長妻昭の発言 (予算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○長妻委員 いやいや、私がお伺いしたのは、総務省の子供の相対的貧困率は、過去から見ると改善しているとおっしゃいますけれども、その過去分はいつ公表したんですかということをお伺いしたんです。
 私、ちょっと不可解だったのが、この総務省の子供の相対的貧困率は、過去分は公表していないんですね、今まで。突然去年の十月に過去三回分も含めて全部公表されているわけで、ひょっとすると、数字が改善したから過去分を去年の十月に、今まで公表していない分を公表するというようなことであってはならないというふうに考えているところです。
 しかも、総理、御存じでございましょうか。日本には、子ども貧困対策法という法律がございます。その法律の中で子供の貧困率の定義というのがございまして、これは政令となっております。平成二十六年の一月十六日の政令でございますけれども、日本で子供の貧困率を考えるときには厚生労働省の指標を使いなさい、こういう政令もあるわけでございますし、OECD諸国が世界を比べるときに、我が日本の厚生労働省の貧困率、こちらの方がきめ細やかにデータが出ているということだと思いますけれども、OECDもそれを採用している。
 こういうようなことでございまして、ぜひこれは、楽観的に一つの数字だけをもって改善をしたというような油断というか安心をしてもらっては困るというふうに私は思っているところであります。
 総理は、施政方針演説でもおっしゃっております。子供の相対的貧困率は二%減少し、十五年前の調査開始以来一貫して増加していましたが、安倍内閣のもと、初めて減少に転じた、かつての悲観論は間違っていた、そのことを私たち自公政権は証明したと。
 相当、この一つの数字をもって、格差の悲観論は間違っていたんだ、これからは云々かんぬんというようなお話をされておられるので、これはもっと中身を見ていただきたい。ちょっと誇大広告に過ぎるんじゃないのかということで、ぜひもうちょっと、相対的貧困率のみならず、ほかの指標も見ながら、注意深く現場も見ながら格差の問題を認識していただきたい。
 これは、一国の総理大臣ですから、我々が申し上げているところで、総理の格差に対する認識次第、いかんによって打ち出す政策や法律というのが相当方向性が変わってくるので、私は、本当に国民の皆さんの立場に立ったきめ細やかな議論が必要だというふうに考えているところでございます。
 この総務省の調査というのは、そもそも二人以上の世帯がメーンで始まった調査で、単身世帯が後からつけ加わっておりまして、全体の中で単身世帯の比率は八%しかない。低所得の方が非常にとりにくいものになっている。しかも、この総務省のデータであれば、中央値がどんどん下がってきておりますので、ある意味では、みんなが沈んで多少平等になった、こういう見方もあるわけで、注意深く数字を拾っていただきたいということをまずお願い申し上げます。
 そして、もう一つ、格差にとって重要な視点。総理の答弁、私ども、過去にも格差の議論をさせていただきました。この格差について、総理はこういうふうにおっしゃっておられます。固定化されない、そして、人々の許容の範囲を超えたものでないことが重要だとおっしゃっているんですね。これは私もそのとおりだと思います。
 この二つの観点から、私は、総理に相当深刻にこの日本の格差の問題を受けとめていただきたいということなんです。
 一つは、これは配付資料でお配りしましたけれども、固定化されていないのかということについては、生活保護の御家庭で育ったお子さんの四人に一人がまた生活保護になってしまうというような調査、この七ページに入れておりますけれども、この調査は、学者の方が二〇〇六年のときに、ある市を例にとった調査。日本ではこれしかないわけでございまして、生活保護の御家庭で育った方々がまた生活保護になってしまう、お子さんたちが大人になっても、どのくらいそういう連鎖、固定化というのがあるのか、こういう調査をぜひ政府としても私はしていただきたい。
 そして、親の収入、家庭環境で成績や大学進学率が決まる、こういう現実もございます。
 きのうも細野議員が一部質疑いたしましたけれども、これは、大学、専修学校を含む進学率でございます。家庭環境別でございますが、全世帯の平均が七三パー、しかし、一人親家庭だと大体四二%に落ちてしまう。生活保護家庭であれば三三%です。児童保護施設におられる方は二二%ということで、どこで生まれたか、どういう家庭環境で生まれたかで、意欲と能力があってもチャンスがなかなか生まれてこない。こういう固定化という指標もよくよく見ていただきたい。
 日本では、年収四百万以下の家庭でございますと、大学進学率が三割でございます。一方で、年収一千万以上の御家庭だと、大学進学率が六割、四年制大学でございますが、そういう大きな差もある。
 そして、成績につきましても、四枚目のパネルでございますが、お茶の水大学の先生の協力でやった調査でございますけれども、年収によって子供たちの、これは算数と国語でございますけれども、成績が御家庭の年収によってきれいに比例してくる、こういう現状の分析。これも研究者の方が分析しているわけで、継続的に政府として、私は、固定化がどこまで進んでいるのか、こういう調査をぜひしていただきたいというふうに思うわけでございます。
 そして、もう一つは、世代間所得弾力性という調査もございまして、日本は〇・三五%ということでありまして、これは、例えば親の年収が平均よりも一%多い御家庭に生まれると、お子さんの年収もその後〇・三五%ふえていく。下がるときも同じであります。つまり、親の年収によって、お子さんが将来大人になったときの年収も相関関係がある。これはアメリカよりも低いんですけれども、北欧、ヨーロッパ諸国に比べると相当高い関連性がある。
 こういうような固定化はあってはならないという総理のお話でございますから、この固定化が相当深刻になっている、こういう認識のもと、ぜひ政府として、固定化の調査というのは余りないわけでございまして、調査をお進めいただく、こういうようなおつもりはございませんでしょうか。

発言情報

speech_id: 119305261X00320170127_008

発言者: 長妻昭

speaker_id: 4645

日付: 2017-01-27

院: 衆議院

会議名: 予算委員会