初鹿明博の発言 (本会議)
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○初鹿明博君 ただいま議題となりました、将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案並びに介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案、いわゆる介護崩壊防止法案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
まず、二法案の提案理由について御説明いたします。
平成十二年四月の介護保険制度創設から十七年が経過しました。介護保険制度は着実に社会に定着し、高齢者の介護を支える、なくてはならない仕組みとなっています。
制度創設時の理念は、これまで家族が抱え込んでいた介護を社会全体で支える介護の社会化を実現し、社会的入院に追い込まれていた高齢者を、地域の中で暮らし続けられるように、在宅でのサービスを充実させていくことであったはずです。
しかし、団塊の世代が後期高齢者になる二〇二五年問題を控え、高齢者の在宅サービスを支えるために介護保険制度を充実していくことが求められているにもかかわらず、安倍政権における介護保険制度への対応を見ていると、どうでしょうか。
看板政策のアベノミクスの三本の矢の一つに介護離職ゼロを掲げながら、史上最大の介護報酬の引き下げを行い、軽度者のサービス、それも在宅生活に欠かせない生活援助や福祉用具レンタルの切り捨てを検討するなど、むしろ介護離職を増大させる方向に進んでいます。
つまり、安倍政権の介護政策は、介護離職ゼロと国民に聞こえのよい言葉を使いながら、サービスは縮小、事業所は倒産、介護従事者は離職、家族は介護離職と、制度があってもサービスが利用できない介護崩壊に突き進んでおり、言行不一致です。
安倍総理、これ以上国民を欺くのはやめてください、そういう思いを込めて、以下、具体的な問題点を指摘いたします。
平成二十六年度の介護保険法改正では、要支援者に対する訪問介護及び通所介護が地域支援事業に移行されました。この大きな改革に対して、多くの市町村は対応に苦慮しており、自治体によっては、事業者に支払われる報酬を引き下げることなどで要支援者に適切なサービスが今後提供されなくなるのではないかとの懸念の声が上がっております。
また、平成二十六年改正では、一定以上の所得のある利用者の負担割合が二割に引き上げられました。二割負担となる者の所得水準は政令事項であり、国会の審議を経ることなく勝手に対象者の拡大をできるという問題を含んでいるほか、この改正は平成二十七年八月に施行されたばかりであり、負担増による利用抑制も起こっており、その影響すら十分に検証されておりません。それにもかかわらず、今回の政府提出法案では拙速に三割負担を導入することとしております。
平成二十七年四月の介護報酬改定では、事業所の手元には残らない処遇改善や新設の加算などによる引き上げ部分はありますが、サービス単価自体の引き下げは四・四八%もの大幅なもので、介護事業所、特に在宅サービスを提供している事業所は大打撃を受けました。その結果、老人福祉・介護事業所の倒産件数は、平成二十七年、二十八年と二年連続して過去最多を更新するなど、介護事業者は非常に厳しい経営環境に置かれています。
さらに、今回の政府提出法案には盛り込まれませんでしたが、軽度の要介護者や要支援者に対するサービス提供の切り下げ、保険給付外し、福祉用具レンタルの原則自己負担化という制度改悪の方向で検討が進められています。目先のサービスを切り下げ、保険外しは、状態の重度化、ひいては介護給付の増大を招くということがなぜわからないのでしょうか。
そして、介護の現場における深刻な人材不足の問題であります。介護従事者は重要な役割を担っているにもかかわらず、その賃金はほかの業種と比較して著しく低い水準にあります。職員の確保ができないという理由で、ベッドがあっても利用者を受け入れられない特別養護老人ホームが、要員不足と回答した施設のうち約一割もあるとの調査結果も報告されています。
安倍政権は、平成二十九年度において、臨時に介護報酬改定を行い、月額平均一万円相当の処遇改善を実施することとしています。これ自体は評価いたしますが、不十分であり、さらなる処遇改善が求められています。なお、こうした処遇改善が求められているのは、障害福祉の分野においても同様であります。
介護の現場は疲弊し切っており、利用者やその家族が満足できる質の高い介護サービスを提供することが困難な状況に陥っています。介護事業者が撤退したり、介護職で働く人がいなくなったりしたら、家族が仕事をやめて介護を担うしかなくなります。世の中ではこのような事態を指して介護離職というのです。
つまり、安倍総理は威勢よく介護離職ゼロと言っていますが、実際に行っていることは介護離職ゼロとは真逆の方向に向かっているのです。
我々は、こうした現状を打破し、介護の崩壊を防止するため、サービス低下につながる軽度者切りの防止、利用者の生活を守るため、二割負担の安易な拡大防止、介護従事者が安心して働き続けられるようにするための介護従事者の賃金月額二万円アップ、事業者が安定的に事業を継続できるようにする次回改定での介護報酬のアップ、家族に介護が必要となっても働き続けられるよう介護休業等の改善を五本柱としたこの二法案、介護崩壊防止法案を提出した次第であります。
以下、二法案の概要を御説明いたします。
まず、将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
第一に、介護保険制度の理念として、要介護状態になった場合においても、日常生活の質を維持向上させるよう、また、介護離職等を防止するため、要介護者等の家族の負担を十分に軽減するように配慮されなければならないことを明記することとしております。
第二に、国、地方公共団体、介護事業者の責務として、利用者及びその家族の介護サービスに対する評価の把握に努めるとともに、当該評価を向上させるための措置を講じるよう努めなければならないことを追加することとしております。
第三に、利用者負担の割合が二割となる所得額をおおむね上位二〇%の所得額以上の額において定める旨を規定し、政令委任の趣旨を明確化することとしております。
第四に、軽度要介護者、要支援者に対する保険給付等に係るサービスが将来にわたりあまねく全国において十分な内容及び水準で提供されるようにする旨の規定を設けることとしております。
第五に、政府は、当分の間、介護保険制度等の改正が行われた場合、調査、分析及び評価を行い、今後、改正を行おうとする場合には、この結果を踏まえ、調査、予測及び評価を行わなければならないこととしております。
第六に、介護離職を余儀なくされる事態が生じないよう、介護休業の日数及び回数の増加等、速やかに検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずることとしております。
次に、介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案について申し上げます。
第一に、都道府県知事は、賃金を改善するための措置を講ずる介護・障害福祉事業者等に対し、その申請に基づき、介護・障害福祉従事者処遇改善助成金または介護・障害福祉従事者等処遇改善特別助成金を支給することとしております。
具体的には、二つの助成金を各事業者等に選択していただき、処遇改善加算の対象職種には月額一万円、または、処遇改善加算の対象職種を含む全ての職種に月額六千円の賃金引き上げを想定した助成金制度を創設し、国は、都道府県に対し、助成金の費用の全額及び事務の執行に要する費用を交付することとしております。
第二に、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の改定に当たっては、全ての介護・障害福祉事業者等のサービスの提供の安定的な継続、介護・障害福祉従事者の賃金の改善による将来にわたる職業生活の安定及び離職の防止に資するよう配慮しなければならないこととしております。特に、平成三十年度介護報酬改定に当たっては、介護報酬の引き上げを想定し、平成二十七年度改定による報酬引き下げの影響を勘案することを明記することとしております。
以上が、二法案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、速やかに御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
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地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案(初鹿明博君外六名提出)及び介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案(初鹿明博君外六名提出)の趣旨説明に対する質疑