国民生活・経済に関する調査会

2017-02-08 参議院 全82発言

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会議録情報#0
平成二十九年二月八日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         川田 龍平君
    理 事         上野 通子君
    理 事         中西 祐介君
    理 事         山田 修路君
    理 事         風間 直樹君
    理 事         新妻 秀規君
    理 事         岩渕  友君
    理 事         藤巻 健史君
                朝日健太郎君
                小川 克巳君
                自見はなこ君
                島村  大君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                松下 新平君
                元榮太一郎君
                森屋  宏君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
                平山佐知子君
                宮沢 由佳君
                伊藤 孝江君
                宮崎  勝君
               薬師寺みちよ君
    ─────────────
   委員の異動
 二月七日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         川田 龍平君
    理 事
                上野 通子君
                中西 祐介君
                山田 修路君
                風間 直樹君
                新妻 秀規君
                岩渕  友君
                藤巻 健史君
    委 員
                朝日健太郎君
                小川 克巳君
                自見はなこ君
                島村  大君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                松下 新平君
                元榮太一郎君
                森屋  宏君
                神本美恵子君
                野田 国義君
                平山佐知子君
                宮沢 由佳君
                伊藤 孝江君
                宮崎  勝君
               薬師寺みちよ君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林  浩之君
   参考人
       法政大学法学部
       教授       水野 和夫君
       株式会社日本総
       合研究所調査部
       上席主任研究員  河村小百合君
       一橋大学経済研
       究所教授     森口 千晶君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民生活・経済に関する調査
 (「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構
 築」のうち、経済・生活不安の解消(世界経済
 、金融等の情勢及び国民生活における格差の現
 状と課題等)について)
    ─────────────
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川田龍平#1
○会長(川田龍平君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として野田国義君が選任されました。
    ─────────────
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川田龍平#2
○会長(川田龍平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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川田龍平#3
○会長(川田龍平君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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川田龍平#4
○会長(川田龍平君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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川田龍平#5
○会長(川田龍平君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民生活・経済に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求め、その説明を聴取することとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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川田龍平#6
○会長(川田龍平君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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川田龍平#7
○会長(川田龍平君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」に関し、「世界経済、金融等の情勢及び国民生活における格差の現状と課題等」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、法政大学法学部教授水野和夫参考人、株式会社日本総合研究所調査部上席主任研究員河村小百合参考人及び一橋大学経済研究所教授森口千晶参考人でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、皆様方から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず水野参考人、河村参考人、森口参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、水野参考人からお願いいたします。水野参考人。
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水野和夫#8
○参考人(水野和夫君) 法政大学の水野です。よろしくお願いします。
 それでは、私から、経済・生活不安の解消についてというテーマをいただきまして、今日は、この二ページ目になるんですけれども、三つのことをお話し申し上げたいと思います。(資料映写)
 最初は、まずグローバリゼーションについてでありますけれども、これは、二〇一〇年代以降になりまして、富を下位からトップに吸い上げるというメカニズムがますます前面に現れてきているようになったと思います。いろんな国で成長戦略が行われていますけれども、それは結果としてはショックドクトリンを発動させているということになっていると思います。ショックドクトリンというのは、カナダのナオミ・クラインさんが今の資本主義をショックドクトリンと名付けて、惨事、大惨事に便乗して資本を増やす資本主義だということをハリケーン・カトリーナを例に出して指摘されています。それがリーマン・ショックでさらにみんなの目に明らかになったということが言えると思います。
 二番目は、生活不安の源泉はどこにあるんだろうかということで、これは内閣府のアンケート調査などによりますと、所得、資産が増えないという、増えないどころか減り始めているということになります。じゃ、所得や資産がなぜ減少しているかということなんですけれども、これは企業のROE重視経営が大きな原因だと思っております。ですから、このROE重視経営をやめるということが私は必要じゃないかなと思います。
 そのときに、三番目になるんですけれども、社会全体の考え方を、これまでは個人が社会に先行する、いわゆる個人の能力が社会よりも先に決まっているんだという、そういう考え方がずっと支配的でありました。それをもうそろそろ、社会が先にあって、その社会の中で個人の能力は生かされるという、そういう社会に切り替えていきませんと生活不安というのは解消しないんじゃないかなと思います。
 最初に、一番目の上位の人に所得や富が集中しているというのは、毎年、国際NGOのオックスファムが発表しているんですけれども、現在、世界のトップ八人とそれから下位三十六億人が保有している資産が同じであるということになりました。
 左側のグラフは、上位これは六十二人の、世界の富豪六十二人が一人当たりどれだけの資産を保有しているかということなんですけれども、二〇一五年時点で二百八十四億ドルです。今年出た数字は五十三ですね、五十三・三という、二十八・四の数字が五十三・三ですから、五百三十三億ドルになりました。これはちょっと統計の範囲が変わったので飛躍的にジャンプしているんですけれども、むしろ去年の二百八十四億ドルが少な過ぎるということになりました。傾向的には、上位の人の資産はトレンドとしては増え続けています。
 それから、下位五〇%の、今で言えば七十三億人のうちの半分の三十六億人強の人たちの資産は二〇一五年で四百八十六ドル、単位は全く十億ドルでも何でもなくて四百八十六ドルです。去年の二〇一六年の数字はデータが変わってしまいましたので連続性がないんですけれども、二〇一六年時点では百十六ドルに変わりました。変わりましたというか、更に下位の人たちの所得は少なくなったということです。
 この点線の動きは二〇一〇年をピークになっていますので、二〇一〇年までは上位の人とそれから下位五〇%の人はどちらもグローバリゼーションについてメリットを受けていたということになりますが、二〇一〇年以降、下位五〇%の人たちは資産を減らさないと生活できないということになりました。百十六ドルというのは円に換算しますと一万四千円でありますので、最低生活するには、絶対的貧困ラインというのは一日一ドル九十セントですから、一日の一ドル九十セントの収入が途絶えれば二か月ぐらいで生命の危機に直面するということになってしまいました。
 右側のグラフは、二〇一〇年までは下位の人とそれから上位の人にメリットがあったということなんですが、右側のグラフは、一番落ち込んでいる、これは横軸に十分位を取って、七十二億人の下位一〇%、その次と、そういうふうに分けた数字ですけど、ちょうど八〇のところが一番数字が低い、ここが先進国の中間層の人たちであります。今度のアメリカの大統領選挙でトランプ大統領、トランプさんが当選した背景というのは、ちょうどこのラストベルト地帯の人たちが水平軸では八〇の辺りに位置するということになります。これは一九八八年からでありますから、先進国の中間層はもう一九九〇年代からメリットを受けていないということになります。
 今の世界全体の傾向は日本でもほとんど同じです。もっとも、もちろん日本で絶対的貧困というのはもうないと思いますけれども、相対的には上位の人と下位の人にそれぞれ、資産が上位の人に集まり、下位の人に資産が減っていくということになっています。
 左側のグラフは、下の方にある線が中位、五十番目の人の勤労者世帯の二人以上世帯で、ちょうど五十番目の人の金融資産保有額です、七百六十一万円。最近、この二年間上がっていますけれども、これはほとんどこの中に有価証券、株式が入りますので、この数年間の株高の影響ということになります。
 右側は、金融資産を全く保有していない人の世帯が今三〇・九%になりました。これは二人以上世帯で三〇・九%なんですけれども、単身世帯では四八%になりますので、単身世帯では二世帯に一世帯がもう資産がないという状況になっております。加重平均すると三六%、世帯数で加重平均しますと、日本全体では三六%がもう資産がない、三世帯に一世帯強が資産がないという状況になりました。
 それで、資産がなくなっているのは、資産がなくしているのはどうしてなんだろうということなんですけれども、これはもう日本の中で分配に大きな原因があると思います。これは企業の中の分配であります。税制の前の段階で、大きな、説明できない分配になっているんじゃないかなと思います。
 左側のテーブルで、日本は九七年をピークにして一人当たりで見ても総額で見ても賃金は減少し始めています。二百四十五兆円の賃金、俸給が九七年度にあったんですけれども、二〇一五年度は二百二十三兆円になりました。二十一兆円、九七年と二〇一五年だけを比較して二十七兆円減少です。
 一方、非金融法人企業は、合計で三十七兆円、この十七年間になるんですか、十七年間で三十七兆円増えました。一番下の国民総所得は十二兆円増えています。ですから、こういうことが説明できるには、六千万人の働いている人の能力が九七年を境にして急速に低下し、そして経営者と株主の能力が九七年から飛躍的に上昇しているという、そういうことを説明しないと、この一方が二十七兆円減らし、一方が三十七兆円増えているということは説明できないと思います。生産活動というのは資本と労働の共同作業ということでしょうから、九七年からはもう共同作業が成り立っていないということになります。
 右側が企業の最終利益、棒グラフで示した最終利益で、今四十兆円を超えました。リーマン・ショックの直前の史上最高値の一・五倍になっています。一方、一人当たりの実質賃金は、九七年をピークにしまして、そして今一三%減。この二年、昨年は実質賃金が上がったんですけれども、でも上がってもこの程度ということになります。
 左側のテーブルの二十七兆円減少し三十七兆円企業が増えたというのは、一年だけの話でありませんでして、二〇一四年、二〇一三年、ずっと同じようなことが起きていますので、それを毎年合計しますと百七十兆円になります。本来ならば家計が受け取ってもいいはずの賃金、累計しますと約百七十兆円です。得べかりし賃金だったんじゃないかなと思います。逸失賃金と言えるんじゃないかと思います。
 その一方で、同額百七十兆円、企業の最終利益が、経常利益ですね、経常利益が増えて、その結果が最終利益として左側の棒グラフになって、企業の内部留保金が三百七十八兆円になりました。本来ならば、一方がマイナスで一方がプラスという九七年からの傾向が続けてなければ内部留保金はもっと少なかったであろうということになります。これを可能にしたのが九五年の新時代の日本的経営という報告書だと思いますし、それから、九〇年代後半の経営者に対する報酬のストックオプション制度で、株主重視ということになったと思います。
 一方で、右側のところになるんですけれども、家計も全てが資産を減らしているわけではありません。企業が内部留保金を増やしているのと同じように、家計でも個人金融資産を、一世帯当たりに直して三割の人が今金融資産をなくしているわけですから、五千百万世帯のうちの七割で千七百兆円を割りますと、今、日本の一世帯当たりの家計所得は四千七百万円になっています。四千七百万円、一世帯ずつ持って、で、高齢者のところで比率が高いと言われていますので、高齢者、六十歳以上の人が、じゃ一体幾ら持っているんだろうというのを計算しますと、六千五百万円ぐらいになります。六十歳以上の高齢者には、一世帯六千五百万円の金融資産があります。
 家計の今の不安というのは現役世代に非常にしわ寄せが来ている。六十歳以上の方は今の生活を十分楽しんでいるという、そういう傾向が出ています。全体としては、このグラフにありますように、日常生活での不安が今後の見通しを悪化させるであろうということになっています。足下の不安が将来不安にそのまま結び付いているということになります。二十一世紀に入ってからこの傾向はほとんど変わりません。リーマン・ショックのときに大きく落ち込んだんですけれども、その後の回復はリーマン・ショックの落ち込みを取り戻した程度でありまして、二〇〇二年以降、余り改善は見られません。
 じゃ、足下の不安は一体何だろうということで、足下の不安の中身を、内閣府の国民生活に関する世論調査によりますと、最も不安が高いパーセントポイント、九七年以降、所得が減り始めてからということになるんですけれども、収入についての不安が最も、これは収入及び資産についてですね、これが凡例では収入についてと書いてありますが、収入と資産について悩みが多くなりました。で、今後についてと現在について、特に現在の収入、資産が不安であるという人が九七年から非常に増えました。それが右側の時系列で表したものです。老後の生活についてよりは、むしろ収入や資産についてという若い人の、若い世代の悩みが多くなりました。
 もちろん、お年寄りも悩みはあると思うんですけれども、それを次の全体のところで、若い人とそれから高齢者ではっきりと将来に対する考え方が、二十一世紀に入ってからもうトレンドが全く違うということになりました。
 上の二つの線は、二十代、三十代、四十代までの比較的若い世代の考え方、これはもう将来に備えたいということになります。貯蓄をしたい、でも、貯蓄率は今、この三年間、国民経済計算ベースでは、三年間貯蓄率ゼロであります。ですから、所得からはもう貯蓄ができない、将来に備えられないという状況になっています。
 下の二つのグラフは、これはまだ右下がりの傾向ですから、右下がりというのは現在を楽しみたいという、こういう状況になっております。これはもう、恐らく、先ほどの世帯当たりの個人金融資産が六十歳以上のところでは六千五百万円ありますので、ゼロ金利でもそんなにすぐに打撃が来るわけではないということになっていると思います。
 今のような状況で、下位の人の資産や収入が将来めどが立たないということになり、そして一方で高齢者は、もちろん全員がというわけじゃないですけれども、現在非常に楽しんでいるという人が多いわけですが、マクロ経済的には、今、ゼロ金利になりました。ゼロ金利というのは、ケインズによれば理想的な状態というふうに言っています。
 ③番のところで、ケインズは、二〇三〇年の、ケインズがこの本を書いた、「わが孫たちの経済的可能性」、一九三〇年に書いた本の百年後の世界について記述しているんですけれども、理想的な社会になって、もう資本を追い求める人はいないはずだというふうに百年後にはなっているだろうということなんですが、ただ、心配として、財産としての貨幣愛、これを捨て切れない人がいるんじゃないかということで、この人たちはもう半ば犯罪的で半ば病理的な性癖だというふうに言っています。
 ですから、こういう人たちをどうやってそうでないようにするかということがケインズがちょうど八十年前に心配していたことなんですけれども、オックスファムの報告書によれば、まさにケインズの心配していたとおりのことになっているということになります。その場合にどういう対策を取るかということについては、アンソニー・アトキンソンが、「二十一世紀の不平等」で、もし明日の機会均等を心配するなら、今日の結果の不平等を心配しなければいけないと言っています。ですから、機会均等だけではもう国民生活の不安というのはなくならないと思いますので、アンソニー・アトキンソンが言っている万人に相続財産をという、そういう政策が必要になってくるんじゃないかなと思います。
 最後は一番下の、今まで四百年間、ホッブズに始まって、個人は社会より先に存在するという能力優先主義でこの四百年間うまくいきましたが、それが今いろんな弊害を引き起こしているということで、アリストテレスの社会が個人に先に存在するという、もう一度その理念に立ち返る、そういった社会をつくっていくということが必要、今必要じゃないかなというふうに考えております。
 以上です。
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川田龍平#9
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、河村参考人にお願いいたします。河村参考人。
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河村小百合#10
○参考人(河村小百合君) 日本総合研究所の河村でございます。本日は、このような機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。
 限られた時間でございます。要点かいつまんでお話しさせていただきまして、私に与えられたテーマ、この国民生活・経済に関する調査会の中で金融、特に金融政策というふうに認識しておりまして、日本銀行の現在の金融政策運営が抱える問題点についてお話しさせていただきたいというふうに思います。
 あと、質疑応答の時間もおありと伺いましたので、できるだけグラフ等を御覧いただければと思って資料をちょっと多めに用意しておりますが、どうぞ御覧いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。(資料映写)
 順にお話ししてまいりますが、まず、今、我が国で行われている政策運営がどのようなものかということですね。それから次に、今行われている金融政策、二つの側面がございます。黒田総裁の就任時の最初からやっている量的・質的金融緩和というもの、主として国債、あとはETFなどを多額に買い入れるものが一つの側面。それから、もう一つの側面は、去年から入ったマイナス金利の部分ですね。これ、両方やっています。マイナス金利になったから大量の資産の買入れやめたわけではございません。その影響は残っております。この影響を二つに分けて御説明をさせていただいた上で、そして簡単に、よその国どうなのか、よその国だってやっているじゃないか、よその国は平気なんでしょう、日本とどう違うのかというところを簡単に御説明したいというふうに思います。
 それからその最後に、このままいくと、今ちょっと日銀がいろいろ言っていらっしゃることを考えると、何かまだこのままあと一年ぐらい行っちゃいそうな感じがしなくはないんですが、そうなったらどうなるのか、どういう点を国会の先生方に御認識いただきたいかということについてお話しさせていただきたいというふうに思います。
 じゃ、次、御覧くださいませ。まず、この国で今行われている政策運営がどういうものかということでございます。
 四ページのところを御覧ください。今この国の経済の状態、総じて言えば、本当におかげさまでというか、良好な状態、いい状態だと思います。悪くないと思います。雇用情勢も良くなりました。もちろん、いろんな問題はあります。だからこそここの調査会が設営されていて、もちろん格差の問題とかだってあるし、いろいろあるわけですよね。でも、それはもちろんそうなんですが、全体として見れば危機じゃないですよね。危機じゃない、危機じゃない、そうじゃない。だけど、唯一良くないのが物価指標だと。このグラフで御覧のとおり、なかなか、二年で二%ということで始められた異次元緩和、量的・質的金融緩和ですが、こういう結果になってしまっているということでございます。
 そして、次の五ページのところ、大胆な金融緩和をやって人々のインフレ期待を押し上げるという話だったんですけど、実際にはそのようにはなっておりません。大事なのは、これ指数化したグラフでお示ししておりますけれども、このマネタリーベースのところ、青い線ですね、ここのところ、青い線のところがぐっと上がっていますけれども、本当にマネーサプライが、金利がある世界であれば、指数化していますので、信用乗数倍というふうにいいますが、この青い線よりも更に上回ってばあっと伸びるはずなんですが、伸びません。これはゼロ金利のときに見られる特徴でして、これは二〇〇〇年代に日本銀行が量的緩和、福井総裁の時代にやって、初めて世界で分かった事実でございます。
 そして、足下の、じゃ財政運営どうなってしまっているのかというふうにいうと、なかなかちょっと大変なんじゃないかなというふうに思います。一時期よりは、東日本大震災の直後とかよりはもちろん改善してきました。税収も伸びました。だけれども、客観的にちょっと離れて見れば、新発国債を三十何兆円まだ出す状態ですよね。これというのは、後の世代への新たな負担の追加のツケ回しです。それ以外に、借換債は本当にたくさんの額がぐるぐるぐるぐる毎年借り換え直して回っております。そういう悪い財政状態を抱えながら、どうも国全体として、もう本当に国民、私たちを含めて、危機感って全然ない感じがするんですよね。これはもう、正直申し上げて、日銀がたくさん国債を買って無理やり金利を押し付けている金融抑圧の状態ではないかと、そして事実上の財政ファイナンスが行われている状態ではないのかなというふうに思います。
 もちろん私も、これが日本の財政法で禁じられている財政ファイナンスには当たらない、ちゃんと日銀は直接政府から引き受けてはいない、マーケットというか市場をワンタッチ通しているということは、もちろんそのとおりだと思います。当事者にも、日銀にもそういう意図はない、そういうことをトップの方がおっしゃっていると。だけれども、やはり客観的な事実の影響が相当はっきり出てきているんではないのかなと。事実上の財政ファイナンス、歴史的な経験どおりの効果。やっている間はなかなかみんな気分がいいんですね。軍需景気、いいですよね。そういう状態です。今だって、景気そんなに悪くはない。だけれども、影響というのは今はないんです、後です。後でどういう影響が出てくるかということを今日これからお話をしてまいりたいというふうに思います。
 じゃ、次に参ります。
 じゃ、量的・質的緩和の恐ろしい副作用というものがどういうものがあるかということなんですけれども、世の中でいろいろ言われていること、先生方よく御存じだと思いますけれども、国債の価格形成がゆがめられている、市場流動性が落ちている、あと一年たったら日銀が買える国債がなくなるとか、政府の財政規律がゆがんじゃうとか、マイナス金利が入った後は、民間銀行の利ざやが圧迫されて、保険や年金の資産運用は大変になってしまった、企業も退職給付債務の負担大変だ、もちろん全部そのとおりです。これもう全部大変な影響です。だけど、ここに抜けている一番大事な影響があると思います。それが次のページです。
 よく言われるのは、私もエコノミストの端くれなんですけど、そういう方々よく言われたりとかということがあると思いますが、日銀の量的・質的緩和には出口はないとさらっと言われちゃう。出口はない、さらっと言って終わりにしちゃいけないんですよ。じゃ、どういう事態に陥るのかということを是非御認識いただきたいというふうに思います。
 最大の問題点は、今日これから御説明してまいりますが、中央銀行である日本銀行の財務運営。日本銀行って銀行なんです。民間の銀行と一緒です。バランスシートを立ててやっております。その財務運営が決して持続可能ではないという点です。そして、この国の歳出は、私たち国民の代表である先生方、国会議員の先生方が国会で法律を作ってお決めになる、予算も通してお決めになるものなのに、国会が何もまだお決めになっていないうちから、先々大変な財政負担が掛かってきかねないようなそういう政策運営が今続けられてしまっております。
 これは、じゃ財政負担もうもらわなくていいよ、ならいいよということになったらそれで済むかというと、そうじゃない。金融政策運営が制御不可能状態になってしまうんじゃないかということが強く懸念されるというふうに思います。そして、そういう傾向は足下のマイナス金利でも増幅されている状況にあるというふうに思います。
 転機が訪れるとすればいつかなんですけど、このまま何となくこの国は、何となくこのままゼロ金利、マイナス金利で永遠に行きそうな感じに、空気になっていますよね。そんなこと決してないと思います。いつ変わるか。変えたくなければ変わらずに済むか、そんなことはない。やっぱり一番怖いのは、この国は単独では生きてはおりません。世界経済の中でたくさん貿易をし、世界で稼がせてもらって生きております。その中で世界の情勢が変わっている、これにどうか是非御注意いただきたいというふうに思います。
 じゃ次に、量的・質的緩和、国債の多額の買入れ等から生じる問題点のところを御説明させていただきたいというふうに思います。
 十ページのところを御覧ください。昔やっていた金融政策運営と今やっている金融政策運営の違いというのをまず簡単に御説明したいと思います。
 昔やっている金融政策運営ですね、もう日本だとはるか前なんですけれど、白川総裁の時代にもちょっとやっていたんですが、基本的に、金融市場、銀行同士が取引する市場には全体としての余り金はありませんでした。お金足りている人と足りていない人がいた、だから金融取引が発生するんです。お金足りていない人が足りている人に貸してよと。都銀は、貸出先がいっぱいあるけれども、貯金がなかなか、それだけ預金が入ってこない。だけど、地銀さんは、貸出先ちょっといまいちないかもしれないけど、たくさん地元の方が貯金持ってきますよね、持っているでしょう。そこを調節する場がインターバンク市場だったんです。ところが、今は日銀がたくさん国債を買ってしまったおかげで、国債を日銀が市場、民間銀行から買うということはその対価としてお金渡しますから、対価として渡されたお金をたくさん民間銀行、持たされちゃっているんです。
 次ですね、日銀の昔のバランスシートを見てみます。二〇〇〇年末、これ御覧ください。このバランスシートは、これからよその国も含めて同じ色の塗り分けで出てまいりますので、よく御覧ください。
 日本銀行のバランスシート、資産に国債持っていますね。右側の負債のところ、発行銀行券、私たちのところに、手元にある一万円札とかあれですね。あの発行銀行券、金利付きません。これが大半。そして、民間銀行が預ける当座預金というのは、準備預金制度というのがあって、義務的にお客さんから受け入れた預金の幾らだけ預けろというのがありますから、ちょこっとだけ預ける、必要最小限しか預けない、これが普通の姿です。緑の幅はちょぼっとです。
 どうぞこれを覚えておいていただいて、じゃ今どうなのかというところを御覧ください。十三ページでございます。
 これは、二〇〇〇年代の福井総裁の頃ですね、量的緩和をやっていた終盤の頃の日銀のバランスシートの絵が左側でございます。そして、右側が最近。これ、きちんと縦の長さを金額に応じて書けばもっと右側を私がぐっと長く書かなきゃいけないんですけど、そこまでできていないのはちょっとよく御理解ください。この緑のところ、上がっておりますよね。緑のところ、福井総裁の量的緩和の時代、当座預金、さっきのやつよりは大分増えていますけど、まだまだ大したことないですね。
 これは、当時、銀行券ルールというのを守っておりまして、このベージュの国債のところが、特に長期国債が右側の発行銀行券の範囲内でしか買わないことに、そこまでで止めておこうといったことで、この当座預金に見合う左側のオペレーションの残高がありました。ちょっとテクニカルな話で恐縮ですが、これがありましたので、当時は、二〇〇六年三月、量的緩和やめましょうと決めたら、三か月でこの余剰資金、この緑のところですね、さっと回収できたんです。買入れ手形のオペレーションを満期落ちさせればいいと、テクニカルにはそういうことになります。
 ところが、今、全然違いますよね、様子が違う。というのは、この緑のところに対して水色はこれしかない。ということは、もし日銀が急にこれをやめると言ったって、吸収できるお金は本当に限られていて、この緑のところがたくさん残っていってしまう。要するに、お金じゃぶじゃぶの調子がずっといつまでも続いちゃう、これが最大の問題点ということだというふうに思います。こんなに国債たくさん持っていて、じゃ、もう売っちゃえばいいじゃん、買っているんだから売っちゃえばいいじゃんと簡単に売れるか。金利が上がる局面で売れるかというと、なかなか売れない。
 次の十四ページ、御覧ください。今、日銀が公表しているところ、市場金利が一%上がったら、日銀が被る国債の含み損は二十・六兆円。ええって感じですよね。まさか全部は売らないですけど、一%上がったところで幾ばくか売れば、もう兆円単位の損失が日銀にのしかかるということは、売ってこのバランスシート縮小はできないということは、もうしようがないから満期まで持っていて、満期が来たところで借換えには応じないで放していくというやり方でしかできないんじゃないのかなというふうに言われています。
 しかしながら、そんなことをやっていても結局いつまでたっても引締めができないんですね。いつまでもゼロ金利でいいか、それもう金利ゼロでいいか、そんなこと絶対まずいんですよね。じゃ、どうするかというので、これはちょっとアメリカが生み出したやり方なんですけど、日銀って基本的にどこの中央銀行も負債のところに利息は払わなかったんですが、この当座預金に利息を付けましょうということで、余り金が世の中にじゃぶじゃぶ出回らないように、基本的に〇・一%の金利を付けて日銀の中に囲い込んでいます。それを引き上げることで何とか乗り切っていこう、これはアメリカが今やろうとしていることです。
 日銀は、今部分的にマイナス金利、階層方式といって、このうちのごく僅かなんですが、マイナスにしたりゼロにしたりしていますけど、この大部分に〇・一付いているのは変わりません。これから先の最大の問題は、これから、じゃ、いずれ正常化させざるを得なくなって、バランスシートの縮小には時間が掛かる中で引上げ誘導をしていくときに、日銀、こちら側、国債、こちら側に付いている金利幾らなのということなんです。
 これ、大変恐ろしいことに、日本ってこれまで超金融緩和状態がずっと続いてきてしまいましたから、この十七ページの各国との国債金利の比較のグラフ御覧いただくと、日本ってもうずっと低いということは、こういう金利が付いている国債しか日銀って持てていないんですよ。全部計算した結果が十八ページです。今、日銀が持っている資産に付いている運用資産の加重平均の利回り〇・三一七%、国債は〇・三%。金利を〇・五%に引き上げるだけで逆ざやになってしまうという世界、大変なことだというふうに思います。
 それに対して、十九ページのところ、日銀の自己資本、全部でこのところ七兆円ぐらいしかありません。先ほど御覧いただいたバランスシート、三百兆とかの当座預金があって、それが一%の逆ざや、繰り替えれば毎年三兆円が飛んでいく。これから先どうやっていくのか、七兆円しかないのにどうするのかということだというふうに思います。
 次に、じゃマイナス金利の御説明させていただきます。
 マイナス金利をやってどうなったかということなんですが、基本的に短期金融市場が完全に潰れた状態になってしまいました。二十二ページのところは短期金融市場の残高をお示ししたものです。これ、グラフよりも数字で御覧いただいた方がいいというふうに思いまして、こちら、無担コールの方はちょっと戻していますけれども、かつてよりは相当落ちていますし、御覧ください、有担保コール、もう一桁減っちゃいましたね、もう死んじゃった感じですね。
 付いている金利がどうかというところ、二十四ページのところを御覧ください。もう本当に有担保コールは金利なんか付かなくなっちゃった。青息吐息の金利が無担保コールも付いておりますね。政策金利は今マイナス〇・一ということになっていますけど、そんな金利はとても付いてはいない。代わりに、日銀が無理やりマイナス金利で買い入れている国債の五年、十年、二十年、こういう金利御覧ください。特に五年のところ、これが実はオーバーナイトの金利よりも下がっているような、そういう状態になっています。
 これ、政府にとっても、マイナス金利で国債も発行できて、利息払わなきゃいけないのに逆にお金もらえちゃうなんて、何か国がもうかったかななんて、そんなに甘くどうぞお考えにならないでください。これ、どういうことかというと、すごい高値で日銀が国債買い入れますと、これ日銀が資料で出している表ですけれども、例えば百十円で買いますよね、高値ですよね。だけど、満期来たときに財務省理財局が償還してくれるお金というのは百円しかないんです。十円損するんですよね。その十円損する分というのを一気に、例えば十年後に満期が来たときに解消するんだととても間に合わないからということで、毎期均等に償却しています。実は、その損がたくさん出ています。
 次の二十七ページのところのこの償却額のところを御覧ください。日銀の決算上は、受入れ利息から差し引く形で示されているようですけれど、足下、恐ろしいですね。もう一年間で八千億とかってその償却の損がかさんでいて、どんどん食い潰されているような状況です。非常に日銀の収益、足下、今だってもう大分危なくなっております。
 じゃ、よその国との比較ということを簡単に次申し上げます。
 アメリカも似たような金融政策運営やってきました。リーマン・ショックの後でございます。バランスシートの姿を見ると、こちら三十ページのところ、先ほどと同じような色分けにしております。左側の絵はリーマン・ショックの前の段階、FEDも健全な状態のときには、預金機関の預金というのは、緑はこんな細くしかなかったというところでございますね。それに対して、今、足下、年末の数字を持ってまいりましたが、これだけ増えている。
 ですから、FEDはやはり買った国債とかMBSぱっと売れないのは日銀と一緒です、売却損かさみますから売れないので、満期が来るのを待って、いずれ将来、まあもしかしたら来年ぐらいからかもしれませんけど、減らしていくと。その間はここに付けている金利を上げることによって今対応している。その一回目の利上げが一昨年の十二月にあって、二回目の利上げがこの前ありまして、今〇・七五ですね、そういうことをやっております。
 FEDの政策運営、日銀と違うのは、こういう政策運営が中央銀行としての自らの財務運営に影響があるということを、買入れをやっている最中から、正直にきちんと議論をして国民に説明をしてきたことでございます。
 三十一ページのところは、二〇一三年ですね、FEDが国民向けに出したディスカッションペーパーの数字で、財務省への納付金を示しております。実際の推移は、これはその後と違っていて遅れているので、あっ、今と違うなと、それはそのとおりですが、こういう形になるということで十分参考になると思います。納付金、御覧ください。FEDのような政策運営をやってもゼロになりますよね。納付金がゼロになる、それぐらい。ここの部分、赤字ですね。これ、FEDは、繰延資産といって、先の利益、自分のところの先の利益を先食いする形で会計上何とか乗り切る。まさか、ゆめゆめ連邦財務省から何か損失補填してもらうなんということは制度上もあり得ない、そんなことするつもりはない、だけれども、きちんと説明しながらやっている、そういうことでございます。
 トランプさんが出てこられてアメリカの金融情勢は変わってまいりましたね、市場金利も上がってきたと。これからどうなるのかということなんですけれども、今、FEDは短期金利の引上げ誘導を順番にやっております。これがいずれかの時点で、それが二%に達したところか三%か分かりませんけれども、資産の満期が来たところで手放す、資産の縮小を始めてまいります。
 この三十四ページのグラフは、ニューヨーク連銀が出している見通しのグラフだけではなくて、アメリカの市場参加者の見通しも示しています。これ去年の夏の時点ですので、もっと前倒しにこれからなるかもしれませんが、民間の市場参加者も含めてみんなが思っていることは、近い将来、二〇一八年頃から三年ぐらいを掛けて、今四・五兆ドルあるFEDの資産を二兆ドルぐらい放す、二兆ドル放す。すごいですよ、一ドル百十円と考えたら、二百二十兆円の国債をFEDが放す、そういうことをやる。それぐらい大胆なことをやってくるつもり、それを民間も認識している、それがアメリカの金融政策です。それぐらいのことをできる覚悟じゃなければこんな量的緩和なんかやっちゃいけないんですよ。アメリカはそういう覚悟でやっています。誰も市場金利の上昇を恐れてはいません。
 次に、時間がありませんので、ECBのところお話ししたいというふうに思います。
 ECBは、債務危機がございましたので、大変厳しい政策運営、迫られました。だけれども、この三十六ページのところにありますように、債務危機、ギリシャの破綻とかございましたね、大変でしたけれども、そのときは国債は買い入れなかった、民間銀行経由での支援にとどめて、バランスシートを一方向で増やすことはいたしておりません。
 最近になってデフレの問題がありますので国債の買入れを始めましたけれども、日銀とは違うマイナス金利政策をやりまして、順序を変えたりいろいろやり方を変えて、先ほどから問題になっているような超過準備、極力増やさない政策運営していますので、済みません、先のところ、三十九ページ、これ、先ほどからのバランスシート、右側が最近のECB、左側が今の日銀です。日銀が緑のところがこんなにあるのに対して、ECBちょっとですね、すごく賢明な慎重な政策運営をしている、いつでも後戻りできる、後々財務負担がかさむとか金融政策運営が制御不可能になるということはあり得ない、そういう政策運営が行われています。
 ほかの中央銀行については、四十ページの上のグラフ、御覧ください。資産規模に表れていますが、もちろん、リーマン・ショックの後、皆さん結構資産規模を増やした、けれどもせいぜいGDP比二割から三割ぐらいだと。もう増やしたって今のECBみたいにやっぱり戻すとかという例もありますし、どれぐらいやっぱり慎重な政策運営が行われているか、一つ一つを細かに御説明できませんけれども、さっきECBで申し上げたようなああいう政策運営がどこの国でも行われている。そういう中で、ほぼ一人突き抜けて増やしている、それでまだ増やし続けると言っていらっしゃる中央銀行がある、それがこの国の中央銀行です。この現実を御覧ください。
 このまま突き進むと何が起こるかというところなんですけど、昨年の九月に総括的な検証というものがございました。今までマイナス金利でいろいろマイナス影響があったとかと認められたところはあったと思うんですけれども、今私が御説明してまいりましたような一番恐ろしいと考えられる副作用、財務運営への影響、これは完全に政府の財政運営に影響を及ぼさざるを得ないと私は思います。それについては一切触れることがなかった。これは本当に問題なんじゃないかなというふうに思います。
 どうしてそこまでして二%の物価上昇にこだわらなきゃいけないのか、そこまでしてやらなきゃいけないのか、私にはよく分かりません。実際にこの金融政策がそれになかなか効果がなかったということは総括でもある程度は認められているわけですね。そこは本当に理解できないというふうに思います。
 次のページ、四十三ページ。ところが、日銀の中でも、例えば中曽副総裁とか木内審議委員とか、やはり私が申し上げたような先々の問題ということを言っていらっしゃる方あるんですね。だけれども、実は、実際の総括ではどうも封印されちゃったような形になっております。
 執行部とかほかの審議委員の中には、長い目で見れば必ず日銀は通貨発行益でもうけられるから、昔のような負債ゼロ%に戻ればもうかるから大丈夫だとおっしゃる方もいるんですけれども、これ私がかなり遡って日銀の納付金ばあっと拾ったもので、かつてはすごい何兆円と稼いでいた時代もあった。だけれども、これ足したって本当に取り戻せるような額なのか、やはりそれぐらい深刻なんじゃないのかなというふうに思います。
 次のところ、四十五ページ、最後ですけれども、今後あり得る展開というのは、いずれ日銀が逆ざやに転落する、そして場合によっては債務超過になる。今の日銀法というのは財政補填できないということになっておりますね。ですので、そういう中でどうなるのか、もう国会でも先生方に議論をしていただかなきゃいけない状態になるんじゃないかなというふうに思います。
 今日はもう一つ資料御用意しておりまして、先週ありました日銀の総裁記者会見の要旨、こちらの方をお配りしております。こちらの九ページのところを御覧ください。済みません、ちょっと時間が過ぎておりますので。
 これ、記者の方が質問していらっしゃるんですね。私が今お話し申し上げたようなところ、日銀のバランスシートについて、ちょっと線が引いてありますけれども、実際に試算が出ていると、日銀のOBの方がされた試算で、例えば中央大学の藤木先生たちの御試算、出口から十五年間、日銀の収支は赤字、最大六・二兆円の赤字が発生。慶応の深尾先生、一定の前提の下で、損失がトータルで八十兆円。これについて総裁に、読んだことがおありになるか、荒唐無稽かどうかというふうに聞いていらっしゃいます。
 それに対するお答え、十一ページのところ、これ読みますね。この場は、記者会見での金融政策決定会合の結果を御説明してそれに対する御質問を受ける場であり、演説の会場ではありませんので、おっしゃった点については特にお答えするつもりはありませんと。
 今この国で起こっていることはこういうことです。私が今御説明したことというのは、今出てきた試算とほとんど合うと思います。これに対して、説明責任、出口について明らかにしてくれということはここにいらっしゃる先生方何人もが国会で聞いてくださっている。で、答えが多分ないですよね。でも、ここで分かるのはもっと恐ろしいことです。金融政策決定会合でこれ議論をしていないということを明らかにされたと思うんですね。これは怖いことです。
 一億の国民、私たちの国民が同じ飛行機に乗っています。外の景色はきれいです。景気は悪くない。だけど、先に乱気流がある。飛べば飛ぶほど乱気流、高いところに近づいていくのに、コックピットの中はそれに対しての議論をしていない。これが現状じゃないかなと思います。是非、この点、先生方によく御認識いただければというふうに思います。
 済みません、時間をオーバーして申し訳ございません。私からは以上でございます。よろしくお願いいたします。
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川田龍平#11
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、森口参考人にお願いいたします。森口参考人。
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森口千晶#12
○参考人(森口千晶君) 初めまして。一橋大学の森口千晶です。よろしくお願いします。
 私は、今日は格差について話すんですけれども、私の専門は比較経済史なので、今日は超長期の統計をたくさん作ってきて、特に日本だけじゃなくて長期的な観点を国際的に比較するとどういうふうに今の現状を理解できるかということで話したいと思います。(資料映写)
 問題の所在なんですけれども、今世界的に、トマ・ピケティの来日でもありましたけど、富裕層の富裕化、富の集中に対する警鐘が鳴らされていて、私は実は一九九二年からアメリカに留学してそのままアメリカでしばらく教えていたので、二〇〇七年に帰ってきたんですけど、その間に日本が格差社会になっていたというか、格差社会日本という、もうまるでキャッチフレーズみたいに普通に今日常的に使われているんですけれども、それについて私はいつも自分で、日本は本当に格差社会になったのかというのを考えていたので、今それに対して答えを書くつもりで自分でこの分析をしています。
 格差社会日本という認識が社会に浸透しているんだけれども、メディアは往々にして短期志向でセンセーショナリズムを追う傾向があって、ただ、政府の統計をしっかり見ても、いろいろ概念とか方法によってトレンドや水準も大きく違う。実際、いろんな要因が重なって同時進行しているために、格差が仮に拡大していることを事実だとしても、その要因を理解することも非常に困難です。
 それから、格差社会という用語が独り歩きしていて、何を指しているのか、単に格差が大きい社会のことを言っているのか、それとも、アメリカ型の格差を容認する、努力は報われるという、そういうインセンティブのデザインの結果として格差が大きいこと、ですから、格差を容認、積極的に容認するような社会になったことを言うのかという点も整理して考えたいと思います。
 特に、この分析では、長期的かつ国際比較が可能な統計をたくさん作ってみて、比較経済史の視座から日本の格差の現状を俯瞰して論点を整理して、今後どうしたらいいかについて考えてみたい。特に、この私の分析がもしユニークだとすればここなんですけれども、高度成長期から安定成長期にかけて形作られた日本型の平等社会というのはある特徴を持つわけですけれども、その特徴を理解することによって初めて低成長期における格差拡大の本質と理由が明確になると思います。それを今日の報告で明確にしたいと思います。
 本分析で重要なのは、幾つかの概念を区別することです。まず、市場所得、これは政府の再分配前の所得です、それから可処分所得、これは再分配後の所得、これを明確に区別しないと話ができない。それから、所得分布の上位の方の所得、富裕層ですね、と下位の所得、貧困層をきちっと分けて議論しないと今の格差の現状は理解できない。それから、世帯の所得と個人の所得も区別する必要がある。特に、日本は世帯の所得について平等なんだけれども個人の所得については平等ではないという結論を出していきます。そういうことを区別して分析していきたい。
 本分析の構成というか、何か五十枚ぐらい資料を用意してしまって、一時間分ぐらいの資料なので全部絶対できないと思うので、ここで思いっ切り論点をまず言ってから最後にもう一度まとめたいと思うんですけれども、まず最初にちょっと世界のトレンドを見たかったんですけど、時間がないのでほぼ省略します。
 次に、日本型の平等社会の歴史的起源を、戦前は本当に厳然たる格差社会だったのが、日本が高度成長期に一挙にまるで違う社会のように一億総中流社会になった、その経緯を見ます。そして、その歴史的条件ですね。日本型平等社会ができた歴史的条件によって、その特質があります。特に日本型平等主義の特質というのは、市場所得、分配前の市場所得が平等だというのが特徴です。それから、世帯を単位とした世帯所得の平等というのも特徴です。それから、民法にも書かれているんですけど、親族の扶養義務というのがあって、家族がすごく活躍して、非稼得者を家族が私的扶養するという、家族が大きな役割を果たすというのも日本の平等主義の特質です。
 一九九〇年代以降に何が起こるかというと、実際、富裕層の富裕化は起こっていなくて、低所得層の貧困化というのが最大の問題だということをお見せするんですけど、それが実は、人口構造、世帯構造、長期不況という、私はトリプルパンチと呼んでいるんですけど、これが全て同時進行したために起こるんですけれども、世論では経済環境がすごく大きいってやっぱり思いがちですよね。だけど、実はやっぱり人口構造、世帯構造が非常に大きい。ここを、高齢化と世帯規模の小さくなるところが非常に大きいということをまずはっきり認識して、それと同時に長期不況も原因がある。このトリプルパンチが日本型平等主義の前提を崩していくので今の格差が拡大してしまった社会になったということを述べたいと思います。
 具体的には、高齢化と、経済問題としては非正規の問題が出てくる。その非正規の問題が、男性非正規が出たときに初めて社会問題になる。ずっと非正規は問題だったんですけど、女性だった限りは問題にさえならなかった。だから、正規、非正規と男女がぴったり重なっているうちには問題にもならなかった。ところが、実は、日本は例えば男女格差も大きいですし、個人のレベルで見ると平等ではなかったんだけれども、それが世帯という、カップルとして、世帯として構成されるとある程度平等になる、そういう仕組みだったんですけれども、家族も多様化していますし、そういうふうにいろんな社会的なノームとか人口構造、世帯規模が変わってきたことによって世帯を単位とする平等主義の前提が崩れている。
 ですから、これからどうすればいいかなんですけれども、日本的な、今、格差社会、つまり、要は貧困化が起こっているんですけど、それについてどうすればいいか。そうすると、やっぱり日本型の社会保障制度というのが世帯を単位としている、これを個人ベースにしていかなければいけない。それから、革新性、革新力が低迷しているから成長もしていない。では、どうしたら革新力がもう一回戻ってくるか。やっぱり、今、同質性ですね、平等主義というのは同質性、均質性をすごく強調するんですけど、そうじゃなくて、そこはやっぱり多様性を尊重するような社会に、そういう多様な人が活躍するような社会に持っていかなければいけないのではないかというのが本分析のメッセージです。
 これを、今からたくさん統計を見据えながらお話ししたいと思います。時間がなくなるとその統計の方はどんどん飛ばしますので、質問がもしあったら、またそれについて質問していただければと思います。
 では、説明に入ります。
 世界的トレンドは飛ばします。これはトマ・ピケティが上位一%、成人人口の上位一%にどれぐらい国民所得が集中しているかというのを書いたことのグラフなんですけれども、世界的に昔は非常に集中していた、昔というのは一九〇〇年とか戦間期ですね、集中していたのが最近減ってきたけど、また上がっているよ。特にアングロサクソンでアメリカを中心に上がっている。ここですね、新興国も上がっているんですけど、東アジアも意外に上がっている。ここで韓国、台湾が上がってきている。日本も少し上がっているように見える。中国も上がっている。ということで、じゃ日本でも本当に、これ富裕層の富裕化というんですけど、富める者にどんどん富が集中していることが起こっているのかというのが疑問の出発点です。端的な答えは、日本では起こっていません。少し起こっていますけど、これ世界とは全然違って、起こっていません。日本の問題は貧困化です。
 日本型の平等社会を理解するための歴史的起源を簡単に述べるんですけれども、私は日米比較を主にするんですけど、これはアメリカと日本の一人当たり実質GDP、平均所得が過去百年間でどういうふうに伸びているかなんですけど、御存じのように、日本は、明治維新のときには本当に本当に技術的に何もなくて、蒸気機関車さえアメリカからプレゼントでもらった、初めて見たんですけど、そこから二回の高度成長、戦前の経済の成長、奇跡、それから戦後の高度成長を終えて、アメリカにほぼ八〇年代にキャッチアップして、でもそこから日本が失われた二十年間に入ってしまって、今はむしろ所得はちょっと拡大せず、差がむしろ開きつつあるというところです。
 この二つの経済成長を、格差とどんな関係があったかというのが次のグラフなんですけど、これは日本の上位一%集中度を見ています。そうすると、戦前の高度成長は物すごい格差の中で起こった。だけど、戦後の高度成長は格差が非常に低い平等社会で起こったという、これが、日本が戦前と戦後ではほとんど全く違う社会経済システムで経済成長を起こしたということと重なっています。
 これもちょっと飛ばします。格差社会から平等社会に日本が移ったということなんですけれども、やっぱりその大きなきっかけは戦中の戦時規制なんですけれども、その次に大きかったことが、占領期に根本的に富の再分配、平準化が起こった。所得じゃフローですよね、でも富のストックの方でもう本当に土地も、財閥解体、土地改革、財産税によって大規模な富の再分配で平準化が起こって、その後、資本所得が長くやっぱり不平等が起こらない、平準化が起こった等々、あと労働法の改正、教育の民主化とか、いろんな意味で制度が民主的になった。ただ、それはその戦中の規制をある程度受け継いだものでもあったわけですけれども。その土台に高度成長が起こるんですけれども、その戦後の高度経済成長でいわゆる日本型の企業システム、日本型の人事管理制度というのが起こって、それがいわゆるボトムアップの生産性向上で、ブルーカラーワーカーに手厚く、人的支援を育てて中間層が原動力になって成長したので、これが格差なき成長という、世界的にも珍しい格差なき成長が起こった理由だと思います。また、それが日本が平等主義を育んだ特殊な状況ですね、高度成長期、特殊な状況。
 あと更に少し付け加えたいのは、その日本的な長期雇用システムとか終身雇用システムにカバーされているのは製造業大企業だけですけれども、それ以外の自営業とか中小企業とか農業とかは、今度は政府の保護政策によって賃金を上げられたことによって平等化した。だから、ここには保護政策も入り、かつ輸出産業については競争によって伸びていくという、この二つの二本立てで平等化、平等社会、一億総中流社会というのがつくり上げられたということが重要です。
 この時期に、絶対的貧困率も相対的貧困率も急激に高度成長期に減少している。つまり、貧困がほとんどなくなってきている、平均寿命も急速に延びているということなんですけれども、ここが重要なスライドです。
 日本型の平等社会の特質は何かというと、日本型平等社会というのは、まず、個人ではなくて世帯の世帯所得が平等だということです。それから、男性正社員と専業主婦がカップルになることを標準世帯と想定して、世帯内での性別役割分業が前提としています。製造業大企業、重工業モデルだったので、そもそももう男性だったんです、正社員は。それが歴史的経緯だから、女性はそもそももう正社員の入口に入っていないという状態で制度化されてしまった。
 それから、親族の扶養義務によって私的扶助を基礎として同居する非稼得者、子供はもちろん、老齢の両親、その他失業者とか病気、障害のある人とかを家族で扶助するということを前提としています。
 そして、次も重要なんですけど、日本は北欧型の福祉国家とは全然違います。それとは対照的に、日本では政府による再分配前の市場所得において既に平等で、政府の再分配に頼りません。それはだから、市場所得が平等ということは、世帯主、男性正社員、世帯主の人的資本が比較的均質であることによって、その世帯主に安定的な雇用を政府が産業政策で配ることによって平等にしていた社会だった。
 日本はアメリカに並ぶ低福祉国家で、特に政府の再分配政策を見ると、社会保険、特に年金、それから医療保険が非常に大きい。社会支出は全体的に世界でも非常に低い方なんです、日本は。でも、その低い中で社会保険がほとんどを占めていて、公的扶助、つまり貧困者の救済というのは非常に限定的です。
 ですから、日本型の平等主義にセットになってくる日本型の社会保障制度というのは、年齢層間の再分配機能は高い、年金のことです。でも、セーフティーネット、貧困層に無条件で救済をするというセーフティーネットの能力は非常に低いまま来たんだけれども、高度成長期は貧困がどんどん削減したから問題ではなかった。
 この辺りの前提が九〇年代以降にどんどん崩れるという話をしたいと思います。
 この辺りは、公的支出がやっぱり日本はOECD諸国でもずっとすごい低かったとかいうのを見せています。
 じゃ、低成長期の格差の動向は何かなんですけれども、まず、その九〇年代以降にやっぱりトリプルパンチですね、まず人口構造、少子高齢化が急激に進展した。それから、社会構造が、いろんな要因が、女性の社会進出も含めて、家族が多様化して、未婚、離婚が増加した、同居が減った、世帯規模がもう急激に減少します。具体的には、三世代同居が減少して高齢者世帯が急増、高齢単身者世帯も急増します。この辺りが貧困層のかなりの割合を占めるわけです。だから、高齢化は貧困化とかなりのというか、大きな部分を説明します。それから、同時に経済環境が、三つの金融危機が起こり、長期不況とデフレがあり、東アジアが産業化して国際競争も厳しい面にあると。この辺が全部トリプルパンチですね。
 それで、いろいろ大変な状況により失われた二十年間になってくるんですけれども、ここで特に高齢者のいる世帯の、高齢者がどんな世帯に住んでいますかというのが一九七五年から二〇一三年までの間に、ピンクが、三世代同居が激減している。高度成長の平等主義は三世代同居の私的扶助を想定していたんですけど、今はそういうことが想定できないぐらい激減して、逆に増えているのは高齢者のみの世帯、高齢者世帯ですね。
 その高齢者世帯の中でも、女性だけの単身世帯、これ何かもう千二百万世帯という物すごい単位で高齢者のみで構成されている世帯があって、夫婦のみが半分、女性単身高齢者、ここは貧困率が非常に高いです、それから男性単身高齢世帯が出てくるというこの状況がバックグラウンドにあるということを理解していないと、格差拡大を全て、経済とか非正規に全てちょっと向けて理解してしまうというのは、それかなり間違っているんですね。だから、もちろん高齢化も非常に大きな要因だということです。
 ここですね。これは、OECD諸国国際比較のジニ係数です。ジニ係数は高いほど悪いので、このランクは上の方が不平等です。一九九五年、実はこれ再分配前の市場所得では日本は一番平等、十四か国目で一番平等なところ、下にいましたが、それがだんだん上がってきているのが分かります。
 これが、再分配後ですね、の可処分所得で見ると、実は日本はそもそもそれほど平等ではない。やっぱり、再分配するノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマークという北欧福祉国家が軒並み大きく再分配するので平等になるから、日本はそもそも市場所得において政府が介入前に平等だったというのが特徴です。
 次に、じゃ、済みません、それで戻りますね、市場所得のだんだん日本が不平等になっているところは、実は高齢化が非常に大きくて、それが年金によってある程度再分配されるために、再分配後は余り順序が変わっていないということが分かります。
 じゃ、次に高齢化の、除くために、いわゆる労働年齢、世帯主が二十五歳から五十九歳の労働年齢の二人以上、単身世帯も外したかなりホモジニアスな対象に限った所得分布を見ます。
 これ、まず、市場所得を再分配前の一人当たりの等価市場所得を見たときに、一九八一年の起点から所得の各分位に、p95というのはトップ、上位から五%目の所得の値、そのずっと下まで、p5は下から五%の、それからp50という線が中央値ですね。その所得分布を見てみると、その所得分布の各分位点がどう広がっているか。広がるというのは格差が広がっているということなんですね。
 これを見ると、一九八〇年から一九九五年までは、全体に格差が広がっているんだけど、絶対水準で実質所得も若干伸びている、みんなちょっと伸びている。でも、一九九五年以降に実質所得で、その下の方の低所得者が実質所得が下がっている。つまり、本当に実質所得が、生活水準が下がっているという状態が起こっている。
 これを見てすぐ分かるのは、上位の所得の方の格差は広がっていませんよね。むしろ、そのp50から下の、下位の層がどんどんどんどん貧困化することによる格差の拡大、つまり富裕層の富裕化はほとんど起こっていなくて、中低所得者層の貧困化が日本の格差の拡大。これ、高齢者を足すともっとそうなるんですけど、除いてもそれが起こっている。ここは具体的に後ほど非正規の世帯主の世帯層から出てくるんですけど、そういうことが見て取れる。
 次に、このグラフを、再分配後ですね、これ全く同じメジャーで書いているから、グラフをスイッチバックすると、これ、再分配前、再分配後、やっぱり再分配がすごい少ない、貧困層はそんなに救済されていないということが分かると思います。これが大体の状況です。
 私、もうそろそろ時間が終わってしまうんですね。済みません、じゃ、上位所得は上がっていないということしか見せないので、飛ばします。
 相対的貧困率が非常に問題です。その相対的貧困率を見ていきたいんですけど、ここですね、これがまた、OECD諸国の相対的貧困率、これが市場所得で見ると、日本が赤い線です、日本は何か貧困率がうなぎ登りですという状態を見せていますね。これがまた、可処分所得にすると、やっぱり貧困率が余り下がらない。相対的貧困率が特に市場所得で上昇していて、それが再分配で余り修正されないために結構貧困率が上がっている。
 ところが、相対的貧困率というのは、皆さん御存じだと思うんですけど、政府の調査で二通り出ていて、赤丸と赤の白抜き丸の二つの貧困率があって、OECDの方に提出している方は高い方なんですね。どっちが本当なんだというので話題になったと思うんですけど、どっちも間違ってはいないという結論が出ています。どっちも一長一短で、調査の特性によって違いが出るんだけれども。
 ですから、日本の相対的貧困率とか子供の貧困率が今六人に一人という衝撃はある程度は、その水準が調査によって違うために、本当は国際比較に持っていくときにどっちを持っていったらいいかというのがよく分からないから、国際的に見ても物すごく高いとか、歴史的に見ても物すごく高いというところまで悲観する必要はないと思います。トレンドは正しいんですけど、水準についてはいろいろ違いがあると思います。
 じゃ、その相対的貧困率が高いのは何かというと、──はい、済みません、簡潔にまとめないといけません。男性の若年層でこのピークが見られることが重要です。それから、女性と男性で共に高齢者が非常に重要だということ、二つの要因があるんですね。高齢化、世帯の規模の縮小による単身高齢者層と、同時に男性、女性の若年層でピークが見られ始めた、ここが二つの要因です。それについて示したのがこの、どこに貧困率が高いか、高齢単身世帯ですね。あと、再分配によって貧困率が減るのが高齢者は圧倒的に、これ全て年金効果で減るんですけれども、ほかの年齢層は全く再分配効果で貧困率がほとんど減っていない、だからこのセーフティーネットがないということが表れているわけです。
 次は、非正規も高いということですね。そして、生活保護世帯も最近急増していて、ここ丁寧に分析したんですけれども、ここも時間がないからまるで飛ばしますが、生活保護世帯も実は高齢者が非常に多い。それから、近年の急上昇は、今まで就労可能層だといって断ってきたホームレスとかのそういう貧困層を受け入れるようになったから急増している、セーフティーネットとしてやっと働き始めたから急増しているということで、特に日本の貧困層がひどくなったというよりも、その方針が変わって積極的に供与しようということで高くなっているという、この二つがあります。だから、貧困率が高いことを、まあ危機なんですけれども、誇張する必要はなくて、特に若年層とか子供の貧困についてはっきりしっかり対処していくということが急務だと思います。
 飛ばします。非正規雇用も分析したんですけど、お読みください。あっ、非正規雇用の実は増加なんですけど、これは一見すると、新しい雇用創出は全部ピンクの非正規で起こっていて、雇用の創出、つくる方がピンクで、なくなる方がブルーの正規という、何かもう正規は全部非正規に置き換わっているんじゃないかという恐怖のグラフなんですけど、これも冷静に見る必要があって、このピンクはほとんど女性が、しかも多分配偶者、世帯主がいて、その配偶者の女性がパートになっていくことで六〇%以上説明できます。でも、その一部はもちろん男性非正規も起こっているわけです。だから、そこもやっぱり落ち着いて見ることが必要で、特に女性層で労働力に参入した新しい女性の参入が非正規のところが多いということで、これをもって終身雇用制度が崩壊したかと言えるかというと、私はそうではないと思います。
 何が起こったかというと、むしろ終身雇用制度を維持したいんだけど、適用範囲を縮小することによって、まず女性が一時入ったんだけど、バブルの辺で入ったんだけど、また全部女性に出ていってもらって、また正社員の女性済みませんって出ていってもらった。で、今度その正社員をもっと適用範囲を縮小したと思ったら、今度は若年男性が出た、それから中高年齢の男性も一部出始めた。だから、むしろ、終身雇用制度を維持しようとして適用範囲を縮小していることによって、インサイダーは守られているんだけど、その外側に出てしまわれた人たちのところが大きくなったためにこのインサイダーとアウトサイド、入れない人との間の格差が拡大したというのがこの今の日本の格差拡大の現状だと思います。女性はみんなアウトサイドに、外国人もみんなアウトサイドにいるという、そういうふうな現状だと思います。それをいろいろ説明しています。
 これがいかに男女の格差と対応してしまっているかというのが次の三つなんですけど、労働時間とかいろいろあるんですけど、これも、男女の賃金差とかあるんですけど、全部飛ばします。
 まだしゃべってもいいですか、それとももう本当にやめた方がいいですか。もう本当にやめた方がいいですね、済みません。
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川田龍平#13
○会長(川田龍平君) 最後、まとめてください。
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森口千晶#14
○参考人(森口千晶君) はい。
 日本は、じゃ格差社会になったのかなんですけれども、格差が広がってしまった社会になったんです。でも、それは構造改革とかによって格差を容認していくような社会になったとは全然言えません。その理由、しかも、格差社会という武器ではなくて貧困化した社会になった、格差というと貧富の差なんですけど、日本の場合は、こっちは関係なくてこっちに、所得分化がずずずずずずっと左に寄っている状態ですから、やっぱり貧困化と呼びたいですね。ですから、日本の真の問題は低所得層の貧困化にあると、ただ、その貧困の度合いが世界的にもひどいとか歴史的にもひどいというふうに、そこまで誇張する必要はない。
 それから、その貧困化の二大要因というのが、やはり少子高齢化による高齢者の増大と私的扶助の限界ですね、があるんですけど、それがやっぱり一つ非常に大きい、それが半分以上説明できる。それから、残りのところがやっぱり、男性正社員モデルの適用範囲が縮小されて非正規雇用が男性にも起こってきた、そこがやっぱりある。それから、母子世帯とかも出てくる。
 だから、日本の格差拡大というのは、やっぱりそのシステムが変わって格差社会になった、新しい何かとても違う格差社会になってしまったのではなくて、今までのシステムどおりで頑張っているんだけど機能不全になってしまって、今までのシステムでケアできない人たちができてきたから事実上格差が顕在化した社会になってしまったというふうに理解すべきだと思います。
 最後に、じゃ、やはり日本の課題というのは、まず貧困化にきちんとセーフティーネットを持って対応する、それから、経済全体がずっと実質が下がっている悲しい状態ですから、やっぱり革新力を持って成長の源泉を求めないといけない、そのときにやはり多様性を受け入れていく、今までのような日本人男性正社員モデルではなくて、多様性を持ったいろんな人たちが刺激を与え合うことによって革新性を生み出すような社会の方向に転換する必要があると考えます。
 長くなりました。以上です。
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川田龍平#15
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願いいたします。
 質疑及び答弁は着席のまま行い、質疑の際はその都度答弁者を明示していただきますようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 元榮太一郎君。
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元榮太一郎#16
○元榮太一郎君 自由民主党・こころの元榮太一郎です。
 本日は、水野参考人、河村参考人、そして森口参考人、三人の先生方から示唆に富んだ大変貴重な御意見をいただき、誠にありがとうございました。
 では、早速質問に入りたいと思います。
 まず、私からまとめて先に質問をお伝えしますので、その後、先生方からお答えいただきたいと思います。
 本日のテーマの一つである格差ですが、格差にも様々あります。私の選挙区である千葉県では、首都圏に位置しながら美しい山や海など豊かな自然に恵まれている一方で、県内産業も非常に盛んで、農林水産業、そして商工業、さらには成田空港や東京ディズニーリゾートなど日本を代表する施設も多くあって、まさに日本の縮図というふうに言われています。このように千葉県というのは、地域間格差はあるんですけれども、それぞれの地域が特色を持って千葉の魅力を発信しております。
 そこで、まず河村参考人に、格差という観点で、物価の上昇が格差に及ぼす影響についてお伺いします。
 安倍政権においては、大胆な金融政策と機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略というアベノミクスを打ち出して、これまでデフレ脱却と経済再生に取り組んできました。現在はデフレではないという状況がつくり出されて、国内景気は緩やかながら回復基調にあると思います。
 そして、日銀ですが、黒田総裁の下、二%の物価安定目標を早期に達成するために、いわゆる異次元緩和、量的・質的金融緩和を導入しています。
 そこで、先ほどのお話ですと、二%の物価目標達成は我が国経済にとってそこまでしなければならないほどの最優先の課題だと本当に言えるのかというお考えもあるかと思いますが、この二%の継続した物価の上昇が格差という点について及ぼす影響についてお考えをいただきたいと思います。
 そしてさらに、四十五ページで日銀の債務超過の可能性に言及されて、そしてそれに続いて、下手をすると、四十七ページで、第二次世界大戦後の我が国の経験、預金封鎖、通貨切替え、財産税の再来かということなんですが、時間の関係で詳しくお聞きできませんでしたので、もう少し具体的にその可能性をお話しいただきたいのと、回避策があれば御説明をいただきたいと思います。
 次に、水野参考人に伺います。
 水野参考人の資料の三枚目に、二〇一六年、世界のトップ八人と下位の五〇パーの資産が同じというところで、左側のグラフですが、世界の富裕層対下位五〇パー、一人当たり資産額というグラフの中で、先生が二〇一〇年を境にこの格差が広がっているというお話をされたと思います。
 この広がった理由を、詳しく理由を分析なさっていれば教えていただきたいということと、あと、恐らくこの六十二人の富裕層というのはアメリカと中国に富裕層が集中しているかと思うんですが、世界ではなく日本でもそのように格差が広がっているというお考えなのか、日本についての御所見も併せて御教示いただきたいと思います。
 以上です。
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河村小百合#17
○参考人(河村小百合君) 御質問くださり、ありがとうございます。お答えさせていただきます。
 二点御質問をいただきました。
 まず一つ目、物価の上昇が格差に及ぼす影響なんですが、仮定の話ということでなんですけれども、これ物価上昇が各人の所得水準にどれだけ影響があるかということは考えなければいけないとは思うんですけれども、ちょっとそれはおいておいて、ただ、可処分所得が格差の問題でと、今、森口先生がいろいろ細かく御説明くださったんですけれども、なかなか収入が伸びないような状況の中にあって物価だけがじりじりじりじり上がっていってしまうと、それこそやっぱり本当に実質所得のところが限られてしまってくることになるんではないのかなというふうに思っております。
 ですから、物価上昇が、ちょっと今日の私の話はそれで止められるかどうかとかそういう話でもあるんですけれど、仮に、じゃ二%というふうになったとしても、今の状態からすると、やっぱり今より大分上がるかなという感じになると思いますね。ただ、そういう状況が続いていってしまうと、やはり格差で、低所得層のこと、いろいろ生活のこと、お金の繰り回しのこととか考えると、やはりなかなか厳しくなってしまうんではないかなというふうに思います。
 ただ、物価が国全体としてどうあるべきかということというのは、単純に格差のことだけ考えれば、やればいい話ではもちろんなくて、それはもう先生はもちろんよく御存じだと思うんですが、いろいろなことを考えなきゃいけないんじゃないかなというふうに思います。
 先ほど私が、そこまでして二%を目指さなきゃいけないんですかというふうに申し上げたのは、金融政策という手段を使って、先行きのこれほどの大変な財政負担を被りかねないような、そういうことをしてまで、効いているか、実際に効果があるのかどうかも分からない金融政策をまだ続行する必要があるのかなという、そういう問題意識で申し上げました。
 もう一つの二問目の御質問について、四十七ページのところ、済みません、飛ばしたところ御質問いただきまして、ありがとうございます。
 なぜこの第二次大戦後の状況のようなことに陥りかねないのかというところをちょっと簡単に御説明しますと、このまま行ったときに怖いのは、日銀が国債をずっと買いっ放しで続けて、世界的にもゼロ金利が続けば、マイナス金利とかゼロ金利が続けば、多分問題は何も表面化しない、誰も痛まないんです。怖いのは、やっぱり、日本はデフレ脱却はまだだからこの情勢を引っ張りたいんだけれど、海外情勢が変わってくるときなんですね。
 実際にもう少し変わってきましたね。海外の金利、上がってきましたよね。去年ブレグジットの国民投票があってぽんと上がったり、トランプ今の大統領が当選されて上がったり、いろいろ状況が変わってきて、この国って鎖国された中で生きているわけではなくて海外経済とのつながりの中で生きている。海外の金利と日本の金利を、そういうところも主として見ながら為替レートとかだって決まってくる。その差が大して開かなければいいんですけれども、大きく開いてくると、やっぱり日本だけゼロ金利でよその国が金利が上がってきた、ほかの国は日本のように中央銀行がコントローラビリティーを失っている国、ないんですね、実はないから必要に応じて実際に金利上げていますし、これからも上げられます。よその国も少しずつ上げてきたときに、日本だけデフレ脱却が完全じゃない、まだだ、ゼロ%のままだ、マイナスのままだと言ったらお金が逃げていってしまう、これはなかなか止められないんじゃないかなと。
 止めるならいろいろ為替市場介入とかいう手もありますけど、どこまで効くかという話もありますし、一番基本的な手段は、やっぱり中央銀行が、そういうところも見ながら、海外情勢も見ながら、国内の物価情勢も景気ももちろん大事なんですが、見ながらやっぱり金利を少し上げなきゃいけない状況も出てくるけれども、さっき申し上げたような事情で、普通、中央銀行が政策金利を動かすのにはそんな財務コストなんか掛からないのが普通の世界なんですが、今掛けざるを得ない世界に入っちゃったんですよね。入っちゃって、それを考えると、事実上もう上げられなくなってくるんじゃないかというようなことになったらどうなるかですよね。そうすると、もう止められない。
 恐ろしいことに、この国内には今、さっきちょっとバランスシートで図お見せしましたけど、緑の部分の当座預金たくさんありましたよね、恐ろしく日本だけ大きい三百何兆円。あれ、過剰流動性です。あれ、金融機関、今行き場がないし、日銀で預けています。プラス〇・一%の金利付けてくれるから預けていますけど、〇・一%じゃ回らない。何というか、海外の金利が上がって円安が進めば輸入物価は上がりますね。良くない形で日本の物価、ガソリンの値段がばあっと上がってくる、宅急便の値段にもはねてくると、そういう感じですよね。いろんな価格に上がってきたときに、日本だけ無理やり抑えようとする、そんなことをすると、もうやはり資金流出が止まらなくなっていく、財政が回らなくなってくるというところで、先生が御質問をくださったところになると思います。
 この国、財政運営回らなくなったらどうなるか。ギリシャみたいにならないでしょう、外人が持っていないから、国債をと言うんですけれど、これ考え方ちょっといろいろあって、ギリシャは半分ぐらい外国人に国債を持ってもらっていました。すごいすったもんだがあったのは御存じのとおりなんですけど、半分持っていたうちのそれの元本の半分は踏み倒しに応じてもらったんです。その代わりギリシャ自身も身を切れと、すごい改革しましたよね。社会不安になって火炎瓶が飛んで、すごかったですよね。そういうことになったけれども、やった。
 そういうことがあったんだけれども、日本はどうかというと、海外が国債持っていないんですよ。そうすると、日本国内でやるしかない。だから、今海外が何もこの国に言わないのはだからなんですよ。
 そうすると何が起こるか、先生の御質問のところですね。そうすると、どうするかといったら、例えば国債の価格が何というか下がってしまう、銀行も大変、日銀ももちろん大変なんですけど、民間銀行も大変、そういうときは普通政府が公的資金注入しなきゃいけないですよね。お金ありますか、市場金利が上がってきたところで。
 ちょっとグラフもお付けしましたけど、利払い費が相当増えますよね。五十ページのところに、お手元、もうちょっとスライドないのでお手元の紙の資料五十ページのところを御覧いただきたいんですが、財務省、仮定金利大分下げましたけれども、それでも利払い費がこうやって上がっていったときに、今の予算、利払い費十兆行っていないですよね。だから組めているけど、これが十五兆になったら、五兆税収伸びますか。伸びない中で利払い費に五兆余計に取られたら、どこを切りますか。社会保障切りますか、切れますか。切れないですよね、大変ですよね。ということは、もう国債の追加発行で公的資金注入ができないということは、預金を引き出せない方向に持っていくしかなくなる。それは、この国が戦後の、敗戦後のその処理としてやったことなんですね。
 ですから、本当にこのまま突き進んでしまうと、きっかけは多分金融政策がつくっちゃうんじゃないかということで、ギリシャとは違う、国内で国債を保有している国のパターンとしての、何というのか、預金、預金の封鎖まで行くか分かりませんけど、まず引き出し規制ぐらい、ギリシャなんか今もやっていますよ、そういう形でやらざるを得なくなるんじゃないか。
 そして、戦後のときには、良くないことに、そうやって預金を先に政府が押さえておいた上で、国会で、ほかに手がなかったと思いますけれども、財産税、森口先生の話にも出てきましたよね、財産税で格差がというような話が出てきましたよね。財産税をがっぽり取って、後から法律を通して財産税を取ることにしましたと、ついては、これは半年前に封鎖した預金のところからお支払いいただくことにいたしますという。怖いですね、そういうことできちゃうんですよね。
 そういうことになって本当にほしくないから言っているんですけど、そうなる前に是非、先生方にいろいろ議論して止めていただけないかということで、済みません、ちょっと私のお答え長くて。よろしいでしょうか。
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川田龍平#18
○会長(川田龍平君) 水野参考人、お願いします。
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水野和夫#19
○参考人(水野和夫君) それでは、最初にまず、二〇一〇年を境に格差が、資産でいう格差が広がってきた、その理由についてなんですけれども、これは二十一世紀の初め、二〇一〇年の前ですね、リーマン・ショックの前まではBRICSの台頭ということで、このときはカップリング論とデカップリング論が対立。デカップリング論というのは、もうBRICSが独自で成長していくんだという、これがデカップルですね、先進国と新興国はもう別々だという、そういう議論が一つあって、もう一つは、いや、そんなことはなくて、やっぱりカップリングですよと、先進国が成長して、それで新興国が追いかけていくんですよという当時対立があったと思うんですけれども、このストックなんですけど、ストックの格差というのはフローの格差が累積していくということですから、成長率にもほぼ置き換えられると思いますので、そうすると、二〇一〇年以降、今の時点で振り返ってみればやっぱりカップリング論が正しかったんだと、先進国が成長しないとBRICSも高度成長が続けられないんだということが今の結論だと思うんですね。
 二〇〇八年のリーマン・ショックで、その後、二〇〇九年に中国が四兆元の景気対策、日本円で当時四十兆円ぐらいだったと思いますが、四十兆円ぐらいの景気対策で一応中国が世界を救ったということになったんですけれども、その後、中国がじゃ持続的な成長経路に乗っているかというと、今、中国の成長率は六・七ぐらいでずっと停滞ぎみということですので、この理由は、先進国が成長していかないと、やっぱり新興国は独自で内需発展のモデルでは成長できなかったということだと思うんですね。
 何で、じゃカップリングなんだ、カップリング論が振り返って今から正しいんだとすると、世界全体の成長というのは、結局いつの時代もそうだと思うんですけれども、全部が成長したことなんて一度もないんですね。特にどの時代も、二十世紀も十九世紀も、もうずっと遡ると、成長する人とそうでない人、フランス革命の後は成長する人が圧倒的に増えたんですけれども、でも、それでもやっぱり第三世界で取り残される人たちがいたということですので、そうすると、二〇一〇年以降というのは、元々、資本主義が持っていた成長する人としない人、それがリーマン・ショックによってより明らかになってきたということじゃないかなと思います。それから、資本主義が七十二億人を、今でいえば七十二億人を全員豊かにするシステムではないということが大きな原因だと思います。
 後半の、今八人で日本円に換算すると一人六兆円ぐらいになるんですね。八人が四十八兆円持っていますので、一人六兆円。その八人の分布を見ると、多い人で八兆円、少ない人で四兆円でした。全部が欧米の人ですね、アマゾンとかザッカーバーグとかビル・ゲイツですね、こういう人たち。でも、日本はその八人の中に入らないかというと、ちょっと不確実ですから余り特定の名前はあれですけど、たしか二兆円持っていらっしゃる、資産で、人はいらっしゃると思いますので、これは株高が進めばすぐに二兆が三兆、これは三万円にならないといけないのかも、日経平均がですね、ならないといけないと思いますが、あと何年かたつと、日本でも八人の中に一人入ってくる可能性は十分あると思いますので。
 日本の格差は、所得では生じないと思うんですけれども、資産の継承ですね、相続によって資産格差がどんどん広がっていくという状況だと思いますので、格差による、貯蓄率ゼロなのに、マネーストック、八百兆円のマネーストックでいつも三、四%増えているという、二十数兆円が増えているんですよね。
 だから、この二十数兆円というのは、勤労者所得ではもう発生しないはずなのに二十兆から三十兆円預金が増えていくというのは、一つは資産、資産市場、資産価格をいっぱい持っている人、それを売却して預金に換えるということが一つと、それからもう一つは、六千万円以上あるのに一律年金が年数百万円、使い切らない、一生、預金口座、年金の移動が全くない人ですね、そういう方が金融機関にはかなり存在するということですから、それが世代交代のときに次世代に渡るということですので、日本の格差は私は資産格差で生じているんじゃないかなと。日本でも資産格差については広がっていると思います。
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川田龍平#20
○会長(川田龍平君) ありがとうございます。
 時間が過ぎましたので、終わりに。
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元榮太一郎#21
○元榮太一郎君 ありがとうございました。
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川田龍平#22
○会長(川田龍平君) じゃ、次は風間直樹君。
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風間直樹#23
○風間直樹君 どうも、参考人の皆様、今日はありがとうございます。よろしくお願いします。
 私からは、主に河村参考人と水野参考人にお伺いをしたいと思います。
 まず、ちょっと感想から申し上げたいんですが、今日、河村参考人が御紹介いただきましたこの日銀の総裁記者会見要旨、二〇一七年一月三十一日、拝見しました。非常にこれは重い、大変重い、後世に残る重大な、極めて、我が国の歴史上、特に財政運営の歴史上重要な記者会見の記録だと感じました。
 私、これを読んで非常に大きなショックを受けたんですが、二点申し上げたいと思います。
 まず一点は、黒田総裁にこの質問をされた記者の方、どの社の方かはここには書いておりませんけれども、この記者の方は非常に勇気のある優秀な記者だと思います。こういう記者が我が国のマスコミに存在をして、そして国民生活の安定のために必要な的確な質問を日銀総裁にするということは我が国の大きな資産の一つだと、そんなふうに感じました。
 二点目、この記者の質問に対して黒田総裁の答え、極めて卑劣な、そして非常にひきょうな答えであります。つまり、この質問をした記者の方も相当渾身の勇気を振り絞って、これまでの記者会見で、これ日銀でやっているわけですが、誰もほかの記者がしたことがない、こうした本質的な質問をしたにもかかわらず、黒田総裁はそれを正面から受け止めずに、完全に逃げています。これは、我が国の中央銀行の総裁としては私は資格がない、非常に不見識だと思います。そのことを強く指摘しておきたい。
 最後に、先般、参議院の財政金融委員会で、黒田総裁と私、質疑をいたしました。総裁の任期が二〇一八年の四月、つまり来年の四月だということであります。今日、河村参考人からお示しいただきました資料を見まして、多分、この委員会室に御参集の委員の皆さんは、これは相当、日銀の金融政策、我々が想像する以上に大きな負担を抱えて大変だなというお気持ちになったと思いますが、それに対して黒田総裁は、衆議院の場でも参議院の場でも、我々国会議員の質疑に対して常に時期尚早という言葉を繰り返し、国会という国権の最高機関、つまり国民が選んだ国会議員が集う場において論理的な議論を行うことを全て遮断してしまっています。こうした総裁を我が国の中央銀行総裁として今後も、来年四月以降も頂くことは、私は適切ではないと思いますので、今日改めて、黒田総裁は来年四月の任期切れをもって速やかに退任すべきだと感じた次第です。
 そこで、川田会長にちょっとお願いなんですが、今日参考人のお三方から配付いただきました資料、いずれも極めて貴重な、示唆に富む内容であります。そこで、もし可能であれば、本調査会の議事録末尾への掲載か、あるいは調査会のホームページへの掲載を後刻理事会で御協議いただきますようお願いいたします。
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川田龍平#24
○会長(川田龍平君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
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風間直樹#25
○風間直樹君 それでは、残りの時間で質問させていただきます。
 河村参考人から、非常にクリアに、斬新に今後の日銀の金融政策の見通しをお示しいただきましたので、これは私の印象ですが、日銀が将来、財務毀損の状況に陥る可能性が極めて高いだろうと感じています。私の関心は、今後日銀がどうなるかということではなくて、日銀が財務毀損に陥った場合、その状態をどう回復し、新たな金融行政を担う主体を我が国にどうつくるかということに実は移行しております。
 したがいまして、この点について河村参考人と水野参考人のお考えを伺いたいと思うんですが、古今東西の歴史でこうした事態の可能性に対して一つの参考となるのは、御案内のとおり、第二次大戦の前のドイツであります。第一次大戦後、ドイツは金融危機に陥りました。百億倍のインフレに陥り、当時のライヒスバンク、日本語で言う帝国銀行が事実上の倒産。そして、その後、ドイツ政府は新たにレンテンバンク、日本語で言うところの国家不動産銀行、これを設立し、レンテンマルクという新通貨への切替えを行った上で、この新通貨による国債の償還を旧ライヒスバンクに対して行っています。これによってドイツのハイパーインフレは約一年半でようやく収束したというのが歴史の事実であります。
 私は、万が一、将来我が国に同じような事態が起こる可能性があるならば、我々国会議員も、この公の国会の場で議論するかどうかは別として、そろそろそうした事態に備える必要があるんだろうと思います。その場合、では、現在の日銀が財務毀損体質になって、ドイツに倣って新たな日銀を創出する場合、どのような信用の付与をこの新日銀に対して行うべきなのか、そこがお二方参考人に質問したいところであります。
 私の考えでは、まず、ドイツの例に倣えば、ライヒスバンクが潰れた後、レンテンバンクに対してドイツ政府が不動産の供与、実物の供与によって信用の付与を行いました。したがいまして、将来日本で同様のことが起こるとすれば、新たな中央銀行に対して日本政府は同じく不動産の供与を行って、あるいは実物、これはゴールド等の希少金属も含んでくると思いますが、それにより信用を与えるということになろうかと思います。
 そしてもう一つは、新しい中央銀行執行部の刷新であります。現在の日銀の金融政策がもし失敗するということになれば、それはリフレ派の敗北を意味します。したがいまして、新中央銀行の執行部には非リフレ派の登用が不可欠、それが中央銀行の新たな信用を創出することにつながるんだろうと思います。この二点につきまして、お二人の参考人の御所見をいただければと思います。
 最後に、現在の日本の通貨、円の信用は、御案内のとおり、一九七〇年代の金兌換停止以降、実物を裏付けとはしておりません。では、この金兌換の停止で同じく実物の裏付けを失った米ドルですが、この米ドルの信用の裏付けは今日何なのか、この点を最後にお二人の参考人にお尋ねしたいと思います。
 以上です。
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川田龍平#26
○会長(川田龍平君) では、まず河村参考人、よろしいですか。
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河村小百合#27
○参考人(河村小百合君) 風間先生、ありがとうございます。幾つか先生の御意見を伺いまして、御質問を伺いました。
 私の方から申し上げたいのは、もうちょっとかなり相当一足飛びに相当先のことを考えておいでになるなという感じがするんですけれども、先生にちょっと御認識いただきたいのは、そういう状態に陥るときに、日銀だけおかしくなったから切り直せるという状態ではもはやないと思います。先ほど元榮先生が御質問くださったように、本当に申し上げたくないことですけれども、私も子供を持っている親でもございます。そういう中で、この国がどういう状況に陥るか。日銀だけがおかしくなるんじゃないんですよ、この国の財政運営がおかしなことになるんです。それこそ戦後の経験、やりたくないけど、もう一回やる、そういうような中でどうやって中央銀行を立て直すのか、そういうような状況に厳しくなると思います。
 二つあると思うのは、もう財政が行き詰まるだろうということ、それからもう一つ、資本移動規制を掛けざるを得なくなると思いますね。もう何十年か前の状況に戻るんだから大したことないと思われますかね。だけど、この国のように、もう国内の成長がある程度なかなか頭打ちで難しくて、各企業、やっぱり海外に市場を開拓していっぱいやっていますよね。そこが自由にできなくなるんですよ。さっき申し上げたような資本の流出止められなくなれば、中央銀行動けなくなっちゃうんだから、介入にも限界があるんだから、そういう資本移動規制も掛け、財政は行き詰まり、大変な歳出カットとかはもうせざるを得なくなるでしょうね。国民の生活も本当にどうなっちゃうのかなという中で、じゃ日銀をどう立て直すのか。ちょっと私もなかなかそこまで具体的に思い付くところがないですけれども、もう本当に抜本的に立て直さなきゃいけなくなることは間違いはないんじゃないのかなというふうに思います。
 その中で、そうやってもう政府の財政運営が本当に困窮する中で、どうやって日銀に対して信用を供与すべきかというところも、なかなか、どこから持ってこれるかというのはなかなか難しいところなんではないのかなというふうに思います。
 あとは、それから金兌換停止云々の話も言われましたけれども、多分、日本、そういう状況に陥ったときに、日本はかなり資本移動規制も掛けなきゃいけなくなって、恐らく為替の変動相場制も守れなくなると思います。それはイコールだというふうに思いますね。ですから、そこで、兌換制云々のところまではちょっと分からないですけれども、間違いなく今とは全く違うような国際金融の中での位置付けでこの国はやっていかざるを得なくなる。そうすると、企業の素直な行動としては、そういう国にとどまっていてはビジネスはできないんですよね。別に出ていきたくて出ていくんじゃないんだけれども、そんな国でビジネスはできなくなる。そんなことをしたら、私たちの雇用の場というのはもっともっと失われちゃう。じゃ、子供を一緒に連れて、海外に本社が出ていくそうです、一緒に海外に出ていける方はいいかもしれないけど、そうじゃない人間が残って、うちなんかもそうなんですけど、重い財政負担背負って生きていく、そうなっちゃうようなことになってしまうんではないのかということを非常に危惧します。
 あと、一つだけちょっと追加で申し上げたいのは、先生方にお願いしたいのは、あと一年ありますよね。もう何か先生方、いっぱい国会で質問もしてくださっていると思うんですよ。でも、全然答えが来ない。何か、諦めないでいただきたいんです。それでもいっぱい言っていただきたい。八十兆円ペースでの買入れ、今やっていますよね。これ、あと一年、もうしようがない、ここまで来たらしようがない、ひどいからしようがないと私言われちゃったこともあるんですけど、ほかの国会議員の先生にね。もうこんな国早く潰れればいいんだと言われたこともあって唖然としたこともあるんですけど、そんなことはない。
 この八十兆円を、まあすぐにはやめられないでしょう、今やめる、ここである程度思い切ってやめて、ちょっと説明できなかったんですが、私は、本当に先行きのリスク管理に、もうそこに集中した金融政策運営に切り替えていくべきだというふうに思っているんですけれども、これをまだあと一年間続けると八十兆円更に資産が増えると。逆ざやになったときの掛け算、三百兆の掛け算だと先ほど申し上げましたよね。それがまた八十兆円増えちゃうんですよ。やっぱりそれは何とかして止めてほしいというか、そういう議論を是非国会の方でもお願いできればというふうに思って、申し訳ありません、何か風間先生のお尋ねにうまくお答えできていないところが多々あると思うんですが、申し訳ありません。
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川田龍平#28
○会長(川田龍平君) ありがとうございます。
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水野和夫#29
○参考人(水野和夫君) まず、私は、ゼロ金利というのは、恐らく日本が今そうなっているんですけれども、これからアメリカも、アメリカは利上げしていますけど、恐らく十年ぐらいたてばもうアメリカもゼロインフレ、ゼロ金利になってくるだろうと思いますし、それから、新興国は先進国が成長しなければ輸出先がなくなるわけですから、新興国も成長が止まると思いますので、金利はほとんどむしろ上がらないんじゃないかなと、余計なことをしなければですね。金利が上がらないとリスクプレミアムだけが跳ね上がるという、今のような量的金融緩和をずっと続けていくという。リスクプレミアムをどうやってコントロールするかというのが、これはもう日銀の私は役割を超えてもう政府の役割で新発債をもう発行するのをやめるという。一千兆円の国の借金で九百兆円ぐらいあるんでしょうか、国債というのは、もう永久ゼロ国債と思うしかないと思うんですね。
 新発債が発行されなければ、あとは借換えだけですので、貯蓄率がそのときにマイナスになっていると外国から借り入れなきゃいけませんので、国民貯蓄、いわゆる経常収支が均衡させておけば、マクロベースでは新発債ゼロで、新発債の発行がゼロで経常収支が均衡していれば、国内で誰かの余剰は誰かの不足になりますので、日銀が本来、もうこれから、ですから、消費者物価がずっとゼロになれば、金融政策は私はもう日銀の主要な政策ではない、なくなると思います。
 リスクコントロールは政府の仕事だと思いますので、新発債をやめる。リスクプレミアム上がらないようにしておけば、自然利子率、あるいは潜在成長率ゼロでならせばゼロ金利ということですので、そうすると、預金者は永久借換債ですから、もう一つ、政府のリスクプレミアムに対し新発債をなくす、新発債を発行させることをなくすことと、もう一つは、預金者は国債のもう事実上の保有者、銀行を捨象すればですね、国債の保有者になっていますので、預金者である国債の保有者に、日銀は、一番目の信用、ドイツの場合は不動産の信用供与ということだったんですけど、これからの日本の政府の仕事なんですけれども、社会保障サービス、あるいは格差をなくすというサービスの供与をそれは日銀が与えられないと思いますので、政府の財政政策で安心、安心ですよと、その一千兆円の個人預金はマネーストックで八百兆円の預金の受け取るべき利子、利子というのはもう現金ではなくて国からのサービスというのを預金者が受け取れるんですよという、それを百年安心ですよとみんなが本当に思うようなそれをすれば、恐らく預金者は、現金は、株でいえば現金配当はないけれども、サービス券はいっぱいもらえるなと、日本株式会社に出資者になってということになると思います。ですから、社会保障を中心とした信用供与ということになるんじゃないかなと思います。
 それから、二番目の御指摘は……
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