川田龍平の発言 (厚生労働委員会)
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○川田龍平君 私は、株式会社が必ずしもガバナンスが利いているとは思わないんですね。東芝の事件などもありましたし、外部監査が入ったとしても、それがやっぱりコンプライアンスにちゃんとつながっていないというような事例もあります。そういう意味では、やっぱりしっかりとした体制をいかにつくっていくかということは一つの道だけではないというふうに思っております。
では、法案の審議に入ります。
今回の医療法改正では、ゲノム医療の実現化に向けた検体検査精度確保の問題、東京女子医科大学病院や群馬大学での患者死亡事件などを受けての特定機能病院のガバナンスの問題、美容医療に関する消費者トラブルの発生を受けての広告規制の問題などが重要課題とされました。いずれも重要な問題であり、必要な改正であるので、改正法案には賛成をいたします。しかし、患者の安全確保、医療の適正化という観点からは、今回の改正案は全く不十分です。
まず、特定機能病院におけるガバナンスについて伺います。
私が問題にしてきた、これまでも何度も取り上げてきましたけれども、聖マリアンナ医科大学病院においても、薬の臨床試験に参加したために不適切な抗精神病薬の治療を受け続けた患者が、五年間仕事と生活を失ったとして実名を公表いたしましたが、自らのデータの利用停止を大学に求めたのに対し、医療安全部門と研究推進部門が結託をして患者データを隠蔽し、患者にうそをついたという問題があり、私立大学のガバナンスの問題の解決は急務だと考えております。しかしながら、この聖マリアンナ事件が示すことは、ガバナンスの強化だけでなく、もっと根本的な組織的な構造が原因になっているということではないでしょうか。
従来、大学病院の使命は、教育、診療、研究の三本柱であるとされてきました。診療に割かれる時間が多過ぎるために教育、研究が充実しないことが問題だとされていますが、その一方で、近年の不祥事のみならず、旧来の大学講座制への批判として、大学の権力構造、研究業績を積むことばかりが評価される体制が診療能力の低い医師による不適切な医療や事故を招くと指摘され、三つの機能の分離が必要だとの主張もされています。ディオバン事件も、群馬大学、東京女子医大の患者死亡事件も、診療に忙殺される医師が実験的な未確立の手術や製薬会社から研究資金を得るための活動に終始しなければならないという中で起こっています。
そこで、大学病院のガバナンスについて、この開設者と管理者の独立ということだけではなく、診療、教育、研究の三本柱のそれぞれの機能を明確化し、研究を主とする病院に研究のリソースを集中させ、診療に忙殺しないでもよい環境を整備する。そして、診療を主とする病院では、製薬会社の資金稼ぎのために意義の低い研究に従事することなく、標準的な治療を提供できる体制を確立すべきではないでしょうか。
この診療と研究の分離という課題について、大学病院のガバナンスの点からどう考えるかを伺います。