政府開発援助等に関する特別委員会
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会
会議録情報#0
平成二十九年六月七日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
山下 雄平君 大家 敏志君
竹谷とし子君 里見 隆治君
五月十一日
辞任 補欠選任
山添 拓君 井上 哲士君
六月六日
辞任 補欠選任
有村 治子君 宮島 喜文君
長浜 博行君 浜口 誠君
藤末 健三君 石上 俊雄君
井上 哲士君 大門実紀史君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 野村 哲郎君
理 事
中西 祐介君
堀井 巌君
三宅 伸吾君
礒崎 哲史君
河野 義博君
辰巳孝太郎君
委 員
朝日健太郎君
石井 準一君
岩井 茂樹君
大家 敏志君
大沼みずほ君
木村 義雄君
佐藤 正久君
松下 新平君
松山 政司君
宮島 喜文君
元榮太一郎君
相原久美子君
石上 俊雄君
大塚 耕平君
古賀 之士君
浜口 誠君
牧山ひろえ君
里見 隆治君
杉 久武君
大門実紀史君
清水 貴之君
藤巻 健史君
又市 征治君
事務局側
第一特別調査室
長 松井 一彦君
参考人
独立行政法人日
本貿易振興機構
アジア経済研究
所国際交流・研
修室長兼開発ス
クール事務局長
・教授 山形 辰史君
認定NPO法人
国際協力NGO
センター事務局
長 若林 秀樹君
一般社団法人グ
ローバル・コン
パクト・ネット
ワーク・ジャパ
ン事務局次長 上野 明子君
株式会社イセキ
開発工機代表取
締役 松崎 彰義君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
(持続可能な開発に向けた国際社会及び日本の
取組と課題に関する件)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時開会
─────────────
委員の異動
五月十日
辞任 補欠選任
山下 雄平君 大家 敏志君
竹谷とし子君 里見 隆治君
五月十一日
辞任 補欠選任
山添 拓君 井上 哲士君
六月六日
辞任 補欠選任
有村 治子君 宮島 喜文君
長浜 博行君 浜口 誠君
藤末 健三君 石上 俊雄君
井上 哲士君 大門実紀史君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 野村 哲郎君
理 事
中西 祐介君
堀井 巌君
三宅 伸吾君
礒崎 哲史君
河野 義博君
辰巳孝太郎君
委 員
朝日健太郎君
石井 準一君
岩井 茂樹君
大家 敏志君
大沼みずほ君
木村 義雄君
佐藤 正久君
松下 新平君
松山 政司君
宮島 喜文君
元榮太一郎君
相原久美子君
石上 俊雄君
大塚 耕平君
古賀 之士君
浜口 誠君
牧山ひろえ君
里見 隆治君
杉 久武君
大門実紀史君
清水 貴之君
藤巻 健史君
又市 征治君
事務局側
第一特別調査室
長 松井 一彦君
参考人
独立行政法人日
本貿易振興機構
アジア経済研究
所国際交流・研
修室長兼開発ス
クール事務局長
・教授 山形 辰史君
認定NPO法人
国際協力NGO
センター事務局
長 若林 秀樹君
一般社団法人グ
ローバル・コン
パクト・ネット
ワーク・ジャパ
ン事務局次長 上野 明子君
株式会社イセキ
開発工機代表取
締役 松崎 彰義君
─────────────
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
(持続可能な開発に向けた国際社会及び日本の
取組と課題に関する件)
─────────────
野
野村哲郎#1
○委員長(野村哲郎君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山下雄平君、竹谷とし子君、山添拓君、藤末健三君、長浜博行君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君、里見隆治君、石上俊雄君、浜口誠君、宮島喜文君及び大門実紀史君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
昨日までに、山下雄平君、竹谷とし子君、山添拓君、藤末健三君、長浜博行君及び有村治子君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君、里見隆治君、石上俊雄君、浜口誠君、宮島喜文君及び大門実紀史君が選任されました。
─────────────
野
野村哲郎#2
○委員長(野村哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所国際交流・研修室長兼開発スクール事務局長・教授山形辰史君、認定NPO法人国際協力NGOセンター事務局長若林秀樹君、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン事務局次長上野明子さん及び株式会社イセキ開発工機代表取締役松崎彰義君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所国際交流・研修室長兼開発スクール事務局長・教授山形辰史君、認定NPO法人国際協力NGOセンター事務局長若林秀樹君、一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン事務局次長上野明子さん及び株式会社イセキ開発工機代表取締役松崎彰義君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
野
野
野村哲郎#4
○委員長(野村哲郎君) 政府開発援助等に関する調査のうち、持続可能な開発に向けた国際社会及び日本の取組と課題に関する件を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。
この際、参考人の方々に御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、まず、山形参考人、若林参考人、上野参考人及び松崎参考人からお一人十五分程度御意見を述べていただき、その後、委員からの質疑にお答えをお願いしたいと存じます。
御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず山形参考人にお願いいたします。山形参考人。
この発言だけを見る →この際、参考人の方々に御挨拶を申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
議事の進め方でございますが、まず、山形参考人、若林参考人、上野参考人及び松崎参考人からお一人十五分程度御意見を述べていただき、その後、委員からの質疑にお答えをお願いしたいと存じます。
御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず山形参考人にお願いいたします。山形参考人。
山
山形辰史#5
○参考人(山形辰史君) 私、日本貿易振興機構アジア経済研究所国際交流・研修室長兼開発スクール事務局長・教授の山形でございます。国際開発学会の副会長も務めております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、個人としての見解を述べさせていただきたいと思います。
資料がお手元にあるかと存じますけれども、私が申し上げたいことの結論はこの資料の冒頭に記してございます。サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、SDGsの逆説と題しました。サブタイトルが内向的な世界目標ということでございます。
申し上げたいことは、世界の人々が地球全体のために取り組むゴールとして設定されたSDGsが世界各国の内向き志向に資する構造を有しているということでございます。このことについて今後十五分間お話をさせていただきたいと思います。
お話しするに際しまして、まず私は、ミレニアム開発目標とサステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、持続可能な開発目標を比較いたします。その比較の中で私の論点を明らかにしていきたいと思います。
それで、最初にミレニアム開発目標についてお話しいたしますが、私は、まずミレニアム開発目標はおおむね成功したというふうに考えております。その理由は二点ございます。
一つは、実際に実績として、東アジア、南アジア、アフリカといった主要な世界の地域の貧困削減や社会開発が進んだと、このミレニアム開発目標の期間内に進んだということでございます。もちろん、目標五の妊産婦の保健ですとか目標八の先進国の義務のところにつきましては課題はございましたけれども、それ以外の六つの目標については、地域を問わずかなり高い成績を遂げたということがございます。
二点目に、私がミレニアム開発目標が成功したというふうに考えております理由は、ミレニアム開発目標とそれからターゲットは、二〇〇〇年に設定されてから変化してまいりました。特にターゲットが増加したわけでございますけれども、具体的に申しますと、雇用ですとか生物多様性といったようなトピックのターゲットが増加しました。これは、雇用や生物多様性に関心を持つグループの方々が支持をした結果だと思います。
一方、たまたま私、児童労働ですとか障害者についての研究もいたしまして、そういう方々のために活動するグループと御一緒することも多かったんですけれども、そういう方々も、このミレニアム開発目標に、二〇一五年にこのミレニアム開発目標が期限を迎える前に、ターゲットないし何かの形で入れてほしいというふうに運動をしていらっしゃいました。結果的に児童労働や障害者はこのMDGsには入りませんでしたけれども、かなりの程度、世界の多くの方々が関心を持ってこのミレニアム開発目標に入りたいというふうにお考えになったことを見てきております。
このミレニアム開発目標でございますけれども、成功した理由があったと私は考えております。それは、成果主義に基づいた達成インセンティブ機能が効いていたということです。そして、私が本日申し上げたいのは、この持続可能な開発目標、SDGsはMDGsより達成インセンティブが弱いということを申し上げたいと思います。
まず、MDGsが達成インセンティブが強かった背景を申し上げます。
MDGsは強く成果主義的だったわけですけれども、と申しますのは二つの要因がございます。①、②というふうに記しましたけれども、まず明確な数値目標があり、達成期限があった。例えば、貧困指標を十五年間で二分の一にするというような明確な数値目標と、それを二〇一五年までに達成しなければいけないという達成期限がはっきりしておりました。
それから、それが達成される見込みが薄いときに、特に途上国に対してですけれども、ペナルティーが効いていたということでございます。
それはどういうことかと申しますと、ミレニアム開発目標は途上国の貧困削減戦略文書にほぼそのまま導入されていました。この貧困削減戦略文書というのは、当時の途上国の開発計画でございます。その開発計画にMDGsが反映されていたわけですけれども、その理由は、このPRSP、貧困削減戦略文書を書かないと世界銀行の中の譲許的融資、これをIDAという機関が担当しておりますけれども、IDA融資ですとかIMFの譲許的融資が受けられない、あるいは債務削減ですね、債務削減を受けるためにも、このPRSPを書いて世界銀行、IMFに承認される必要がありました。そして、こういうこの貧困削減戦略文書に書かれた内容を達成する道筋に乗っていないと援助が予定どおり実施されないというような形で、ペナルティーが効いていました。
このようにMDGsでは成果主義的な志向が強かったわけでございますけれども、SDGsは、これに対してこの成果主義的傾向が弱まったということを申し上げたいと思います。
論点二つございまして、一つには、もうこれは御存じのとおり、目標やターゲットの数が増えました。これによって一つ一つの目標、ターゲットの意味合いが薄れるということになってしまっているかと思います。MDGsは目標が八、SDGsは目標が十七でございます。また、MDGsのターゲットは当初十八、SDGsのターゲットは百六十九でございます。目標にしてもターゲットにしても増えているということがお分かりいただけるかと思います。
なおかつ、私、先ほどMDGsには明確な数値目標があったというふうに申し上げましたけれども、SDGsにおいてはこの数値化されたターゲットの割合が著しく減少しています。具体的に申しますと、MDGsにおいては十八あったターゲットのうち五つが数値目標でございました。これは二七・八%に相当します。これに対して、SDGsにおいては百六十九あるターゲットのうち十一が数値目標であるにすぎません。これは六・五%に相当します。また、MDGsの場合でも、十八のターゲットのうち七つは先進国向けのターゲットでしたので、それを、十八から七を引きますと十一のうちの五つは数値目標であったわけで、ほぼ半分ぐらいのターゲットが数値目標だったということが言えます。それがSDGsでは減っていると。まあ、SDGsにおいては数値よりも文言として、貧困を根絶するですとか、あるいは政策を強化するというような散文的なターゲットが増えているということでございます。
そして、最後に結論に入ってまいりますけれども、私は、これらの特徴によってSDGsは困難を抱えていると思っております。それは世界目標としての縛りが弱いということでございます。
これは裏返せば各国の自由度が高いということになりますけれども、今年七月にニューヨークでハイレベルポリティカルフォーラムが開催されるというふうに伺っております。この場で各国各様の実施指針、実施施策が策定され、報告されるかと思いますけれども、MDGsの場合には、このMDGsの目標がPRSP、貧困削減戦略文書の中にほぼそのまま取り入れられていたのに対して、SDGsと各国の実施指針、実施施策とのリンクは弱いということを懸念しております。
また、いま一つのSDGsの特徴として、民間部門の活力の国際開発への導入が挙げられます。しかし、縛りが弱いことが一因となって、実質上、自国企業に限った民間活力導入になっております。
SDGsは、スローガンとして、普遍主義、これはユニバーサリティーの訳でございますけれども、それを掲げており、具体的には、英語でノーワン・イズ・レフト・ビハインド、これは誰も取り残さないというふうに訳されておりますけれども、このノーワン、誰も取り残さないの誰もに先進国の必ずしも貧困でない人まで含むというふうに解釈する方々もいらっしゃるというふうに聞いております。
このようなことから、SDGsは、世界の人々が地球全体のために取り組むゴールとして設定されたわけですけれども、今のところ、世界各国の内向き志向を許容し、むしろ資することになってしまっているのではないかというふうに懸念しております。これがMDGsとの大きな相違点でございます。
これが私がお話をしたいことでございます。どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →本日は、個人としての見解を述べさせていただきたいと思います。
資料がお手元にあるかと存じますけれども、私が申し上げたいことの結論はこの資料の冒頭に記してございます。サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、SDGsの逆説と題しました。サブタイトルが内向的な世界目標ということでございます。
申し上げたいことは、世界の人々が地球全体のために取り組むゴールとして設定されたSDGsが世界各国の内向き志向に資する構造を有しているということでございます。このことについて今後十五分間お話をさせていただきたいと思います。
お話しするに際しまして、まず私は、ミレニアム開発目標とサステーナブル・ディベロップメント・ゴールズ、持続可能な開発目標を比較いたします。その比較の中で私の論点を明らかにしていきたいと思います。
それで、最初にミレニアム開発目標についてお話しいたしますが、私は、まずミレニアム開発目標はおおむね成功したというふうに考えております。その理由は二点ございます。
一つは、実際に実績として、東アジア、南アジア、アフリカといった主要な世界の地域の貧困削減や社会開発が進んだと、このミレニアム開発目標の期間内に進んだということでございます。もちろん、目標五の妊産婦の保健ですとか目標八の先進国の義務のところにつきましては課題はございましたけれども、それ以外の六つの目標については、地域を問わずかなり高い成績を遂げたということがございます。
二点目に、私がミレニアム開発目標が成功したというふうに考えております理由は、ミレニアム開発目標とそれからターゲットは、二〇〇〇年に設定されてから変化してまいりました。特にターゲットが増加したわけでございますけれども、具体的に申しますと、雇用ですとか生物多様性といったようなトピックのターゲットが増加しました。これは、雇用や生物多様性に関心を持つグループの方々が支持をした結果だと思います。
一方、たまたま私、児童労働ですとか障害者についての研究もいたしまして、そういう方々のために活動するグループと御一緒することも多かったんですけれども、そういう方々も、このミレニアム開発目標に、二〇一五年にこのミレニアム開発目標が期限を迎える前に、ターゲットないし何かの形で入れてほしいというふうに運動をしていらっしゃいました。結果的に児童労働や障害者はこのMDGsには入りませんでしたけれども、かなりの程度、世界の多くの方々が関心を持ってこのミレニアム開発目標に入りたいというふうにお考えになったことを見てきております。
このミレニアム開発目標でございますけれども、成功した理由があったと私は考えております。それは、成果主義に基づいた達成インセンティブ機能が効いていたということです。そして、私が本日申し上げたいのは、この持続可能な開発目標、SDGsはMDGsより達成インセンティブが弱いということを申し上げたいと思います。
まず、MDGsが達成インセンティブが強かった背景を申し上げます。
MDGsは強く成果主義的だったわけですけれども、と申しますのは二つの要因がございます。①、②というふうに記しましたけれども、まず明確な数値目標があり、達成期限があった。例えば、貧困指標を十五年間で二分の一にするというような明確な数値目標と、それを二〇一五年までに達成しなければいけないという達成期限がはっきりしておりました。
それから、それが達成される見込みが薄いときに、特に途上国に対してですけれども、ペナルティーが効いていたということでございます。
それはどういうことかと申しますと、ミレニアム開発目標は途上国の貧困削減戦略文書にほぼそのまま導入されていました。この貧困削減戦略文書というのは、当時の途上国の開発計画でございます。その開発計画にMDGsが反映されていたわけですけれども、その理由は、このPRSP、貧困削減戦略文書を書かないと世界銀行の中の譲許的融資、これをIDAという機関が担当しておりますけれども、IDA融資ですとかIMFの譲許的融資が受けられない、あるいは債務削減ですね、債務削減を受けるためにも、このPRSPを書いて世界銀行、IMFに承認される必要がありました。そして、こういうこの貧困削減戦略文書に書かれた内容を達成する道筋に乗っていないと援助が予定どおり実施されないというような形で、ペナルティーが効いていました。
このようにMDGsでは成果主義的な志向が強かったわけでございますけれども、SDGsは、これに対してこの成果主義的傾向が弱まったということを申し上げたいと思います。
論点二つございまして、一つには、もうこれは御存じのとおり、目標やターゲットの数が増えました。これによって一つ一つの目標、ターゲットの意味合いが薄れるということになってしまっているかと思います。MDGsは目標が八、SDGsは目標が十七でございます。また、MDGsのターゲットは当初十八、SDGsのターゲットは百六十九でございます。目標にしてもターゲットにしても増えているということがお分かりいただけるかと思います。
なおかつ、私、先ほどMDGsには明確な数値目標があったというふうに申し上げましたけれども、SDGsにおいてはこの数値化されたターゲットの割合が著しく減少しています。具体的に申しますと、MDGsにおいては十八あったターゲットのうち五つが数値目標でございました。これは二七・八%に相当します。これに対して、SDGsにおいては百六十九あるターゲットのうち十一が数値目標であるにすぎません。これは六・五%に相当します。また、MDGsの場合でも、十八のターゲットのうち七つは先進国向けのターゲットでしたので、それを、十八から七を引きますと十一のうちの五つは数値目標であったわけで、ほぼ半分ぐらいのターゲットが数値目標だったということが言えます。それがSDGsでは減っていると。まあ、SDGsにおいては数値よりも文言として、貧困を根絶するですとか、あるいは政策を強化するというような散文的なターゲットが増えているということでございます。
そして、最後に結論に入ってまいりますけれども、私は、これらの特徴によってSDGsは困難を抱えていると思っております。それは世界目標としての縛りが弱いということでございます。
これは裏返せば各国の自由度が高いということになりますけれども、今年七月にニューヨークでハイレベルポリティカルフォーラムが開催されるというふうに伺っております。この場で各国各様の実施指針、実施施策が策定され、報告されるかと思いますけれども、MDGsの場合には、このMDGsの目標がPRSP、貧困削減戦略文書の中にほぼそのまま取り入れられていたのに対して、SDGsと各国の実施指針、実施施策とのリンクは弱いということを懸念しております。
また、いま一つのSDGsの特徴として、民間部門の活力の国際開発への導入が挙げられます。しかし、縛りが弱いことが一因となって、実質上、自国企業に限った民間活力導入になっております。
SDGsは、スローガンとして、普遍主義、これはユニバーサリティーの訳でございますけれども、それを掲げており、具体的には、英語でノーワン・イズ・レフト・ビハインド、これは誰も取り残さないというふうに訳されておりますけれども、このノーワン、誰も取り残さないの誰もに先進国の必ずしも貧困でない人まで含むというふうに解釈する方々もいらっしゃるというふうに聞いております。
このようなことから、SDGsは、世界の人々が地球全体のために取り組むゴールとして設定されたわけですけれども、今のところ、世界各国の内向き志向を許容し、むしろ資することになってしまっているのではないかというふうに懸念しております。これがMDGsとの大きな相違点でございます。
これが私がお話をしたいことでございます。どうもありがとうございました。
野
若
若林秀樹#7
○参考人(若林秀樹君) 今日は、このような機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
実は、私は、特別委員会の委員になったこともありまして、実際にそちら側から質問をしたことがあるということで、今日は十年ぶりにこの委員会室に足を踏み入れて、逆に景色はまるっきり違うので、ちょっと緊張しておるところでございます。
今は認定NPO法人国際協力NGOセンターの事務局長ということで、JANICと呼ばれているんですけれど、国際協力をやっているNGOを支援するNGOなんですね。ですから、中間支援組織ということになります。また、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、この後に陳述されます上野参考人、次長をされているんですが、その理事もしているということでございますので、今日は、お題は政府とNGOとの連携の現状、課題、今後の方向性について話をさせていただければなというふうに思っています。
今日の私のメッセージは、SDGs達成に向けてODAを組み替えて、そしてNGOを戦略的パートナーとして支援し、活用していただきたいというのが私のメッセージです。繰り返しますが、NGOを戦略的パートナーとして支援し、活用していただきたいということであります。
元々、国際開発におけるNGOの役割というのは、やはり普遍的な人道主義あるいは人権を守るという、市民社会としての独立したあるいは中立的な立場での活動であります。それがゆえに、政府との役割としての補完機能を持っておりますし、代替サービスを提供できるのがNGOではないかというふうに思っております。
ODAが政府対政府の援助に対して、我々はニーズに合わせたあるいはコミュニティーに合わせた、人々のやはり豊かさ、幸せのためにサービスを行うのがNGOではないかなというふうに思いますし、ある意味では、政治状況に左右されず、首尾一貫して中長期の視点で平和と人権を強化し、社会を豊かにするという役割を持っているんではないかなと思います。
ここで言う政治状況に左右されずというのは、例えばトランプ大統領が就任したことにより、いきなりODA予算三割カットとか、緊急援助については六割カットとか、あるいは援助のやり方について、やはり伝統的にアボーションの問題とか、人口、エイズの問題がありますので、いきなりそこには支援しないとか、これをしますと恐らく国際的な社会的な信用性を失われかねない。
しかし、NGOは首尾一貫として人道主義に立って援助をするという意味における、国としての安定性を私はもたらすのではないかなというふうに思いますので、そういう意味では、一定程度日本のODAの中にNGOを組み入れるということが非常に私は政治的にも重要じゃないかなというふうに思っておりますし、NGOが入ることによって、そこにやはり市民のODAに対するサポートが生まれるんではないかなというふうに思っております。
私の説明、ちょっと後になりましたけれど、このレジュメに沿ってお話をさせていただきますので、資料を開けていただきますとそこにレジュメがありますので、それだけ取り出して、あとは資料に沿って見ていただければなというふうに思います。
その中で、NGOの厳しい現状についてお話をしたいと思います。
実は、政府によるNGOへの活動規制や弾圧、あるいは強制失踪と拘禁、あるいはNGOが海外から受け取る資金に対する規制がどんどんどんどん強まっているところであります。
お手元の資料の一番目に、G20のハンブルク・サミット議題における市民社会の取扱いに関する要請を付けておるところでございます。やはり、市民社会が政府による人権侵害あるいは汚職等を明らかにするという役割もあると思います。そういう意味では、政府を脅かす存在として見られている国も多いんですね、実は。それがゆえに弾圧がある、市民社会スペースを狭めているというところがあります。
しかし、自由な市民社会というのは平和で公正な社会であるというのが前提でありますし、それがなければ、公平で公正な持続可能な社会の実現はやはり不可能ではないかなというふうに思っております。
これは世界的なことですけど、実は日本でも、例えば報道の自由度ランキングがどんどんどんどん下がってきている、今は、ある調査によれば七十二まで下がって先進国では最低という状況になっておりますので、必ずしも世界だけのことではないということは言えるのではないかなというふうに思っております。その意味で、SDGsにおけるターゲットの、目標の十六ですね、平和と公正を全ての人々にという、基本的な自由、司法へのアクセスということも我々JANICとしても取り組んでいるところであります。
そして、厳しいNGO財政、三番目ですが、国際的にも低い日本のNGOによる援助水準というのが資料の三と四にございます。
資料の三の方に、ODAによるNGO支援の推移が書いてあります。二〇一六年度で百二十億円ということですので、これが多いか少ないかという議論はいろいろあるかと思いますが、世界的には極めて低い水準であります。
もう一枚開けると、そこにNGO補助金の割合がパーセンテージで書いてありまして、日本は一%ということなんですが、二〇一七年度のODA予算が円借款を含めると二兆円、その中の百二十億ということは、もう〇・五%程度なんですね、非常に低いんです、これは。
例えば、アメリカ、アメリカに、日本大使館にいたということもありますが、アメリカでは、彼らのデータを見ますと、二〇一三年度の数字ですが、約三千億、三千億がNGOを通して流れているんです。これは、戦略的なパートナーとしてNGOを使ってきめ細かな援助をする、そのことがODAに対するサポートであるということを位置付けて、八〇年代からずっと戦略的な投資をしていたということも経緯としてもありますが、やはりまだまだ、昔から比べれば確かに上がってはきているんですけれど、まだまだ低いレベルにとどまっているんではないかなというふうに思います。
そしてまた、四番目が、渡航制限による、世界から取り残される日本NGOの緊急人道支援ということで、資料五を見ていただきたいんですが、レベル4という退避勧告が出ている国に対しては原則渡航できません、NGOであっても。
例えば、南スーダン、アフガニスタン、緊急人道援助が必要なのはこういう国なんですよね。しかし、NGOは一般市民と同じような扱いで渡航できないということに対して、私は、やっぱり世界から取り残される可能性があるんじゃないかと、既にそういう状況が起きていると言っても過言ではないというふうに思います。
NGOというと、何かボランティアというイメージがありますけれど、基本的には援助のやっぱりプロなんですね。やっぱり専門集団なんで、しっかりセキュリティーを対応している、そういう基準を持ったり訓練をしている、そういうNGOに対してはどんどんやはり渡航して、自己責任において渡航してもらうということも必要だというふうに思います。
なぜそれが起きているかというのは、分かるんです。何かあった場合に、日本人に何かがあった場合に政府批判になるんです、何で許したんですかという。日本は非常にそのセキュリティーに対する、何というんですかね、やはり安心感の下で日本はありますが、何か起きたときに何で許したんだということに対する批判を恐れてなるべく慎重にしているというのは分かるんですけど、しかし一方では、この現状を見れば、本来この専門家集団がセキュリティーの問題に対応しているにもかかわらずなかなか行けないということによって、世界から見た日本が取り残されているという状況もありますので、是非それに対する配慮もお願いしたいなというふうに思っています。
それから三番目に、NGOと政府との対話の促進でございます。
これは一から五まで、それぞれある協議会をそこに示しております。これは結構、協議会としてはいろんなレベルでの政府との対話が行われておりますし、昨日も外務省との定期協議会で全体会議が行われました。ここでは、対話の枠組みもありますので、より実のある対話にしていただきたいということですが、まだまだ実質的な対話という意味では不十分ではないかなというふうに思います。会議のための会議ではなくて、日頃からの信頼関係に基づく実のあるやっぱり議論をできる限り今後とも進めていきたいなというふうに思っておるところでございます。
そして、四番目が、SDGs時代におけるNGOとの協働と課題であります。
実は、NGOとODAに関する連携中期計画というのを外務省との間で確認しておるところであります。そこには明らかに市民社会との連携が記載されております。五年計画の三年目ということで、残念ながら計画どおりには進んでいない状況も散見されるんではないかなというふうに思いますので、是非、援助効果の向上のためにも、当該国の公正で安定的な発展にとっても非常にこの市民社会との連携は重要でありますし、更に充実させていく必要があるんじゃないかなというふうに思いますし、NGOの例えば活動環境整備支援事業なんですが、これは能力強化のために支援をしていただいているんですけれど、その予算もどんどんどんどん今減ってきているという状況ではないかなというふうに思いますので、是非この連携中期計画に沿った内容について進めていただきたいなというふうに思います。それがお手元の資料の六の中に、大体個別項目がそこに書いてあるところでございます。
それから、五番目が、二〇一七年度の開発協力の重点方針と予算の課題についてお話をしたいと思います。
本体のこの資料のグリーンの表紙が付いたところの十一ページ目に、平成二十九年度開発協力の重点方針がそこに書かれております。若干やっぱり懸念するところは、国益に資する開発協力というのを前面にここには打ち出されております。何をもって国益かということもこれは議論の対象になるかなというふうに思います。
ODAの第一の目的というのは、やはり途上国の人々のためであり、貧困、格差解消、公正な社会の実現であります。当然、日本外交にとってODAというのは外交のツールである、そのことは否定しません。しかし、国益を前面に出してやることによって、被援助国も、あっ、国益のためにやっているんだ、日本はと、じゃ、もらって当然だというような関係にはなりはしないかと。
中身を見ますと、やはり昔とは違って、九〇年代に関わっていた人間としては、もう全面的に企業、中小企業の海外進出とか、インフラ支援で円借款をここ数年増やしているというところもありますし、そこにタイドという、言葉は良くないんですけど、ひも付き援助的なものも割合として増えているんですね。九〇年代は、有償資金協力のタイドの借款はほとんどゼロでした。しかし、今は全面的にやはり政府としてもそういうところを、企業をサポートしたいというのも分かりますけれど、本来、日本が競争力ある支援であれば、タイドにしなくても当然日本も落札の中で勝てるわけですよね。しかし、最初からタイドを前提に円借款が行われているというのはここ数年の非常に大きな特徴ではないかなというふうに思いますので、申し上げたいことは、狭義の日本の国益増進への傾斜が、国際公益の観点からは若干後退することがちょっと懸念材料ではないかなというふうに思います。
いずれにせよ、その重点方針である人道支援、難民支援、人間の安全保障等については、これはNGOが得意とするところでございますので、是非御活用いただければなというふうに思っております。そしてまた、ODAの非軍事主義の徹底というものでも、NGO側としては是非これを貫徹していただきたいなというところにございます。
そして、六番目、今後に向けた提言ということで、三つだけ皆さんに御支援をお願いしたいなというふうに思っております。
ODAは外交のツールではあります。その中で、伝統的に日本はインフラ支援、円借款がやっぱり多かったのはこれ事実なんですよね。しかし、どうでしょうか、今。確かにアジア諸国においてもインフラのニーズはあるんですが、アジア開発銀行があります。もう一方では、AIIBというインフラ支援の銀行ができ、これから本格的な稼働をします。そうすると、必ずしも円借款のニーズというのはそれほど高くないんではないか。そうであれば、もう少し社会開発に向けた支援に少しやはりシフトしていくべきではないか。それに伴って、社会開発支援を行っている対NGO支援に少しその支援を増額も含めてお願いしたいと思いますし、資金提供に関するルールについてももう少し柔軟にしていただくと援助効果も上がるんではないかなというふうに思っております。
それから、二番目に、ODAの本体事業の無償資金協力枠へのNGOの参入促進と政府、NGOの人材交流の実現であります。
これ、何のことか分からないですが、今の資金協力のスキームというのは、助成なんですね、NGOがプロポーズするのに対してはお金を付けると。そうじゃなくて、ODA本体の業務に対して一緒にNGOも加わってODAを供与するという、そういう枠組みまでまだ進んでいないんです。ですから、ここをワンステップアップして、本体事業にもどんどんどんどん組み入れていただきたいというのが、我々の要望でもございますし、政府とNGOの人材交流の実現というのも是非していただきたいなと思います。
実は、私は、九〇年代に日本大使館のワシントンでODAの担当官をしていました。身分も全部外務省職員で、三年間やっておりました。そうすると、外務省の立場って非常によく分かるんですね。ああ、こういうところだから、それなりに理由があってやっているんだと。そのときは私はNGOに非難をされる場でありましたけど、やっぱりこういう人事交流というのが本来行われるといいと思うんですよね。
日本はその人材の流動性が少ないものですから、なかなかこういう機会というのはないんです。そうであれば、一時的に人材交流ということで、半年とか一年、政府の役人の方がNGOへ来るとか、NGOが外務省へ行くとか、そういうことの人材交流というのを、是非短期的に進むと、お互いに着地点がその段階でどんどん見えてくるんではないかなと思います。
それぞれに論理あるんです。しかし、たどり着くところは一つなので、そこに対して、やっぱり相手の立場で考えるという意味での人材交流は是非進めていただきたいと思いますし、私もそれが経験があったもので、いろんな意味で話が私は進むんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
そして最後に、持続可能な開発に向け、政府の重要なパートナーとしてのNGOとの協働を促進させる、国際協力基本法の制定と独立した開発援助庁の設置ということで、今もJICAがあるじゃないかというふうに思われますが、実は、実施の部分については一元化されていないんですね。ここは、外務省が無償資金協力の一部を担っていて、一方ではJICAはそれ以外というところとか技術協力とかをやっているんですが、ややそこに対して少し私はいびつな感じもしないわけでもないですし、もっと援助効果を高めるためには、将来的ですよ、将来的には一元化することが必要なんじゃないかなと思います。
例えばアメリカ、皆さん、先生方よく御存じだと思うんですが、国務省が無償資金協力をやるというイメージあるでしょうか。多分ないですよね。やっぱり、援助政策とか外交方針をつくるのが外務省であって、援助は一元化するというのは基本的に自然の流れだと思います。そのために独立した援助庁をつくるということも、将来的にはこれは外務省との関係を整理した上で私は必要なことではないかというふうに、これまでも議論をしていますけれど、一応プロポーズさせていただきたいというふうに思います。
この発言だけを見る →実は、私は、特別委員会の委員になったこともありまして、実際にそちら側から質問をしたことがあるということで、今日は十年ぶりにこの委員会室に足を踏み入れて、逆に景色はまるっきり違うので、ちょっと緊張しておるところでございます。
今は認定NPO法人国際協力NGOセンターの事務局長ということで、JANICと呼ばれているんですけれど、国際協力をやっているNGOを支援するNGOなんですね。ですから、中間支援組織ということになります。また、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、この後に陳述されます上野参考人、次長をされているんですが、その理事もしているということでございますので、今日は、お題は政府とNGOとの連携の現状、課題、今後の方向性について話をさせていただければなというふうに思っています。
今日の私のメッセージは、SDGs達成に向けてODAを組み替えて、そしてNGOを戦略的パートナーとして支援し、活用していただきたいというのが私のメッセージです。繰り返しますが、NGOを戦略的パートナーとして支援し、活用していただきたいということであります。
元々、国際開発におけるNGOの役割というのは、やはり普遍的な人道主義あるいは人権を守るという、市民社会としての独立したあるいは中立的な立場での活動であります。それがゆえに、政府との役割としての補完機能を持っておりますし、代替サービスを提供できるのがNGOではないかというふうに思っております。
ODAが政府対政府の援助に対して、我々はニーズに合わせたあるいはコミュニティーに合わせた、人々のやはり豊かさ、幸せのためにサービスを行うのがNGOではないかなというふうに思いますし、ある意味では、政治状況に左右されず、首尾一貫して中長期の視点で平和と人権を強化し、社会を豊かにするという役割を持っているんではないかなと思います。
ここで言う政治状況に左右されずというのは、例えばトランプ大統領が就任したことにより、いきなりODA予算三割カットとか、緊急援助については六割カットとか、あるいは援助のやり方について、やはり伝統的にアボーションの問題とか、人口、エイズの問題がありますので、いきなりそこには支援しないとか、これをしますと恐らく国際的な社会的な信用性を失われかねない。
しかし、NGOは首尾一貫として人道主義に立って援助をするという意味における、国としての安定性を私はもたらすのではないかなというふうに思いますので、そういう意味では、一定程度日本のODAの中にNGOを組み入れるということが非常に私は政治的にも重要じゃないかなというふうに思っておりますし、NGOが入ることによって、そこにやはり市民のODAに対するサポートが生まれるんではないかなというふうに思っております。
私の説明、ちょっと後になりましたけれど、このレジュメに沿ってお話をさせていただきますので、資料を開けていただきますとそこにレジュメがありますので、それだけ取り出して、あとは資料に沿って見ていただければなというふうに思います。
その中で、NGOの厳しい現状についてお話をしたいと思います。
実は、政府によるNGOへの活動規制や弾圧、あるいは強制失踪と拘禁、あるいはNGOが海外から受け取る資金に対する規制がどんどんどんどん強まっているところであります。
お手元の資料の一番目に、G20のハンブルク・サミット議題における市民社会の取扱いに関する要請を付けておるところでございます。やはり、市民社会が政府による人権侵害あるいは汚職等を明らかにするという役割もあると思います。そういう意味では、政府を脅かす存在として見られている国も多いんですね、実は。それがゆえに弾圧がある、市民社会スペースを狭めているというところがあります。
しかし、自由な市民社会というのは平和で公正な社会であるというのが前提でありますし、それがなければ、公平で公正な持続可能な社会の実現はやはり不可能ではないかなというふうに思っております。
これは世界的なことですけど、実は日本でも、例えば報道の自由度ランキングがどんどんどんどん下がってきている、今は、ある調査によれば七十二まで下がって先進国では最低という状況になっておりますので、必ずしも世界だけのことではないということは言えるのではないかなというふうに思っております。その意味で、SDGsにおけるターゲットの、目標の十六ですね、平和と公正を全ての人々にという、基本的な自由、司法へのアクセスということも我々JANICとしても取り組んでいるところであります。
そして、厳しいNGO財政、三番目ですが、国際的にも低い日本のNGOによる援助水準というのが資料の三と四にございます。
資料の三の方に、ODAによるNGO支援の推移が書いてあります。二〇一六年度で百二十億円ということですので、これが多いか少ないかという議論はいろいろあるかと思いますが、世界的には極めて低い水準であります。
もう一枚開けると、そこにNGO補助金の割合がパーセンテージで書いてありまして、日本は一%ということなんですが、二〇一七年度のODA予算が円借款を含めると二兆円、その中の百二十億ということは、もう〇・五%程度なんですね、非常に低いんです、これは。
例えば、アメリカ、アメリカに、日本大使館にいたということもありますが、アメリカでは、彼らのデータを見ますと、二〇一三年度の数字ですが、約三千億、三千億がNGOを通して流れているんです。これは、戦略的なパートナーとしてNGOを使ってきめ細かな援助をする、そのことがODAに対するサポートであるということを位置付けて、八〇年代からずっと戦略的な投資をしていたということも経緯としてもありますが、やはりまだまだ、昔から比べれば確かに上がってはきているんですけれど、まだまだ低いレベルにとどまっているんではないかなというふうに思います。
そしてまた、四番目が、渡航制限による、世界から取り残される日本NGOの緊急人道支援ということで、資料五を見ていただきたいんですが、レベル4という退避勧告が出ている国に対しては原則渡航できません、NGOであっても。
例えば、南スーダン、アフガニスタン、緊急人道援助が必要なのはこういう国なんですよね。しかし、NGOは一般市民と同じような扱いで渡航できないということに対して、私は、やっぱり世界から取り残される可能性があるんじゃないかと、既にそういう状況が起きていると言っても過言ではないというふうに思います。
NGOというと、何かボランティアというイメージがありますけれど、基本的には援助のやっぱりプロなんですね。やっぱり専門集団なんで、しっかりセキュリティーを対応している、そういう基準を持ったり訓練をしている、そういうNGOに対してはどんどんやはり渡航して、自己責任において渡航してもらうということも必要だというふうに思います。
なぜそれが起きているかというのは、分かるんです。何かあった場合に、日本人に何かがあった場合に政府批判になるんです、何で許したんですかという。日本は非常にそのセキュリティーに対する、何というんですかね、やはり安心感の下で日本はありますが、何か起きたときに何で許したんだということに対する批判を恐れてなるべく慎重にしているというのは分かるんですけど、しかし一方では、この現状を見れば、本来この専門家集団がセキュリティーの問題に対応しているにもかかわらずなかなか行けないということによって、世界から見た日本が取り残されているという状況もありますので、是非それに対する配慮もお願いしたいなというふうに思っています。
それから三番目に、NGOと政府との対話の促進でございます。
これは一から五まで、それぞれある協議会をそこに示しております。これは結構、協議会としてはいろんなレベルでの政府との対話が行われておりますし、昨日も外務省との定期協議会で全体会議が行われました。ここでは、対話の枠組みもありますので、より実のある対話にしていただきたいということですが、まだまだ実質的な対話という意味では不十分ではないかなというふうに思います。会議のための会議ではなくて、日頃からの信頼関係に基づく実のあるやっぱり議論をできる限り今後とも進めていきたいなというふうに思っておるところでございます。
そして、四番目が、SDGs時代におけるNGOとの協働と課題であります。
実は、NGOとODAに関する連携中期計画というのを外務省との間で確認しておるところであります。そこには明らかに市民社会との連携が記載されております。五年計画の三年目ということで、残念ながら計画どおりには進んでいない状況も散見されるんではないかなというふうに思いますので、是非、援助効果の向上のためにも、当該国の公正で安定的な発展にとっても非常にこの市民社会との連携は重要でありますし、更に充実させていく必要があるんじゃないかなというふうに思いますし、NGOの例えば活動環境整備支援事業なんですが、これは能力強化のために支援をしていただいているんですけれど、その予算もどんどんどんどん今減ってきているという状況ではないかなというふうに思いますので、是非この連携中期計画に沿った内容について進めていただきたいなというふうに思います。それがお手元の資料の六の中に、大体個別項目がそこに書いてあるところでございます。
それから、五番目が、二〇一七年度の開発協力の重点方針と予算の課題についてお話をしたいと思います。
本体のこの資料のグリーンの表紙が付いたところの十一ページ目に、平成二十九年度開発協力の重点方針がそこに書かれております。若干やっぱり懸念するところは、国益に資する開発協力というのを前面にここには打ち出されております。何をもって国益かということもこれは議論の対象になるかなというふうに思います。
ODAの第一の目的というのは、やはり途上国の人々のためであり、貧困、格差解消、公正な社会の実現であります。当然、日本外交にとってODAというのは外交のツールである、そのことは否定しません。しかし、国益を前面に出してやることによって、被援助国も、あっ、国益のためにやっているんだ、日本はと、じゃ、もらって当然だというような関係にはなりはしないかと。
中身を見ますと、やはり昔とは違って、九〇年代に関わっていた人間としては、もう全面的に企業、中小企業の海外進出とか、インフラ支援で円借款をここ数年増やしているというところもありますし、そこにタイドという、言葉は良くないんですけど、ひも付き援助的なものも割合として増えているんですね。九〇年代は、有償資金協力のタイドの借款はほとんどゼロでした。しかし、今は全面的にやはり政府としてもそういうところを、企業をサポートしたいというのも分かりますけれど、本来、日本が競争力ある支援であれば、タイドにしなくても当然日本も落札の中で勝てるわけですよね。しかし、最初からタイドを前提に円借款が行われているというのはここ数年の非常に大きな特徴ではないかなというふうに思いますので、申し上げたいことは、狭義の日本の国益増進への傾斜が、国際公益の観点からは若干後退することがちょっと懸念材料ではないかなというふうに思います。
いずれにせよ、その重点方針である人道支援、難民支援、人間の安全保障等については、これはNGOが得意とするところでございますので、是非御活用いただければなというふうに思っております。そしてまた、ODAの非軍事主義の徹底というものでも、NGO側としては是非これを貫徹していただきたいなというところにございます。
そして、六番目、今後に向けた提言ということで、三つだけ皆さんに御支援をお願いしたいなというふうに思っております。
ODAは外交のツールではあります。その中で、伝統的に日本はインフラ支援、円借款がやっぱり多かったのはこれ事実なんですよね。しかし、どうでしょうか、今。確かにアジア諸国においてもインフラのニーズはあるんですが、アジア開発銀行があります。もう一方では、AIIBというインフラ支援の銀行ができ、これから本格的な稼働をします。そうすると、必ずしも円借款のニーズというのはそれほど高くないんではないか。そうであれば、もう少し社会開発に向けた支援に少しやはりシフトしていくべきではないか。それに伴って、社会開発支援を行っている対NGO支援に少しその支援を増額も含めてお願いしたいと思いますし、資金提供に関するルールについてももう少し柔軟にしていただくと援助効果も上がるんではないかなというふうに思っております。
それから、二番目に、ODAの本体事業の無償資金協力枠へのNGOの参入促進と政府、NGOの人材交流の実現であります。
これ、何のことか分からないですが、今の資金協力のスキームというのは、助成なんですね、NGOがプロポーズするのに対してはお金を付けると。そうじゃなくて、ODA本体の業務に対して一緒にNGOも加わってODAを供与するという、そういう枠組みまでまだ進んでいないんです。ですから、ここをワンステップアップして、本体事業にもどんどんどんどん組み入れていただきたいというのが、我々の要望でもございますし、政府とNGOの人材交流の実現というのも是非していただきたいなと思います。
実は、私は、九〇年代に日本大使館のワシントンでODAの担当官をしていました。身分も全部外務省職員で、三年間やっておりました。そうすると、外務省の立場って非常によく分かるんですね。ああ、こういうところだから、それなりに理由があってやっているんだと。そのときは私はNGOに非難をされる場でありましたけど、やっぱりこういう人事交流というのが本来行われるといいと思うんですよね。
日本はその人材の流動性が少ないものですから、なかなかこういう機会というのはないんです。そうであれば、一時的に人材交流ということで、半年とか一年、政府の役人の方がNGOへ来るとか、NGOが外務省へ行くとか、そういうことの人材交流というのを、是非短期的に進むと、お互いに着地点がその段階でどんどん見えてくるんではないかなと思います。
それぞれに論理あるんです。しかし、たどり着くところは一つなので、そこに対して、やっぱり相手の立場で考えるという意味での人材交流は是非進めていただきたいと思いますし、私もそれが経験があったもので、いろんな意味で話が私は進むんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
そして最後に、持続可能な開発に向け、政府の重要なパートナーとしてのNGOとの協働を促進させる、国際協力基本法の制定と独立した開発援助庁の設置ということで、今もJICAがあるじゃないかというふうに思われますが、実は、実施の部分については一元化されていないんですね。ここは、外務省が無償資金協力の一部を担っていて、一方ではJICAはそれ以外というところとか技術協力とかをやっているんですが、ややそこに対して少し私はいびつな感じもしないわけでもないですし、もっと援助効果を高めるためには、将来的ですよ、将来的には一元化することが必要なんじゃないかなと思います。
例えばアメリカ、皆さん、先生方よく御存じだと思うんですが、国務省が無償資金協力をやるというイメージあるでしょうか。多分ないですよね。やっぱり、援助政策とか外交方針をつくるのが外務省であって、援助は一元化するというのは基本的に自然の流れだと思います。そのために独立した援助庁をつくるということも、将来的にはこれは外務省との関係を整理した上で私は必要なことではないかというふうに、これまでも議論をしていますけれど、一応プロポーズさせていただきたいというふうに思います。
野
若
若林秀樹#9
○参考人(若林秀樹君) はい。そうですね。失礼いたしました。
ということで、これでやめますが、いずれにしましても、SDGs達成に向けてODAを組み替えて、NGOを戦略的パートナーとして御支援、御活用いただきたいということです。
以上です。
大変失礼いたしました。
この発言だけを見る →ということで、これでやめますが、いずれにしましても、SDGs達成に向けてODAを組み替えて、NGOを戦略的パートナーとして御支援、御活用いただきたいということです。
以上です。
大変失礼いたしました。
野
上
上野明子#11
○参考人(上野明子君) グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン事務局次長の上野明子です。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
お手元に配付資料がございます。こちらの二ページに記載されていることにつきまして、これからお話し申し上げます。
三ページ、GCNJの設立の経緯へ参ります。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、略してGCNJは、二〇〇三年に任意団体として国連広報センターの内部に組織化され、その後独立しまして、二〇一一年から一般社団法人として活動しています。会員は順調に増え続けておりまして、今年度三月末で二百四十一団体になっております。
四ページを御覧ください。
GCNJのようなローカルネットワークと呼ばれる組織が世界に八十ほどあります。我々の役割は国連グローバル・コンパクトの十原則に、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止とSDGsの実践を通じてサステーナビリティー戦略の実践を目指す企業や組織に対して、学習、協働、発信を促す場として機能することです。
少々飛ばしまして、次に七ページの方に参ります。
どのようなSDGsに関して活動しているかということをまず歩みとして挙げております。二〇三〇アジェンダ採択からこれまで、主なことだけでもここに記載していることをいろいろやっておりまして、ただ企業向けの勉強会だけでなく、NGOや政府、アカデミアと連携した活動をたくさん行っています。直近では、地球環境戦略研究機関、IGESと一緒にSDGsの実態調査、動き出したSDGsビジネスというものを発行しておりまして、この間のSDGs推進本部円卓会議でも配付しております。
それでは次に、SDGsに関わる活動の主なものを御紹介します。八ページを御覧ください。
GCNJは、昨年から、このSDGs、まだ日本での認知度が低いものですから、この認知度を上げるということに加え、実践を促す活動に重点をシフトしてあります。その中の一つの大きな役割を負っていますのは、会員企業の有志で構成されるタスクフォースというもので、ここの八ページに記載されているようなことをやっております。
次に、九ページの方を御覧ください。
いろいろやっているということを記載しておりますけれども、ここで認知を上げるために会員向けでなく一般向けにもSDGsとは何なのかというセミナー、シンポジウムをしておりまして、この一年間でも国連広報センター、KPMGジャパン、日経BP、日本経済研究センター、SDGs市民社会ネットワーク、JICAなど様々なアクターと一緒に共催を行って、認知度を上げるように努力してきております。
続きまして、十ページを御覧ください。
このSDGsの実践のためにはコミュニケーションツールというのも大変重要だと考えておりまして、国連グローバル・コンパクトが出版したSDGコンパスやSDGインダストリーマトリックスというものを邦訳して公開することで関連セクターのアクションを促しています。特にSDGコンパスというのは、SDGsに取り組む企業の、団体のバイブルになっております。このような活動が今メディアでも数多く取り上げられるようになっておりまして、参考資料の方にも掲載させていただいております。
十一ページに移ります。
その認知度から実践へという活動の中で政府とどのような連携をしているかということを、この一年間でやったことをここに記載しておりまして、御存じのように、SDGsというのは企業個社単体で実現するのは大変難しい問題でございまして、政府はその大変大切なパートナーだと考えております。ここに記載しておりますように、SDGsの推進本部円卓会議や環境省のSDGsステークホルダー・ミーティング、経済産業省の持続的成長に向けた長期投資研究会などを始め、様々な場でGCNJの理事や事務局員が委員を務めて協議を行って、プライベートセクターのインプットを意見とさせていただいております。
その一環としまして、政府にどのような提言をしてきたかということが次のページに記載されています。ここでは、昨年、G7サミットのときに提言した内容とSDG推進本部の円卓会議に二度にわたって意見表明したものを載せております。
昨年十二月に、御存じのように、円卓会議のインプットが反映された政府からのSDGsの実施指針というものが発表されております。ですが、ここで緑色太字でマークしているところの箇所ですが、ここの点に関しては議論がまだまだ必要だというふうに認識しております。私ども、日頃、国連グローバル・コンパクトとのやり取りの中で、日本からの情報発信が不十分であるということ、それが課題だということを痛感しておりまして、この点はこの後再度触れたいと思います。
ここまでGCNJのSDGsへの取組状況について申し上げましたが、十三ページから、推進上の課題について申し上げます。
これは、さきに申し上げましたGCNJのSDGs推進取組状況の実態調査から出てきた政府に関する回答でございます。私ども、ODAに限った質問というのはないんですけれども、このグラフ一というのをまず見ていただきますと、SDGsを推進する上で最も影響力のあるセクターというのが政府という回答が四一%と圧倒的に多かったということが分かる反面、グラフ二は、課題として、四十四団体、三〇%が政府の方針徹底、関与が希薄と答えています。この回答、この政府に関する課題認識は二〇一六年の質問で初めて上がってきたものでございまして、政府の動きを待って企業の取組が停滞してしまうということがあるように見えます。つまり、調査は企業への訪問聞き取りも含んでいて、実際、フェース・ツー・フェースで意見を聞いたりしている中で、やはり政府の動きを待つという姿勢が如実でございまして、このヒアリングの過程でその辺が課題かなというのを私たちも認識しました。
さらに、十四ページですが、パートナーシップに関わる課題を挙げております。SDGsの推進においてはパートナーシップが大変重要だということはあらゆるところで強調されていますが、企業がSDG推進の重要なパートナーとして選ぶのが、政府が最もやはり多かったんですけれども、このグラフ三ですね、しかし、グラフ四を見ますと、実際にここ一年連携したのはどこかといいますと、政府は五番目でそこまで多くなく、企業が重要だと認識しているパートナーと実際の取組先に乖離があるということがあるかと思います。このような点が、この実態調査から政府関係で私どもが認識した課題でございます。
続きまして、課題だけですと企業というのはなかなか動きにくいものなので、企業を動かす上でどのような事業機会の提示があると分かりやすいかということを十五ページ、十六ページの方で挙げております。どちらもGCNJ会員企業さんの事例です。
十五ページでは、損保ジャパンホールディングスとJICAの協業事例を挙げておりまして、これ、金融サービスが開発途上国の援助に役立っている好事例だと認識しています。また、国連開発計画にも承認され、活動が加速しています。ここに出ているようなことがどんどん打ち出されています。よく言われますマイクロファイナンスもそうなんですけれど、特定のセクターができるサービスを分かりやすく示すことで、他企業もSDGへの取組のきっかけを見付けやすいのではないかと思います。
また、十六ページでは、大阪にあります会社のサラヤのウガンダでの事例を挙げています。これは、やはりユニセフと一緒に協業したことで、ローカルな政府そしてNGOとの連携ができて、サラヤ一人ではできなかったものがうまくいったというふうに実際聞いておりまして、このような連携事例というのを企業側に分かりやすく示していくということが重要かなというふうに思っております。
十七ページ、十八ページは、このような事業機会は企業にとって可視化されているということが重要だということで、それをサポートする調査レポートとして挙げております。
これは、一月にビジネス・アンド・サステーナブル・ディベロップメント・コミッションがベタービジネス・ベターワールドというものを出しておりまして、これによりますと、食糧と農業など四領域六十のホットスポットで開発途上国の社会的課題に取り組むことで大きな経済効果を生むというふうな算定がされています。これは一つの調査レポートでございますけれども、企業を動かすにはこのように有望な事業ターゲットというのを整理して数字で示すということが重要かという点から、今回参考として引用しております。
このレポートのいい点は、十八ページでちょっと述べておりますけれども、イノベーションを通じて事業を展開して事業を拡大していくということが開発途上国の抱える栄養、健康、教育、ジェンダー、雇用といった社会課題の解決につながるということを示唆している点ということで、こういったことを事業とのつながりで示すことが企業にとって行動を促す一つの契機になるかと思います。
最後に、十九ページへ参ります。
ここまで、GCNJの活動と、日本企業がSDGを推進する上で抱えている課題の一端と、企業を動かすモチベーションになるヒントについて触れてまいりました。こうしたことを踏まえまして、最後に、日本政府のODA政策への要望について申し上げます。五点ございます。
まず、さきの資料でも挙げましたように、イノベーション領域を重点的に拡大することで、過去の事業領域ではカバーできなかった新領域を通じた援助を今後目指していくべきかと考えます。日本企業の強みを生かし、昨今の人道支援の領域ではドローンや顔認証、サイバー技術などITがどんどん課題を解決しているような姿をODAでも目指すべきではないかと思います。そのためには、非ODA資金とほかの資金のカップリングといった工夫を促進してはどうでしょうか。単にODA資金を増やせということではなく、ほかの資金をうまく活用するということが重要かと存じます。
次に、二点目としまして、援助がSDGsの精神である誰一人取り残さないことに合致し、児童労働、環境破壊などのネガティブインパクトを引き起こさないということを担保できるシステムを実現する、単にそこで協力して終わりではなく、ちゃんとそのインパクトを測っていくような仕組みが必要かと思います。
三点目としまして、過去の南南協力では見えにくかったかと思いますけれども、関与するアクターが、そこで協力に入っていく企業について理解しているパートナーシップとなるようなマッチングの仕組みの提供が重要かと思います。それぞれが良いものを持っていても、このマッチングがうまくいかないとパートナーシップが失敗するということもあるかと存じます。
四点目としまして、JICAなどの仕組み、これ大変すばらしいんですけれども、適用範囲がやはり限られていたり、分かりにくかったり、まだ企業に知られていなかったりという点で、この辺をもっともっと企業に知ってもらうように情報をどんどん流していただくということと、その頑張っている企業に対して評価をもっと開示していくようなことも考えることが必要かと思います。
最後に、さきの政府への提言でも触れておりますが、日本はいろいろいいことをしていても国際的な立場での発信がまだまだ不十分です。黙っていると理解されません。被援助国とのコミュニケーションは言うに及ばず、ウエブなどを通じた世界の情報発信を強力に実施すべきかと思います。
以上で私の意見を終わりといたします。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →お手元に配付資料がございます。こちらの二ページに記載されていることにつきまして、これからお話し申し上げます。
三ページ、GCNJの設立の経緯へ参ります。
グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、略してGCNJは、二〇〇三年に任意団体として国連広報センターの内部に組織化され、その後独立しまして、二〇一一年から一般社団法人として活動しています。会員は順調に増え続けておりまして、今年度三月末で二百四十一団体になっております。
四ページを御覧ください。
GCNJのようなローカルネットワークと呼ばれる組織が世界に八十ほどあります。我々の役割は国連グローバル・コンパクトの十原則に、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止とSDGsの実践を通じてサステーナビリティー戦略の実践を目指す企業や組織に対して、学習、協働、発信を促す場として機能することです。
少々飛ばしまして、次に七ページの方に参ります。
どのようなSDGsに関して活動しているかということをまず歩みとして挙げております。二〇三〇アジェンダ採択からこれまで、主なことだけでもここに記載していることをいろいろやっておりまして、ただ企業向けの勉強会だけでなく、NGOや政府、アカデミアと連携した活動をたくさん行っています。直近では、地球環境戦略研究機関、IGESと一緒にSDGsの実態調査、動き出したSDGsビジネスというものを発行しておりまして、この間のSDGs推進本部円卓会議でも配付しております。
それでは次に、SDGsに関わる活動の主なものを御紹介します。八ページを御覧ください。
GCNJは、昨年から、このSDGs、まだ日本での認知度が低いものですから、この認知度を上げるということに加え、実践を促す活動に重点をシフトしてあります。その中の一つの大きな役割を負っていますのは、会員企業の有志で構成されるタスクフォースというもので、ここの八ページに記載されているようなことをやっております。
次に、九ページの方を御覧ください。
いろいろやっているということを記載しておりますけれども、ここで認知を上げるために会員向けでなく一般向けにもSDGsとは何なのかというセミナー、シンポジウムをしておりまして、この一年間でも国連広報センター、KPMGジャパン、日経BP、日本経済研究センター、SDGs市民社会ネットワーク、JICAなど様々なアクターと一緒に共催を行って、認知度を上げるように努力してきております。
続きまして、十ページを御覧ください。
このSDGsの実践のためにはコミュニケーションツールというのも大変重要だと考えておりまして、国連グローバル・コンパクトが出版したSDGコンパスやSDGインダストリーマトリックスというものを邦訳して公開することで関連セクターのアクションを促しています。特にSDGコンパスというのは、SDGsに取り組む企業の、団体のバイブルになっております。このような活動が今メディアでも数多く取り上げられるようになっておりまして、参考資料の方にも掲載させていただいております。
十一ページに移ります。
その認知度から実践へという活動の中で政府とどのような連携をしているかということを、この一年間でやったことをここに記載しておりまして、御存じのように、SDGsというのは企業個社単体で実現するのは大変難しい問題でございまして、政府はその大変大切なパートナーだと考えております。ここに記載しておりますように、SDGsの推進本部円卓会議や環境省のSDGsステークホルダー・ミーティング、経済産業省の持続的成長に向けた長期投資研究会などを始め、様々な場でGCNJの理事や事務局員が委員を務めて協議を行って、プライベートセクターのインプットを意見とさせていただいております。
その一環としまして、政府にどのような提言をしてきたかということが次のページに記載されています。ここでは、昨年、G7サミットのときに提言した内容とSDG推進本部の円卓会議に二度にわたって意見表明したものを載せております。
昨年十二月に、御存じのように、円卓会議のインプットが反映された政府からのSDGsの実施指針というものが発表されております。ですが、ここで緑色太字でマークしているところの箇所ですが、ここの点に関しては議論がまだまだ必要だというふうに認識しております。私ども、日頃、国連グローバル・コンパクトとのやり取りの中で、日本からの情報発信が不十分であるということ、それが課題だということを痛感しておりまして、この点はこの後再度触れたいと思います。
ここまでGCNJのSDGsへの取組状況について申し上げましたが、十三ページから、推進上の課題について申し上げます。
これは、さきに申し上げましたGCNJのSDGs推進取組状況の実態調査から出てきた政府に関する回答でございます。私ども、ODAに限った質問というのはないんですけれども、このグラフ一というのをまず見ていただきますと、SDGsを推進する上で最も影響力のあるセクターというのが政府という回答が四一%と圧倒的に多かったということが分かる反面、グラフ二は、課題として、四十四団体、三〇%が政府の方針徹底、関与が希薄と答えています。この回答、この政府に関する課題認識は二〇一六年の質問で初めて上がってきたものでございまして、政府の動きを待って企業の取組が停滞してしまうということがあるように見えます。つまり、調査は企業への訪問聞き取りも含んでいて、実際、フェース・ツー・フェースで意見を聞いたりしている中で、やはり政府の動きを待つという姿勢が如実でございまして、このヒアリングの過程でその辺が課題かなというのを私たちも認識しました。
さらに、十四ページですが、パートナーシップに関わる課題を挙げております。SDGsの推進においてはパートナーシップが大変重要だということはあらゆるところで強調されていますが、企業がSDG推進の重要なパートナーとして選ぶのが、政府が最もやはり多かったんですけれども、このグラフ三ですね、しかし、グラフ四を見ますと、実際にここ一年連携したのはどこかといいますと、政府は五番目でそこまで多くなく、企業が重要だと認識しているパートナーと実際の取組先に乖離があるということがあるかと思います。このような点が、この実態調査から政府関係で私どもが認識した課題でございます。
続きまして、課題だけですと企業というのはなかなか動きにくいものなので、企業を動かす上でどのような事業機会の提示があると分かりやすいかということを十五ページ、十六ページの方で挙げております。どちらもGCNJ会員企業さんの事例です。
十五ページでは、損保ジャパンホールディングスとJICAの協業事例を挙げておりまして、これ、金融サービスが開発途上国の援助に役立っている好事例だと認識しています。また、国連開発計画にも承認され、活動が加速しています。ここに出ているようなことがどんどん打ち出されています。よく言われますマイクロファイナンスもそうなんですけれど、特定のセクターができるサービスを分かりやすく示すことで、他企業もSDGへの取組のきっかけを見付けやすいのではないかと思います。
また、十六ページでは、大阪にあります会社のサラヤのウガンダでの事例を挙げています。これは、やはりユニセフと一緒に協業したことで、ローカルな政府そしてNGOとの連携ができて、サラヤ一人ではできなかったものがうまくいったというふうに実際聞いておりまして、このような連携事例というのを企業側に分かりやすく示していくということが重要かなというふうに思っております。
十七ページ、十八ページは、このような事業機会は企業にとって可視化されているということが重要だということで、それをサポートする調査レポートとして挙げております。
これは、一月にビジネス・アンド・サステーナブル・ディベロップメント・コミッションがベタービジネス・ベターワールドというものを出しておりまして、これによりますと、食糧と農業など四領域六十のホットスポットで開発途上国の社会的課題に取り組むことで大きな経済効果を生むというふうな算定がされています。これは一つの調査レポートでございますけれども、企業を動かすにはこのように有望な事業ターゲットというのを整理して数字で示すということが重要かという点から、今回参考として引用しております。
このレポートのいい点は、十八ページでちょっと述べておりますけれども、イノベーションを通じて事業を展開して事業を拡大していくということが開発途上国の抱える栄養、健康、教育、ジェンダー、雇用といった社会課題の解決につながるということを示唆している点ということで、こういったことを事業とのつながりで示すことが企業にとって行動を促す一つの契機になるかと思います。
最後に、十九ページへ参ります。
ここまで、GCNJの活動と、日本企業がSDGを推進する上で抱えている課題の一端と、企業を動かすモチベーションになるヒントについて触れてまいりました。こうしたことを踏まえまして、最後に、日本政府のODA政策への要望について申し上げます。五点ございます。
まず、さきの資料でも挙げましたように、イノベーション領域を重点的に拡大することで、過去の事業領域ではカバーできなかった新領域を通じた援助を今後目指していくべきかと考えます。日本企業の強みを生かし、昨今の人道支援の領域ではドローンや顔認証、サイバー技術などITがどんどん課題を解決しているような姿をODAでも目指すべきではないかと思います。そのためには、非ODA資金とほかの資金のカップリングといった工夫を促進してはどうでしょうか。単にODA資金を増やせということではなく、ほかの資金をうまく活用するということが重要かと存じます。
次に、二点目としまして、援助がSDGsの精神である誰一人取り残さないことに合致し、児童労働、環境破壊などのネガティブインパクトを引き起こさないということを担保できるシステムを実現する、単にそこで協力して終わりではなく、ちゃんとそのインパクトを測っていくような仕組みが必要かと思います。
三点目としまして、過去の南南協力では見えにくかったかと思いますけれども、関与するアクターが、そこで協力に入っていく企業について理解しているパートナーシップとなるようなマッチングの仕組みの提供が重要かと思います。それぞれが良いものを持っていても、このマッチングがうまくいかないとパートナーシップが失敗するということもあるかと存じます。
四点目としまして、JICAなどの仕組み、これ大変すばらしいんですけれども、適用範囲がやはり限られていたり、分かりにくかったり、まだ企業に知られていなかったりという点で、この辺をもっともっと企業に知ってもらうように情報をどんどん流していただくということと、その頑張っている企業に対して評価をもっと開示していくようなことも考えることが必要かと思います。
最後に、さきの政府への提言でも触れておりますが、日本はいろいろいいことをしていても国際的な立場での発信がまだまだ不十分です。黙っていると理解されません。被援助国とのコミュニケーションは言うに及ばず、ウエブなどを通じた世界の情報発信を強力に実施すべきかと思います。
以上で私の意見を終わりといたします。御清聴ありがとうございました。
野
松
松崎彰義#13
○参考人(松崎彰義君) ただいま御紹介いただきましたイセキ開発工機の松崎でございます。
私のこれからの御説明というかお話は、さきの三人の参考人の先生方のような大所高所からのお話じゃなくて、あくまでも中小企業のおっさんの目線でお話しさせていただきますので、もし何か失礼がありましたら御勘弁いただきたいなと思います。
まず、ページめくっていただいて、私どもの企業概要でございます。資本金六千万、従業員五十人、直近の年商は二十億、まさに中小企業、典型的な中小企業ではないかなと思っております。
当社の事業、製品ですが、右側の鳥瞰図がございまして、真ん中辺に緑色の塗った機械装置がございます。ここが私どもの製作、販売している機械でございます。これは遠隔操作して地下のトンネルを掘っていくという機械であります。その用途というのは、下水道であり、ガス管であり、上水管でありというのを道路下あるいは建物の下に掘っていくという用途に使われます。近年では、大断面、地下鉄の駅舎ですとか、この一番右下のところなんですが、こういうのに、丸いのがいっぱいぐるっと四角く囲ってあります。これ、一本一本が推進していって大きな断面を安全に掘っていくという工法であります。
次のページをお願いします。
これは、今回、JICAの普及・実証事業でいただいた事業の概要であります。
まず、これはインドネシアで調査の後に普及・実証事業をやらせていただきました。インドネシアのニーズとしましては、皆さん御存じと思いますけれども、ジャカルタ特別州、人口約一千万近い、東京都二十三区ぐらいのちょうど面積なんですけれども、ここで下水道の普及率がたしか三%、四%というふうに向こうでは言っておりますが、まあ、ほとんどないと、東京二十三区で下水が一本もないよというような状況であります。その状況の割には非常にビルはきれいに建っておりますし、車も新しいのがたくさん、交通渋滞あちこちというところで、その下水道管を入れていくためには、当然上から掘っていたらとんでもないことになるということで、今回、私どものこの機械でちょっとデモンストレーションをしてやっていこうと。
従来、向こうの国でも非開削の部分はあったんですけれども、二、三十メーターぐらいの短い距離をやっていくというのが精いっぱいで、今回当社で三百メーター一遍に推してしまおうと、そういう推進できるんだよというのを見せてあげようということで、今回採用されました。
それで、右側の方に行きますけれども、インドネシア側に見込まれる成果ですね、当然、この下水を普及して快適な生活、環境改善に寄与するというふうなところと、我々日本企業側の成果としては、この仕事中にあちらの政府から洪水対策の事業に協力してくれということを言われまして、政府のお金でもって洪水対策の事業を行いました。これについては後ほどまた詳しくやっていきたいと思います。
四枚目ですね、これがまた今回の普及・実証事業の概要であります。左の方に地図がありますけれども、この地図の中に色づけた緑だとか赤だとかありますね、これがジャカルタ特別州。この中が下水道がほとんど数%しかないというところ。これを全部やっていきますと、恐らく千キロ以上の下水管路を布設しなければいけないんじゃないかなというふうになっております。
左下は、参考までなんですけど、真ん中のバティック着ている方が前の鹿取大使ですね。右から二番目の方がJICAの佐々木所長です。何でこんな偉い方がいらっしゃったかというと、当時、前日からジョコウィ大統領が発進式に来られるのでということで皆さん寝ずに設営されていましたが、残念ながらお忙しくて来られませんでした。
それで、事業の概要は、右の方に移りまして、真ん中、グリーンの矢印がありますね。この左側の赤く、ちょっと見えにくいんですが、囲ったところから右側の方のグリーンの矢印の方に地下を三百メーター掘っていくという仕事であります。
次のページお願いします。
左の一番上、これはちょうど日曜日の早朝ですね。ですから、車はほとんどいないと。このすぐ後にここが、いわゆる、何というんですかね、車出入り禁止になる時間帯がありまして、そのときですから非常に少ないんですが、その下が一般の昼間の道路の状況。赤いバスが走っていますけど、そこがちょうどこのジャカルタ州を南北に突っ切るメーンストリート、スディルマン通りというところですね。右の上のところ、これが夕方の混雑の状況です。
こういうところに下水管を入れなきゃいけない、あるいは水道管も入れなきゃいけないとなりますと、当然上から掘っていたらとんでもないことになりますというのは十分あちらの政府の方も理解していただいたと思います。この右下の部分が、この機械で三百メーター掘りまして、右の黒いところが、テレビモニターを見ながら遠隔操作して進めていくというものです。
六ページお願いします。
JICAさんに応募した経緯なんですけれども、当社は非常に中小企業でちっちゃい会社なんですが、一九八一年から海外進出しておりまして、その第一号はフランス・ボルドーで我々の機械を輸出いたしました。その年に台湾にまた三台。その次の年には西ドイツ政府の小口径トンネル掘進工法プロジェクトというのがありまして、そこの資金によって私どもの機械を、装置を購入していただいたという経緯があります。
その後は、この西ドイツ政府、ハンブルク市がメーンになっていたんですけれども、一九八四年と八六年に、新規の機械を開発してほしいと、れき層を掘れる機械はないか、あるいはもう一つは、既設の下水道管を流しながら新しく管を入れる機械はできないかという要望をいただきまして、これに応えるべく、八四年と八六年にその実機を納めたという実績があります。その後、EU、北米、南米、アジア各国へ五百台以上のこの掘進機を直接販売しております。
数十年こういう形で一民間企業単独でやっておりましたけれども、ここ何年かはやはり限界を感じておりまして、やはり我々中小企業に足りないのは、人、物、金、全部足りないんですが、何しろ人が一番足りないということで、点の営業しかできていなかったと。
それと、ちょっと下、下線引いていますが、ここ十数年、外国のライバル企業がかなり力付けてきた。これは、かなり力を付けてきたのではなくて、かなり差を付けられてきたというのが実態でして、その前にドイツの話を少ししました。実は、これはドイツの企業なんです。このドイツの企業が物すごい力を付けてきまして、今やこの地下建機の中では世界でも有数な企業に育ってきたと。そこも実際、最初は私ども、出たときは影も形もない、向こうも中小企業でした。それが今はかなりの大きな立派な会社になったということですね。
我々は、五年前に、日本推進技術協会というのがありまして、そこでオールジャパンで新興国の方に推進を普及させてくれないかということをいただきましたので、それに一も二もなく応募したというところでございます。
次のページ、七ページお願いします。
四ポツですけれども、相手国との調整において直面した困難、特には、契約に至るまではJICAさんの応援をたっぷりいただきましたので特に問題はないんですが、実施後ですね、いろいろ、相手国の通関が遅れ、決裁、許認可の遅延等が日常的に行われていまして、これは大変苦労しましたというところです。
五ポツですが、JICAさんへの改善要望というのは、ちょっと支払条件でいろいろありまして、これは読んでおいていただければいいかなというのが①と②であります。③ですけれども、途中でインドネシアの政権が替わりまして今のジョコウィさんが大統領になられたんですが、それに伴って政府の御担当の方が徐々に徐々に大体ほとんど替わりまして、替わるたびに我々また行って、また一から事前に説明しなきゃいけないという、非常な苦労をJICAさんの方もされていましたが、我々にとって海外へ出たときにはJICAの御担当の方が一番の援助していただける方なんで、これからもそういう支援を期待したいと思っております。
次の八ページですけれども、今後の我々の海外における事業展開をつらつらと書きました。
先ほどもこの辺は言ってありますのでいいですが、②からですね。現在、駐在員事務所をインドネシア・ジャカルタに置いております。それをワンステップ、ツーステップ上げていくのが我々のこれからの事業展開というふうに考えております。中長期的には、日本国内と同様に、現地で機械製作、メンテナンス、事前調査、施工監理指導といった推進工事、工法のワンストップサービスを展開して、ローカル企業への技術移転、またそれに伴うローカルの雇用創出を目指していきたいと考えております。
課題としては、先ほどもちょっと言いましたが、ODAの予算も付いて、インドネシアも下水道整備事業は最優先課題の一つだよということをおっしゃっていますが、ここ数年全く進展がないというような状況です。ですから、インドネシア国の迅速な決定を望みます。
次の九ページでございますが、これがインドネシア政府の公共事業省から発注された工事であります。
左に、この二台の機械を納めました。右側の真ん中辺に、ちっちゃくて見にくいんですが、地図がございます。この地図の真ん中に黒い線が引っ張ってあるんですが、ここ、左側の氾濫する川から右側の用水路へ地下で三メーター五百の内径の管を二本、ワンスパン千三百メートルの事業を、事業といいますか、の機械の納入を我々いただきました。そこでやっております。
一番右下の方ですが、これは現地で推進管といいますか、コンクリート管を造っているところです。これも日本からの技術を供与して造ったものです。
次のページをお願いいたします。
これが、右の写真三枚、上の方ですね、これが毎年雨季になると氾濫する川です。三年に一遍物すごい洪水になりまして、私がちょうどこの写真撮ったときの雨季、この川の脇に立ちまして、ちょうど私の、そうですね、肩ぐらいまでですかね、水没ということで、家の一階部分はほとんど大半水没したという形なんですが、それでもまだここの方たちは立ち退かないでいらっしゃるんですね。で、事業が今ちょっと頓挫しております。
右下の広い河川が、これが放流の方の河川です。その隣の左が、ちょうどカーブしているんですけど、この下に内径三メーター五百の管が二本入っております。
左の方は、そのグラウンドブレーキングですね、起工式なんですけれども、このときはジョコウィさん、まだ首長、州知事ということでいらっしゃって、式の終わり頃いらっしゃったんですね。左の一番下ですけど、この白いシャツを着ていられる方がジョコウィさんですね。
十一ページ、最後になります。
我々の中小企業の支援していただく期待は、日本国政府、JICAさん始めとして、今まで以上に後押しをお願いしたいと。さらに、先ほど言ったような海外のライバル企業に打ち勝つにはオールジャパンとして立っていかないと、敵はもう十数年前から国を挙げて政策的にやってきています。ですから、大きなプロジェクトは全てドイツのライバルに我々は負けておりますから、そうならないためにもこれから皆さんの御支援をいただきたいなというふうに思っております。
最後に、当然、我々民間企業ですから、我々も収益を上げていかなきゃいけないし、収益を上げて税金をお支払いするというのが我々の義務でありまして、その税金を使ってまたODAをやられるという循環の道だと思いますので、今後とも御支援のほどをよろしくお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →私のこれからの御説明というかお話は、さきの三人の参考人の先生方のような大所高所からのお話じゃなくて、あくまでも中小企業のおっさんの目線でお話しさせていただきますので、もし何か失礼がありましたら御勘弁いただきたいなと思います。
まず、ページめくっていただいて、私どもの企業概要でございます。資本金六千万、従業員五十人、直近の年商は二十億、まさに中小企業、典型的な中小企業ではないかなと思っております。
当社の事業、製品ですが、右側の鳥瞰図がございまして、真ん中辺に緑色の塗った機械装置がございます。ここが私どもの製作、販売している機械でございます。これは遠隔操作して地下のトンネルを掘っていくという機械であります。その用途というのは、下水道であり、ガス管であり、上水管でありというのを道路下あるいは建物の下に掘っていくという用途に使われます。近年では、大断面、地下鉄の駅舎ですとか、この一番右下のところなんですが、こういうのに、丸いのがいっぱいぐるっと四角く囲ってあります。これ、一本一本が推進していって大きな断面を安全に掘っていくという工法であります。
次のページをお願いします。
これは、今回、JICAの普及・実証事業でいただいた事業の概要であります。
まず、これはインドネシアで調査の後に普及・実証事業をやらせていただきました。インドネシアのニーズとしましては、皆さん御存じと思いますけれども、ジャカルタ特別州、人口約一千万近い、東京都二十三区ぐらいのちょうど面積なんですけれども、ここで下水道の普及率がたしか三%、四%というふうに向こうでは言っておりますが、まあ、ほとんどないと、東京二十三区で下水が一本もないよというような状況であります。その状況の割には非常にビルはきれいに建っておりますし、車も新しいのがたくさん、交通渋滞あちこちというところで、その下水道管を入れていくためには、当然上から掘っていたらとんでもないことになるということで、今回、私どものこの機械でちょっとデモンストレーションをしてやっていこうと。
従来、向こうの国でも非開削の部分はあったんですけれども、二、三十メーターぐらいの短い距離をやっていくというのが精いっぱいで、今回当社で三百メーター一遍に推してしまおうと、そういう推進できるんだよというのを見せてあげようということで、今回採用されました。
それで、右側の方に行きますけれども、インドネシア側に見込まれる成果ですね、当然、この下水を普及して快適な生活、環境改善に寄与するというふうなところと、我々日本企業側の成果としては、この仕事中にあちらの政府から洪水対策の事業に協力してくれということを言われまして、政府のお金でもって洪水対策の事業を行いました。これについては後ほどまた詳しくやっていきたいと思います。
四枚目ですね、これがまた今回の普及・実証事業の概要であります。左の方に地図がありますけれども、この地図の中に色づけた緑だとか赤だとかありますね、これがジャカルタ特別州。この中が下水道がほとんど数%しかないというところ。これを全部やっていきますと、恐らく千キロ以上の下水管路を布設しなければいけないんじゃないかなというふうになっております。
左下は、参考までなんですけど、真ん中のバティック着ている方が前の鹿取大使ですね。右から二番目の方がJICAの佐々木所長です。何でこんな偉い方がいらっしゃったかというと、当時、前日からジョコウィ大統領が発進式に来られるのでということで皆さん寝ずに設営されていましたが、残念ながらお忙しくて来られませんでした。
それで、事業の概要は、右の方に移りまして、真ん中、グリーンの矢印がありますね。この左側の赤く、ちょっと見えにくいんですが、囲ったところから右側の方のグリーンの矢印の方に地下を三百メーター掘っていくという仕事であります。
次のページお願いします。
左の一番上、これはちょうど日曜日の早朝ですね。ですから、車はほとんどいないと。このすぐ後にここが、いわゆる、何というんですかね、車出入り禁止になる時間帯がありまして、そのときですから非常に少ないんですが、その下が一般の昼間の道路の状況。赤いバスが走っていますけど、そこがちょうどこのジャカルタ州を南北に突っ切るメーンストリート、スディルマン通りというところですね。右の上のところ、これが夕方の混雑の状況です。
こういうところに下水管を入れなきゃいけない、あるいは水道管も入れなきゃいけないとなりますと、当然上から掘っていたらとんでもないことになりますというのは十分あちらの政府の方も理解していただいたと思います。この右下の部分が、この機械で三百メーター掘りまして、右の黒いところが、テレビモニターを見ながら遠隔操作して進めていくというものです。
六ページお願いします。
JICAさんに応募した経緯なんですけれども、当社は非常に中小企業でちっちゃい会社なんですが、一九八一年から海外進出しておりまして、その第一号はフランス・ボルドーで我々の機械を輸出いたしました。その年に台湾にまた三台。その次の年には西ドイツ政府の小口径トンネル掘進工法プロジェクトというのがありまして、そこの資金によって私どもの機械を、装置を購入していただいたという経緯があります。
その後は、この西ドイツ政府、ハンブルク市がメーンになっていたんですけれども、一九八四年と八六年に、新規の機械を開発してほしいと、れき層を掘れる機械はないか、あるいはもう一つは、既設の下水道管を流しながら新しく管を入れる機械はできないかという要望をいただきまして、これに応えるべく、八四年と八六年にその実機を納めたという実績があります。その後、EU、北米、南米、アジア各国へ五百台以上のこの掘進機を直接販売しております。
数十年こういう形で一民間企業単独でやっておりましたけれども、ここ何年かはやはり限界を感じておりまして、やはり我々中小企業に足りないのは、人、物、金、全部足りないんですが、何しろ人が一番足りないということで、点の営業しかできていなかったと。
それと、ちょっと下、下線引いていますが、ここ十数年、外国のライバル企業がかなり力付けてきた。これは、かなり力を付けてきたのではなくて、かなり差を付けられてきたというのが実態でして、その前にドイツの話を少ししました。実は、これはドイツの企業なんです。このドイツの企業が物すごい力を付けてきまして、今やこの地下建機の中では世界でも有数な企業に育ってきたと。そこも実際、最初は私ども、出たときは影も形もない、向こうも中小企業でした。それが今はかなりの大きな立派な会社になったということですね。
我々は、五年前に、日本推進技術協会というのがありまして、そこでオールジャパンで新興国の方に推進を普及させてくれないかということをいただきましたので、それに一も二もなく応募したというところでございます。
次のページ、七ページお願いします。
四ポツですけれども、相手国との調整において直面した困難、特には、契約に至るまではJICAさんの応援をたっぷりいただきましたので特に問題はないんですが、実施後ですね、いろいろ、相手国の通関が遅れ、決裁、許認可の遅延等が日常的に行われていまして、これは大変苦労しましたというところです。
五ポツですが、JICAさんへの改善要望というのは、ちょっと支払条件でいろいろありまして、これは読んでおいていただければいいかなというのが①と②であります。③ですけれども、途中でインドネシアの政権が替わりまして今のジョコウィさんが大統領になられたんですが、それに伴って政府の御担当の方が徐々に徐々に大体ほとんど替わりまして、替わるたびに我々また行って、また一から事前に説明しなきゃいけないという、非常な苦労をJICAさんの方もされていましたが、我々にとって海外へ出たときにはJICAの御担当の方が一番の援助していただける方なんで、これからもそういう支援を期待したいと思っております。
次の八ページですけれども、今後の我々の海外における事業展開をつらつらと書きました。
先ほどもこの辺は言ってありますのでいいですが、②からですね。現在、駐在員事務所をインドネシア・ジャカルタに置いております。それをワンステップ、ツーステップ上げていくのが我々のこれからの事業展開というふうに考えております。中長期的には、日本国内と同様に、現地で機械製作、メンテナンス、事前調査、施工監理指導といった推進工事、工法のワンストップサービスを展開して、ローカル企業への技術移転、またそれに伴うローカルの雇用創出を目指していきたいと考えております。
課題としては、先ほどもちょっと言いましたが、ODAの予算も付いて、インドネシアも下水道整備事業は最優先課題の一つだよということをおっしゃっていますが、ここ数年全く進展がないというような状況です。ですから、インドネシア国の迅速な決定を望みます。
次の九ページでございますが、これがインドネシア政府の公共事業省から発注された工事であります。
左に、この二台の機械を納めました。右側の真ん中辺に、ちっちゃくて見にくいんですが、地図がございます。この地図の真ん中に黒い線が引っ張ってあるんですが、ここ、左側の氾濫する川から右側の用水路へ地下で三メーター五百の内径の管を二本、ワンスパン千三百メートルの事業を、事業といいますか、の機械の納入を我々いただきました。そこでやっております。
一番右下の方ですが、これは現地で推進管といいますか、コンクリート管を造っているところです。これも日本からの技術を供与して造ったものです。
次のページをお願いいたします。
これが、右の写真三枚、上の方ですね、これが毎年雨季になると氾濫する川です。三年に一遍物すごい洪水になりまして、私がちょうどこの写真撮ったときの雨季、この川の脇に立ちまして、ちょうど私の、そうですね、肩ぐらいまでですかね、水没ということで、家の一階部分はほとんど大半水没したという形なんですが、それでもまだここの方たちは立ち退かないでいらっしゃるんですね。で、事業が今ちょっと頓挫しております。
右下の広い河川が、これが放流の方の河川です。その隣の左が、ちょうどカーブしているんですけど、この下に内径三メーター五百の管が二本入っております。
左の方は、そのグラウンドブレーキングですね、起工式なんですけれども、このときはジョコウィさん、まだ首長、州知事ということでいらっしゃって、式の終わり頃いらっしゃったんですね。左の一番下ですけど、この白いシャツを着ていられる方がジョコウィさんですね。
十一ページ、最後になります。
我々の中小企業の支援していただく期待は、日本国政府、JICAさん始めとして、今まで以上に後押しをお願いしたいと。さらに、先ほど言ったような海外のライバル企業に打ち勝つにはオールジャパンとして立っていかないと、敵はもう十数年前から国を挙げて政策的にやってきています。ですから、大きなプロジェクトは全てドイツのライバルに我々は負けておりますから、そうならないためにもこれから皆さんの御支援をいただきたいなというふうに思っております。
最後に、当然、我々民間企業ですから、我々も収益を上げていかなきゃいけないし、収益を上げて税金をお支払いするというのが我々の義務でありまして、その税金を使ってまたODAをやられるという循環の道だと思いますので、今後とも御支援のほどをよろしくお願いいたします。
以上でございます。ありがとうございました。
野
野村哲郎#14
○委員長(野村哲郎君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、御発言ください。
参考人の方々の御答弁につきましては着席のままで結構でございます。
また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁はできるだけ簡潔にお願いをいたしたいと思います。
それでは、質疑のある方は順次御発言をお願いします。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、御発言ください。
参考人の方々の御答弁につきましては着席のままで結構でございます。
また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁はできるだけ簡潔にお願いをいたしたいと思います。
それでは、質疑のある方は順次御発言をお願いします。
朝
朝日健太郎#15
○朝日健太郎君 自由民主党、朝日健太郎です。
本日は、四人の参考人の先生方、貴重な御意見ありがとうございました。
我々参議院といたしましても、ODAのモニター、これは参議院としての大きなテーマでもあります。先日も決算委員会で二十七年度の決算も承認をされたということで、やはり決算、そしてODAの参議院ということで、しっかりと国民の税金が使われているのか、こういった観点から質問をしていきたいと思います。
本日、やはり持続可能性というところでSDGsというのは世界的に見てもトレンドになっているかと思いますけれども、今日の四人の先生方のお話を聞いていると、お立場お立場で非常に多岐にわたる印象を受けました。
まず、山形参考人に質問をさせていただきたいんですが、MDGsからSDGsに切り替わることによって、拘束力の弱まりであるとか数値目標も脆弱になったとか、非常にネガティブな印象を受けたんですけれども、逆に今、世界の民間であるとか国の方向性としてもSDGsをというような潮流の中で、そういったネガティブに捉えられる中で、じゃ、山形参考人的には、どういったところを克服していけばこのMDGsからSDGsにより幅が広がったことによる効果というものが期待できるのかというのをお聞かせください。
この発言だけを見る →本日は、四人の参考人の先生方、貴重な御意見ありがとうございました。
我々参議院といたしましても、ODAのモニター、これは参議院としての大きなテーマでもあります。先日も決算委員会で二十七年度の決算も承認をされたということで、やはり決算、そしてODAの参議院ということで、しっかりと国民の税金が使われているのか、こういった観点から質問をしていきたいと思います。
本日、やはり持続可能性というところでSDGsというのは世界的に見てもトレンドになっているかと思いますけれども、今日の四人の先生方のお話を聞いていると、お立場お立場で非常に多岐にわたる印象を受けました。
まず、山形参考人に質問をさせていただきたいんですが、MDGsからSDGsに切り替わることによって、拘束力の弱まりであるとか数値目標も脆弱になったとか、非常にネガティブな印象を受けたんですけれども、逆に今、世界の民間であるとか国の方向性としてもSDGsをというような潮流の中で、そういったネガティブに捉えられる中で、じゃ、山形参考人的には、どういったところを克服していけばこのMDGsからSDGsにより幅が広がったことによる効果というものが期待できるのかというのをお聞かせください。
山
山形辰史#16
○参考人(山形辰史君) 御質問ありがとうございます。
まず、私、注目しておりますのは、七月の国連におけるハイレベルフォーラムがどのように開催されるかということでございます。各国からどのような方が出席なさり、どの程度積極的な発言をなさるかということを注目しております。
私、ネガティブなことを申し上げたというふうに解釈していらっしゃったかと思うんですが、課題を挙げたということでございまして、今後、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズに向けて推進したいという気持ちは一緒でございます。しかし、この縛りが弱いという課題を意識しつつ、どれだけ多くの国々がこの目標にコミットできるかということをニューヨークの会議で見てみたいというふうに思っております。
ありがとうございます。
この発言だけを見る →まず、私、注目しておりますのは、七月の国連におけるハイレベルフォーラムがどのように開催されるかということでございます。各国からどのような方が出席なさり、どの程度積極的な発言をなさるかということを注目しております。
私、ネガティブなことを申し上げたというふうに解釈していらっしゃったかと思うんですが、課題を挙げたということでございまして、今後、サステーナブル・ディベロップメント・ゴールズに向けて推進したいという気持ちは一緒でございます。しかし、この縛りが弱いという課題を意識しつつ、どれだけ多くの国々がこの目標にコミットできるかということをニューヨークの会議で見てみたいというふうに思っております。
ありがとうございます。
朝
朝日健太郎#17
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
非常に課題克服というテーマで私も注目していきたいなと思います。ありがとうございます。
続いて、上野参考人に質問させていただきたいんですけれども、国連グローバル・コンパクトのネットワークの一団体という、日本の中で組織をされていると認識をしておりますけれども、実際、企業や団体が今SDGsに取組が非常に加速化しているという認識を持っております。そうした中で、是非、今の現場の潮流というんですかね、企業や団体がこのSDGsの十七のテーマ、ゴールというんですかね、特にこういった中でのトレンドというんですかね、満遍なく全体的にそういったものを目指していっているのがはやりなのか。特に、貧困対策なのかとか多様性、いろんなテーマがあると思うんですけれども、上野参考人の中で、こういったものが特に日本の中ではトレンドだという認識がもしあればお聞かせください。
この発言だけを見る →非常に課題克服というテーマで私も注目していきたいなと思います。ありがとうございます。
続いて、上野参考人に質問させていただきたいんですけれども、国連グローバル・コンパクトのネットワークの一団体という、日本の中で組織をされていると認識をしておりますけれども、実際、企業や団体が今SDGsに取組が非常に加速化しているという認識を持っております。そうした中で、是非、今の現場の潮流というんですかね、企業や団体がこのSDGsの十七のテーマ、ゴールというんですかね、特にこういった中でのトレンドというんですかね、満遍なく全体的にそういったものを目指していっているのがはやりなのか。特に、貧困対策なのかとか多様性、いろんなテーマがあると思うんですけれども、上野参考人の中で、こういったものが特に日本の中ではトレンドだという認識がもしあればお聞かせください。
上
上野明子#18
○参考人(上野明子君) 御質問ありがとうございます。
これは、実は議論がある御質問かと思いますが、今企業がやっているのは、それぞれの企業のやはり企業方針ですとか強みのところを棚卸しして、その企業に一番いいこと、例えば衛生陶器を作っている会社さんでしたら衛生面、環境面での支援をしていたら環境面のところのターゲットを十七のうちから棚卸しして、その中でやはり一番強みを出せるところを頑張っていらっしゃるというのが多いようです。
ただ、これに関しては、NGOですとかアカデミアなどからはチェリーピッキングでやれるところしかやっていないという批判もございまして、この点に企業が今後どう応えるかというところが更なるトレンドというか課題になっていくかと存じます。
以上です。
この発言だけを見る →これは、実は議論がある御質問かと思いますが、今企業がやっているのは、それぞれの企業のやはり企業方針ですとか強みのところを棚卸しして、その企業に一番いいこと、例えば衛生陶器を作っている会社さんでしたら衛生面、環境面での支援をしていたら環境面のところのターゲットを十七のうちから棚卸しして、その中でやはり一番強みを出せるところを頑張っていらっしゃるというのが多いようです。
ただ、これに関しては、NGOですとかアカデミアなどからはチェリーピッキングでやれるところしかやっていないという批判もございまして、この点に企業が今後どう応えるかというところが更なるトレンドというか課題になっていくかと存じます。
以上です。
朝
朝日健太郎#19
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
おっしゃるとおり、やはり非常に日本の強みというものを最大化していくという意味では、世界共通認識としてSDGsというものをビジョンに掲げながら進んでいくという意味では非常に有効かと理解しました。
それで、続きまして松崎参考人に質問をさせていただきたいと思いますけれども、JICAを通じて今回インドネシアの都市開発に取り組まれたということで、実績とそしてそれに伴う課題、こういったものを御発表いただいたと思います。
一方で、この委員会はODAで、政府開発援助ということで、日本の資源をしっかりと世界に届けるという意味で、都市開発というそういう建設とか土木的な人材に関して非常に日本は一方で人材不足という側面もあるというところを認識しておりますけれども、それでもなおかつやはり、世界にしっかりと貢献をしていくという、そこはしっかりと目指すべきビジョンとして今後も取り組まれるのかというのが一点目と、もう一つこれ聞きたかったのが、松崎参考人がそういう海外を目指すことによって御社のそういう企業風土というかそういったものに、国際貢献に携わることでの風土の変化というものがもしあればお聞かせをください。
この発言だけを見る →おっしゃるとおり、やはり非常に日本の強みというものを最大化していくという意味では、世界共通認識としてSDGsというものをビジョンに掲げながら進んでいくという意味では非常に有効かと理解しました。
それで、続きまして松崎参考人に質問をさせていただきたいと思いますけれども、JICAを通じて今回インドネシアの都市開発に取り組まれたということで、実績とそしてそれに伴う課題、こういったものを御発表いただいたと思います。
一方で、この委員会はODAで、政府開発援助ということで、日本の資源をしっかりと世界に届けるという意味で、都市開発というそういう建設とか土木的な人材に関して非常に日本は一方で人材不足という側面もあるというところを認識しておりますけれども、それでもなおかつやはり、世界にしっかりと貢献をしていくという、そこはしっかりと目指すべきビジョンとして今後も取り組まれるのかというのが一点目と、もう一つこれ聞きたかったのが、松崎参考人がそういう海外を目指すことによって御社のそういう企業風土というかそういったものに、国際貢献に携わることでの風土の変化というものがもしあればお聞かせをください。
松
松崎彰義#20
○参考人(松崎彰義君) まず、後の方のお話させていただきますと、我々、先ほど冒頭に御説明させていただいたように、海外、一九八一年ですか、その頃からずっとやっておりますので、そんなに違和感のない仕事でずっと続けてきております。
この我々の機械を使う仕事というのは、国内はもう成熟したマーケットで、いっときから比べると半減以下になっております。ただ、これからは、新興国に関してはそういう需要はまだまだ百年たってもあるだろうという考えで、日本を捨てるわけじゃないですから、日本で縮小した部分を海外で補おうというのが一つの考えですね。
それから、技術者が足りないだろうと、おっしゃるとおりなんで、今、日本もいろいろオリンピックだとかなんとかで技術者も作業員も足りなくなってはきております。ただ、私どもは、機械を、物を作って、それには指導するという立場なんで、今まで海外の工事はやっておりません。ですから、機械は作れば幾らでも作れる、そこに技術者が一人付いて現地の方たちに大体一か月とか二か月とか教えて、それで引き揚げてくるというようなローテーションでやっております。それでも確かに人は足りませんが、これからもそういう人材は必要だなと思っております。
以上です。
この発言だけを見る →この我々の機械を使う仕事というのは、国内はもう成熟したマーケットで、いっときから比べると半減以下になっております。ただ、これからは、新興国に関してはそういう需要はまだまだ百年たってもあるだろうという考えで、日本を捨てるわけじゃないですから、日本で縮小した部分を海外で補おうというのが一つの考えですね。
それから、技術者が足りないだろうと、おっしゃるとおりなんで、今、日本もいろいろオリンピックだとかなんとかで技術者も作業員も足りなくなってはきております。ただ、私どもは、機械を、物を作って、それには指導するという立場なんで、今まで海外の工事はやっておりません。ですから、機械は作れば幾らでも作れる、そこに技術者が一人付いて現地の方たちに大体一か月とか二か月とか教えて、それで引き揚げてくるというようなローテーションでやっております。それでも確かに人は足りませんが、これからもそういう人材は必要だなと思っております。
以上です。
朝
朝日健太郎#21
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
続きまして、若林参考人に質問をさせていただきたいと思います。
政府開発援助の中でNGOに掛けられる予算が非常に小さいと、そこを非常に問題視されているというのは認識をいたしました。その中で、今日のお話の中で一つ気になったのが、やはり日本のこういったNGOに関わる人材が世界に出ていく中で、今、安全面、セキュリティーという部分というのは非常に注視をされているわけですけれども、やはり世界中で活躍していただきたいという思いがある一方で、そういった安全対策とかまたセキュリティーというものは、各日本のNGOそれぞれやられていると思うんですけれども、そういった部分において参考にさせていただくような事例があればお願いいたします。
この発言だけを見る →続きまして、若林参考人に質問をさせていただきたいと思います。
政府開発援助の中でNGOに掛けられる予算が非常に小さいと、そこを非常に問題視されているというのは認識をいたしました。その中で、今日のお話の中で一つ気になったのが、やはり日本のこういったNGOに関わる人材が世界に出ていく中で、今、安全面、セキュリティーという部分というのは非常に注視をされているわけですけれども、やはり世界中で活躍していただきたいという思いがある一方で、そういった安全対策とかまたセキュリティーというものは、各日本のNGOそれぞれやられていると思うんですけれども、そういった部分において参考にさせていただくような事例があればお願いいたします。
若
若林秀樹#22
○参考人(若林秀樹君) そういう緊急援助の必要性のある国々に対して日本だけが派遣できないというのは、やっぱりトータルとして非常に損失ではないかなというふうに思っています。今は、御存じのとおり一律に扱われて、せっかくセキュリティーに対して日頃からの研修、トレーニング、あるいは基準を設けて、チェックリストでそれなりに対策を取っているNGOに対してまでも一律適用はどうなのかなという疑問ですので、そこはしっかり、逆に政府の立場で、一応どういう条件がいいのか、それはお互いにNGOからも出し合って確認作業をしていくことが重要ですし、私は、やっぱり、それなりに経験がある、もう既に実績がある、そういうところに対して、それを踏まえてチェックしていくのが重要なんじゃないかなというふうに思いますので、安全についてもNGO側の今スキームができましたので、そこでも活発にトレーニングとか基準の在り方とか議論をしていますので、そういうところと政府との対話を進めていくことによって着地点は見えてくるんじゃないかな。
確かに、弱いNGOもあります。しかし一方で、しっかりやっているところに対しても一律適用はどうなのかなということに対して、日本人が万が一何かあった場合に対する社会からの批判というのは分かるんですけれど、もう少し前へ踏み出していただければなと思います。
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朝
朝日健太郎#23
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
もう一問、若林参考人にお願いをしたいと思います。
国内には、四百程度でしたっけ、NGOがあるというふうに伺いました。その中で活躍される人たちがいらっしゃると思うんですけれども、本日のテーマである持続可能性というところにおいては、やはり人材の部分をしっかりと供給していくというのが重要だと思います。
私自身も、スポーツでいろいろ世界に出ていくと、やはりいろんなビジョンであるとか目標であるとか、こういったものを明確にしてあげることで、やはり新しい人材の供給も生まれる。そういった人材の循環というところにおいて、世界で活躍されるNGOの中で、特にそういう人材に関して御意見があればお聞かせください。
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国内には、四百程度でしたっけ、NGOがあるというふうに伺いました。その中で活躍される人たちがいらっしゃると思うんですけれども、本日のテーマである持続可能性というところにおいては、やはり人材の部分をしっかりと供給していくというのが重要だと思います。
私自身も、スポーツでいろいろ世界に出ていくと、やはりいろんなビジョンであるとか目標であるとか、こういったものを明確にしてあげることで、やはり新しい人材の供給も生まれる。そういった人材の循環というところにおいて、世界で活躍されるNGOの中で、特にそういう人材に関して御意見があればお聞かせください。
若
若林秀樹#24
○参考人(若林秀樹君) ありがとうございます。
日本には四百、五百、NGOがあると言われておりますが、やっぱり戦後の様々な経緯を経てNGOが生まれて今日来ているんですが、なかなか、二極化というんですかね、大きなNGOと小さなNGOという差がやっぱり現実的にはあるのが現実ですけれど、一方、海外の国際NGOというのもやはり日本に来て活躍されているという意味においては、そういうNGOは比較的成長は早いというか、そのノウハウがありますのでそれはありますけれど、やはりNGOだからということで、例えば給与面の問題とか将来のキャリアプランという面でなかなか描き切れないのも現実ではないかなというふうに思っておりますので、そういう意味で、それはNGOだから給与面、条件面が低くていいなんというふうに全く思いませんので、どうしたらこれを、優秀な人材が来てくれるような条件面での整備が必要かということは日頃から議論をしているところで、そのためにも、NGO自身の努力とともに、戦略的に、繰り返しになりますけれど、政府からの援助もしていただけると、それに伴って様々なキャパシティービルディングというんでしょうか、そういうこともやっぱりできるんじゃないかなというふうに思います。
アメリカ政府は、七〇年代、八〇年代に戦略的に投資したことによって伸びていきましたし、日本は残念ながら一番欠けているのはファウンデーション、財団が少ないんですよね。その少なさと、規模もないですから、結局自己資金力だけに頼らざるを得ない部分において非常に厳しさがあるのではないかなと思っております。
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アメリカ政府は、七〇年代、八〇年代に戦略的に投資したことによって伸びていきましたし、日本は残念ながら一番欠けているのはファウンデーション、財団が少ないんですよね。その少なさと、規模もないですから、結局自己資金力だけに頼らざるを得ない部分において非常に厳しさがあるのではないかなと思っております。
朝
朝日健太郎#25
○朝日健太郎君 ありがとうございます。
最後の質問を上野参考人に。先ほど、若林参考人からNGOの活動を中心にありましたけれども、このグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンに加盟されている企業若しくは団体の中での、NGO的な、何というか、共存というか、その辺りのすみ分けとかいうのがもしあれば、若しくはグローバル・ネットワーク・ジャパンの中からの人材のこういった交流であるとか、そういったものがあればお聞かせください。
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上
上野明子#26
○参考人(上野明子君) お答えいたします。
実は、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンは、企業だけではなくて、NGOや大学、そして川崎市も署名されていまして、ここに若林さんのところのJANICさん、それから児童労働で有名なACEも会員になっています。そういう意味で、会員の中で、NGO、企業だけに限らずそういう勉強会がありまして、いつもお互いの状況を共有するようなことをしていますというのがまず内部的に一つございます。
あともう一つは、先ほども言いましたように、SDGs市民社会のようなNGOと今一緒に共同して政府への提言をするとか、来週も公明党さんの勉強会を共同でさせていただくとか、いろいろ共同していまして、一緒にできることを一緒にやろうというふうな、境を置かずにやろうという方針でやっております。
以上です。
この発言だけを見る →実は、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンは、企業だけではなくて、NGOや大学、そして川崎市も署名されていまして、ここに若林さんのところのJANICさん、それから児童労働で有名なACEも会員になっています。そういう意味で、会員の中で、NGO、企業だけに限らずそういう勉強会がありまして、いつもお互いの状況を共有するようなことをしていますというのがまず内部的に一つございます。
あともう一つは、先ほども言いましたように、SDGs市民社会のようなNGOと今一緒に共同して政府への提言をするとか、来週も公明党さんの勉強会を共同でさせていただくとか、いろいろ共同していまして、一緒にできることを一緒にやろうというふうな、境を置かずにやろうという方針でやっております。
以上です。
朝
牧
牧山ひろえ#28
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえでございます。
参考人の皆様、本日は、大変ためになる御講演、ありがとうございました。
さて、二〇一五年の二月に改定されました開発協力大綱、これにおきまして、政府は、新たに国益の確保に貢献する、こういった表現も加えて、日本にとっての戦略的重要性を踏まえて対外援助を行う方針を鮮明に示しておられます。
私は、日本の平和国家としての使命は、憲法の前文にある平和的生存権を国際社会において実現するために全力で取り組むことであると私は考えております。かかる点に鑑み、地球共生社会を実現するODAは、外交上極めて重要な柱となり得ると思います。
そこで、日本がODAによって目指すべきもの、狭い意味での国益という考えもあれば、一方で地球益ないし国際公益という考え方もあると思いますけれども、その辺りについての御所見を、日本のODAに対する現状の認識も含めて、若林参考人と山形参考人、お二人に御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
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さて、二〇一五年の二月に改定されました開発協力大綱、これにおきまして、政府は、新たに国益の確保に貢献する、こういった表現も加えて、日本にとっての戦略的重要性を踏まえて対外援助を行う方針を鮮明に示しておられます。
私は、日本の平和国家としての使命は、憲法の前文にある平和的生存権を国際社会において実現するために全力で取り組むことであると私は考えております。かかる点に鑑み、地球共生社会を実現するODAは、外交上極めて重要な柱となり得ると思います。
そこで、日本がODAによって目指すべきもの、狭い意味での国益という考えもあれば、一方で地球益ないし国際公益という考え方もあると思いますけれども、その辺りについての御所見を、日本のODAに対する現状の認識も含めて、若林参考人と山形参考人、お二人に御教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
野