三原じゅん子の発言 (厚生労働委員会)
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○三原じゅん子君 自民党の三原じゅん子でございます。
本日は受動喫煙対策について質問をさせていただきたいと思います。
受動喫煙対策の必要性については、ここにおられる厚労委員の先生方はもう既に重々御承知のことと思います。ただ、受動喫煙対策の議論になると様々な方々が様々な解釈に基づく持論を展開なさるので、事の真偽があやふやになるときがございます。本日は、多くの国民の皆様へ何が問題でどうしなければならないのかを御理解いただきたいという意味も込めて、基本的な内容も含めて質問させていただきたいと思いますので、お付き合いをどうぞよろしくお願いしたいと思います。
そもそも受動喫煙とはどのようなものかでありますが、受動喫煙とは、たばこを吸った人が吐いた煙を自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことをいいます。受動喫煙対策とは、喫煙している本人の健康ではなく、喫煙者が吐いた煙を周りの人が吸い込み、その煙がもととなって健康を害することを問題にしています。決して喫煙している方に禁煙しろと言っているわけではありません。喫煙者の権利を奪うものではなく、煙が苦手な方やぜんそく等の疾病によって耐えられない方々にちょっとした思いやりの気持ちを持って接していただきたいと、このように思っているわけでございます。
それでは、受動喫煙の健康被害とは具体的にどのようなものがあるのか。この点につきましては、厚労省の喫煙の健康影響に関する検討会、これが昨年九月に報告書をまとめております。報告書の第六節、受動喫煙による健康影響の箇所には、受動喫煙が健康へどの程度影響があるかを科学的証拠に照らし合わせて評価しています。具体的に御紹介しますと、受動喫煙との関連について、科学的証拠は因果関係を推定するのに十分である、これをレベル一と言うらしいんですが、このレベル一と判定された疾患は、成人では肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、呼吸器では臭気・不快感、鼻の刺激感、子供への影響ではぜんそく、乳幼児突然死症候群となっております。この六つの疾患は受動喫煙が原因である、因果関係があるとすることに十分な科学的証拠があると評価されています。
さらに、昨年八月には国立がん研究センターが、受動喫煙による日本人の肺がんリスク約一・三倍、肺がんリスク評価、ほぼ確実から確実へと、日本人の非喫煙者を対象として受動喫煙と肺がんとの関連に関する研究結果を発表しました。国立がん研究センターは、受動喫煙による肺がんリスクは科学的に明確であり、世界的には既に確実という結論が明確に示され、たばこ規制枠組条約などにおいて世界共通の問題として対策を進められてきたと前置きをした上で、受動喫煙による疾病リスクが明確に示された以上、たばこの煙にさらされることは人々の健康に危害を与えることと社会全体に強く認識されるべきです、我が国においても、受動喫煙による健康被害を防ぐため、公共の場及び職場での屋内全面禁煙の法制化など、たばこ規制枠組条約で推奨されている受動喫煙防止策を実施することが必要ですと力強く述べています。
この国立がん研究センターの発表に、JTが昨年八月に、本研究結果だけをもって受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論付けることは困難であるとか、受動喫煙の疾病リスクについては、受動喫煙によってリスクが上昇するという結果と上昇するとは言えないという結果の両方が示されており、科学的に説得力のある形で結論付けられていないというコメントを出しました。これに対して、もう一度国立がん研究センターは、JTのコメントが、国立がん研究センターが行った科学的アプローチに対し十分な理解がなされておらず、その結果として受動喫煙の害を軽く考える結論に至っている、当センターとは全く異なる見解として、まあ異例の反論ですよね、異例の反論をしたことでニュースにもなりましたので、先生方も記憶に残っていると思っています。
厚労省が行った喫煙の健康影響に関する検討会の報告書や国立がん研究センターが行った受動喫煙による日本人の肺がんリスクに関する調査結果を踏まえても、受動喫煙が人々の健康へ害を及ぼすことは明らかです。受動喫煙の被害を確実に防ぐために、実効性のある、つまり効果のある対策を講じ、しっかりと取り組まないことは、もはや国際的には全く認められるものではないことが明らかだと言えると思います。
それでは、今なぜ受動喫煙対策を強化しなければならないのかについて質問をさせていただきたいと思います。
私の理解は、先ほど御紹介しました喫煙の健康影響に関する検討会の報告書の「はじめに」の部分で説明されているとおりです。具体的には、受動喫煙問題など喫煙に関する新たな科学的知見が蓄積されたこと、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約が発効したこと、第二期がん対策推進基本計画が策定されたこと、健康日本21が開始などの状況変化があったこと、さらに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて受動喫煙防止対策を強化する必要があることであります。
そもそも、日本は、FCTC批准国として、第八条、職場、公共交通、公共の場所などで人々をたばこの煙から保護をするということを二〇〇五年の公布以降取り組んでこなければならなかったんです。
ところが、今回大もめしていることも分かるとおり、たばこに関する改革というのは進めるのが非常に困難です。幾ら、受動喫煙対策だと、禁煙対策ではないんだと言っても、ラーメン食べながらたばこ吸いたいとか、居酒屋が禁煙になったら客が減るとか、いろいろな意見が出て大騒ぎになっています。大臣も副大臣も、そして健康局の皆さんも大変御苦労なさっていることと思います。
そのような中、いよいよ日本もどうしても受動喫煙対策を真剣に対応せざるを得なくなったんです。その大きなきっかけになっているのが二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の招致です。二〇一〇年にWHOとIOCが健康なライフスタイルに関する合意に調印して以降、全てのオリンピック・パラリンピック開催国は、合意内容に記載されている、たばこのないオリンピックの実現に向けて国内法制度を整備していると理解しています。
東京オリンピック・パラリンピックの話をすると、開催地だけでやればいいじゃないかという意見もあるようですが、受動喫煙対策は、開催国として、国として対応しなければならないはずだと私は考えております。
そこで、局長にお伺いをしたいと思います。
二〇一〇年のWHOとIOCの合意以降、オリンピック・パラリンピックの開催国で受動喫煙対策に関する罰則付きの法制度を整備しなかった国はあるのでしょうか。あれば、その国をお答えください。