森岡孝二の発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○参考人(森岡孝二君) 私は、日本の労働時間制度の、一九四七年の労働基準法以来の七十年における流れをざっと見て、一番特徴的なのは、結局、法律の上では、法定労働時間で使用者が労働者に命ずることのできる最長労働時間が、かつては一日八時間、週四十八時間、その後、一九八七年改正以降は、これは全面実施にはほとんど十年近く要しましたが、逆の、週が第一の項目になって四十時間、八時間となっています。
そういうふうに定めながら、結局は、先ほど樋口参考人がおっしゃったように、青天井状態が続いてきたんですね。つまり、労使自治に委ねる、任せる、法的規制は、時間外労働の間接規制はするけど、時間外労働の絶対的な長さについてはしないという解除規定がありまして、それを考えると、もう七十年延々と続いてきた制度を昨日今日の論議で、しかも政府サイドの論議で変えるということ自体が非常に大きな課題であると。幾つかのことで打ち出しをされていますが、結局、ついせんだって、二月十四日に出てきたいわゆる事務局案で見ると七百二十時間になっていますが、週は抜けて、四十五、三百六十というのを法律に書き込む。
だけど、法律に書き込んでも、結局、四十時間と八時間が法律に書き込まれていますが、それが特別協定の三六協定でクリアされて、更にそれを目安時間で指導基準が一応九八年以来定められても、それさえクリアすると。今回は、法律になっているけど、もう一度一重ねして、結局特例条項は残しますから、それはその限りにあらずと。恐らく、労災認定基準からいって、いわゆる過労死ラインとされる複数月の八十時間、単月の百時間というのが浮かび上がってきて、最後そこに落ち着くんじゃないかと懸念されますが、いずれにせよ、今の案では過労死の実効的な防止にはつながらないと。
過労死につながらないということは長時間労働の削減にも有効な期待が抱けないということになりますので、私が今日提起した労働所得格差の是正等について言うと、非常に大きな課題でありながら、しかも期待されている政府の英断というか、あるいは本当の長時間労働の解消に踏み出すということが大きな課題になっていながら、そこでもう一段階、何か中途半端な策でまた十年、二十年という長い年月、悔いが残るような形にならないかと心配しています。