酒井啓子の発言 (外交防衛委員会)

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○参考人(酒井啓子君) ありがとうございました。
 まず、一点目のエルサレム移転についてどのような意味を持つのかということでございます。
   〔理事堀井巌君退席、委員長着席〕
 報告の中でも少し触れさせていただきましたけれども、エルサレムをイスラエルは今後首都にするというふうに言っているわけなんですけれども、御存じのように、エルサレム西半分はイスラエルが建国時に本土の中に入っていたわけですけれども、東エルサレムの方は、これは西岸地域の一部ということで、一九六七年の第三次中東戦争で占領し併合したという、基本的には国際法的にはイスラエルの占領下にあるとみなされたものなわけですね。一方的な形で併合いたしましたので、これに関しては、ジュネーブ条約でも出ておりますように、占領地に対して一方的な変更はあってはならないというふうな規定があるとおりに、これについては国連の決議等々でも併合に対する批判的な決議が出ているわけです。
 ですので、そうした東と西と併合地を含むエルサレムをまとめて国の首都にするということに対しては国際的には非常に批判が強いということで、イスラエル自身は首都として各大使館を招致したいというふうに言っているわけですけれども、アメリカも、ブッシュ政権の時代もそうした動きはございました。しかし、やはり国際法上の問題、そして国際世論に対し与える悪影響ということで実施してきていないわけです。それだけ中東イスラム圏の人々にとっての意味は大きいということはもちろんですけれども、国際法上、別に中東イスラムの国の人たちだけではなくて、明確な国際法違反行為ということになりますので、もし実行するということになると非常に大きな問題がある。実際問題、そういうことを行えばアメリカに対して実力行使も辞さないと言っているような武装勢力は多々ございますので、その影響は計り知れないということがあろうかと思います。
 二番目の、入国禁止令のことについてということでございますよね。
 入国禁止の問題につきましては、報告の中でも申し上げましたように、実際問題、アメリカの国内の政策として出されていることは確かなんですけれども、先ほど申し上げましたように、トランプ政権の最大の問題は、対外的なインパクトが非常に大きい外交政策として配慮しなければいけない問題を、国内政策であると言い切って単独で実施しているというところが問題でございますので、その外交政策に与える影響というのは、これはアメリカだけで処理する問題ではない。先ほどカナダの事例を挙げましたように、アメリカがそういう政策を取っても、欧米諸国あるいは国際社会全体がそのように中東イスラム圏に対して排外的な、排除するような政策を取っているわけではないんだということを強く示していく必要があろうかと思います。
 その意味では、ここはアメリカのそうした政策と日本は距離を取って、日本はまた別に、先ほど言いましたように、難民あるいはそれらの国々出身者の人材育成に努めるというような、むしろ積極的に政策を打ち出していくいい機会なのではないかというふうに私は考えております。

発言情報

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発言者: 酒井啓子

speaker_id: 34479

日付: 2017-02-09

院: 参議院

会議名: 外交防衛委員会