森岡孝二の発言 (国民生活・経済に関する調査会)

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○参考人(森岡孝二君) 最初のいわゆる終身雇用ですが、これを日本的な長期雇用慣行と言い直したとしても、その適用されてきた労働者は、よく言われているように大企業の男性の正社員であると。したがって、大企業でない、男性でない、正社員でない圧倒的多数の人々はその蚊帳の外にあったと。しかも、それだけ限定されたいわゆる終身雇用も、この失われた二十年を通して、あるいは近年ますます労働移動の促進が言われる中で怪しくなってきて、残っているという人と、いや、もう壊れたという人とありますが、壊れてきたと言わざるを得ません。
 そのことを考える上でも、外部、内部の話もありますが、労働市場制度と労働時間制度の関連をもっと重視をして、例えば二〇一三年の日本再興戦略では労働移動の問題が強調されて、二〇一四年の改訂版では労働時間制度が言われていますが、その二つはリンクしているわけですね。労働時間制度という点で、長時間の、特に男性の、本当に家事に参加する時間的余裕もなく、起きて能動的に活動する全ての時間を通勤と仕事に充てる、あるいは仕事関連の付き合いに充てると、そういう時間がずっと戦後、時代時代で違う、ホワイトカラーの労働時間がだんだん長くなってくるという変化がありますが、今に至っていると。その点で、様々なパートタイムが生まれた理由も、ある面ではそこから、それを抜きには説明付かない、そういう現状があります。その点で問題提起を受け止めたいと思います。
 それから、アメリカに今いわゆるブラック企業があるかどうかと。元々よく知られているのは、スエットショップといって、昔は苦汗工場と言われたり、苦しい汗のという意味で苦汗工場、今では通常、搾取工場なり、工場だけじゃなくて小さな商店で、大変劣悪な労働条件で、しばしば監視付きで、主に移民労働者が中心ですが、非常に低賃金の労働をしていると。私が留学中にいたアパートの下にはコインランドリーがありまして、そのコインランドリーの時給は何と三・五ドルだと聞いてびっくりしたことがありましたが、そういう状況で考えると、決して日本的なブラック企業現象がアメリカにないというわけではない。
 しかも、海外まで視野を広げて、グローバル企業の現地工場だけでいえば非常に大きな問題があって、今では労働市場の広がりで、直接的な競争関係でない間接競争も含めて言うと、世界の労働市場は、マルクスの、スミスか、使った用語で産業予備軍ってありますが、新たに働こうと待ち受けている人々がたくさんいればいるほど現役分の労働条件が悪化する、そういうプールは世界大に広がっていると。したがって、アメリカが一番グローバルな存在であるとすれば、アメリカの国内にも昔で言った第三世界があると同時に、アメリカが海外に出て働かせていた。そういう点では、私はおっしゃったこととちょっと違うイメージを持っています。

発言情報

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発言者: 森岡孝二

speaker_id: 21643

日付: 2017-02-22

院: 参議院

会議名: 国民生活・経済に関する調査会