森口千晶の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(森口千晶君) 初めまして。一橋大学の森口千晶です。よろしくお願いします。
 私は、今日は格差について話すんですけれども、私の専門は比較経済史なので、今日は超長期の統計をたくさん作ってきて、特に日本だけじゃなくて長期的な観点を国際的に比較するとどういうふうに今の現状を理解できるかということで話したいと思います。(資料映写)
 問題の所在なんですけれども、今世界的に、トマ・ピケティの来日でもありましたけど、富裕層の富裕化、富の集中に対する警鐘が鳴らされていて、私は実は一九九二年からアメリカに留学してそのままアメリカでしばらく教えていたので、二〇〇七年に帰ってきたんですけど、その間に日本が格差社会になっていたというか、格差社会日本という、もうまるでキャッチフレーズみたいに普通に今日常的に使われているんですけれども、それについて私はいつも自分で、日本は本当に格差社会になったのかというのを考えていたので、今それに対して答えを書くつもりで自分でこの分析をしています。
 格差社会日本という認識が社会に浸透しているんだけれども、メディアは往々にして短期志向でセンセーショナリズムを追う傾向があって、ただ、政府の統計をしっかり見ても、いろいろ概念とか方法によってトレンドや水準も大きく違う。実際、いろんな要因が重なって同時進行しているために、格差が仮に拡大していることを事実だとしても、その要因を理解することも非常に困難です。
 それから、格差社会という用語が独り歩きしていて、何を指しているのか、単に格差が大きい社会のことを言っているのか、それとも、アメリカ型の格差を容認する、努力は報われるという、そういうインセンティブのデザインの結果として格差が大きいこと、ですから、格差を容認、積極的に容認するような社会になったことを言うのかという点も整理して考えたいと思います。
 特に、この分析では、長期的かつ国際比較が可能な統計をたくさん作ってみて、比較経済史の視座から日本の格差の現状を俯瞰して論点を整理して、今後どうしたらいいかについて考えてみたい。特に、この私の分析がもしユニークだとすればここなんですけれども、高度成長期から安定成長期にかけて形作られた日本型の平等社会というのはある特徴を持つわけですけれども、その特徴を理解することによって初めて低成長期における格差拡大の本質と理由が明確になると思います。それを今日の報告で明確にしたいと思います。
 本分析で重要なのは、幾つかの概念を区別することです。まず、市場所得、これは政府の再分配前の所得です、それから可処分所得、これは再分配後の所得、これを明確に区別しないと話ができない。それから、所得分布の上位の方の所得、富裕層ですね、と下位の所得、貧困層をきちっと分けて議論しないと今の格差の現状は理解できない。それから、世帯の所得と個人の所得も区別する必要がある。特に、日本は世帯の所得について平等なんだけれども個人の所得については平等ではないという結論を出していきます。そういうことを区別して分析していきたい。
 本分析の構成というか、何か五十枚ぐらい資料を用意してしまって、一時間分ぐらいの資料なので全部絶対できないと思うので、ここで思いっ切り論点をまず言ってから最後にもう一度まとめたいと思うんですけれども、まず最初にちょっと世界のトレンドを見たかったんですけど、時間がないのでほぼ省略します。
 次に、日本型の平等社会の歴史的起源を、戦前は本当に厳然たる格差社会だったのが、日本が高度成長期に一挙にまるで違う社会のように一億総中流社会になった、その経緯を見ます。そして、その歴史的条件ですね。日本型平等社会ができた歴史的条件によって、その特質があります。特に日本型平等主義の特質というのは、市場所得、分配前の市場所得が平等だというのが特徴です。それから、世帯を単位とした世帯所得の平等というのも特徴です。それから、民法にも書かれているんですけど、親族の扶養義務というのがあって、家族がすごく活躍して、非稼得者を家族が私的扶養するという、家族が大きな役割を果たすというのも日本の平等主義の特質です。
 一九九〇年代以降に何が起こるかというと、実際、富裕層の富裕化は起こっていなくて、低所得層の貧困化というのが最大の問題だということをお見せするんですけど、それが実は、人口構造、世帯構造、長期不況という、私はトリプルパンチと呼んでいるんですけど、これが全て同時進行したために起こるんですけれども、世論では経済環境がすごく大きいってやっぱり思いがちですよね。だけど、実はやっぱり人口構造、世帯構造が非常に大きい。ここを、高齢化と世帯規模の小さくなるところが非常に大きいということをまずはっきり認識して、それと同時に長期不況も原因がある。このトリプルパンチが日本型平等主義の前提を崩していくので今の格差が拡大してしまった社会になったということを述べたいと思います。
 具体的には、高齢化と、経済問題としては非正規の問題が出てくる。その非正規の問題が、男性非正規が出たときに初めて社会問題になる。ずっと非正規は問題だったんですけど、女性だった限りは問題にさえならなかった。だから、正規、非正規と男女がぴったり重なっているうちには問題にもならなかった。ところが、実は、日本は例えば男女格差も大きいですし、個人のレベルで見ると平等ではなかったんだけれども、それが世帯という、カップルとして、世帯として構成されるとある程度平等になる、そういう仕組みだったんですけれども、家族も多様化していますし、そういうふうにいろんな社会的なノームとか人口構造、世帯規模が変わってきたことによって世帯を単位とする平等主義の前提が崩れている。
 ですから、これからどうすればいいかなんですけれども、日本的な、今、格差社会、つまり、要は貧困化が起こっているんですけど、それについてどうすればいいか。そうすると、やっぱり日本型の社会保障制度というのが世帯を単位としている、これを個人ベースにしていかなければいけない。それから、革新性、革新力が低迷しているから成長もしていない。では、どうしたら革新力がもう一回戻ってくるか。やっぱり、今、同質性ですね、平等主義というのは同質性、均質性をすごく強調するんですけど、そうじゃなくて、そこはやっぱり多様性を尊重するような社会に、そういう多様な人が活躍するような社会に持っていかなければいけないのではないかというのが本分析のメッセージです。
 これを、今からたくさん統計を見据えながらお話ししたいと思います。時間がなくなるとその統計の方はどんどん飛ばしますので、質問がもしあったら、またそれについて質問していただければと思います。
 では、説明に入ります。
 世界的トレンドは飛ばします。これはトマ・ピケティが上位一%、成人人口の上位一%にどれぐらい国民所得が集中しているかというのを書いたことのグラフなんですけれども、世界的に昔は非常に集中していた、昔というのは一九〇〇年とか戦間期ですね、集中していたのが最近減ってきたけど、また上がっているよ。特にアングロサクソンでアメリカを中心に上がっている。ここですね、新興国も上がっているんですけど、東アジアも意外に上がっている。ここで韓国、台湾が上がってきている。日本も少し上がっているように見える。中国も上がっている。ということで、じゃ日本でも本当に、これ富裕層の富裕化というんですけど、富める者にどんどん富が集中していることが起こっているのかというのが疑問の出発点です。端的な答えは、日本では起こっていません。少し起こっていますけど、これ世界とは全然違って、起こっていません。日本の問題は貧困化です。
 日本型の平等社会を理解するための歴史的起源を簡単に述べるんですけれども、私は日米比較を主にするんですけど、これはアメリカと日本の一人当たり実質GDP、平均所得が過去百年間でどういうふうに伸びているかなんですけど、御存じのように、日本は、明治維新のときには本当に本当に技術的に何もなくて、蒸気機関車さえアメリカからプレゼントでもらった、初めて見たんですけど、そこから二回の高度成長、戦前の経済の成長、奇跡、それから戦後の高度成長を終えて、アメリカにほぼ八〇年代にキャッチアップして、でもそこから日本が失われた二十年間に入ってしまって、今はむしろ所得はちょっと拡大せず、差がむしろ開きつつあるというところです。
 この二つの経済成長を、格差とどんな関係があったかというのが次のグラフなんですけど、これは日本の上位一%集中度を見ています。そうすると、戦前の高度成長は物すごい格差の中で起こった。だけど、戦後の高度成長は格差が非常に低い平等社会で起こったという、これが、日本が戦前と戦後ではほとんど全く違う社会経済システムで経済成長を起こしたということと重なっています。
 これもちょっと飛ばします。格差社会から平等社会に日本が移ったということなんですけれども、やっぱりその大きなきっかけは戦中の戦時規制なんですけれども、その次に大きかったことが、占領期に根本的に富の再分配、平準化が起こった。所得じゃフローですよね、でも富のストックの方でもう本当に土地も、財閥解体、土地改革、財産税によって大規模な富の再分配で平準化が起こって、その後、資本所得が長くやっぱり不平等が起こらない、平準化が起こった等々、あと労働法の改正、教育の民主化とか、いろんな意味で制度が民主的になった。ただ、それはその戦中の規制をある程度受け継いだものでもあったわけですけれども。その土台に高度成長が起こるんですけれども、その戦後の高度経済成長でいわゆる日本型の企業システム、日本型の人事管理制度というのが起こって、それがいわゆるボトムアップの生産性向上で、ブルーカラーワーカーに手厚く、人的支援を育てて中間層が原動力になって成長したので、これが格差なき成長という、世界的にも珍しい格差なき成長が起こった理由だと思います。また、それが日本が平等主義を育んだ特殊な状況ですね、高度成長期、特殊な状況。
 あと更に少し付け加えたいのは、その日本的な長期雇用システムとか終身雇用システムにカバーされているのは製造業大企業だけですけれども、それ以外の自営業とか中小企業とか農業とかは、今度は政府の保護政策によって賃金を上げられたことによって平等化した。だから、ここには保護政策も入り、かつ輸出産業については競争によって伸びていくという、この二つの二本立てで平等化、平等社会、一億総中流社会というのがつくり上げられたということが重要です。
 この時期に、絶対的貧困率も相対的貧困率も急激に高度成長期に減少している。つまり、貧困がほとんどなくなってきている、平均寿命も急速に延びているということなんですけれども、ここが重要なスライドです。
 日本型の平等社会の特質は何かというと、日本型平等社会というのは、まず、個人ではなくて世帯の世帯所得が平等だということです。それから、男性正社員と専業主婦がカップルになることを標準世帯と想定して、世帯内での性別役割分業が前提としています。製造業大企業、重工業モデルだったので、そもそももう男性だったんです、正社員は。それが歴史的経緯だから、女性はそもそももう正社員の入口に入っていないという状態で制度化されてしまった。
 それから、親族の扶養義務によって私的扶助を基礎として同居する非稼得者、子供はもちろん、老齢の両親、その他失業者とか病気、障害のある人とかを家族で扶助するということを前提としています。
 そして、次も重要なんですけど、日本は北欧型の福祉国家とは全然違います。それとは対照的に、日本では政府による再分配前の市場所得において既に平等で、政府の再分配に頼りません。それはだから、市場所得が平等ということは、世帯主、男性正社員、世帯主の人的資本が比較的均質であることによって、その世帯主に安定的な雇用を政府が産業政策で配ることによって平等にしていた社会だった。
 日本はアメリカに並ぶ低福祉国家で、特に政府の再分配政策を見ると、社会保険、特に年金、それから医療保険が非常に大きい。社会支出は全体的に世界でも非常に低い方なんです、日本は。でも、その低い中で社会保険がほとんどを占めていて、公的扶助、つまり貧困者の救済というのは非常に限定的です。
 ですから、日本型の平等主義にセットになってくる日本型の社会保障制度というのは、年齢層間の再分配機能は高い、年金のことです。でも、セーフティーネット、貧困層に無条件で救済をするというセーフティーネットの能力は非常に低いまま来たんだけれども、高度成長期は貧困がどんどん削減したから問題ではなかった。
 この辺りの前提が九〇年代以降にどんどん崩れるという話をしたいと思います。
 この辺りは、公的支出がやっぱり日本はOECD諸国でもずっとすごい低かったとかいうのを見せています。
 じゃ、低成長期の格差の動向は何かなんですけれども、まず、その九〇年代以降にやっぱりトリプルパンチですね、まず人口構造、少子高齢化が急激に進展した。それから、社会構造が、いろんな要因が、女性の社会進出も含めて、家族が多様化して、未婚、離婚が増加した、同居が減った、世帯規模がもう急激に減少します。具体的には、三世代同居が減少して高齢者世帯が急増、高齢単身者世帯も急増します。この辺りが貧困層のかなりの割合を占めるわけです。だから、高齢化は貧困化とかなりのというか、大きな部分を説明します。それから、同時に経済環境が、三つの金融危機が起こり、長期不況とデフレがあり、東アジアが産業化して国際競争も厳しい面にあると。この辺が全部トリプルパンチですね。
 それで、いろいろ大変な状況により失われた二十年間になってくるんですけれども、ここで特に高齢者のいる世帯の、高齢者がどんな世帯に住んでいますかというのが一九七五年から二〇一三年までの間に、ピンクが、三世代同居が激減している。高度成長の平等主義は三世代同居の私的扶助を想定していたんですけど、今はそういうことが想定できないぐらい激減して、逆に増えているのは高齢者のみの世帯、高齢者世帯ですね。
 その高齢者世帯の中でも、女性だけの単身世帯、これ何かもう千二百万世帯という物すごい単位で高齢者のみで構成されている世帯があって、夫婦のみが半分、女性単身高齢者、ここは貧困率が非常に高いです、それから男性単身高齢世帯が出てくるというこの状況がバックグラウンドにあるということを理解していないと、格差拡大を全て、経済とか非正規に全てちょっと向けて理解してしまうというのは、それかなり間違っているんですね。だから、もちろん高齢化も非常に大きな要因だということです。
 ここですね。これは、OECD諸国国際比較のジニ係数です。ジニ係数は高いほど悪いので、このランクは上の方が不平等です。一九九五年、実はこれ再分配前の市場所得では日本は一番平等、十四か国目で一番平等なところ、下にいましたが、それがだんだん上がってきているのが分かります。
 これが、再分配後ですね、の可処分所得で見ると、実は日本はそもそもそれほど平等ではない。やっぱり、再分配するノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマークという北欧福祉国家が軒並み大きく再分配するので平等になるから、日本はそもそも市場所得において政府が介入前に平等だったというのが特徴です。
 次に、じゃ、済みません、それで戻りますね、市場所得のだんだん日本が不平等になっているところは、実は高齢化が非常に大きくて、それが年金によってある程度再分配されるために、再分配後は余り順序が変わっていないということが分かります。
 じゃ、次に高齢化の、除くために、いわゆる労働年齢、世帯主が二十五歳から五十九歳の労働年齢の二人以上、単身世帯も外したかなりホモジニアスな対象に限った所得分布を見ます。
 これ、まず、市場所得を再分配前の一人当たりの等価市場所得を見たときに、一九八一年の起点から所得の各分位に、p95というのはトップ、上位から五%目の所得の値、そのずっと下まで、p5は下から五%の、それからp50という線が中央値ですね。その所得分布を見てみると、その所得分布の各分位点がどう広がっているか。広がるというのは格差が広がっているということなんですね。
 これを見ると、一九八〇年から一九九五年までは、全体に格差が広がっているんだけど、絶対水準で実質所得も若干伸びている、みんなちょっと伸びている。でも、一九九五年以降に実質所得で、その下の方の低所得者が実質所得が下がっている。つまり、本当に実質所得が、生活水準が下がっているという状態が起こっている。
 これを見てすぐ分かるのは、上位の所得の方の格差は広がっていませんよね。むしろ、そのp50から下の、下位の層がどんどんどんどん貧困化することによる格差の拡大、つまり富裕層の富裕化はほとんど起こっていなくて、中低所得者層の貧困化が日本の格差の拡大。これ、高齢者を足すともっとそうなるんですけど、除いてもそれが起こっている。ここは具体的に後ほど非正規の世帯主の世帯層から出てくるんですけど、そういうことが見て取れる。
 次に、このグラフを、再分配後ですね、これ全く同じメジャーで書いているから、グラフをスイッチバックすると、これ、再分配前、再分配後、やっぱり再分配がすごい少ない、貧困層はそんなに救済されていないということが分かると思います。これが大体の状況です。
 私、もうそろそろ時間が終わってしまうんですね。済みません、じゃ、上位所得は上がっていないということしか見せないので、飛ばします。
 相対的貧困率が非常に問題です。その相対的貧困率を見ていきたいんですけど、ここですね、これがまた、OECD諸国の相対的貧困率、これが市場所得で見ると、日本が赤い線です、日本は何か貧困率がうなぎ登りですという状態を見せていますね。これがまた、可処分所得にすると、やっぱり貧困率が余り下がらない。相対的貧困率が特に市場所得で上昇していて、それが再分配で余り修正されないために結構貧困率が上がっている。
 ところが、相対的貧困率というのは、皆さん御存じだと思うんですけど、政府の調査で二通り出ていて、赤丸と赤の白抜き丸の二つの貧困率があって、OECDの方に提出している方は高い方なんですね。どっちが本当なんだというので話題になったと思うんですけど、どっちも間違ってはいないという結論が出ています。どっちも一長一短で、調査の特性によって違いが出るんだけれども。
 ですから、日本の相対的貧困率とか子供の貧困率が今六人に一人という衝撃はある程度は、その水準が調査によって違うために、本当は国際比較に持っていくときにどっちを持っていったらいいかというのがよく分からないから、国際的に見ても物すごく高いとか、歴史的に見ても物すごく高いというところまで悲観する必要はないと思います。トレンドは正しいんですけど、水準についてはいろいろ違いがあると思います。
 じゃ、その相対的貧困率が高いのは何かというと、──はい、済みません、簡潔にまとめないといけません。男性の若年層でこのピークが見られることが重要です。それから、女性と男性で共に高齢者が非常に重要だということ、二つの要因があるんですね。高齢化、世帯の規模の縮小による単身高齢者層と、同時に男性、女性の若年層でピークが見られ始めた、ここが二つの要因です。それについて示したのがこの、どこに貧困率が高いか、高齢単身世帯ですね。あと、再分配によって貧困率が減るのが高齢者は圧倒的に、これ全て年金効果で減るんですけれども、ほかの年齢層は全く再分配効果で貧困率がほとんど減っていない、だからこのセーフティーネットがないということが表れているわけです。
 次は、非正規も高いということですね。そして、生活保護世帯も最近急増していて、ここ丁寧に分析したんですけれども、ここも時間がないからまるで飛ばしますが、生活保護世帯も実は高齢者が非常に多い。それから、近年の急上昇は、今まで就労可能層だといって断ってきたホームレスとかのそういう貧困層を受け入れるようになったから急増している、セーフティーネットとしてやっと働き始めたから急増しているということで、特に日本の貧困層がひどくなったというよりも、その方針が変わって積極的に供与しようということで高くなっているという、この二つがあります。だから、貧困率が高いことを、まあ危機なんですけれども、誇張する必要はなくて、特に若年層とか子供の貧困についてはっきりしっかり対処していくということが急務だと思います。
 飛ばします。非正規雇用も分析したんですけど、お読みください。あっ、非正規雇用の実は増加なんですけど、これは一見すると、新しい雇用創出は全部ピンクの非正規で起こっていて、雇用の創出、つくる方がピンクで、なくなる方がブルーの正規という、何かもう正規は全部非正規に置き換わっているんじゃないかという恐怖のグラフなんですけど、これも冷静に見る必要があって、このピンクはほとんど女性が、しかも多分配偶者、世帯主がいて、その配偶者の女性がパートになっていくことで六〇%以上説明できます。でも、その一部はもちろん男性非正規も起こっているわけです。だから、そこもやっぱり落ち着いて見ることが必要で、特に女性層で労働力に参入した新しい女性の参入が非正規のところが多いということで、これをもって終身雇用制度が崩壊したかと言えるかというと、私はそうではないと思います。
 何が起こったかというと、むしろ終身雇用制度を維持したいんだけど、適用範囲を縮小することによって、まず女性が一時入ったんだけど、バブルの辺で入ったんだけど、また全部女性に出ていってもらって、また正社員の女性済みませんって出ていってもらった。で、今度その正社員をもっと適用範囲を縮小したと思ったら、今度は若年男性が出た、それから中高年齢の男性も一部出始めた。だから、むしろ、終身雇用制度を維持しようとして適用範囲を縮小していることによって、インサイダーは守られているんだけど、その外側に出てしまわれた人たちのところが大きくなったためにこのインサイダーとアウトサイド、入れない人との間の格差が拡大したというのがこの今の日本の格差拡大の現状だと思います。女性はみんなアウトサイドに、外国人もみんなアウトサイドにいるという、そういうふうな現状だと思います。それをいろいろ説明しています。
 これがいかに男女の格差と対応してしまっているかというのが次の三つなんですけど、労働時間とかいろいろあるんですけど、これも、男女の賃金差とかあるんですけど、全部飛ばします。
 まだしゃべってもいいですか、それとももう本当にやめた方がいいですか。もう本当にやめた方がいいですね、済みません。

発言情報

speech_id: 119314324X00120170208_012

発言者: 森口千晶

speaker_id: 7618

日付: 2017-02-08

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会