大西健介の発言 (本会議)

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○大西健介君 民進党の大西健介です。
 私は、民進党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました政府提出、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。(拍手)
 まず、十二日の厚生労働委員会で、我が党の柚木理事が、介護保険の質問に先立ち、冒頭、総理に森友問題の質問を行ったことを理由に、一方的に質疑を打ち切り、民進党提出の対案を置き去りにして閣法のみの強行採決をしたことに対して、強く抗議をいたします。
 議員の質問権を制約することは言論封殺であり、言論の府である国会の自殺行為です。また、安倍総理は、民進党は対案を示せと常に批判をしているにもかかわらず、対案の採決は行わず、補充質疑を行った後に改めて採決をすることになったことは異例のことであり、極めて遺憾です。
 丹羽委員長、田村筆頭理事、竹下国対委員長からの謝罪は、我々としてもやむなく受け入れましたが、問題は、疑惑追及を恐れ、疑惑隠しをしたいという安倍総理の気持ちをそんたくしたのではないかということであります。
 そうでないというならば、総理は、証人喚問に応じるよう昭恵夫人を説得するとともに、財務省に森友学園との交渉記録を提出するよう指示すべきであります。
 森友疑惑にふたをするな、これが国民の声であることを冒頭強く申し上げておきたいというふうに思います。
 さて、安倍政権は、新三本の矢で介護離職ゼロを掲げていますが、言っていることと実際にやっていることが真逆であります。
 第一に、安倍政権は、平成二十七年度の介護報酬改定で二・二七%と、実質過去最大の引き下げを行いました。その結果、平成二十八年一年間の老人福祉・介護事業の倒産件数は、調査開始以来過去最多となりました。
 第二に、安倍政権は、要支援者向けの訪問介護と通所介護を地域支援事業に移行する要支援切りを断行しました。本年四月にようやく全ての自治体で移行を完了しましたが、今後、報酬単価の切り下げやサービスの質の低下が起こり、地域の格差が広がっていくことが懸念されています。
 その上、安倍政権では、軽度者に対する生活援助サービスも地域支援事業に移行することや、軽度者向けの福祉用具貸与や住宅改修の原則自己負担化までもが検討されており、言語道断であります。
 今回、私たちは、民進党の考え方を対案としてお示しするとともに、最初から反対ありきではなく、修正の可能性も探りながら丁寧な審議に努めてまいりましたが、次の点で、政府案には最終的には反対せざるを得ないとの結論に達しました。
 反対の第一の理由は、二割負担導入の影響の検証が不十分であることです。
 平成二十七年八月に、一定以上の所得の人の負担が二割に引き上げられました。政府は、前後において、一割負担者と二割負担者の間のサービス利用者数等の傾向に顕著な差は見られないとの答弁を繰り返していました。
 しかし、審議の中で、民進党の求めに応じて、厚労省は、負担が二割に上がった人のうち、約十六万七千人がサービスの利用回数を前月より減らし、千六百三十四人は介護保険施設を退所していたことを明らかにしました。
 また、介護サービスなしには生活できない高齢者が、サービスの利用回数を減らしたり、生活費を切り詰めている実態は、認知症の人と家族の会のアンケート調査にもあらわれています。
 二割負担が要介護者やその家族に深刻な影響を与えていないか丁寧な検証を行うことなく、三割負担を導入するのは拙速であります。
 反対の第二の理由は、二割負担や三割負担の対象者が、国会審議を経ることなく政令で拡大していく懸念が払拭できないことです。
 私たちも、介護保険財政が逼迫する中で、所得の高い層の高齢者に負担をお願いすることは否定はいたしません。しかし、それがアリの一穴となり、所得の低い人や軽度者までもが対象となるようなことがあれば、介護サービスは利用できなくなってしまいます。
 この点、民進党は、政府・与党に対し、政府が二割負担、三割負担の対象者について、法改正を経ずに安易に拡大することができないよう歯どめをかける法案修正を求めましたが、残念ながら納得のいく回答は得られませんでした。それどころか、答弁では、制度の持続可能性を高める観点からは不断の見直しが必要だと、将来的な対象拡大を否定しませんでした。
 反対の第三の理由は、平成三十年度介護報酬改定でマイナス改定が行われる懸念を払拭できないことです。
 仮に、二回連続で介護報酬を引き下げることになれば、介護事業所の経営は深刻度を増し、介護サービスの基盤は崩壊してしまいかねません。幾ら介護職員の処遇改善をしても、介護事業所の倒産が続けば、国民は必要な介護サービスを受けることができなくなってしまい、要介護状態等の悪化や家族の介護離職を招くおそれがあります。
 介護事業所の経営実態を見ると、収支差率が悪化する一方で、収入に対する給与費の割合は高まっており、処遇改善を行う余力がないのが実態であります。処遇改善を実効ならしめるためにも、介護報酬を引き上げて、介護事業所の経営を安定させることが必要です。
 この点、民進党は、政府・与党に、次回介護報酬改定でのプラス改定を担保する内容の法案修正を求めましたが、ゼロ回答でした。政府・与党にプラス改定をする気がさらさらないことの証左です。
 なお、介護事業所や福祉事業所には、介護職以外にも、送迎、調理、事務など他の職種の職員も働いていますが、政府案の処遇改善加算の仕組みのもとでは対象にはなりません。そのため、事業所の職員全体の処遇改善を行おうとすると、その分の費用負担は事業所の持ち出しとなるため、処遇改善の足かせになっているという現場の声があります。
 民進党案では、介護・障害福祉従事者以外の職員の処遇改善もできるように特別助成金を設けていますが、この点の配慮が政府案には不十分です。
 以上が、政府提出法案に反対する主な理由です。
 最後に、今回、政府提出法案と民進党案を並べて審議することができたことは、論点を明確にして議論する上で有意義だったと思います。
 また、対案の肝となる部分について、法案修正の形で取り入れることができないかについても最後まで協議を重ね、政府・与党からも一定の回答をいただいたことについては多としたいと思います。
 残念ながら、納得のいく回答が得られませんでしたので、今回は政府案に反対をいたしますが、こうした試みを丁寧に積み重ねていくことが今後も大切だと思っております。
 我々民進党は、今後とも、間違ったことについては政府・与党を厳しく追及する一方で、私たちの考え方を対案という形で示し、法案修正等の妥協点を見出す努力をしていく所存です。
 同時に、介護職員のさらなる処遇改善、次回改定での介護報酬の引き上げ、軽度者切り捨てや自己負担の安易な拡大の防止、介護休業の充実等に今後も全力を挙げて取り組んでいくことをお誓い申し上げ、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119305254X02020170418_008

発言者: 大西健介

speaker_id: 25767

日付: 2017-04-18

院: 衆議院

会議名: 本会議