となってしまうではありませんか。貧困層のさらにそのごく一部しか対象にならないで、どうして、誰もが希望すれば進学できる環境と言えるのですか。大臣の答弁を求めます。
さらに、住民税非課税世帯であっても、国立大学に通う自宅生は、授業料免除を受けるため、給付型奨学金は支給されないことになっています。
その上、給付といいながら、学業成績次第では、支給の停止にとどまらず返還まで求めるとしています。給付というなら、文字どおりの渡し切りにするべきではありませんか。
まさに、給付とは名ばかりで、何重にも看板に偽りありと言わなければなりません。
給付型奨学金の創設のための財源も問題です。
政府は、大学院生の奨学金返還免除制度の見直しや無利子奨学金の減額で充てるとしています。現在の乏しい教育費負担軽減策をさらに削って財源に充てるというのは、困っている人同士にとり合いを求めるやり方で、新たな進学困難者を生み出すことになり、本末転倒ではありませんか。
我が党は、規模も内容も拡充をして、文字どおりの給付奨学金とすることを強く求めます。
誰もが希望すれば進学できる環境をつくるために必要なことは、日本国憲法を文字どおり実践することです。憲法第二十六条には、全て国民は、その能力に応じてひとしく教育を受ける権利を有すると定めています。これは、生まれや育ち、家計の状況に左右されることなく学ぶことができるという規定であり、人権規定の根幹をなすものです。政府には、学ぶ権利を保障するために教育条件を整備する責務があります。
ところが、自民党政権は、国際人権規約にある高等教育を受ける権利の保障として漸進的な無償化条項を世界の流れに逆行して長年にわたって留保し続け、世界でも異常な高学費を放置し、学生に負担を押しつけてきました。ヨーロッパ諸国では、奨学金は給付が当然で、学費も無償または低額です。
二〇一二年にようやく留保が撤回され、今や、安倍政権には高等教育の無償化のための具体的措置をとることが求められているのです。こうした経過に照らしても、教育予算を抜本的に拡充して、教育費の無償化に進むことは当然ではありませんか。
大臣の答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣松野博一君登壇〕