伊藤剛の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(伊藤剛君) 厳しい質問で、私、頭の中、いろいろ考えているんですが、この北朝鮮のミサイルで私自身実はここ二、三日いろいろ不思議に思っていることがありまして、実は七〇年代、八〇年代のヨーロッパの状況とちょっと似ているかなと思うところがありまして、実はアメリカにとってみれば、長距離のミサイルであれば明らかにアメリカまで届くということですから、これは自衛権の行使の可能性というのは当然あるわけであります。ただ、テポドン級のようないわゆる中距離であれば、まあグアムまでは届くかもしれませんけれども、基本的には本土までは届かないと。もちろん、短距離ミサイルぐらいになると、当然アメリカはほとんど傷つけることがなく、その周辺国にとってみれば非常にその脅威を感じると。
実は、七〇年代、八〇年代のヨーロッパにあったことは、ヨーロッパの各国は非常にその恐怖感が強いけれども、東ヨーロッパに配置されたミサイルはワシントンDCまでは届かないものですから、そういう意味で、同じ恐怖の感覚というのがヨーロッパの諸国とアメリカの、同じNATOの中でも違っていたということもありまして、同じ、ちょっと似たような状況なのかなと最近考えることがあります。
といいますのは、北朝鮮も分かりながら意図的にその挑発をしているんだろうと思いますが、長距離の弾道ミサイルを飛ばしたり、飛ばすぞということをやると、当然アメリカの自衛権行使の対象になると。それより短いのだと、周辺国にとっては非常に脅威感高いんですが、当のアメリカは、解釈を一生懸命やっても、日本の中の米軍基地が危機にさらされるということ以外にはなかなか論拠が見付からないというふうな感じをしておりまして、その意味で、アメリカ自身も武力攻撃をするときに一体何をその論拠として使うのかなということをいつも疑問に思いながら最近の報道を見ているという次第です。
ここで一回止めておきます。ありがとうございました。