伊藤剛の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(伊藤剛君) 基本的にアメリカ・ファーストということですから、アメリカの利益になるのであれば付き合うし、そうでなければ基本的には全てフェイクニュースだ、つまりうそだという話。つまり、自分の都合のいい者は友人で、話をするに値すると、自分にとって都合のいい者は、うそを宣伝しているといううそを言うという状態になっているのが現状ではないかというふうに考えます。
基本的に、歴史的に見てアメリカの外交というのは、七〇年代と八〇年代末という冷戦の国際構造が大きく変動する頃に、負担に耐えかねてと言うとちょっと言い過ぎですが、やっぱり為替相場というのは大きく変わっているということは事実でありまして、結果的にこれは、アメリカの大きく持っている負担を同盟国にうまく経済的なメカニズムを使ってちりばめる、分散させるということを結果的にやってこれたんだというふうに思います。
そういう意味で、そもそもアメリカにとってみれば、いわゆる一般的な頭の数を数える多数決原理で、アメリカ以外の国が多数決でアメリカを負かしてしまうということに、やっぱり非常に、何といいますか、反対といいますか、嫌悪感といいますか、我々がこれだけのことをやっているのに一体これだけ反対が出るのは何事だという気持ちが非常に高いと。ですから、例えば五〇年代にできた軍縮会議もそうですし、七〇年代にできたサミットもそうですし、基本的に、国際機関の中で多数決原理でうまくいきそうにないとどこかその外にぱっと新しい機関をつくる、それがまた有効に機能するとアメリカは考えるわけですよね。
逆に今度、いわゆる新興国の立場に立ってみれば、我々はこれだけだんだん経済力大きくなってきているから先進国クラブの中に入れてほしいという気持ちが非常に強くなると。実際、国際社会全体の先進国と途上国の間の分散というのはだんだんと狭くなってきたのは確か、統計的にも確かでありますから、そういう意味ではオバマ大統領のときにG20という新しい枠組みができたことも確かであると。
ところが、権利は主張するわけです、先進国クラブの中に入れてくれ、こういうこともやってきたと言うと。ところが、国際的な責任、環境、人権、災害に関する救援、あるいは義援金の募集とかそういうことになりますと、急にグローバルなイシューで国際的な責任を持つ、環境とか典型的にそうですけど、そうなると、いや、我々まだ発展して間もないですからということで、要するに権利の主張と義務の履行というのでかなり差があるというのが現状でないかと思います。
昨今見てみますと、アメリカのトランプ政権は、何といいますか、大統領の周りを家族で固めている辺りから始まり、自分に都合の悪いのはみんなフェイクニュース、うその報道だというところから始まって、非常にこれまでのアメリカにはなかったような政治スタイル、それを政治スタイルと呼ぶべきなのかどうかも疑問だと思うくらいの状況になっておりますので、これだけフクシマ先生の言うように多くのポリティカルアポインティー、政治的任命が全く固まっていないということも含めて、政治的任命が固まっていないということは自分の意思を隅々まで通すこともなかなか不可能だというような状況になっていますので、もうちょっとやっぱり時間を見て、一体どういう人がその任命職に就くのか。ひょっとしたら任命職は余り十分埋まらないままでこのままいくかもしれないという気もしていますし、ちょっとトランプ政権に関しては本当にもうなかなか分からないといいますか、分からないということは逆に言うと一貫性もないし、一貫性もないということはさしたる戦略も余りトランプ政権には現状では存在していないというのが実際のところではないかというふうに考える次第です。
以上です。