世耕弘成の発言 (経済産業委員会、環境委員会連合審査会)
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○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、国民の健康をしっかり守る、あるいは生物の生態系に影響を与えない、そのことを前提にしながら、一方で化学産業の振興をどう図っていくか、これがまさに今回の化審法改正の一番大きな根源的な考え方だというふうに思っています。
我が国の化学産業は、これ縁の下の力持ちで余り目立たないんですけれども、やはり液晶ディスプレーですとかリチウムイオン電池といったものの材料といった面で、これ高機能化学品といいますが、非常に強い国際競争力を持っています。
例えばリチウムイオン電池の材料でいきますと、このセパレーターというところですね、ここは日本メーカーが五七%のシェアを持っています。また、電極の負の方ですね、負極の材料については三一%という形になっています。
ただ、今この分野というのは非常に国際競争も激しくなってきていまして、先ほどのリチウムイオン電池の材料でいいますと、電極の正極の方は、二〇〇八年にはシェア七七%持っていたのが、今では一五%ぐらいになっています。あるいは、リチウムイオン電池の電解液でいいますと、二〇〇八年には六八%持っていたシェアが今二〇%ぐらいになっているということで、やはり非常に激しい、厳しい国際競争に巻き込まれているという面もあるわけであります。
経産省としては、こういった日本の化学産業が国際競争にしっかりと立ち向かっていくために、まず新しい高機能化学品をAIなどを活用してスピーディーに開発するための研究開発プロジェクトを実施をしていくということ、あるいはオープンイノベーションを促進をするために研究開発促進税制の見直しですとかあるいは産業革新機構による出資、最近でも幾つか化学関係に出資をしておりますけれども、こういったことにも取り組んでいく、そして開発能力向上をもたらす事業の再編、新陳代謝の促進などに取り組んできているわけであります。
先ほども申し上げた健康や生態系に影響を与えないという趣旨を変えることなく、今回の法改正によって制度の合理化を目指していきたいというふうに思っています。
具体的には、事業者が、当然新しい化学物質というのはそれはいきなり大量に作りませんので、ごくごく少量を作る、あるいは海外から輸入して別の化学物質と何か研究とか実験を行うというようなときに、今でもこの審査を簡素化する特例制度というのがあるんですが、そのときに、製造、輸入の量で今までは縛っておりました。それをもう少し本当の環境への影響ということで、環境に排出される量に着目をして見直しを行おうというのが今回の法改正の狙いであります。
今までの製造・輸入量全体で枠を掛けていますと、割とすぐ上限に来て、複数の社が輸入したいとか製造したいというときになかなか柔軟に対応できなかったわけでありますけれども、総量が上限を超えないように国が数量調整も今まで行ったりとかいうこともやっていたわけですが、そういったことがなくなるということで産業が機動的に対応できるということになってくる、事業者の予見可能性が高まって、そして事業のチャンスを失うことが少なくなって我が国の化学物質の開発能力の向上が促進されると考えています。
ただ、あくまでも環境に排出されるという点に着目をしておりますので、当然健康や生態系には影響を与えないということが大前提になるわけでございます。