中上英俊の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(中上英俊君) 今日は貴重なお時間を頂戴しまして、ありがとうございます。
私の方からは、エネルギーの需要の動向について、特に国民に一般に御関心が深い家庭用に焦点を当てながら御紹介したいと思います。(資料映写)
開けていただきまして、三ページから行きたいと思います。
これは省エネ小委員会で私が提出したデータをやや加筆したものでありますけれども、これは、二〇〇五年三月に決めた長期需給見通しがどうなっているのかということを実際に実データで検証しようということで作ったわけでありますが、濃いブルーで右の方に伸びております一番上にありますのは、これが、ちょうど二〇〇五年に立案しました長期見通しの二〇三〇年の、ビジネス・アズ・ユージュアルでいくとこの四百二十五という数字に至るだろうと。これではとてももろもろの温暖化対策等々がクリアできませんので、この時点でも、おおむね五千万キロリッター近い省エネを見込んで三百七十七と、三億七千七百万キロリットルになりますが、そこまで下げようというのがこの二〇〇五年の目標だったわけですね。
しからば、現状どうなっているかというので、実際のデータをこれエネ研のデータから頂戴してきまして、豊田さんのところのデータを頂戴しまして、この薄いブルーになっているのが実際の実消費データでありますが、ちょうど二〇〇五年に立てたときのデータの基が四百十三というのが発射台でありますけれども、そこから自然に増えるだろうと見込んだものに対しまして、徐々に下方に移り、横ばいないし下方方向に推移しているわけでありますが、一段と下がっているのがそこにありますリーマン・ショックで、これだけ落ちたと。いかにリーマン・ショックというのが社会経済だけでなくエネルギーに対して非常に大きな影響をもたらしたのだなということがよく分かります。それが、揺り戻しが来て戻りかかったところに、御案内のように三・一一が来たわけでありまして、そこからまた下がり始めて、今三百四十二と書いてありますが、先般の速報値といいますか、でいきますとこれを更に下回り、一%ほど下回る状況で二〇一五年の実績値が出ておりますから、ある意味では省エネが加速度的に今進化している様子が読み取れるわけであります。
ただ、この傾向がこのままずっと外挿して下へ下がっていくかというと、それはそう簡単ではありませんので、これを一段と引き下げるためにどういう施策を追加的に打っていくかということが今、省エネルギー小委員会でも最大の課題になっているところでございます。
しかし、いずれにしましても、二〇〇五年に立てたときに三百七十七であったものが、もう既に二〇一四年の段階で三百四十二ですか、一割以上、これ下回っているわけでありますから、見方によっては非常に省エネ政策がうまく機能したということが取れますが、ただ、その中にリーマン・ショックがかなり大きな比重を占めておりますので、これは角を矯めて牛を殺すようなことになりかねませんから、これは決して喜ばしいことではないので、この辺をどう評価するかということは今経産省の審議会の方でもまだ審議を深めているところでありますが、幾つかここに情報が入っておりますのは、いろんな施策がこの時点時点で打たれたということは御理解いただきたいと思います。
次に、四ページでございますが、これは、じゃ、一般の御家庭でエネルギー代として支払っている光熱費がどういうふうに推移してきたかということを一九七〇年からずっとプロットしてあるわけでありますが、ここ数年を見ていただきますと、九五年以降ほぼ横ばいないし微増程度であったのが一段と上昇している傾向がうかがわれると思いますけれども、特に電気、一番下のブルーの部分が電気でありますが、電気代の負担がかなり高くなったことがお分かりいただけると思います。
折れ線グラフで消費支出に占める光熱費の割合を書いておいたんですけれども、これ六・四%になっております。
これ、実は、アメリカ、英国と比較しますと、一般御家庭で消費支出が六%なんという国はありません。大体三%から四%水準で、過去からずっと一定の率で推移しております。ここが日本の御家庭にとっては大変負担が増えている。ですから、この右の縦に書いてあるのが消費支出の光熱費支出の割合でありますけれども、大体ヨーロッパ等々は四ですから、一九七〇年代から八〇年代ぐらいの水準の比率でずっと推移していると。日本の家庭はその倍近い家庭の負担になっている。これはやはり大変家計を圧迫していることになるわけでありますから、これを何とかしていかなきゃいけない話であります。
それと同時に、その次のページを見ていただきますと、これはエネルギーの消費量を、今度一世帯当たり消費量をプロットしたものでありますけど、これは先ほどの支出額とは違いまして、大体二〇〇〇年ぐらいをピークにしてだんだん下がってきている。要は、一般一家庭当たりのエネルギー消費量は省エネの方向に完全に変わったということですね、傾向が。よく家庭用が増えた増えたと言われますけれども、家庭用の省エネは基本的には一家庭ずつでやらなきゃいけないわけでありますから、現実には、一般の世帯においてはエネルギー消費量は減少傾向に転じていると。
特に、先ほど電気代のところで見ていただきましたが、電気代は支出上がっていましたけれども、消費量を見ていただくと下がっているわけですね。電気の消費量は下がっているけれども、逆に支出は伸びているということは、やっぱり電気代の負担が極めて家庭にとって大きいということがこういうデータから取れるわけです。これは、元々は総務省の家計調査年報から取っておりますので、公式な統計値に基づく実績値であります。
次のページ、六ページでありますけれども、これは、今のは一家庭当たりでしたが、今度は総世帯当たり、全部世帯数掛け合わせた値でどうなるかという推移でありますが、ここも、御覧になっていただくと分かりますように、二〇一四年の総世帯の原単位は、これは二〇〇〇年がピークでありまして、それから約一六%ぐらい減っていると。二〇一四年の家庭部門の総エネルギー消費量は、ピークの二〇〇五年から、右のグラフですね、比べると約八%減っていると。したがいまして、なかなか省エネが進まない進まないと言われていました家庭においても、現実には──資料の方を御覧になりながらお聞きいただきたいと思います。
七ページに参りまして、これはどういう用途、あるいはどういうエネルギーが減っているのかということを種別に分析したものでありますけれども、このグラフも非常に象徴的でありまして、特に右側のグラフを見ていただきますと、二〇〇〇年、二〇〇五年ぐらいをピークにしまして、非常にいろんな用途で下がってきている。特に、二〇一〇年には照明・家電製品がまだ増エネ要因であったんですけれども、二〇一一年以降はもうほとんど全てのエネルギー用途にわたって減少が加速しているということがお分かりいただける。これは決して家の中で我慢しているとか、そういう節約しているというだけではなくて、それよりむしろ省エネの製品の普及であるとか、あるいは住宅の省エネ化であるとか、そういったものが一層この数年で加速していることがお分かりいただける。また後ほど違う図で御紹介したいと思います。
次に、八ページ目はこれ国際比較なんですね。これ、なかなかこういうデータ、お目にかかることないかもしれませんけれども、これ一番上がアメリカでありまして、以降、二番目がイギリス、それからフランス、ドイツ、それからお隣の韓国が入っていまして、一番下が日本なんですね。総量で見ていただいても、日本の総量は四十三と書いてありますが、欧米諸国が大体これの二倍弱ぐらいあると。アメリカは二・五倍ぐらいある。
ただ、中身を用途別に見てみますと、圧倒的に差があるのはこれは暖房用なんですね。むしろ一番右側に日本の、濃いブルーで描いてある、これは家電製品とか照明になるわけですが、ここは十五という数字なんですけれども、これはヨーロッパ諸国と比べていただくと日本の方が多いんですね。国によって随分エネルギーの使い方、エネルギー機器の普及の程度が違うことがお分かりいただけます。
専ら住宅の省エネというと暖房用のエネルギーを減らすので、そちらの省エネ改善をしろという御指摘が非常に多いんですけれども、これはヨーロッパと比べて五倍も差がありますから、ヨーロッパ諸国がここの省エネをやって光熱費が浮いてくる分と日本の分と比べると五倍の開きがあるものですから、投資効果がなかなか出てこないんですね。同じお金を投下しても、それで得になるエネルギー消費量というのは、向こうは五倍の規模で効いてきますけど、日本は五分の一しか効かないということで、なかなかこの断熱改修というものがスムーズに進まないというのが日本の難点なんですけれども、これはこういうところにもあります。
逆に言うと、日本の暖房水準が非常に低いと。これを外国の友人に見せますと、日本はさすがに省エネ大国だな、こんなに暖房エネルギー消費が少ないんだと言って褒めてくれるわけでありますが、冗談じゃない、家の中は寒いんだと言うんですけれども、冬に来てもらわないとなかなか実感できないわけであります。
もっとこれは付言しますと、家の中に暖かいところと寒いところがあるというのはこれまた日本の特色でありまして、昔のようにどの部屋も暖房をしていなければ、家の中でヒートショックになることはないわけですね。家の中に、居間なんかすごく暖かくて、さあ、これでお風呂に入ろうとか、トイレに行ったら全然暖房が効いていなくて、えらく寒くて、そこでヒートショックが起きる、それで家の中で死者が出るというような大変悲惨なことになっているわけでありますけれども、これは暖房が部分的に進んだものだからそういうことが起きているわけで、これは欧米はなぜこういう数字かといったら、全館冬中暖房しているという状況です。
参考までに、僕、韓国を挙げましたのは、韓国は、ほとんどの部屋は昔のオンドルというのがございまして、これは空気式の床暖房で、煙突を床下中に張り巡らせて、そこの空気で暖房したと、有名な暖房装置であります。それが今や完全な温水暖房にシフトしておりまして、ですから、韓国は冬でも家に行くとみんなはだしで歩いているというようなことで、ほとんど全館暖房に近いレベルです。
そうすると、日本の二・三倍ぐらいありますが、大体日本でもその水準に、今の断熱構造比とミックスしてやれば、三倍ぐらいあればそういう性能は確保できるんですけれども、もう今更エネルギーを増やすということを言うと叱られるものですから、この十をいかに削るかということばかり指摘されるものですから、大変苦労しております。
ちょっと横道にそれましたので、時間ないですから、次のページに行きます。
これは、今日、家庭用に絞ってお話しするのは、実は、先生方は御案内どおりかもしれませんが、日本には家庭用のエネルギー消費を構造的に経年的に捉えたデータはないんですね。先ほど私がお見せしましたのは、家計調査年報から推計したデータなんです。あるとすると、供給側のデータから分類していって、家庭用はこうだろうというのはあるんですが、実際に家庭でどう使われていたかというのを経年的に変化した統計がないんです。先進国でこういう国は日本だけであります。韓国も日本より大分早くそういう統計を整備しておる。いわんや業務用、これも一方民生で増えていると言われている非常に大きな用途の一つでありますが、業務用に至ってはもうほとんどデータがないと。
したがいまして、詳しく精査して省エネの施策を打とうとしても、現実の中身が詳細に分かっておりませんので、的確な政策反映になかなか移っていない。そういう意味では、ここ、後ほど示しますけれども、長期見通しで省エネの目標を作っておりますが、まだ抜け落ちているものは大分あると思っております。それはひとえに、データに基づいてきちっと物申すにはいささかちょっと不足しているという状況であります。
これは環境省で、総務省の公式の統計調査にやっと認定されまして、今年度から本格調査が始まりますが、去年の事前調査の結果をちょっと御紹介します。
十ページ。世帯当たりのCO2の排出量で、全国平均でいきますと一世帯当たり三・五トンぐらい出ているわけですね。左側がエネルギー種別ですけど、電気が大体七割ぐらいをそのうち出していることになります。これは家庭で出しているわけじゃないんですけど、電力会社から来るときに、電力を発電するときにこれだけ掛かっているものを家庭用に乗せているわけでありますけれども。右側が用途別でありますけれども、一番多いのはやはり四七・四%、家電製品、照明等というのは電気に由来するところが半分近く、四分の一弱が暖房と給湯であるというふうなシェアになっているわけであります。
次です。これもよく言われる図でありまして、集合住宅と戸建て住宅と比べてどうかという話でありますけれども、御覧になっていただきますと分かりますように、どちらがいいか、右の図でいきましょうか、戸建て住宅と集合住宅では倍半分ぐらい違うんですね。ですから、本当は集合住宅というのは極めて省エネルギー的でありますし、CO2少ない生活が実現できるわけであります。もっともっと本当は評価すべきだったんですが、この種のデータが余りなかったものですから、余り強調されなかったと。そういう意味では、集合住宅の在り方というのはもう一度政策的にも位置付ける必要があるんじゃないかと私も思っております。
ここで、もちろん戸建てと集合ですと面積の違いがあります。当然、戸建ての方が広いわけですし、居住人数も戸建ての方がやや多いですから、その辺を割り引いて考えなきゃいけませんが、それにしても随分差がある。特に暖房のところを見ていただくと、一番左側の赤いところですね、これでいきますと、戸建てと集合では二倍から三倍ぐらい暖房に差があると。それから、集合住宅は周りが囲まれている住居が多いわけでありますから、戸建て住宅はもう全方位外気にさらされているものでありますから、それだけやっぱり暖房の必要熱量は違うわけですね。そういったことも今回の調査で明確になりました。
次は、世帯類型別です。もうここも詳しく申し上げませんが、例えば右左どちらでも結構ですが、同じ単身者であっても高齢者と若中年では違うと。これもすぐ御理解いただけると思いますが、高齢者の方が滞在時間が長いというようなことになりますから。そういった意味で、世帯類型別でもこういうふうな差が今回明確になった。
次の十三ページでは、延べ床面積別でありますけれども、これも基本的には床面積が大きくなればエネルギー消費が増える、これは大体皆さん理解しやすいと思いますが。右側の、右でも左でもどちらでもいいんですが、集合住宅見ていただきます。集合住宅は百平米ぐらいにピークがあって、それ以上はむしろ面積が増えてもエネルギー消費は増えていないと。ちょっとお考えになっていただくと分かると思いますが、二百平米、三百平米の集合住宅というのは余り一般的じゃないわけですね。とんでもない値段しますし、恐らくお若い方は買えないわけでありますから、ここに住んでいらっしゃるのは下手すると一人か二人とかだったり、実際の生活がその辺とは違っているんじゃないかと。戸建ての場合は、大体家族人数が多ければ広くなっているという、大体それと相関しておりますけど、集合住宅の場合はこの逆転現象が出るというのは非常に面白い結果であると思いました。
こういうことを言っていると余り時間がないんですが、次に行きますと、消費者行動とエネルギーであります。いろんな省エネ項目をチェックしていただきまして、その実施率に従って分類しましてエネルギー消費を比較しますと、やはり非常によく小まめに省エネ行動をやっていただいている方は平均に比べても一五%ぐらい低いと。ここで着目すべきは、やはり消費者の行動をいかに変えていくのか、省エネ型にしていくのか、これからの非常に大きなテーマだと思います。今までここは余り着目されてきませんでした。掛け声ではいろいろありましたが、定量的に数字がありませんでした。今回こういうデータが出ましたので、一層この分野について注力する必要があろうかと思います。
次に、十五ページであります。これも非常に面白いところでありまして、これ建築年次別に、着工年次別にエネルギー消費を比較したものでありますが、二〇一一年以降に建てられた住宅は明らかにエネルギー消費が少ないんですね。いや、これだけやっぱり、いい悪いは別にしまして、非常に大きなインパクトがあって、消費者の選択行動にまで大きな影響があって省エネが加速したということが言えると思います。
同じようなデータで、次のページでLED、これは最も今省エネ、省CO2で活躍している器材の一つでありますけれども、ここも、これはLED照明ですから、別に新築しなくても家の中で取替えが利くわけでありますから、これは着工年次別に同じような時系列で並べてありますけど、明らかに二〇一一年以降に建った住宅はもう半数以上にLEDが入っているわけですね。居間に入っている。ほかのところは、取り替えるんだけれどもそこまではまだ加速していないということで、やはり二〇一一年以降、先ほど冒頭にお見せしました図からも読み取れるとおり、かなり省エネ意識、それから省エネ行動が進化してきたんだなと思います。
次の十七ページ、これは同じようなデータで、二重ガラスにしたかどうか。これも、近年に建てられた住宅はもうほとんど半数以上が複層ガラスを使っている。しかし、まだ入っていないのも四五%あるわけですから、ここはまだまだ手当てが必要でありますが、近年の住宅はより省エネ性が高くなっているということです。
十八ページ、地域別であります。ここも詳しく説明している時間はございませんけれども、一番多いのは何と北陸になるんですね。エネルギー消費量で一番多いのは北海道なんですね、当然寒いですから。しかし、CO2で換算してみますと、北陸が一番多くなる。これはなぜかというと、北陸の一世帯当たりの電力消費量が非常に多いんですね。その影響で、左の図を見ていただいたら分かりますように、ブルーのところが一段と高くなっておりますけれども、こうやって並べると北陸が一番多くなっているということであります。エネルギー消費でいくと、沖縄というのは実は九州よりずっと少ないんですけれども、ここも電力由来のCO2の排出量が多くカウントされますので、結構比重は高くなっているということはお分かりいただけると思います。
次に、省エネでありますが、ここはもう先ほど豊田先生のお話もありましたのでスキップしていきたいんですが、とにかく五千万キロリッターやらなきゃいけないと。五千万キロリッターというのがどういう数字かと私よく申し上げるんですが、今現在、日本中の住宅で一年間に使っているエネルギー消費量がおおよそ五千万キロリッターですから、その程度を減らそうと、これから二〇三〇年に向けて減らそうというのが今回の目標であります。
そのメニューが二十一、二十二と入っておりますけれども、この辺りをまた精査して、五月からまた省エネ小委員会が再スタートいたしますけれども、実績値を踏まえながら掘り込んだ議論をしようとしているところでございますけれども、大体、産業部門が四割から五割ぐらいトータルのエネルギー消費を占めているわけでありますが、省エネに対しての比重がどこに掛かっているかというのは、御覧になっていただきますと、業務用が一千二百万、家庭用が一千百万でございますから、ほとんどここにフォーカスされているということでありまして、これからの省エネは、もちろん産業も運輸ももっともっと深掘りしなきゃいけませんけれども、業務、家庭用について更に軸足を置いて深掘りしていこうというのがこれからの政策の目標であります。
次に、二十三ページ、二十五ページ、これはアメリカのACEEEという公的な省エネ機関でありますけれども、そこが世界の省エネルギーを比較して評価しているわけであります。国別の努力、建物、産業、運輸という四部門について百点満点で評価しているわけでありますけれども、次の二十六ページに結果が並べてありますけれども、日本は、おかげさまでといいますか、トップではないんですが、二位にいるわけであります。
ただ、最近ヨーロッパに行ってドイツでヒアリングしてまいりましたが、ドイツはこれだけ評価では高いんですけれども、ドイツの省エネ目標は、いわゆる再生可能エネルギーに比べると余り実際の効用は上がっていないということであります。当初の二割ぐらいの削減しようというのがまだ半分ぐらいしか行っていないということで、どうやって更に省エネを深掘りするかということで今頭を悩ませていると聞いてきましたので、もう日本の方がそういう実績と比較してみれば多分トップに来ていいんではないかと思いますけれども。
いずれにしましても、日本の実績というのは、いろんな評価の仕方がありますが、こういった表から見ても非常に高いということがお分かりいただけると思います。
次の二十七ページには、どこが遅れているかということでいえば、このビルディングと書いてある、先ほどの業務用と家庭用に類するところですね。ここが弱いのでもっと強化しろと言われているのが日本への評価でありますが、ここも最近省エネ法が強化されましたので、次回の評価ではこれは一段と上がってくると思いますから、恐らく世界のトップにもう一回日本が返り咲くのではないかと思います。
次に、もう時間がございませんので、三十ページに飛んでいただきまして、これからの省エネの中で、先ほどちょっと触れましたけれども、消費者行動をいかに省エネ型に変えていくのかという研究が今欧米では非常にフォーカスされておりまして、特に日本の場合には、エネルギー問題ってどうしても理系といいますか、そういう工学系の方がメーンなんですけれども、アメリカやヨーロッパに行きますと、この行動のポテンシャルについての評価には半数以上が女性が出てきて議論しているという状態でありまして、女性がやっぱり主役にここでもならないと実際の省エネ行動に響いてこないんだなということを痛感しましたけれども。これは、行動だけで変えていっても二割ぐらい余地があるよと。これ、全部が全部できるわけじゃありませんから、しかし余地としてはこのぐらいあるというわけでありますから、これを技術だけでやろうとしたら大変なことですけれども、消費者行動というのは非常に大きなインパクトを持っているということをちょっと御理解いただきたい。
それにつきまして、おととしでありますが、経産省の委託で、北陸電力の管内で、オーパワーというアメリカのこの分野では非常に有名な研究機関と一緒に作業をやりまして、消費者行動を変えてもらうとどうなるかという調査をやりました。
三十三ページ御覧になっていただきたいんですが、こういうレポートを請求書と一緒に一般家庭にお返ししたわけですね。こういうレポートを出しますと、こういうレポートが行っているところと行っていないところと比べると、やはり省エネ率が高くなってくる。
どの程度高くなるかというのが次でありまして、これ左が日本の実績でありますけれども、これ二か月しか予算の関係とそれを実施した時期の関係でフォローできていないわけでありますが、右側が世界中でオーパワーという会社がやったときの実例だそうでありまして、赤い線が、日本が行くと多分この線には行くだろうと。ブルーの線が、太い、細い、いっぱいありますが、これはアメリカのいろんな電力会社で彼らが実施した実績であります。オレンジ色が欧州の実績でありますけれども、恐らく日本の実績からいくと二%ぐらいまでは行くんじゃなかろうかという話をしました。
二%程度の省エネじゃしようがないというふうに批判を受けたこともあるんですけれども、いや、そんなに小さな値ではありませんよと。全国の家庭で、もしその一・二%が削減されると、今現在の冷蔵庫を全国の御家庭で千五百万台分ぐらい最新の省エネ型の冷蔵庫に変えたと同じぐらいの効果があるんですね。これ、お金にしてみるとすぐ数兆円の金になる。一台十万円じゃ今買えません、十数万しますから。そう見ますと、一%、二%は決して小さな数字ではないと。
ところが、すぐ省エネというと非常に大きな数字を求められるものですから、大きな数字を求められるとするとそういう対象は限定されてきます。しかも、それはそう簡単には普及してこないということがありますから、小さい努力だけでもこういうものをいかに多く積み上げていくかというのがこれからの省エネの非常に大きなポイントだと思いますので、是非先生方も御理解いただいて、こういうことをサポートしていただければと思います。
ちょっと雑駁になって、しかも時間オーバーしてしまいましたけれども、私からの御報告は以上でございます。
ありがとうございました。