森口千晶の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(森口千晶君) ありがとうございます。論文も読んでいただいたので、ありがとうございました。驚きました。
 今、働き方改革で委員会ですか、も起こっていて、いろいろ提言されていて、かなりフォローしているんですけど、そこには労働契約者もたくさん入っていて、その辺りの提言には私は共鳴するところが非常に多いです。
 でも、どうやって実現していくかというのが多分大きな問題で、例えば、いろんなところで制度化されて硬直化したというのが、確かに高度成長期は割に、制度化じゃなくて、それがインセンティブのメカニズム、それがというのは、日本型の雇用管理制度がインセンティブとしてうまく働いてうまくいっていたんですけど、安定成長期の辺から、もう雇用保障命みたいになってきて制度化が始まって、政府の規制によって雇用を保障するということが始まった辺から、雇用保障は大事なんですけど、ある種の雇用は保障しない方がいいかもしれない。例えば適材適所じゃないような、例えば、鉄鋼がブームのときに卒業した優秀な人たちがみんな鉄鋼に入って、三十年後にも鉄鋼業にいていいのかとか、いろんなやっぱりダイナミズムがあって、産業ってどこでイノベーションが起こるかでどんどん移っていきますよね。
 例えばアメリカの場合だと、そういうときにはもうイノベーションが起こらない産業は退出して、参入するんだけど、日本の場合は一つの企業がずうっと存続して、むしろ企業が多角化して違う産業に入っていくという形になっていますよね。それは、企業が雇用を保障するんだけど、雇用がある産業に行かなきゃいけないからというふうに、そういう意味で日本は企業はずっと存続して産業を超えていくという形で何とか頑張っているんですけど。
 だから、そういうふうに、インセンティブを考えないで例えば雇用を保障したりすると、というか、再雇用しなさいという制度をつくってしまうと、やっぱり効率性がある程度犠牲になりますね。その効率と公正のトレードオフをどうするかというところでもちろんみんな悩んでいるんですけど、私、やっぱり日本型人事管理モデルが効率的であるという業種とかは限られていると思っていて、全てに当てはまるわけではないんですけれども、安定成長期の辺にそれが中小企業にも広がったりして随分拡張されて、それがある程度制度によっても拡張されたところがあって、その辺で不効率なところもできてきたんだと思うんですね。今、そこをカットバックしようとするとやっぱりそれで何かいろいろ問題が起こると。
 だから、やっぱり、思うんですけど、日本はどっちかというと創造的破壊が苦手で、短期の痛みをすごく感じるので、できるだけゆっくり変わって、余り、ほとんど変わらないという形が多いと。じゃ、改革の痛みをどうするのかというとき、やっぱりそこでセーフティーネットか何かがあって、最低限を保障することによって何か改革をしたときのコストを少し緩和するというか、そういうふうにしていくしかないと思うんですけど、やっぱり今のところ、多分日本は制度の変化のスピードが非常に遅い国というところがあると思います。働き方改革もそういう意味でいろんなところで暗礁に乗り上げているような気もします。
 あと、世帯単位じゃなくて個人でというときに、例えばその世帯単位の最たるものとして、例えば配偶者控除というのがあるわけですよね。やめようかという話がずっと出るけど、やっぱり駄目でしたよね。今回駄目で、そのうち何か逆に限度が上がったというのはやっぱり経済学者はみんなかなり茫然としたんですけれども、やっぱりそういうふうに現実に変えようとすると、もちろんそれで痛みを受ける人とそれでうまくいく人の両方が出て、そこですね、そこをどうやってうまく、何でしょう、そこをうまく交渉してその改革を進めていくというそこに多分力を尽くす必要があって、その働き方改革で出てきている案は実際かなり優れた案が多いと私も思っています。

発言情報

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発言者: 森口千晶

speaker_id: 7618

日付: 2017-02-08

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会