金沢孝晃の発言 (国土交通委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(金沢孝晃君) 日本中小ホテル旅館協同組合理事長、金沢といいます。よろしくお願いいたします。
政府は、近年における外国人旅行客の増大に伴う国内のホテル不足を理由として、国家戦略特区の中で関東圏、関西圏において旅館業法を大幅緩和させ、民泊として宿泊施設を拡大させるとしました。しかし、この特区民泊に応じたのは羽田空港を近くに持つ東京大田区だけであり、他の全ての地域においては民泊はやらないとその当時しました。まさしく、これが全国の都道府県と地域住民の民泊に対する本音と考えております。
しかし、この民泊が僅か二年ほどの間に全国で五万か所に及んでいると本年二月一日の日経新聞の記事にも出ておりました。今日、六月時点では五万数千か所になっているでしょう。民泊は九九%が旅館業法の中で最も重い罪となる無許可営業であり、現在の罰金三万円、懲役六か月ということでありますが、この法律は昭和二十三年に公布されており、当時の罰金三万円は現在の貨幣価値に換算すると約二百五十万円となる大変重い罰則、罰金であります。この五万を超える違法民泊の存在を放置している政府と行政機関、そしてその違法民泊のことを書かない、報道しない今のマスコミに私は驚きを隠せません。
首都圏、関西圏を中心として、全国から私どもの組合に届いている違法民泊取締り要請と住宅宿泊事業法案に対する反対署名が四万人を現在超えております。
大阪市で現在十五人の専任メンバーで担当している民泊苦情窓口には、現在二千七百五十件、もう既に二千八百件になっていると思いますが、の民泊苦情とその取締り要請が来ております。そんな中、その十五人のメンバーでは、担当者がうちの組合にもちょくちょく来ますし、私ども協力もするんですが、違法民泊の一部を指導するだけで目いっぱいで、それ以上のことは全く何もできません、できていません。そのようにはっきりおっしゃっています。
そういう中に、当組合が調査をし、二十八か所の大阪市内の違法民泊の場所と持ち主を特定した資料をまたお渡しし、しっかり検挙までこぎ着けてほしいというお願いをしましたが、当面時間が取れませんので、理事長、済みませんけど、しばらく待ってくださいと、このように言われました。時間が忙しいからなかなかそこまではできない、では、私の方でやりましょうといって二十九件を特定しましたけれども、持っていったら、すぐにはできません、いつやるのと言ったら、ちょっとそれも今は返事ようしませんと、これが現在の環境であります。
我々、ホテル、旅館業者は毎年、関係行政に宿泊者の安心、安全確保のために建物や設備管理の定期報告書というものを毎年出しております。消防もそうです。そんな中、一部不動産業界から自民党員を増やすなどということによる政治献金を受けたことによって、この住宅宿泊事業法案が国民の生活に甚大な被害を及ぼすことを分かりながら、一部不動産業界の利益を優先させるという暴挙に私は怒りを隠すことができません。
旅館業法には民泊をするために緩和できる部分がないということで、厚労省は旅館業法の大幅緩和はやりませんでした。私自身、ホテル、旅館の経営を四十年してきた中で、今の旅館業法の中身について規制が厳しいと思ったことは全くありません。私たちの仲間も多分そう思っていると思います。それは宿泊客の安心、安全や命に関わることであり、旅館業法の緩和という部分においてはするところがないと私は考えます。
そういうことで、厚労省はやらない、では、政府どうするかということになって、今まで全く旅館業と関係のない国交省に法案作りを命じ、国交省に民泊を担当させるということで、この住宅事業法案ができたのが経緯であります。この法案を最も嫌がっているのが国交省、厚労省の担当の役人の人たちであると私は思っております。本当なんですよ。
旅館業法の緩和は、政府の言う岩盤規制の改革、何の関係もありません、旅館業法の緩和は。岩盤規制でもありません、あって当たり前の規制です。反対に、宿泊客と地元住民にとって絶対必要のものであり、旅館業法は緩和すべき部分がないということをホテル、旅館業者として断言いたします。
二〇一五年に民泊議論が起きたときから自民党内においても反対派議員が大勢いたことは周知の事実であり、その代表格となる自民党観光産業振興議員連盟会長細田博之さん、自民党生活衛生議員連盟会長伊吹文明会長が連名で、二十八年一月十四日に民泊サービスに関する決議という主意書を民泊中心派の方たちに渡されております。これを、全部読めませんので、一部読みます。全部明かしますから。
民泊サービスに関する決議。自宅の一部や空き別荘、マンションの空き室などを利用して宿泊サービスを提供するいわゆる民泊サービスについては、訪日外国人観光客の急増などに伴う東京、大阪を中心とした深刻な宿泊施設不足への対応、地方における空き家を活用した地域振興、地方創生、日本の生活を味わいたいという新たな宿泊ニーズへの対応など、様々な観点からその有効活用が期待されている。
少し飛ばさせていただきまして、こうした状況に鑑みれば、民泊サービスについては、既存の旅館、ホテルとの公正な競争条件等に十分配意しつつ、安全性の確保、地域住民とのトラブル防止のための担保措置など、適正な実施が確保されることを前提に行われるべきである。このため、下記に掲げる各項目への対応について申入れを行うものであるという申入れをされております。
一つ、宿泊施設不足への対応策として、まずは既存の旅館の活用のための支援、地方創生の観点から、地方への誘客促進に積極的かつ具体的に取り組むこと。民泊については適正な実施が確保されるよう、旅館業法に基づく許可を取得しやすい仕組みを検討すること。マンションの空き室などを活用した民泊については、管理規約に違反した使用や賃貸借契約に違反した無断転貸しなどが行われることのないよう、適切に対応すること。特に、投資型民泊ともいうべきものについては排除すべきである。このようにお書きになっております。
国家戦略特区制度に基づく外国人滞在施設経営事業についてのその課題等について、まずは実施状況を踏まえた十分な検証を行うべきであり、旅館業法の適用除外となる地域や宿泊日数の要件などを容易に拡大しないこと。この中で、付け加えますと、海外の民泊は最高で九十日です、世界中で。民泊サービスの在り方について新たなルールができるまでの間、許可なく民泊営業ができるという誤解のないよう国民に周知すること。このように書いております。
この誤解のないように国民に周知することということに対して、私は大きな疑義を持っております。というのは、日経新聞の記事を私は毎日全面、飛ばすことなく読みますが、この一年半、ほとんど、民泊というものが旅館業法大幅緩和されて解禁になる、いいことをするんだと、そんなような記事ばかり出ております。新聞社がこれでいいのかということを非常に疑問に感じます。この日経新聞の記事で五万か所、五万現在五、六千か所の民泊が誕生したと、このように言っても言い過ぎではないと考えております。
平成二十八年一月十四日でございます。自民党生活衛生議員連盟会長伊吹文明さん、自民党観光産業振興議員連盟会長細田博之さん、この方の連名でこういう要望書が提出されております。
直近に私が与党の中枢の代議士から得た情報で、与党の中でも現在七割以上の議員が民泊はやはりやらない方がいいと、問題が多過ぎると思っていると聞いております。会場におられる委員の皆さんにおかれては、今日が最後の機会です、この法案を廃案にする勇気を持ってほしいと思っています。法案の成立に賛成したことが皆さんの地元住民に分かれば、次の選挙のときには必ず票を落とすことになるのは明らかなことです。怖いですよ。私の地元にどうしてこんなに民泊あるのと、いや、うちの先生賛成したらしいですよといって入れてくれませんよ。この法案に賛成する一般市民、全くいません、一般の住民は。
全国のホテル、旅館業界での昨年の稼働率は観光庁発表で六〇%となっていますが、これは全国のホテルで取られた係数ではなく、半分も入っていません、全国でいうと。最も数の多い中小のホテル、旅館の稼働率がほぼ統計に入っておりません。入っておりません。堂々と言います。私の組合員に、私のホテルもそうですが、どこかの官庁から稼働率の問合せなんて何十年間一回もありません。どうして分かるのかなと思いますけれどもね。観光庁に申し入れました。調べていないと言いました。
全国のホテル七万八千件の稼働率は現在五割にも満たないと推測されます。ということは、現在のホテル、旅館の空き室を使えば、全国になりますけれども、今から八千万人ぐらいの観光客が来ても何とも問題ないです。そんな中に、大阪市内だけで今新築中と建築確認が下りたホテルの数が三百四十件あります。これから三百四十件がほぼ一年半以内に新築されます。めちゃくちゃ多いんですよ。
そんな中、皆さんよく御存じのアパというホテル、去年、おととしの秋から年末にかけて平日で二万円取っていました、二万円。今、平日で七千円から一万円までです。半分以下に下がっています。暇なんですよ、ホテルはもう既に、アパさんでも。値段半分になっていますよ。
だから、アパさんがどうこうじゃないですよ。大変もうけてはりましたので、それぐらいの値段になってもビジネスとしてはやっていけますので、アパさんは健全な会社やとは思っていますが……