松崎彰義の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)
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○参考人(松崎彰義君) ただいま御紹介いただきましたイセキ開発工機の松崎でございます。
私のこれからの御説明というかお話は、さきの三人の参考人の先生方のような大所高所からのお話じゃなくて、あくまでも中小企業のおっさんの目線でお話しさせていただきますので、もし何か失礼がありましたら御勘弁いただきたいなと思います。
まず、ページめくっていただいて、私どもの企業概要でございます。資本金六千万、従業員五十人、直近の年商は二十億、まさに中小企業、典型的な中小企業ではないかなと思っております。
当社の事業、製品ですが、右側の鳥瞰図がございまして、真ん中辺に緑色の塗った機械装置がございます。ここが私どもの製作、販売している機械でございます。これは遠隔操作して地下のトンネルを掘っていくという機械であります。その用途というのは、下水道であり、ガス管であり、上水管でありというのを道路下あるいは建物の下に掘っていくという用途に使われます。近年では、大断面、地下鉄の駅舎ですとか、この一番右下のところなんですが、こういうのに、丸いのがいっぱいぐるっと四角く囲ってあります。これ、一本一本が推進していって大きな断面を安全に掘っていくという工法であります。
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これは、今回、JICAの普及・実証事業でいただいた事業の概要であります。
まず、これはインドネシアで調査の後に普及・実証事業をやらせていただきました。インドネシアのニーズとしましては、皆さん御存じと思いますけれども、ジャカルタ特別州、人口約一千万近い、東京都二十三区ぐらいのちょうど面積なんですけれども、ここで下水道の普及率がたしか三%、四%というふうに向こうでは言っておりますが、まあ、ほとんどないと、東京二十三区で下水が一本もないよというような状況であります。その状況の割には非常にビルはきれいに建っておりますし、車も新しいのがたくさん、交通渋滞あちこちというところで、その下水道管を入れていくためには、当然上から掘っていたらとんでもないことになるということで、今回、私どものこの機械でちょっとデモンストレーションをしてやっていこうと。
従来、向こうの国でも非開削の部分はあったんですけれども、二、三十メーターぐらいの短い距離をやっていくというのが精いっぱいで、今回当社で三百メーター一遍に推してしまおうと、そういう推進できるんだよというのを見せてあげようということで、今回採用されました。
それで、右側の方に行きますけれども、インドネシア側に見込まれる成果ですね、当然、この下水を普及して快適な生活、環境改善に寄与するというふうなところと、我々日本企業側の成果としては、この仕事中にあちらの政府から洪水対策の事業に協力してくれということを言われまして、政府のお金でもって洪水対策の事業を行いました。これについては後ほどまた詳しくやっていきたいと思います。
四枚目ですね、これがまた今回の普及・実証事業の概要であります。左の方に地図がありますけれども、この地図の中に色づけた緑だとか赤だとかありますね、これがジャカルタ特別州。この中が下水道がほとんど数%しかないというところ。これを全部やっていきますと、恐らく千キロ以上の下水管路を布設しなければいけないんじゃないかなというふうになっております。
左下は、参考までなんですけど、真ん中のバティック着ている方が前の鹿取大使ですね。右から二番目の方がJICAの佐々木所長です。何でこんな偉い方がいらっしゃったかというと、当時、前日からジョコウィ大統領が発進式に来られるのでということで皆さん寝ずに設営されていましたが、残念ながらお忙しくて来られませんでした。
それで、事業の概要は、右の方に移りまして、真ん中、グリーンの矢印がありますね。この左側の赤く、ちょっと見えにくいんですが、囲ったところから右側の方のグリーンの矢印の方に地下を三百メーター掘っていくという仕事であります。
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左の一番上、これはちょうど日曜日の早朝ですね。ですから、車はほとんどいないと。このすぐ後にここが、いわゆる、何というんですかね、車出入り禁止になる時間帯がありまして、そのときですから非常に少ないんですが、その下が一般の昼間の道路の状況。赤いバスが走っていますけど、そこがちょうどこのジャカルタ州を南北に突っ切るメーンストリート、スディルマン通りというところですね。右の上のところ、これが夕方の混雑の状況です。
こういうところに下水管を入れなきゃいけない、あるいは水道管も入れなきゃいけないとなりますと、当然上から掘っていたらとんでもないことになりますというのは十分あちらの政府の方も理解していただいたと思います。この右下の部分が、この機械で三百メーター掘りまして、右の黒いところが、テレビモニターを見ながら遠隔操作して進めていくというものです。
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JICAさんに応募した経緯なんですけれども、当社は非常に中小企業でちっちゃい会社なんですが、一九八一年から海外進出しておりまして、その第一号はフランス・ボルドーで我々の機械を輸出いたしました。その年に台湾にまた三台。その次の年には西ドイツ政府の小口径トンネル掘進工法プロジェクトというのがありまして、そこの資金によって私どもの機械を、装置を購入していただいたという経緯があります。
その後は、この西ドイツ政府、ハンブルク市がメーンになっていたんですけれども、一九八四年と八六年に、新規の機械を開発してほしいと、れき層を掘れる機械はないか、あるいはもう一つは、既設の下水道管を流しながら新しく管を入れる機械はできないかという要望をいただきまして、これに応えるべく、八四年と八六年にその実機を納めたという実績があります。その後、EU、北米、南米、アジア各国へ五百台以上のこの掘進機を直接販売しております。
数十年こういう形で一民間企業単独でやっておりましたけれども、ここ何年かはやはり限界を感じておりまして、やはり我々中小企業に足りないのは、人、物、金、全部足りないんですが、何しろ人が一番足りないということで、点の営業しかできていなかったと。
それと、ちょっと下、下線引いていますが、ここ十数年、外国のライバル企業がかなり力付けてきた。これは、かなり力を付けてきたのではなくて、かなり差を付けられてきたというのが実態でして、その前にドイツの話を少ししました。実は、これはドイツの企業なんです。このドイツの企業が物すごい力を付けてきまして、今やこの地下建機の中では世界でも有数な企業に育ってきたと。そこも実際、最初は私ども、出たときは影も形もない、向こうも中小企業でした。それが今はかなりの大きな立派な会社になったということですね。
我々は、五年前に、日本推進技術協会というのがありまして、そこでオールジャパンで新興国の方に推進を普及させてくれないかということをいただきましたので、それに一も二もなく応募したというところでございます。
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四ポツですけれども、相手国との調整において直面した困難、特には、契約に至るまではJICAさんの応援をたっぷりいただきましたので特に問題はないんですが、実施後ですね、いろいろ、相手国の通関が遅れ、決裁、許認可の遅延等が日常的に行われていまして、これは大変苦労しましたというところです。
五ポツですが、JICAさんへの改善要望というのは、ちょっと支払条件でいろいろありまして、これは読んでおいていただければいいかなというのが①と②であります。③ですけれども、途中でインドネシアの政権が替わりまして今のジョコウィさんが大統領になられたんですが、それに伴って政府の御担当の方が徐々に徐々に大体ほとんど替わりまして、替わるたびに我々また行って、また一から事前に説明しなきゃいけないという、非常な苦労をJICAさんの方もされていましたが、我々にとって海外へ出たときにはJICAの御担当の方が一番の援助していただける方なんで、これからもそういう支援を期待したいと思っております。
次の八ページですけれども、今後の我々の海外における事業展開をつらつらと書きました。
先ほどもこの辺は言ってありますのでいいですが、②からですね。現在、駐在員事務所をインドネシア・ジャカルタに置いております。それをワンステップ、ツーステップ上げていくのが我々のこれからの事業展開というふうに考えております。中長期的には、日本国内と同様に、現地で機械製作、メンテナンス、事前調査、施工監理指導といった推進工事、工法のワンストップサービスを展開して、ローカル企業への技術移転、またそれに伴うローカルの雇用創出を目指していきたいと考えております。
課題としては、先ほどもちょっと言いましたが、ODAの予算も付いて、インドネシアも下水道整備事業は最優先課題の一つだよということをおっしゃっていますが、ここ数年全く進展がないというような状況です。ですから、インドネシア国の迅速な決定を望みます。
次の九ページでございますが、これがインドネシア政府の公共事業省から発注された工事であります。
左に、この二台の機械を納めました。右側の真ん中辺に、ちっちゃくて見にくいんですが、地図がございます。この地図の真ん中に黒い線が引っ張ってあるんですが、ここ、左側の氾濫する川から右側の用水路へ地下で三メーター五百の内径の管を二本、ワンスパン千三百メートルの事業を、事業といいますか、の機械の納入を我々いただきました。そこでやっております。
一番右下の方ですが、これは現地で推進管といいますか、コンクリート管を造っているところです。これも日本からの技術を供与して造ったものです。
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これが、右の写真三枚、上の方ですね、これが毎年雨季になると氾濫する川です。三年に一遍物すごい洪水になりまして、私がちょうどこの写真撮ったときの雨季、この川の脇に立ちまして、ちょうど私の、そうですね、肩ぐらいまでですかね、水没ということで、家の一階部分はほとんど大半水没したという形なんですが、それでもまだここの方たちは立ち退かないでいらっしゃるんですね。で、事業が今ちょっと頓挫しております。
右下の広い河川が、これが放流の方の河川です。その隣の左が、ちょうどカーブしているんですけど、この下に内径三メーター五百の管が二本入っております。
左の方は、そのグラウンドブレーキングですね、起工式なんですけれども、このときはジョコウィさん、まだ首長、州知事ということでいらっしゃって、式の終わり頃いらっしゃったんですね。左の一番下ですけど、この白いシャツを着ていられる方がジョコウィさんですね。
十一ページ、最後になります。
我々の中小企業の支援していただく期待は、日本国政府、JICAさん始めとして、今まで以上に後押しをお願いしたいと。さらに、先ほど言ったような海外のライバル企業に打ち勝つにはオールジャパンとして立っていかないと、敵はもう十数年前から国を挙げて政策的にやってきています。ですから、大きなプロジェクトは全てドイツのライバルに我々は負けておりますから、そうならないためにもこれから皆さんの御支援をいただきたいなというふうに思っております。
最後に、当然、我々民間企業ですから、我々も収益を上げていかなきゃいけないし、収益を上げて税金をお支払いするというのが我々の義務でありまして、その税金を使ってまたODAをやられるという循環の道だと思いますので、今後とも御支援のほどをよろしくお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。