グレン・S・フクシマの発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(グレン・S・フクシマ君) なぜトランプ政権のポストが埋まっていないかということには、多分三つほど理由があると思うんですね。
第一点は、トランプ大統領自身あるいは彼の周りの人たちというのは、政府機能に関することを余り評価していないんですね。ですから、トランプ氏自身も、もうずっとニューヨーク、ワシントンともほとんど関係ない、政府ともほとんど関係ないということで、やはり政府に有能な人材を入れる必要性というのをそれほど考えていない。政府がなくても、もう民間企業で全て物事が間に合うという、そういう基本的な考え。あるいは、彼が任命している、例えばエネルギー長官になったテキサス州知事を務めたリック・ペリーなんかは、元々エネルギー省というのを廃止すべきだというふうに考えている人とか、あるいは環境保護庁に入ったスコット・プルイットという人も、ずっとEPAに対して訴訟をして闘っていた人がその長官になっているわけなんですね。ですから、そういう非常に政府に対する否定的な考えを持っているのが一つの大きい要因だと思うんです。
二つ目は、トランプ大統領も彼の周りの人たちも、余り政府の経験者のことを信頼していないんですね。要するに、彼の人事からいうと、先ほど申しましたように、大変成功したビジネスマンと元軍人、この二つの種類の人が彼が大好きなんですね。
それで、特にビジネスで成功した人たちが政府に入ろうと思うと、資産公開とかFBIの調査とかファイナンスの調査とかいろいろ、例えば株持っていたら、ある場合はブラインドトラストという信託に入れるか、あるいは場合によっては売却しなきゃ駄目なんですね、もしはっきりした利益相反がある場合は。
そういう、手続上、資産公開も含めて非常に時間も掛かるんですが、政府の経験をしたことのない人、あるいは政府からかなり距離がある人ほど時間が掛かるわけなんですね。ですから、これが二つ目の理由。実際に何人かはもう途中で、手続を始めたけど辞めてしまった人も三人ほどいるんですね、閣僚レベルで。
三つ目の理由は、これはトランプ政権特有の理由なんですが、去年の大統領選挙のとき、二百人近くの特に共和党の元外交幹部の仕事をしていた人たちが、トランプ候補というのは大統領としてふさわしくないという手紙にサインしたんですね。サインしたことによって、こういう人たちは一切、もうブラックリストに載っていてトランプ政権は採用しないということになっているんですね。
最近の有名な事件は、国務長官のティラソンが自分のナンバーツーとしてエリオット・エイブラムスというレーガン政権のときの国務次官補のポストを務めた人を雇いたかったんですね。ティラソン自身はエクソンモービルの社長で外交の経験もない、ワシントンの経験もない、政府の経験もないということで、もうベテラン、ワシントンのことを知っている、外交のことも知っているエイブラムスを雇いたくて、トランプ大統領もそれをオーケーしたんですが、スティーブン・バノンというホワイトハウスにいる人が、このエリオット・エイブラムスというのは去年書いた論文の中にトランプ氏を非常に批判的に扱っているわけなんですね、ですからこれを指摘したことによって駄目になったんです。
ということで、元々、本来だったら、特に外交における経験とか知識がある共和党の前の政権で働いていた人たちというのは二百人ほどブラックリストに載っているということで、それも一つの大きい理由でポストが埋まらないということです。