国民生活・経済に関する調査会

2017-02-22 参議院 全91発言

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会議録情報#0
平成二十九年二月二十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     朝日健太郎君
 二月二十一日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     大沼みずほ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         川田 龍平君
    理 事
                上野 通子君
                山田 修路君
                風間 直樹君
                新妻 秀規君
                岩渕  友君
                藤巻 健史君
    委 員
                朝日健太郎君
                小川 克巳君
                大沼みずほ君
                自見はなこ君
                島村  大君
                進藤金日子君
                豊田 俊郎君
                中泉 松司君
                元榮太一郎君
                神本美恵子君
                斎藤 嘉隆君
                平山佐知子君
                宮沢 由佳君
                伊藤 孝江君
                宮崎  勝君
               薬師寺みちよ君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        林  浩之君
   参考人
       慶應義塾大学商
       学部教授     樋口 美雄君
       関西大学名誉教
       授        森岡 孝二君
       千葉商科大学国
       際教養学部専任
       講師       常見 陽平君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済に関する調査
 (「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構
 築」のうち、経済・生活不安の解消(労働分野
 における格差の現状と課題等)について)
    ─────────────
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川田龍平#1
○会長(川田龍平君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、徳茂雅之君及び森屋宏君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君及び大沼みずほ君が選任されました。
    ─────────────
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川田龍平#2
○会長(川田龍平君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。
 本日は、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「経済・生活不安の解消」に関し、「労働分野における格差の現状と課題等」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 御出席いただいております参考人は、慶應義塾大学商学部教授樋口美雄参考人、関西大学名誉教授森岡孝二参考人及び千葉商科大学国際教養学部専任講師常見陽平参考人でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、皆様方からの忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 本日の議事の進め方でございますが、まず樋口参考人、森岡参考人、常見参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、樋口参考人からお願いいたします。樋口参考人。
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樋口美雄#3
○参考人(樋口美雄君) それでは、話をさせていただきます。
 私が話したい内容でございますが、近年、日本における労働市場といったものがどう変わってきているのか、そしてまた、それに対する政策の在り方というようなことがどう関与してきているのかということについてお話をさせていただきたいというふうに思っております。(資料映写)
 日本におきましては、賃金の決定でございますとかあるいは労働時間を含めました働き方ということについては、それぞれの企業における労使自治というのが非常に尊重されてきたというようなことが言えるのではないかというふうに思っております。これまで、例えば所得政策というような形でそれが導入されたことというのもございません。あるいは、労働時間につきましても、今議論になっておりますいわゆる三六協定、これについてもある意味では青天井じゃないかというふうに言われる、まさに労使において自治の下にそれを決定していくというようなことが行われてきたかというふうに思います。
 ところが、どうも労働市場の方が、特に私は一九九七年というふうに言っていますが、そこら辺から大きな変革を遂げるというようなことが起こっているというふうに思います。具体的には、こちらにも書いてありますが、人件費に対する抑制圧力といったものが非常に強まったというようなことでございまして、その影響というのがいろんなところで、労働市場のゆがみ、あるいは仕事と生活の調和のゆがみというようなもので現れてきている、あるいは、今日のテーマでございます所得格差の問題、賃金格差の問題というようなところで強まってきているのではないかというふうに思います。
 ただ、こういった動きというのは実は日本だけではございませんで、多くの先進国でやはり見られる。九七年というのが何の年であったかということを考えますと、特に言われましたのは、北海道拓殖銀行の倒産あるいは山一の倒産という、いわゆる金融危機をきっかけとして、企業における資本の調達、そこに大きな変化が起こってきたということが言えるかというふうに思います。それまで、銀行からの借入れというのがかつては大手企業においても主流でございましたし、又は株式による、あるいは債券による調達というようなこと、これもございましたが、そこからはファンドの影響というものが非常に強まってくるという中において、企業収益、具体的に言えばROEでありますとか、そういったものが非常に重視されるような、そういった企業体質というふうになってきているというふうに思います。
 その中において、やはり蔓延する労働者の疲労感でありますとか、あるいは就業インセンティブ、こういったものについての喪失ですとか、あるいは生産性の停滞というものもございますし、また、正規、非正規の問題という形で非正規労働者の急増といったものも起こってきたのではないかというふうに思います。
 その中でやはり懸念されますのが、国民生活との関係でいえば、特に労働時間の問題、あるいは正規、非正規のその二極化の問題、そしてまた、それに伴って中間所得層といったものがどうも減ってきている。中には、海外ではそれを中間所得層の崩壊というようなことになるわけでありますが、所得格差といったものが拡大してきているということがあるのではないかというふうに思います。
 その多くの国々の中で共通に見られる現象の中でも、特に日本における動きというのは、ある意味では非常に大きな影響というようなもので行われているんじゃないか。といいますのも、これまで例えば賃金の決定というのは春闘で行われていくということもございました。そこではまさに個別労使ということで、産別でもございませんし、あるいは日本全体における賃金決定というよりも、むしろ個別競争の中において個別企業の労使というような形で、そのウエートが非常に高く行われてきたのではないかというふうに思います。
 そういう影響もあって、どうも労働市場のゆがみといいますか、働き方にも影響があって、それに対する対応をどうするのかというようなことが割と早くから日本でも議論になってきた。
 具体的に言いますと、政府としては成長力底上げ戦略会議、この中で最低賃金の引上げといった問題と生産性の引上げの支援というような形、これを一体で考えていく。従来は、これ別の審議会で議論する、省庁も違っておりました。それを連立して解を求めていくというような形で、これを一体として取り上げるんだというような動きということもあったかと思います。
 また、賃金の引上げについての政労使会議といったものも行われました。これは自民党政権の下でスタートをしたわけでありますが、その後、民主党に替わっても、民主党の中でも、名前は変わりましたが実質的に同じような政労使会議というものが設けられ、また今日に至ってきているということがあるかと思います。
 そして、昨年設けられましたのが一億総活躍国民会議というような形で、要は一億人、これが二〇六〇年になっても達成することができるような、維持することができるようなというような、そしてその中で、誰もが働き、また誰もが意欲と能力を発揮できるような、そういった社会というものをつくっていくんだということで、いわゆる成長と分配の好循環というような、これはマクロの視点でもそうですし、ミクロの視点においてもこれが重要だというようなことから、そういった会議が設けられたというふうに思います。
 そしてまた、今年度に入りまして、働き方改革実現会議というようなことで、もう御案内の議論が続いているというようなことになるかというふうに思います。私も、この成長力底上げ戦略会議からずっと関与、参加させていただいているというようなことから、こういった流れというもののやはり成果ということを大いに期待しているというようなことになります。
 その中で、特にどこがどう変わってきたんだろうかというようなことを具体的に申し上げたいというふうに思いますが、人件費抑制圧力、その総額を抑制するためには、一つは賃金の低下というようなこと、あるいは特に正社員の数を減少させてむしろ非正規雇用でそれを代替していくというような流れというものも強まった。あるいは、雇用調整速度というような、経済学で使う用語で恐縮ですが、ここでは例えば企業がその景気の後退に伴って生産量を減らす、そしてまた、その結果として過剰雇用を抱えるというようなことが起こったときにそれを解消するまでのスピード、これが速まってきているというようなことが言えるんだろうというふうに思います。
 教育訓練費が削減されているというようなこともございまして、人件費全般的にそれが抑制されるということで、従来の日本企業における強みというものが逆に失われてきているんじゃないか。要は、短期的な競争というようなことに終始している、その結果として、むしろ長期的に人材を育て、そしてまたその人たちに活躍してもらうというような、そういった仕組みというのがどうも陰りを見せているんじゃないかというふうに思う面がございます。
 以下、それを具体的に数字で示していこうというふうに思いまして、資料を用意させていただきました。
 まず最初に、ここに二本のグラフが、折れ線がございます。一方のブルーの方は、企業における経常利益につきまして九五年から二〇一五年まで示しております。一方、赤い線の方が雇用者報酬ということで、給与に当たる部分というふうに考えていただければいいかと思いますが、九七年ぐらいまではこの線というのが共に上昇するという形で平行に移ってきたということだろうと思いますが、九七年以降について見ますと、その動きに大きな変化が起こっている。企業の方の収益が上がったときには、この赤い線の方、賃金、雇用者報酬というのはほぼ横ばいということですし、それが下がった例えばリーマン・ショック、二〇〇八年、九年のリーマン・ショックというときには、経常利益も大きく低下しますが賃金の方も低下するというような、言うならば、賃金についてはその上方硬直性とも言ったらいいのかもしれませんが、そういった動きというのがずっと見られていたという中において、二〇一五年ぐらいから政府による先ほどのお話ししましたものの、まあ成果があったのかどうか分かりません、あるいは景気が良くなったということも影響しているのかもしれませんが、雇用者報酬についても若干の上昇というふうになってきたということではないかというふうに思います。
 こちらの図は各国、G5の国々についての名目賃金の推移ということで、二〇〇〇年から取っております。これを見ますと、多くの国、四つの国では、従来に比べますと上がり方というのはスピードがダウンしております。ダウンしておりますが、それでも上昇している。それに対して日本はほぼ横ばいというような、こういった水準になっているということでございまして、その中で、特にここに書いてありますのは製造業について書いてある図でありまして、製造業では横ばい。
 ところが、第三次産業まで含めました日本全体で見るとどうなるかといいますと、こちらの左側のパネルに出ておりますように、一人当たり雇用者報酬というのは名目でも下がるというような動きになっております。問題になりますのは生産性との関連でございまして、かつてのように、生産性が向上すればそれに見合った処遇の改善というようなことによって、労使が協調して生産性を改善していくというようなことが日本では行われた、いわゆる生産性三原則というふうに言われてきたものがこれでございますが、ここがどうも変わってきているんじゃないかというふうに見て取れるかと思います。
 右側のパネル、米国を見ますと、米国においては、まず生産性、ピンクの線も上がっております。上がっておりますが、それ以上に一人当たり雇用者報酬が上がって、その結果として民間消費デフレーター、要は消費物価、これが上がっていくというような、インフレとは言いませんが、少なくともデフレは起こっていないと。今までに比べれば確かに物価の上昇というのは小さくなっているということはありますが、こういった動きになっているということでございます。
 EUは、これはアメリカに比べますと生産性の上昇というのは小さいわけでありますが、それでもブルーの線が一番上に来ているということで、給与の方は上がっているということになります。
 左側の日本のパネルを見ますと、そこでは生産性は少なくともEUと同じぐらいには上がっているんだけれど、一人当たり雇用者報酬の方はむしろ下がる。そういうこともありますし、また金融面の影響もあって、民間消費デフレーターといったものが、消費物価が下がるというような、こういった動きというのがあるというふうに思います。
 その中で、企業規模別に見ましても、大企業において、これは赤い線で示しておりますが、元々小企業に比べれば大企業の資本装備率が高いというようなこともあって、逆に労働分配率は低いというような結果が出てくるわけでありますが、このリーマン・ショックのときを除いてどちらかというとこの赤い線も右下がりというようなことになりますので、分配率全体的に低下傾向がある。この動きというのはほかの国でも似たようなところがあるというようなことがあります。
 その背景に、実はまさに正規の労働者が減って、逆に非正規が増えていくというような、こちらの図に出ておりますような動きというのがあるのではないか。黄色い線が正規の職員、従業員の数でありますが、ピークだったのが一九九七年、八年の三千八百万人、それが今三千三百万人ということでございますので、約五百万人ほど減少した。その一方において、このブルーの線、これが非正規労働ということになりますが、右側の目盛りで見ますと、これは一方的に増加していくと、その結果として現在非正規の比率が全体の雇用者の四割を占めるというような水準になってきているということがあります。
 このことがいろんなところで影響を及ぼすということでありますが、こちらに出ておりますのは、正規雇用から非正規に転換した、そういった人も含めた正規雇用の人数というのがどう変わったかということでありますが、ここに見ます限りにおいては、二〇一二年まではやはりマイナスということで、それが減少していたということだと思いますが、一三年からは非正規から正規への転換というのも、労働市場のある意味では人手不足感というようなものによって、正規を増やしていこうというような動きもあり、若干でございますが、これが増加するようになってきているというような動きに見て取れるかと思います。
 その結果起こっています給与への影響とか労働時間への影響でございますが、こちらには今三つのタイプの労働者について描かれております。定期給与の推移でございます。
 右上が一般労働者、いわゆる正規労働者の処遇でありますが、ここについては、先ほどの二〇〇八年、九年というリーマン・ショックのときには落ちましたが、近年、ほぼ横ばいか、むしろ上がっているかなというふうに見ております。あるいは、パート労働者の時給ということで見ますと、下の図でありますが、これも上がってきている。にもかかわらず、左側の全雇用者というもので見ますと、一人当たりに換算すると、これが下がるというような、要はパートの賃金の低い人たちの比率が上がることによって、平均を出しますので、そのウエートが高まることによる影響といったものが先ほど見てきた賃金の抑制というようなところで起こっているということでございます。
 同じことは労働時間についても言えます。
 こちらに出ておりますグラフは労働時間、総実労働時間でありますが、このブルーの線を見ますと、これはどうも長期的に下がっているではないかと、年間労働時間が短縮しているというようなことでありますが、その影響というのは、実はパート労働者が増えることによって起こっているんだと。
 上に出ております黄色い線が、これが一般労働者の年間労働時間でありますが、これについて見ますと、平成六年のところからずっと横ばいを続けているというようなことで、いわゆる長時間労働の問題というのは片付いていないというようなことが言えるだろうというふうに思います。
 その平均の結果というのが、先ほど見ましたように、年間労働時間は下がっているように見え、そして、ついに日本も千八百時間、これを切るという、いわゆる前川レポートが世界に公約しました労働時間の短縮というのが、週休二日制の実現と、それとある意味では非正規労働のあるいはパート労働者の増加というような形で達成しているというだけでありまして、まさに正規、非正規の間の二極化というような、労働時間についてもそうですし、賃金についてもそうという問題が残っているのではないかというふうに思います。
 その中で生産性が上がってこない一つの理由というのが、例えばICT投資、これを行うといったときに、ブルーの線はこれはハードウエアについての企業の投資でございます、設備投資でございます、こちらについては増加しているということでありますが、赤い線はこれは人的投資あるいは組織改革への投資というようなその合計を見ておりますが、こっちについてはむしろ抑制というような形で、箱物については一生懸命企業も投資しているんですが、どうも全体的に人件費の抑制ということによって、こういった人的投資、いわゆる無形資産への投資といったものがなかなか行われないというようなことが、それが生産性、特に時間当たりの付加価値生産性の向上というようなところにどうも陰りを見せているのではないかというふうに思いますし、そういう分析結果が出ております。
 今後を考えますと、生産年齢人口が大きく減少するというようなことで、もう既に九七年のときが日本では十五歳から六十四歳の生産年齢人口というのはピークでございました。このときに比べて現在一千万人減少しているというようなことになりますので、この状況というのは、更に今後人口減少というのがスピードアップしていくというようなことを考えていくと、まさにその働き方をいかに変え、そしてまた同時に生産性をいかに上げていくか、これによって、誰もが働けるような、そして意欲と能力を発揮できるような環境をつくっていくというようなことが重要ですし、本来やっぱり個別企業がそういったものについては積極的に取り組んでいくということだろうと思いますが、政府もそれを後押しするというような一定のルールを作るというようなことが重要ではないかというふうに思っております。
 若干時間残しておりますが、私の発言はここまでにしたいと思います。どうもありがとうございました。
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川田龍平#4
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、森岡参考人にお願いいたします。森岡参考人。
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森岡孝二#5
○参考人(森岡孝二君) 森岡と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、労働時間、とりわけ長時間労働と深い関連のある過労死問題について中心的に研究してまいりました。二〇〇〇年代に入って、とりわけ二〇〇五年以降、日本で格差社会あるいはワーキングプアということが問題になってきた中で、貧困の問題あるいは日本の労働所得格差の問題に少し関わる、あるいはテーマとして深く研究しようと思うようになりまして、今日は労働時間問題から見た格差問題というふうなアングルで幾つかの資料と論点を紹介したいと思います。
 非正規雇用がどう増えてきたかというのは、先ほど詳細な報告がありました、樋口先生から。幾つかのデータは私のデータとも重なるし、ある面で私のデータの不十分さを補って余りある詳細な資料が提示されておりましたが、その樋口報告をも念頭に置きながら以下のスライド等を御覧いただきたいと思います。(資料映写)
 非正規労働者がどのように増えてきたか、これは表の一に出ています。スライドで、このページでは、表を一ページとすれば三ページ目に表一がコピーされております。
 先ほど、一九九七年というのが一つのターニングポイントであるという御指摘がありましたが、まさしくこのデータはそれと符合するものでありまして、たまたま、就業構造基本調査、これ、四十数万の世帯に対して十五歳以上の約百万の労働力人口に調査をしている、この種の統計としては最大規模の統計ですが、五年に一度ということで、二〇一七年、今年が調査年で、来年その結果が発表される。したがって、二〇一三年に発表された二〇一二年データが一番新しいんですが、それで八七年から二〇一二年までをかいつまんで数字を取り出しています。
 男女計で見まして、労働者総数、雇用労働者ですが、役員を除いて、四千三百六万人から五千三百五十四万人に一千四十八万人増加している。それから、そのうち非正規労働者の方がその増加数より多くて一千百九十三万人、これ男女計です。正規労働者は、この間でいうと百四十五万人減少している。しかし、九七年以降の減少が大きくて、八七年から九七年の十年間は三百九十八万人、約四百万人増加している。そこから急激に減少して、何と九七年から一二年の十五年間に五百四十三万人減っているということが分かります。
 男性労働者は、総数では二百六十一万人の増加ですが、正規労働者は百四十四万人減少している。九七年以降を見ると四百万人近く減少していますが、そういう数字があります。
 それから、女性労働者、これは偶然の符合でもありますけど、七百八十七万人総女性労働者は増加しながら、正規雇用者の増加はゼロで、非正規労働者、雇用労働者、これが七百八十七万人増加している。ごくごく、出入りがいろいろありますが、結果からいうと、増えた仕事は全て非正規雇用であるかのような数字になっております。
 女性パートタイム雇用について、少し内訳を見ておきたいと思います。
 女性雇用の増加は専らパートタイム雇用であったということはさきの数字からも分かりますが、内訳でパートだけを見たものを図の一に示しました。
 このパートというのは日本の労働統計では二つ区別すべきで、一つは、週三十五時間を一つの基準とした時間区分によるパート、これを時間パートと呼びます。それから、雇用されている企業等の職場での呼称によるもの、パート、アルバイト、契約社員等区別されますが、その際のパートのことを呼称パートと。データで総数その他変化も多少違うんですが、おおよそは大体同じ傾向をたどっている。ただし、その呼称パートの中には、三分の一ほどのフルタイム労働者と同じ時間働いているパートタイム、つまり時給で、有期で非常に低時給の、賞与、諸手当等がほとんどない、そういう労働者がいる。
 ちょっと細かな議論はここでは省略しますが、図の一は、女性で見るともう五割近くがパートタイム労働者である、男性も二割近くになっているというのが分かります。この結果、先ほどもありましたが、総労働時間の平均は下がっていくわけで、毎月勤労統計調査で見ると、もうはっきり一般労働者は全く横ばい、パートタイム労働者が増えて平均が下がっているというのが分かります。
 私は、毎勤だけじゃなくて総務省の、毎月勤労統計調査と別に、労働者に、直接世帯に行って記入させる労働力調査のデータないし就業構造基本調査のデータを使っていますが、その労調のデータで見ると、毎勤のデータに加えて、賃金の払われない就業時間が集計されている、その分、一人当たりでいうと三百時間余り毎勤よりも長いというデータがあります。
 いずれにせよ、この間の平均は大きく下がって、下がりながら同時に男女の開きが大きくなっている、図の二というのがありますが、この右側ですね、この開きを示しています。
 これ、一九五〇年代の後半は百時間を切っていまして、一番短かったときには七十数時間にとどまっていました。それがだんだん広がって、七五年、オイルショック後に労働時間がちょっと減る時期がありますが、それから後どんどん、男の場合、時間外労働、残業が増えて、女性はパートが増えて、その差が大きくなると。その後、両方とも労働時間は総平均では減っていきますが、開きは二〇〇五年ぐらいが一番大きくて、ほぼ六百時間ぐらいになって、今は五百七十、八十時間ぐらいの時間差になっています。こういう一国で二つの、単にフルタイム、パートタイムという区分じゃなくて、男性労働時間、女性労働時間で全く違う、そういう特徴が日本の労働時間にあるということがこれから分かります。
 図の三は非正規労働者比率ですが、これちょっと戻りますけど、どんどん高齢化が進む中でとりわけ女性は高齢者就業が顕著に増えていて、労調で見ると、九七年二月調査では二十万人である、パート、アルバイトを含めてですね。それが、二〇一七年の同時期の一―三月調査、統計が変わっていますが、それで見ると、百八万人と五倍以上になっているんですね。そういう点で驚くべき変化がありますが、若者も近年非正規雇用比率が高まって、男女問わず若者は、やや女性が非正規率高いんですが、若者の場合、男女計では、ここ十年近く変化を見ればもう共に五割あるいは五割前後にあるということが分かります。
 先を急ぎます。この賃金ということを問題にしていく場合には、性別、雇用形態別、労働時間階級別の視点で労働所得格差がどのように開いたのかあるいは縮小しているのか、その推移を見る必要があります。
 前から指摘がありますが、女性の収入力格差というのは、時給格差と、時間、この場合は労働時間のことですが、時間較差、ちょっと字を変えていますが、開きという意味も含めた比較の較を使っています。その時間較差の掛け合わせたもので見ると、男性の一般労働者の賃金を一〇〇としたときの女性のパートタイム労働者は、時給が約半分として〇・五、労働時間がまあ八時間対六時間というような形で〇・六としますと、五、六、三十で〇・三ですから三割、こうなる。
 こうして見るデータの一つの参考例が表の二で、ちょっと古い、新しいのに置き換える時間的余裕のないままここに貼り付けましたが、この時給格差と週労働時間格差、この格差は別の字を使っていますが、これで見ると、二十八という一番低い週給格差が出ています。日本は、決して労働時間そのものは、パートタイムということで、他の国のパートタイムに比べて短いというわけじゃありません、フルタイムパートがいる分むしろ長いんですが、それでもこうして両方掛けると非常に大きな格差があると。
 それから、次のデータは就業構造基本調査から一番新しい、ただし二〇一二年というデータを取ったものです。男性のパート、アルバイトの六割は年収百五十万未満である。それから、女性のパート、アルバイトは、この場合は呼称ですね、パート、アルバイトは百五十万未満が八割を超えていると、こういう数字が出ています。
 もう一つ、図の四ですが、これは二十四歳未満十五歳以上の最も狭い年齢階級の若年者を取っています。一九九二年から二〇一二年の変化を見たものですが、一番下の百五十万未満のところを見ると、一九九二年時点ではまだ百五十万未満は二五%であったのが、二〇一二年には約四四%になっているということが分かります。いかにこの間、若者の年収が落ち込んだか。その上から、百五十万以上で見ると、皆むしろこの九二年から二〇一二年の間に大きく減っているんですが、一番低い賃金層は逆に非常に大きく増えているということが分かります。
 同じく、これは別のデータで、国民生活基礎調査というデータで、三十五歳未満の労働者の平均年収を正規、非正規別に見て、非正規の中のパート、アルバイトをまた区分して取り出しています。男性はパート、アルバイトは百十六万円、全労働者は二百八十五万円、正規労働者は三百十一万、こうなっています。女性は正規が二百十一万円、非正規が百十四万円、しかしパート、アルバイトは更にそれよりも低くて九十四万円と、こういう数字があります。
 表の六は、二十五歳から三十九歳の性別・雇用形態別未婚率なる数字を取ってみました。二〇一二年の就業構造基本調査のデータですが、在学中の者を除いた卒業者のデータから取った数字で見ると、男性の非正規雇用の未婚率、これは七五・九%、パートタイム、アルバイトは八四・二%、しかし、正規は、男性で未婚率が高いといっても四割台、四二・五%にとどまっています。女性は結婚してパートで勤めるという形になっていて、男性の場合と同じ形では表れないのでちょっと説明を省略しますが、男性の低所得者の結婚が遅くなる、あるいは結婚しない率が高くなるという傾向は広く指摘されておりました。こういうことも雇用形態別に見るとシビアな格差があるということが見えてきます。
 最後に少し文章的なものを入れておきました。
 本来、このデータではフルタイム労働者の労働時間について補う必要がありますが、フルタイム労働者は幾つかのデータにくくりがあって、例えば、近年では労調にも非正規労働者の労働時間が出るようになっています。しかし、正規労働者だけの平均労働時間というのは、フルタイム正規という限定でくくると実は利用できない。労調の正規というのは、三十五時間未満の労働時間の労働者も、男性で八%、女性で二割近くの比率を占める。近年それが増えているんですね。恐らく時給正社員、エリア正社員、あるいは限定正社員等が徐々に増えてきたということと関わりがあるかもしれません。
 いずれにせよ、なかなか正規の労働時間は取れないんですが、社会生活基本調査のデータで今年発表される、昨年のデータはまだ利用できませんが、二〇一一年調査の二〇一二年発表によりますと、男性の週労働時間は平均で五十三・一時間。これは、遡ってみるとむしろ少しずつ、ここ何回かの調査、五年ごとですが、の間に増えてさえいると。そういうことがあって、週休適用労働者は若干増えていますが、平日の労働時間が長くなってかえって労働時間全体が長くなった。週四十時間制に移行した後そういう変化があったと言っても間違いではありません。
 したがって、労働時間が減っていないフルタイム正規労働者、とりわけ長時間労働の男性労働者が一方にいて、その労働者と、他方に、特に結婚後一旦辞めた後、再雇用なり労働市場に再参入した後、仕事がほとんどパートタイムしかないという中でパート就業を余儀なくされている、あるいは家庭戦略からも選択をしているそういう女性、近年では女性に限らず男性もパートと職場で呼称される労働者が増えていますが、そういう労働者が増えていることをどう捉えるかという中で、なおもやはり男女の役割分業みたいなことが非常に大きな背景になっているということで、この最後の結びを書いています。これを読み上げて終了します。
 家事労働をほとんどせず、サービス残業も拒まず、過労死の不安と背中合わせに働く男性が中核的正社員になっている、女性の多くは結婚、妊娠、出産後一旦労働市場から退出し、家事労働に専念する、再び雇われるときにはほとんどがパートタイム労働者である、企業はこうした労働力の性別振り分け構造の存在を前提に、女性を低賃金の使い捨て労働力として働かせる雇用管理戦略を選択してきたのではないか、女性活躍戦略は性別分業を前提としたパート雇用戦略の部分的手直し、残業の上限規制による長時間労働の解消こそが、男女の働き方の労働所得にも広がっているような大きな格差を解消、改善する先決条件ではないかというのが、私の最も強調したいポイントです。
 どうも御清聴ありがとうございました。
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川田龍平#6
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 次に、常見参考人にお願いいたします。常見参考人。
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常見陽平#7
○参考人(常見陽平君) 千葉商科大学の常見でございます。よろしくお願いいたします。
 私は、労働参加の拡大、能力開発という側面から発言をさせていただきます。その中でも、大卒者の就職活動といったものをテーマに、この問題を掘り下げつつ、この労働参加の問題というものを考えてみたいと思います。(資料映写)
 済みません、自己紹介のスライドを付けてしまいましたが、私は、最初から大学教員になっていたわけではなく、会社員を経て、途中からフリーランス活動をして、大学院に入り直して、現在に至ります。会社員時代は、当事者の視点で労働問題を目の前で見てきました。私は、会社員時代、ナイン・ツー・ファイブで働いていた時期があります。それは九時から夜五時ではなくて、朝九時から朝五時まで働く日々がありました。ですとか、あとうつになって倒れて休職したこともあります。そんな体験で、こういった場で俗な言い方をするのはあれなんですけれども、まさに社畜として生きていた十五年でした。
 しかし、この社畜という言葉の意味も変質しております。最初、佐高信さんという方が社畜という言葉を広げたときは、会社に飼いならされて言いなりになっている人たち。飼いならすためには、ちゃんと小屋がありました。例えば社宅や寮です。私の頃は、もう社宅や寮も廃止されて、しかもお給料も上がらない状態の中で、やりがいだけで飼いならされてきた世代です。これが現状です。
 私は、大学時代に就職氷河期を体験したこともあり、その後、玩具メーカーで人事を担当したこともあり、さらには求人情報誌の会社にいたこともありますから、大学院時代も現在も就職活動の問題ですとか関連して労働問題の方を研究しております。
 本日は、この三つのテーマで話したいと思います。大学生の就職活動をめぐる諸問題、その大学生の経済状況について、そして若年層の労働参加を拡大するための方策ということでお話をしたいと思います。
 まず、大学生の就職活動に関する諸問題です。
 この問題についてですが、リーマン・ショックの後、大卒者の就職活動が大変になりまして、就職率も悪化し、求人も悪化し、就職氷河期の再来というふうに言われました。また、就職活動の時期が早過ぎるということが政府でも経済団体でも、特に日本学術会議などでも問題になり、就職活動の時期の繰下げなどが議論され、実際に実行されてきました。しかし、私は、この就職難、つまり求人が多い少ないという意味での就職難ですとか、時期が早い遅いという議論ばかりを日本の社会はしてきたように思います。そもそも就職活動の問題というのは実は競争のルールそのものにあるんじゃないか、そのプロセスに問題があるんじゃないかということをこれからお話ししたいと思います。
 そもそも就職活動とは何かということなんですけれども、学生たち、町でリクルートスーツの姿の学生をよく見かけるようになりました。まず、町でリクルートスーツの学生を見かけるということ自体がこの制度の矛盾を物語っております。正式な解禁日は三月一日なんですけれども、とっくに始まっているわけです。この前相談をしてきた都内の学生は、もうすぐ内定が出るから一か月しか待てないと言われている、それを待ってもらうにはどうすればいいかということで、就活終われハラスメント、オワハラと呼ばれるものに近いものを今受けているということもあります。昨日は私は名古屋の会社説明会を見てきましたが、合同説明会は満杯でした。このような事態自体がそもそも矛盾をはらんでいるというふうに思います。
 その上でですが、大学生の就職活動なんですけれども、大学生にとっては受験と同じような、落とされるか入れるかというような競争のように見えて、実は企業にとっては採用活動です。企業は永続的な価値の創造と利益の追求を目指す集団ですから、その時点でまず矛盾をはらんでいます。
 そして、採用活動というのは労働力の確保という意味を持っています。ただ、それだけではなく、日本社会においては、企業文化の伝承ですとか企業の広報活動ですとか、そういった意味も持っています。
 そして、就職とは移行、トランジションであって、地位獲得競争です。これはあくまで個人間の競争のように見えるんですが、Aさんが内定を取った取らないというのは個人間の競争のように見えるんですが、実は企業の採用活動が、ある大学の学生を集中して採るですとか、ある大学の学生を採らないというふうなことが裏で行われていたとしたならば、それは集団間の競争にすり替わります。つまり、実は、AさんとBさんが競っているようでA大学とB大学が競っているというような構造になるわけです。
 そのことをより具体的にいきますと、このページは、先ほどお伝えしたように、最近ではいわゆるリーマン・ショックの後ずっと就職率、内定率は改善し続けているというデータでございます。この背景には、求人が回復しているということですとか若年層に対する採用意欲もあるんですが、そもそも人口が減っていくということに対する危機感といったものもあります。
 そして、日本企業の採用活動においてですけれども、これは経団連のデータなどを見ると明らかですが、むしろ二〇〇〇年代前半の経済成長が停滞した時期の方が日本企業は大手企業を含めて採用活動をやめていた時期があったんですね、新卒採用の。ただし、リーマン・ショックの後はそれをやめた企業は同じ経団連のデータでも少ないという傾向が見られていて、賛否を呼びつつも新卒一括採用というものが幹部候補生を中心とした労働力の確保という意味では非常に有効であるということが認識されているかと思います。
 そして、冒頭で触れました就職活動の時期というのはこのように変遷をしてまいりました。政府の若者・女性活躍フォーラムで提言されたことを受けて安倍首相が就活時期の繰下げということを言って、二〇一六年度採用から就職活動の時期が繰下げになりました。この表では明記なしというふうになっている二〇〇二年卒から二〇一二年卒なんですが、この時期、もう就職協定が廃止された後だったんですけれども、この頃も大体大学三年生の十月頃から始まるというのが、明記はされていないんですけれども、就職ナビと言われる民間の求人サイトのオープン時期に合わせてこの頃から始まっていたということでございます。
 しかし、ここで触れたいのが、大学生の就職難といったものがどうやって起こるのかということで、これまでは経済的要因中心の議論がされてきました。また、先ほど言ったように、就職活動の時期というものがルールの中では議論されてきたんですけれども、就職難が起こる理由にはもう二つ要因があります。
 それは何かというと、構造的要因と呼ばれるものです。これは、大学生と企業が出会うそもそものそのシステムそのものの問題、そして情報の非対称性ですとかそういったものの問題でございます。情報が届くか届かないか、分かるか分からないか、どのように出会うのかという問題です。
 実際、私は、この次の摩擦的要因と呼ばれる、では、学生と企業の出会い方といいますか、出会うプロセスの問題、そこで学生は就職ナビというツールを使って大量に応募し、企業はその大量の応募をさばき、実際はさばき切れないものですから、ある大学の学校名以下の方はもう自動的に落としたり受けるふりをしたりとか、そういったところで学生の負荷が高まっているんじゃないかということが言えるかということで、この構造的要因と摩擦的要因にこれまで政府も経済団体も取組は不十分だというふうに私は思いますし、大学関係者もここに対しての、まあ就職が大変だということは声が上がっているんですけれど、このように構造的要因と摩擦的要因が問題だということはもっと大学関係者も声を上げるべきだったと思います。
 そして、これは竹内洋という教育社会学者のつくった理論なんですけれども、一九九五年に発表された「日本のメリトクラシー」、最近増補版が出ましたけれども、という本で語られている理論で、日本の採用活動というのは実はこの四つの類型から成り立っているということです。
 御説明いたしますと、まず補充原理というものがあります。補充原理は、どのように企業に人を応募させるか、満たしていくかというところで、開放性というのが、簡単に言うと、大学生だったら誰でもオーケーという世界観です。閉鎖性というのが、オープンであることを装っているんだけれども、実際は○○大学以上の偏差値じゃないと駄目だぞ、偏差値六十三以上だぞとか、このクラスの大学に絞るぞということが陰で行われているケースでございます。
 その一方で、その次に選抜原理といったものがございまして、そこで普遍主義と分断主義というものがあります。普遍主義というのは、そこの最初の段階を通過した人は、有名な大学だろうとそうじゃない大学だろうと公平に選考するというパターンで、通過した後は全員が競争するというモデルなんですけれども、分断主義というのはどういうモデルかというと、その先に枠が用意されていると、A大学は五人、B大学は五人、C大学は三人というような枠が設けられているということなんです。
 こうなると、実はこのように競争のモデルを分解してみると、大学生は、その他大勢の大学生と競っているようで、実はその会社を受けている同じ大学の仲間と競っている場合ですとか、本当に過酷な競争にさらされている場合などもあります。でも、どちらの競争も過酷であることは間違いありません。
 そして、学生にはこの競争のモデルといったものが伝わっていません。企業はこの四つのどれかというわけじゃなくて、実際は、有名大学はこのⅣの類型、つまり閉鎖性の分断主義で、もう各大学何人だぞということで有名大学をつっついていくというやり方を使いつつ、広く多く設けるところで開放性と普遍主義のモデルでも募集するぞということをやっていて、公平を装っているんですけれども実際はこうなっていると、これが学生には見えていないという問題があります。
 そして、企業の採用基準を明確化しろということがよく言われて、私もそう主張しているんですが、これは明確化し切れないという問題をはらんでおります。
 これは小山さんという研究者がまとめた理論なんですけれども、彼は幾つもの企業の聞き取り調査をしまして、採用基準というのは変動すると。なぜかというと、二つの理由があります。一つは採用基準の拡張ということで、採用活動を進めているうちに企業の側で採用基準がだんだん、今年の学生の傾向ですとか受けている人を見て、あるいは学生の対策度合いを見て上がっていくというパターンです。もう一つが採用基準の境界変動ということで、例えば百人採るとなってもう七十人が埋まっているとするならば残り三十人に対する基準ということで、ここでも変動が起こるというわけです。
 小山理論ではだんだんこれで上がるというような論調で書かれておるんですけれども、実際、私はこれらの理論を基に修士論文を書いたんですが、そこでの聞き取り調査では、上がるわけではなく逆に基準が下がる場合もあるということで、いずれにせよ、小山理論は間違っているわけではなくてこのように変動するということが起こっているということでございます。
 そして、何より我が国が直面している課題は求人詐欺でございます。
 労働問題、若年層の労働問題を解決するNPO法人POSSEの代表、今野さんという方が「求人詐欺」という本を昨年発表しておりますけれども、求人票、求人広告などの求人情報において、労働条件の詐称を行う行為ということが行われていると。例えば、月給三十万円ということがうたわれていたとしても、実はこれは残業手当を含んだものだったりですとか、その残業が定額ということで、三十万円で人の使い放題になっているということで、実際は十八万円と出ている企業がちゃんと残業手当を付けた方が高くなることだってあるということでございます。さらには、仕事の内容がまるで違うというような事例も多数報告されております。
 確かに日本は、正社員、総合職モデルです。JILPTの濱口桂一郎さんの言葉を借りると、空白の石版と呼ばれて、入ってからその石版が書き換えられていく。つまり、どんな仕事をするか分からないというモデルであって、しかも状況が変わったと言われればそれまでじゃないかというような問題が起こり得るんですけれども、これが起こっている問題でございます。
 そして、よく、次の問題で、大学生の経済状況ということで、この就職活動に参入していく大学生の経済状況といったものをどうするかということも、こちらは与野党共に非常に政策も出ていますし、議論も出ておりますけれども、必要だと思います。
 いわゆる、政府の方でも日本学術会議でも、就職活動の時期の繰下げについて議論されたときに問題になったのは、就職活動が学業を阻害しているんじゃないかというような論が多数出ていたかと思います。
 しかし、一大学教員として見ていますと、実はいわゆるアルバイトといったものが学生生活をかなり阻害しているんじゃないかということです。そして、このアルバイトによって労働社会に対して希望を持てないというような状況ができているんじゃないかということが、一つ問題提起したいと思います。
 幾つものデータが出ていますけれども、よく新聞等でも引用されるデータがこの大学生協が調べたデータで、もうすぐ最新のデータが発表されますけれども、これは下宿生に絞ったデータです。自宅生は含んでおりません。下宿生に絞ったデータで、私が学生時代だった例えば、一九九七年に私卒業したんですけれども、その頃を見ると仕送り十万円以上の学生たちが大体六割台いたんですね。それが今減っていまして、仕送り十万円以上もらっている学生は三割にとどまっている、年によっては三割を割っているというデータになっております。そして、仕送り五万円未満の層が、当時、九〇年代で七・三%だったのが二四・九%になっていると。もちろん、近場の大学に進学するようになっているですとか、世の中の物価も安くなっているなどの要因もありますけれども、学生生活が厳しくなっているということがよく分かるデータかと思います。
 その後のデータはちょっと飛ばしていきますけれども、奨学金受給者の暮らし向きが楽と答えた人が三六・七%にすぎず、非受給者の六一・五%より二四・八ポイント低いですとか、下宿生の仕送り金額帯で見ると、ゼロ円の方の楽というのは、まあ当たり前といえば当たり前ですけれども二八・一%で、苦しいという方が二四・四%になっているですとか、そして、大学生の貯金の目的が出ているんですけれども、目立つのは貯金をしていないという層で、分かりやすく暮らし向きが苦しい人ほどこの割合が高くなっているというようなことが起こっているということでございます。
 というわけで、学生生活が非常に苦しいものになっている。週五日ですとかアルバイトをしないと学生生活が回らない方々がいる。だから、気を付けないと、大学によっては学生がアルバイトをしているんではなくフリーターの方が大学にも来ているというような状況になってしまうと。ただし、済みません、ありがとうございます。笑っていただけてありがとうございます。ここ、怒号が飛ぶとかという感じじゃないんですね。戸惑っています。ありがとうございます。済みません。そうなんですよ。そういった状態になってしまっている。だから、大分今、定時制の大学というのは、夜間みたいなものが昔例えば早稲田大学にもありましたけれども、昼間やっているようで実際は夜遅くまでアルバイトをしているというような状況になっているということでございます。
 そして、今社会を揺るがしているのはこのブラックバイト問題でございまして、これも、済みません、俗な言葉ではありますけれども、学生生活を阻害する、若者を使い潰すアルバイトということで、学生を戦力化している、安く従順な労働力として使っている、しかも一度入ると辞められないというようなことなんです。
 実際、私もブラックバイトの相談をたくさん得ます。例えば、最低賃金をうちは割っているけど、食事を出すからその分で補っていると言うんですけど、そんなに高い食事がどこにあるのかというのと、お給料というのはお金で払うのが当然でございます。これは法律でも決められております。ということですとか、仕事が暇なときは家で勉強していていいよ、その代わり時給は払わないからねと、これは時給は拘束時間必ず払うものでございます。辞めるとなったら、次の人が見付かるまであと六か月待ってほしいと泣き付かれるような始末ということでございます。
 こういったことがあるんですけれども、私もブラックバイトに対する聞き取り調査をしているんですが、これまたややこしいのが、学生たち、実はこのブラックバイトを大変やりがいを持って楽しくしている方々がいるんですよ。楽しいからいいんじゃないかという方もいるかもしれませんが、法律に反していることと労働時間が長いことは十分問題でございます。
 そして、楽しく働いていただくためのノウハウを授けるコンサルティング会社も立ち上がっておりまして、どうやって声を掛けると学生がモチベーションが上がるかですとか、いろんな法則が発見されています。面接を十五分以上掛けると離職率が低下するとか、初日にケアすると離職率が低下するとか、教育担当を付けると低下するですとか、ある役職を付けると低下するですとか、いろんなノウハウがあるのですけれども、そのようになっていて、いわゆるやりがいの搾取とも言える状況になっていますし、もはやアルバイターは少数精鋭とは違う意味で多数精鋭な存在で、戦力化どころか基幹化しているというのが日本の労働市場の現状です。
 そして、若年層の労働参加を拡大するための方策ということで、最後に提言といいますか、済みません、非常に甘い部分もあるかと思いますが、私の考えていることを述べさせていただきます。
 大学生の就職活動に関連してなんですけれども、うちは学歴差別をやっていますという企業が出てくれると大変分かりやすくて有り難いんですが、そんなことを言う企業はなかなかございません。その代わり、五年間、新卒採用実績校を開示する、しかも、一般職の場合ですと大学が広がるですとか、理系の場合ですと広がるというケースもありますから、職種別に開示することを義務付ける。
 そして、求人詐欺撲滅のために規制と審査の強化をする。特に今、人材紹介会社や派遣会社は許認可制ですけれども、求人広告会社は野放しです。民間の求人広告会社を届出制といいますか許認可制にするということを、私は求人広告会社出身でありながら提言します。そうでないと、どうなるかというと、労働市場が荒れるんですよ。労働者が苦しむのは言うまでもありません。ただ、これは真面目に採用活動をしている企業が苦しむことなんです。人材獲得のルール、競争というのがゆがむんです。そうすると今後の若年層が減っていく社会がうまく回らなくなるということで、求人詐欺について国を挙げた議論ということをしたいと。
 そして、マッチング手段の充実をということで、要は自分で頑張るからつらいんです、自分でエントリーするからつらいので、オファー型、オファーが勝手にやってくるということです、ですとか、紹介型、人材紹介会社を介在する形、このオファー型と紹介型は既にありますけれども、そして、既に存在しますが、学校推薦型の拡充ということで、出会う際の摩擦を軽減するということが大事です。
 そして、企業の採用活動の強化のための予算ということで、採用活動といったものに対するノウハウが中堅・中小企業は不十分です。こういったものを充実させると若者にも光が当たるんじゃないかということで、これは実際、私も石川県でいしかわ採強道場、採用力強化道場といった事業を受託していまして、ここで中堅・中小企業を中心に成果が出始めているということです。
 大学生の生活をどうにかするということは、安定したものにするということは言うまでもありません。
 そして、今、働き方改革が議論されていますが、正社員男性を含めた多様な働き方をということで、みんなが総合職を目指して、課長以上のポストを目指して、転勤も異動もあるからつらいんです。お給料が低くてもいいからもっと働きやすい働き方というのがつくれないか、雇いやすい働き方というものができないかということです。
 そして、働き方改革実現会議のステージツーの始動ということで、非常にたくさんの方の意見を聞いていますし、資料も充実してたくさん発表されていますが、大手広告代理店の事件があってからいわゆる長時間労働是正ということがテーマになったのはいいんですが、元々ワーク・ライフ・バランスの充実ですとか介護や育児との両立といったことが言っていて、いつの間にか豊かな生活という意味でのライフが生きるか死ぬかのライフになっていると、これは大事な問題なので早急に手を打つべきではあるんですけれども、元々の掲げていたことに対して与党の取組はどうなのかということは議論するべきだと思います。
 そして、一億総活躍と言われていますけれども、これ以上どう頑張れというのだというのが国民の率直な印象でして、安心して働ける社会をいかにつくるかということを是非検討していただければと思います。安心して働ける社会でなければ労働参加といったものも怖くてなかなか踏み切れないものになります。
 時間を超過してしまいました。私の発言は以上です。どうもありがとうございました。
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川田龍平#8
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。
 質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願いいたします。
 質疑及び答弁は着席のまま行い、質疑の際はその都度答弁者を明示していただきますようお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 小川克巳君。
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小川克巳#9
○小川克巳君 自民党の小川でございます。
 三人の先生方には、それぞれの視点から貴重な御意見、御指摘をいただきまして本当にありがとうございました。
 まず、樋口参考人にお尋ねをいたします。
 政府は、誰もが活躍できる一億総活躍社会をつくっていくため、戦後最大のGDP六百兆円、希望出生率一・八、介護離職ゼロという三つの目標を掲げており、その実現に向けた最大のチャレンジが働き方改革であるとしています。働き方は国民一人一人のライフスタイルに深く関わり、その改革は、労働に対する考え方や価値観など、我が国の文化の改革とも言えるのではないかと思っています。
 また、その一方で、働き方改革は経済問題でもあるという高い問題意識で取り組む必要があると考えています。我が国の経済成長が厳しい道を歩んでしまう根本には少子高齢化という構造的な問題があります。出生率は大幅に低下し、高齢化率は平成二十七年には二六・七%に達し、総人口は平成二十年を境に減少局面に入りました。こうした少子高齢化の進行は、労働力供給の減少のみならず、将来の経済規模、生活水準、経済の持続可能性といったものに対する不安へとつながっていきます。
 他方、我が国には、潜在的な能力を秘めた女性、まだまだ元気かつ意欲的で豊かな経験をお持ちの高齢者が多くいらっしゃいます。こうした潜在力を活用しない手はないと思っています。課題は、それを実現するための仕組みをどのようにつくり上げるか、その一点にあると考えますが、まず樋口参考人に三点ほどお伺いをいたします。
 まず一つ目は、さきに述べましたように、国民や企業には、今後の経済見通し並びに年金を始めとする社会保障制度などに対する否定的印象がおりのようにこびりついていることからくる生活不安や老後不安などのいわゆる不安があり、それを取り除くことは経済の停滞を解消する根本的解決であろうと思っていますが、その辺りに対する御見解をお願いいたします。
 二点目、その不安を取り除くための大改革、これは実現可能性を問わずということですが、大改革をするとしたら、第一番目に考えられることは何か。
 それから併せて、今度は現実的な観点から実現可能であろうと思われるショートゴールをお示しいただければ有り難いと思っています。よろしくお願いします。
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樋口美雄#10
○参考人(樋口美雄君) 御質問ありがとうございます。
 まず第一点、高齢化社会というのが国民に不安を与えているんじゃないかと。特に、いろんな意味での不安というものが、個々人の活動というものをある意味では積極性を欠くといいますか、というような内向きの思考というような形になっているんじゃないかというような御指摘だと思いますが、まさにそういった動きというのが見られるかというふうに思います。
 先ほど、企業についての設備投資でありますとか、あるいは人材に対する投資というのがどうも減っているんじゃないかというようなことを申し上げました。かなり内部留保というのが増える一方において、積極的な行動というものが見られないんじゃないかというようなことと相通ずるかと思いますが、それぞれの世帯においても、例えば所得のかなりの部分というのがやっぱり貯蓄というような形で、貯蓄の最大の理由というのは将来不安に対する対応という形で、ある意味では消費が伸びないというようなところというのが起こっているわけでありまして、この生活不安、特に持続可能な社会というものに対する不安といったものを改善していくというようなことは緊急に進めるべきであろうというふうに思います。
 そのときに、じゃ、どういうふうにやればいいのか。構造改革といったものも必要でしょうし、税制であるとか、そういったところについての改革というのも私は必要だろうというふうに思います。それと並んで、やはり意欲と能力を発揮できるような社会環境というようなものをつくっていくこと。言うならば、単に翼を補強していく、要は殻の中に閉じ込んでいれば大丈夫ですよというような形でのその生活の不安を取り除くというよりは、むしろ自ら翼を補強することによって、能力開発をすることによって、あるいは雇用面についていろんな活性化を図ることによって、それを発揮できるような社会をつくっていくというようなことが重要ではないかというふうに思っております。
 まさに二番目の答えというのもそれに通ずるところがございまして、それがなかなか、失われた二十年の中で後退してきたなというのが実感であります。その結果が、ある意味では格差の問題とか、あるいは先ほど御指摘いただいた大学生の就職問題であるとかというようなところで顕在化してきているのかなというふうに思っております。
 以上であります。
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小川克巳#11
○小川克巳君 ありがとうございます。
 その不安を取り除くことに関して、私自身はいわゆる社会保障制度を相当に強化するということは必要なんだろうなというふうにいつも思っているんですけれども、ある意味、いわゆる福祉目的税としての消費税の税率が一〇%というふうなことで今我が国は動いているわけですけれども、極端な話、これを、実現可能性はおいておいて、六〇%とか七〇%であるとか、あるいは北欧レベルに上げていく、その代わり将来不安ないですよ、生活不安ないですよ、そういったところでもう制度を完全に置き換えてしまうことによって経済は活性化するというふうに思ったりもするんですけれども、その点についてはいかがですか。
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樋口美雄#12
○参考人(樋口美雄君) 御指摘のやり方というのも一つの方法としてやっぱり考えていかなくちゃいけないのかなというふうに思います。
 日本の場合、例えば政府による所得の再分配機能というような、税によって、特に、高所得の人たちから税金を取って、そして低所得の人に対して社会保障なりという形で給付していく、その機能が相対的にほかのOECD諸国に比べて弱いというような感じがしております。
 特に、これは税制におけるところというのが、累進制の問題も含め、また日本の場合に、控除が所得控除という形で、税額控除というよりも所得控除という形で多くの場合行われてくる。そうしますと、所得が控除された場合に誰の税額が一番減らされるかというと、高所得の方が税率が高いですからその分だけ減らされるというようなことがあり、そこの控除方法とかというような仕組みというのもやっぱり検討していく必要があるのではないかというふうに思っております。
 もう一方、社会保障のところでありますが、まさに社会保障全体の議論、どういうふうに手厚くというようなこともあるかというふうに思いますが、どこに重点的にしていくのか。
 考えてみますと、今のところ高齢層の、これまでは少なくとも人数がそう多くなかったというようなこともあり、ある意味では手厚い年金であるとか医療保険における補填といいますか、そういったものがあったというふうに思いますが、逆に、若者であるとかあるいは子供を育てている世帯であるとか、そういった者に対する支援といったものが弱かったのではないかというふうに思っておりますし、今そういった動きで、多分、いろんな少子化対策も含めて動き出しているのではないかというふうに思っております。
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川田龍平#13
○会長(川田龍平君) 小川克巳君、どうぞ。
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小川克巳#14
○小川克巳君 ありがとうございます。
 常見参考人にお伺いします。
 常見参考人は、昨年十二月十三日の週刊エコノミストに「働き方改革の幻想」と題して政府の働き方改革に関する議論を痛烈に批判しておられます。その中で、「そもそも、日本の雇用の問題点は業務の範囲が規定されていない上に、正社員総合職なら誰でも昇進・昇格を目指す仕組みにある。」と述べられ、これが残業が生まれる真因と指摘をされておられます。その上で、そもそもの労働社会をデザインし直すという視点が必要と訴えられておられますが、さらに、働き方改革の議論が過重負担により疲弊している管理職層に丸投げされていて、これで本質的な議論ができるのかと疑問を投げかけられておられる。
 私は、個人的にこの御指摘に一種の痛快さとともに一つの疑問も感じております。これは、総合職なら誰でも昇進昇格を目指す仕組みに真因があるという御指摘に対してですが、この点についてもう少し御解説をいただければ有り難いと思っております。
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常見陽平#15
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。
 今、小川先生がおっしゃったことは、この参考人資料で配付された記事の中のエコノミストの記事だと思いますけれども、少し詳しく御説明しますと、いわゆるなぜ長時間労働が起こるのかということに関しての議論で、一つは正社員のシステムといったものにあると思います。
 いわゆる総合職ということで、先ほどの陳述でもお伝えしましたが、業務の範囲がどんどん変わっていく、決められていない。そして、もちろんそこを目指さないというやり方も個人としてあるんですけれども、しかも、企業の人事制度でも必ずしも昇進昇格を目指すモデルだけにはなりませんし、何せ管理職のポストはどんどん減っていくわけなんですけれども、そこで長期に雇用されて昇進昇格を目指すがゆえに組織の言うことは聞かざるを得なくなっていくと。しかも、管理職になってしまうと、ここでいわゆる残業に対する考え方が変わっていくといったことが非常に長時間労働の背景になって、会社になかなか物言えぬようになるのではないかということでございますということですね。
 さらに、そもそもの働き方改革という政府が今進めていることもそうですし、企業としても確かにワーク・ライフ・バランスなどに力を入れないと労働者から支持されなくなっています。非常にそういった会社、働きがいのない会社から人が出ますし、かつ採用活動でも苦労するという流れがあるわけなんですけれども、ややもすると、世の中には二種類の会社がありまして、一つは、そういった働き方改革に取り組んだ方がいわゆる業績が良くなるとか、人が採れるという意味で取り組む会社。二つ目が、政府や経済団体が言っていて、世論も厳しくなっているからやらざるを得ないという会社というのがあります。
 そこの中でやっていくと、じゃ、もう長時間労働を規制するぞ、かつ、うちの会社としても、例えば三六協定を見直したぞですとか、残業は何時間までだぞと取り組んだところで、じゃその先のハウの部分を考えるのはいわゆる管理職だぞというふうになると。
 今の管理職はまさに、これもまた働き方の多様化なんですけれども、中途入社の方ですとか、いわゆる産休、育休から復帰された方で、それで労働時間が限られている方ですとか、多様な正社員及び非正規の社員を抱えてマネジメントをしています。もちろん、ハラスメントなどもあってはいけませんというふうになっていると。もちろんそれは当然なんですけれども、そんな中で全部管理職が考えなさいというような丸投げのようになっていて、これは逆に管理職の負荷が高まっていないかですとか、いつの間にか守れない制度になっているというようなことが懸念されるかなというふうに思います。
 済みません、長い返答になりまして。
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小川克巳#16
○小川克巳君 もう少しお伺いしたいんですけれども、ちょっと時間の関係で先に進ませていただきます。
 これは常見参考人それから森岡参考人にも、ちょっとお二人にお尋ねしたいんですけれども、先ほど最後のスライド、常見参考人の最後のスライドで御提言をいただきました。ただ、これは全部外向けに対する提言であって、求める側の主体である学生向けの御提言はなかったように思います。
 そういう意味で、労働に対する今の若い世代の価値観であるとか考え方であるとか、そういったものが少しずつ変容してきているというふうに私も感じているわけですけれども、ここら辺でいわゆる労働の在り方であるとか、あるいは資本主義経済をベースとした労働の在り方、ライフデザインを考えたときの労働の重点の置き方、そういったものを踏まえたときに、学生の段階で教育すべきことがあるのではないかというふうな思いがしてなりません。そこら辺についてお二人の参考人にお伺いしたいんですが、よろしくお願いいたします。
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川田龍平#17
○会長(川田龍平君) まず、森岡参考人。時間が迫っていますので、手短にお願いいたします。
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森岡孝二#18
○参考人(森岡孝二君) 私も参加をさせていただいていますが、厚生労働省が過労死防止法に基づく様々な啓発の取組の一環として、大学、高校、中学も含むんですが、実際にはほとんどが高校と大学で終わっています。
 首都圏と関西圏を中心に、弁護士で長時間労働、過労死あるいは労働法に強い専門家、それから過労死被災者の遺家族、娘、息子を亡くした母親、父親、夫を亡くした妻の立場の方々が、自分の夫が亡くなったのはこんな働き方だ、息子が亡くなったのはこんな働き方だということを訴えるという形で、かつブラックバイトも含めて、働く上でどんなあらかじめ知識が求められるかということで、これは職業教育と学校教育との接点の問題というよりは、過労死を防止するという当面の大きな政策課題に対応したものですが、出向いて講義をしています。そういう点で一つの広がりができてきていると言えます。
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常見陽平#19
○参考人(常見陽平君) 手短にお答えします。
 今、森岡先生がおっしゃったような形で、ワークルール教育ということで、いわゆる働くルールですとかそういったものを伝える動きはあります。
 私は、今後取り組むべきことということで、生き方の多様性ということであり、更にもっと言うと、大学としてどんな人を社会に輩出するかという大学側の議論だと思います。大学の顧客は社会です。それは、社会に求められる人材を輩出するだけでなく、社会がこれから必要であるはずの人材を輩出するはずだということで、その過程での議論が問われます。
 そういった意味で、生き方の多様性といったことを伝えていく必要があるし、社会が変化しているということを伝えるべきだなというふうに思っております。
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小川克巳#20
○小川克巳君 時間が過ぎております。どうもありがとうございました。
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川田龍平#21
○会長(川田龍平君) 斎藤嘉隆君。
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斎藤嘉隆#22
○斎藤嘉隆君 お三方、参考人、今日は大変参考になる御提言、ありがとうございました。
 それぞれの参考人に私からまず一点ずつお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、樋口先生にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、事前に資料をいただいて、ちょっと中を読ませていただきました。二〇〇〇年以降の我が国の雇用状況なんかを細かく見ますと、製造業や建設業で非常に雇用者数が大きく減少しているという状況です。製造業は世界的に先進国はそもそも減少状況にあるということなんですけれども、建設業なんか見ますと、他国は増加をしているという中、我が国はもう極端に減少しているという状況であります。半面、医療や福祉の分野に目を向けると、日本の雇用増はもう他国に比較して突出して大きいということだろうというふうに思います。
 一般的に、私どうしてもよく分からない、日本は雇用の流動性が低いということが指摘をされていて、そのことが生産性向上の妨げになっているという指摘があります。海外の投資家なんかもそのような見方をされていると思うんですけれども、そういう状況があるからこそ、今、政府も含めて解雇規制の緩和、解雇の金銭解決というようなことも議論をされているのだろうということなんですが、今の日本国内での雇用の状況を見ると、むしろ、さっきの調整速度の加速化とか見ると、流動性が本当に低いんだろうかと、そもそもそういう思いを持つんですね。
 流動性が日本は低い、だから生産性が高まらない、だから雇用の流動性が高まるように様々な規制緩和をすべきだと。この考え方は本当に正しいのか、このことについての先生のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
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樋口美雄#23
○参考人(樋口美雄君) 非常に難しい御質問だろうというふうに思いますが、客観的に考えたときに、転職率、企業間の移動というものについて見ますと、国際的にはやっぱり低いというのは事実だろうというふうに思います。ただ、それが若者を中心に上がってきた、あるいは、例えば情報関連の分野においては、IT関連の分野においては、専門的な仕事において流動性というのは必ずしも低いわけではないというようなことというのもあるかというふうに思います。
 その上で、雇用の流動性というのがやはり産業構造の中での問題点ということではあるかというふうに思うんですが、日本全体の経済力あるいは生産性を向上させるのかというようなところについてはそう短絡的には考えられないんじゃないかというふうに思っておりまして、といいますのも、今想定されているのは、生産性の低いところから労働者が高いところに移動することによって全体の生産性が向上するんじゃないか。
 ところが、現在考えてみますと、どこが雇用をつくり出しているんだろうかということを考えますと、御指摘のように、医療、介護といったものは非常に大きなウエートを占めるようになってきました。ここの分野というのは、例えば保険制度とかということが強く関連するようなところでございまして、必ずしも自由経済だけでは動いているわけではないというようなことから、そこについての改革をどう進めていくのかというようなことがあるかなというふうに思います。ですから、単に労働市場が流動化すればそれによって日本の全体の生産性が向上しますというふうに胸を張って言えるような状況ではないんではないかというふうに思います。
 それと、先ほど御指摘のように、製造あるいは建設というのが雇用を減らしてきた。建設の方はほかの国では必ずしもそうではないというところは、一つは、民間とそれと公的な投資に伴う比率を考えますと、日本の場合かなり公的な比率というものが建設需要の中で多かった、公共事業だというふうに思いますが、それがずっと財政の削減の中においてウエートを下げてきたということが建設全体の需要の低下というものに日本ではなっていたというふうに思います。ここのところその様相が大分また変わってきたというようなことから、逆に建設のところで人手不足というようなものが起こっているというようなことがあるかと思います。
 それとの関連でいいますと、こういう男の比率の高い産業、要は建設とか製造の場合、男性の比率が社員の中で圧倒的に高い。ここが雇用を減らして、逆に医療、介護のような、あるいはサービス業のような女性の比率の高いところが雇用を増やしていくと。その結果として、日本では、最近見ますと、男性の雇用の伸びというのはほとんど起こっていない、逆に女性の雇用が拡大していくということで、いつの間にか、アメリカと日本を考えますと、アメリカの方は女性の就業率がずっと落ちてきている、この十年間で五%落ちました。その結果、日本の方は逆に上がったということで、日米が逆転したというようなことがここ三年ぐらい公的統計で確認されます。それがゆえに、アメリカではもっと雇用をというような動きというのがあるんだろうと。それが失業の増加ではなく非労働力化という形で起こっている。
 要するに、職探しもしない人たちが増えるという形での問題があるわけでありまして、ただ、女性の比率、女性の働く人たちが増えているという、その圧倒的なところはやっぱりパート、非正規雇用の増加という形で起こっているわけでありまして、ここの意欲と能力をいかに高めていくのか。そのためには、やはり長時間労働というのが正社員になりたくないというような人たちを増やしているというようなことも事実でありますので、それについて働き方を考えていくという必要があるのではないかということだと思います。
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斎藤嘉隆#24
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 じゃ、森岡先生と常見先生にもそれぞれ一問ずつお伺いをしたいと思います。
 まず、森岡参考人になんですけれど、今、若年層や女性の労働所得等について御説明をいただいて、この九七年以降の数字を見て非常に愕然としたところがあります。若年層の場合だと、百五十万円以下、二五%程度ということで、これ、この十数年間で七ポイント、八ポイント増えているということですので、しかも大学生や高校生のバイトを多分除いた数字だというふうに思いますから、本当に今若い人、それから女性も含めて非正規の問題が大きいんだと思いますが、この労働所得の低下というのは非常に大きな課題だなというふうに思います。
 その点は今御説明で理解をしたんですが、もう一点、高齢者の就労の状況について、これも日本の特徴として、高齢者の働き、就労の状況、就労が非常に率が高いという指摘が従前からされているかというふうに思います。これも、シルバー人材センターの七十万ですか、こういった方々含まずにいての数字でさえもかなり高いということで、実際に出てきている数字よりも実はもう高齢者で働いている皆さんは非常に多いと。ところが、働かない、就労していない高所得の高齢者も非常に多いという状況も言えると思います。この高齢者の就労の状況と課題について森岡先生のお考えをお伺いをしたいというのが森岡先生への質問です。
 もう一点、済みません、常見参考人に最後にお伺いを併せてしたいというふうに思いますが、大学生の課題、仕送りが減って、多分、親の収入が減って仕送りが減って、奨学金の貸与のニーズが増えてという、こういう関係の中で、今、奨学金の問題も大変議論になっていて、給付制の奨学金、この国会でもこの後議論が進んでくるということなんです。
 今の大学生って、私が思うに、我々の頃よりももっと堅実でつつましい生活をしていて、彼氏や彼女ともどこかでデートするというよりも何か家で一杯飲んでみたいな宅飲みの人たちが多くて、それ本当に今の時代を表しているなというふうに思うんですが、本当にこういう大学生たち、そして、今の就活の課題がありましたけれども、就労状況、賃金水準をやっぱり上げていかなきゃいけないと思いつつも、先生がさっきおっしゃったように、労働参加を柔軟にしていくと、逆に低い賃金や、何というんだろう、厳しい環境での就労を余儀なくされてきて、本当にもっともっと生活の苦しい若い人たちというのが増える可能性も逆にあるんじゃないかなと思うんですが、そこについての御説明をもう少しいただけませんでしょうか。
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川田龍平#25
○会長(川田龍平君) それでは、まず森岡参考人。
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森岡孝二#26
○参考人(森岡孝二君) 先ほど数字をちょっと説明して、その際に大事な、肝腎なところを抜かしておりました。
 二枚目のページで、四ページの下から二行目のところに、女性、労調云々とありますが、これは六十五歳以上の就業者の労調に集計された総数でありまして、これが九七年の二十万人から二〇一七年の百九万人に増えていると。しかし、これ六十五歳以上ですが、その前の年齢刻みの階級の五十五―六十四からずっと一番若いところまで遡ってみますと、かつて六〇年代はほとんどが十五歳から二十四歳及び一部二十五歳から三十四歳という年齢階級に女性は集中的な就業をしていて、その後は非常に少なくなるというのが特徴的だったんですが、近年、中高年がどんどん増えて、四十代、五十代でいえば二百万人単位で就労していると、そういう変化があります。
 近年は、恐らく介護、福祉の関係の社会的な諸事情があって、年金あるいは貯蓄では生活できない状況が広がって、それをパートタイム就労で補おうと。地方ではシルバーセンターさえ成り立たないような状況が広がっていて、結構シルバーというのはいろいろ、一種の業務委託ですから取られるわけですね、間に。で、安いと。それで、むしろパートでそのまま直接雇用の方が高いということで、シルバーに登録せずに就労するということになると、シルバーセンターが逆にニーズがあっても人を送れないというような事態さえ生じていると。その点では、七十代でも働くような時代に、まあいいか悪いかいろんな面がありますが、働かざるを得ない状況があって、その点が男女共に進んでいる。一億総活躍戦略にもそのことを前提とした高齢者雇用の促進策がうたわれていますが、それでいいのかという問題もあります。
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常見陽平#27
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。
 大学生の生活が不安定になっているということで、これをどうするかということは全力で取り組んでいただきたいなという思いをまずはお伝えした上で、そこで、おっしゃるとおり、柔軟な働き方、自由な働き方なるものが、結果として、意図せざる形なのか悪用された形なのか、不安定で低賃金な仕事を誘発してしまうという現象があります。これは日本の労働市場の歴史においても何度も起こっていることです。
 今年はある言葉の三十周年の年です。何という言葉かというと、フリーターです。フリーターという言葉が定義されて出たのが一九八七年、リクルートグループから出していたフロム・エーという媒体に載ったものでした。そのときの定義は、社会を股に掛けて活躍する究極の自由人であり仕事人というような非常に美しい言葉で語られていたんですけれども、現状を見ると大分乖離感があって、皆さんの苦笑いが全てを象徴しているかと思うんですが、これに似た現象は今も起こっています。
 やっぱり幾つかこれ問題ありまして、実際、柔軟な働き方を男性向けに、例えば時間限定の正社員の男性ですとかそういったものをつくった金融機関の方にも直接お伺いして、その会社はいろんなところで表彰されているんですが、一方で、その柔軟な選び方を自ら選ぶ男性社員はほとんどいない、ほとんど女性中心にその制度が使われているみたいなことがありますし、今、クラウド、いわゆる、何といいますか、シェアリングエコノミーですとかそういった言葉がはやり始めていまして、フリーランス同士をネット上で仲介するビジネスみたいなものが非常に全世界的に盛んになっていますけれども、これって言ってみれば請負の促進であって、請負になった瞬間、最低賃金も何も関係なくなって実際びっくりするような安い金額の仕事が転がっていると。
 この前、非常に問題になりましたある大手ネット企業のいわゆるコピーされた情報がたくさん載っているサイト、医療情報の信頼できない情報が載ったサイトみたいなものも、実際そういったところで集まった方々が低賃金で働いて、少ない報酬で働いていたということがあります。
 だから、それは派遣にしろアルバイトにしろパートにしろ、何にしてもそうですし、フリーランスもそうです。ということで、自由な働き方が危険な働き方にならないような規制ですとか監視の体制ですとか、そういったものが非常に必要かと思います。
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斎藤嘉隆#28
○斎藤嘉隆君 終わります。ありがとうございました。
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川田龍平#29
○会長(川田龍平君) ありがとうございました。
 宮崎勝君。
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