山下貴司の発言 (予算委員会)
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○山下委員 ありがとうございました。
まことに、各省一丸となって、ぜひ御協力いただきたいと思っております。
次に、国際組織犯罪防止条約の担保法について。
実は、担保法が今問題になっております。ただ、私は法律実務家の経験を持つ者として、条約担保法に関する細かい議論というのは、具体的な条文案が詰まった上で、それを踏まえてやらなければ意味がないんです。ですから、私はきょうは控えておきます。ただ、私の経験をぜひ総理に聞いていただきたいんです。
というのは、私は、自民党政権と民主党政権を通じた時期、いずれも、法務省刑事局国際課企画官という立場からTOC条約の批准問題を担当していたんです。そして、TOC条約の締約国会議、ウィーンのUNODCにも行きました。
日本は国連の最大の拠出国の一つなんです。だから、普通の国連の会議では、日本は最前列あるいはそれに近い、名誉ある立場を与えられているんです。しかし、この国際組織犯罪条約の締約国会議では、締約国でない日本は最後列の席であります。何の発言権もない。三流国の扱いであります。国際的に取り組む、しかも国連の組織犯罪対策条約に日本だけ貢献できていない、そういう思いでございます。
日本はいろいろ経験がある。オウムであるとか、あるいはマフィアと同じく国際的に有名なやくざに対する対応であるとか、そういう経験があるんだけれども、全く日本は貢献できる資格がない。これは惨めなものでした。
もちろん、私は締約国会議の場などで、今、国会で野党の皆さんが質疑で聞いているような論点は、当時、念のため、国連のUNODC事務局や締約国に確認しました。でも、誰に確認しても、TOC条約が対テロ対策と密接に関係することを否定する人はいません。
そして、条約五条において、重大犯罪に関する実行行為とは独立した網羅的な合意に関する罪をつくるか、あるいは団体参加罪を設ける義務があることは明らかだと、どの国も事務局も言っています。それなくして批准しても、締約国になった瞬間に条約違反国になるというふうに言われています。不十分な形で条約に入ってほしくない、そこまで言われました。
野党の皆さんの中には、何の法律を整備せずとも今のままでTOC条約を批准できると簡単におっしゃる方もおられます。しかし、法務省の担当官として民主党政権の内部で見てきた者として、そのように簡単に結論づけることは民主党政権時代には断じてなかったんです。そのことは断言したいと思います。守秘義務の関係があるためにつまびらかにはできませんけれども。
資料四から八の国会答弁の、これらはいずれも民主党政権時代の大臣の答弁です、その傍線部を見ていただければ、千葉大臣、中井国家公安委員長、そして私がやめた後に大臣になられましたけれども江田大臣といった、民主党政権時代の各大臣が、新たな共謀罪の導入なくしてTOC条約を批准しますという民主党のマニフェストと条約批准の現実のギャップをいかに真剣に検討し、悩んでいたかがわかります。
例えば、資料八の裏側の当時の江田法務大臣の御発言であります。
江田大臣は、千葉大臣もそうです、政権交代前、民主党政権になる前は共謀罪反対の急先鋒でした。
ところが、江田大臣が、下から二段目の傍線部ですけれども、あの条約が言っている共謀罪であるか参加罪であるかどちらかをつくりなさいという共謀罪が、あれではいけないけれども何か要るんだという考えも一つあり得る、だけれども、今委員がおっしゃったように、いやいや、もう日本の法律はこれだけのものがちゃんとできているから、それはあの条約で言っている、これを処罰できるようにしなきゃいけないということは日本ではできているという意見もあるので、そのどちらなんですかおまえはと言われましたら、私としてはまだそのどちらかということを答えるほど十分検討は進んでいない、これは各省庁とも検討してさらに結論を得る努力をしなければならないということしかちょっと今の状態ではお答えできないということでありますと。
しかし、江田大臣も、あるいはその前の千葉景子大臣の答弁を見ていただければわかりますよ、政権交代前は共謀罪なんてとんでもないと言っていたんですよ。ところが、この傍線部、全部皆さん読んでください。悩んでいるんですよ、ギャップで悩んでいるんですね。そして民主党政権時代には決断ができなかった、だから批准できなかったんです。
民進党の皆さんにおかれては、維新とかいろいろな新しい血も入っていると思います、当時の各大臣や法務部門会議や、当時の部門会議の議論をいま一度検証していただいて、各党の議論を整理した上で、何人も条約加盟の必要性は否定しないと思います、TOC条約の担保法のあり方について国民のために冷静に議論するように私は望みたいと思いますが、総理の御感想があればお願いいたします。