世耕弘成の発言 (予算委員会第七分科会)
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○世耕国務大臣 平成二十九年度の経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
安倍内閣が発足してから四年がたち、名目GDPは四十七兆円増加、中小・小規模事業者の倒産は二十六年ぶりの低水準となるなど、経済の好循環は着実に回り始めています。この好循環を加速させ、日本経済を成長軌道に乗せるため、未来への投資を進めてまいります。
このため、平成二十九年度の経済産業省関係予算案は、一般会計三千四百二十億円、エネルギー対策特別会計八千四百七十四億円、特許特別会計千四百七十二億円、合計一兆三千三百六十六億円を計上いたしました。また、復興庁計上の東日本大震災特別会計のうち六百五十億円が経済産業省関連予算案として計上されております。
平成二十九年度の予算案の柱は六つございます。
第一の柱は、福島復興の加速化です。
東日本大震災から間もなく六年がたちますが、福島の復興と廃炉・汚染水対策は、経済産業省が担うべき最重要課題です。
被災した方々の帰還に向けて、これまで南相馬市など七つの市町村で避難指示解除が決定し、また、帰還困難区域についても復興拠点を整備する方針が決定されるなど、一歩ずつ前へと進んでいます。
早期帰還に向け、インフラや生活環境の整備を加速し、事業、なりわいや生活の再建、自立に向けた取り組みを拡充するとともに、福島イノベーション・コースト構想や福島新エネ社会構想を推し進めます。
廃炉・汚染水対策については、中長期ロードマップに基づき、国も前面に立って、安全かつ着実に取り組んでいきます。
第二の柱は、世界に先駆けた民間の未来投資を誘発する取り組みの推進です。
成長戦略の柱である第四次産業革命の実現に向け、人や物の移動、医療・介護、ものづくりなど幅広い分野を変革し得る人工知能やロボットを活用し、グローバルな競争に勝ち抜かなければなりません。
このため、IoTを活用した各分野における実証や、人工知能技術とロボット要素技術の融合、ロボットやドローンによる物流やインフラ点検等の効率化、隊列走行による自動運転の実証、バイオ技術の医療、素材分野における活用などを進めてまいります。
第三の柱は、中小企業等の活力向上です。
日本経済の屋台骨である中小企業、小規模事業者の生産性向上を図っていくことが我が国の成長に不可欠です。
そのため、中小企業、小規模事業者が大学などと連携して行うものづくり・サービス開発や小規模事業者に対する伴走型支援、国内外の販路開拓支援など、意欲ある中小企業、小規模事業者の経営力強化を行ってまいります。
また、経営者の高齢化が進む中小企業、小規模事業者が円滑に事業承継を行えるよう、活力のある担い手の拡大に向けて支援を強化してまいります。
さらに、中小企業、小規模事業者の安定した事業環境の整備のため、下請企業の取引条件改善や資金繰り支援などを行ってまいります。
そして、全国津々浦々の地域の魅力を最大限に伸ばすため、地域経済を牽引する事業への支援を進めてまいります。
第四の柱は、不透明感が増す世界経済リスクの克服です。
英国のEU離脱表明や米国新政権発足など、経済の環境は大きな変動期を迎えています。こうした中にあっても、自由で公正な共通ルールに基づく自由貿易体制こそが世界経済の成長の源泉であることは疑いありません。
そのため、日EU・EPAの大枠合意や質の高いRCEPの実現などに力を尽くすとともに、多国間、二国間の貿易投資促進などの拡大に取り組みます。また、中小企業を初めとする我が国企業の海外展開や我が国のすぐれたインフラシステム輸出、新興国等における人材育成を支援してまいります。
あわせて、ジェトロを活用し、我が国への対内直接投資の呼び込みにも取り組みます。
第五の柱は、産業安全保障の強化です。
近年、社会インフラに物理的なダメージを与え、国民の生命財産を脅かしかねないサイバー攻撃が世界各国で増加しています。
そのため、模擬プラントなどを用いた実践的な研修による人材育成を通じて、電力などの重要インフラ分野におけるサイバーセキュリティーを強化してまいります。
また、休廃止鉱山の鉱害防止や高圧ガス施設の耐震化など、防災や強靱化に向けた対策も引き続き取り組んでまいります。
第六の柱は、エネルギー政策の再構築と地球環境への貢献です。
まず、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、ネガワット取引など新たなエネルギーシステムの構築を加速してまいります。
同時に、水素社会の実現に向けて、燃料電池自動車や水素ステーションの普及拡大、水素発電の実証などに取り組みます。また、低炭素技術の海外展開やイノベーションの実現により、世界全体での温室効果ガスの排出削減に貢献してまいります。
さらに、最大のエネルギー源である化石燃料の安定供給確保のため、JOGMECによるリスクマネー供給を通じた我が国上流開発企業の国際競争力強化を図るとともに、国内の石油、天然ガスやメタンハイドレート等の資源開発も推進してまいります。
加えて、原子力については、事業者によるさらなる安全性向上のための取り組みを後押しするとともに、立地地域の実態に即したきめ細やかな支援を行ってまいります。
以上が、平成二十九年度予算案の概要でございます。
委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。