元榮太一郎の発言 (法務委員会)

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○元榮太一郎君 熱のこもった、身に余るお言葉をいただきましてありがとうございます。私、機会があれば、またこの点についても進捗等々を確認させていただけたらと思います。
 続きまして、がらりとテーマは変わりますが、第四次産業革命ということで、アベノミクスの成長戦略の一つに位置付けられていますIoT、AI、ビッグデータ、こういうような最先端の技術の活用によって新しいサービスそして経済成長を生み出そうと、そういうような考え方であります。この波は、流れは司法の世界にも全く例外ではないと私は考えています。
 最近、アメリカの方から出てきている言葉として、情報技術、ITを利用して法律に技術革新をもたらすリーガルテックという、こういう言葉が生まれて広がりつつあります。まだ御存じない方もいらっしゃるかと思いますが、最近フィンテックという言葉はかなり新聞や報道等でも見かけると思います。金融にインターネットの技術を掛け合わせて金融をより身近で便利なものにしようということです。スマートフォンでいろいろと決済ができるようになったのもフィンテックの一つですし、最近ですと、家計簿のツールがありまして、スマートフォンのカメラでレシートを撮影しますと、その情報が家計簿アプリに反映されて収支の確認がしやすいとか、このような形で劇的に金融や家計の現場でイノベーションが起きているわけです。それの法律版、司法版、これがリーガルテックということであります。
 資料三の一にリーガルテックに関するものをまとめていますが、サービス内容は多岐にわたるんですけれども、法律専門家のアクセス支援だったり、法的な文書、契約書などの作成支援、裁判の手続支援、紛争やトラブル、法律の悩みの解決支援、そういうようなものにいろいろと分類されていて、そこで使われている技術もやはりAI、人工知能だったり自然言語処理などなど、いろいろと最先端の技術になっているわけです。既にアメリカで展開されているサービス、イギリスで展開されているサービスを例に挙げるとイメージが付きやすいと思います。
 ロス・インテリジェンスという会社、二〇一四年創業ですが、これは、破産に関して訴訟のリサーチを弁護士がするときに、人工知能に基づいて、もう大量の、数千件の関連判例から、質問に対して、担当する事件に役立つ内容を抽出した上で、このくらいの確信度ですよというデータとともに回答してくれるというものです。関連の資料も表示されるということで、回答が的確であれば承認ボタンを押して保存し、そうでなければ、却下を押すとまた、これではどうでしょうかというような情報が出てくるということで、これは弁護士の労働時間を劇的に軽減したと言われているものであります。
 そして、資料三の三ですが、ドゥー・ノット・ペイという、これは二〇一五年、イギリスでリリースされておりますが、交通違反の切符の異議申立てを行うためにつくられた世界初のAI弁護士ロボットと言われておりまして、交通違反の切符を切られたときに、チャット形式、最近LINEだったりいろいろなチャットツールがありますが、あの形式で質問に答えていくと、AI弁護士ロボットが、違反切符が取消しとなった過去の類似事例などの異議の申立てに必要な情報及び異議申立ての申請書まで画面に御丁寧に表示してくれるというものでして、実際に二十五万件の相談を受けて十六万件の違反切符を取消しにしたというような実績があって、いろいろとほかのサービスにも展開していくということのようです。
 そして、日本でも、二〇〇三年に創業したフロンテオという会社は、アメリカの民事訴訟手続などで証拠開示を求める手続、ディスカバリーというもの、これは海外展開する日本企業、米国展開する日本企業も当然巻き込まれるわけですが、その際に、社内の膨大な資料の中から適切な証拠を抽出するという、数百万単位の書類の中からお目当ての書類を見付けるとか、この膨大な作業を人工知能に委ねることによって劇的に弁護士の業務量を軽減して、企業にとっての弁護士費用の負担も軽減しているというものであります。
 このような動きがある中で、資料四、弁護士法七十二条というような法律があって、弁護士以外が有償で法律業務を行うことを簡単に言うと禁じている条文があります。そうしますと、先ほどのドゥー・ノット・ペイのようにAIが有料で顧客との法律相談を行う場合、これはこの七十二条との関係でどうなるのかと、こういうような問題といいますか、今まで考えも付かなかったようなことになっておりまして、一九四九年の弁護士法制定時に想定できなかった、そういうような時代になっております。
 私としては、このようなリーガルテックによって利用者にとって身近な司法、法律になって、そしてまた経済的ハードルも下がる、そしてリーガル市場の拡大も期待されます。オンラインで契約をガイダンスに従って作成する、そのようなオンライン契約マーケットというのがアメリカにありますが、もう既に数千億円の市場規模になっていて、二〇二〇年には兆の、三兆円になると、こういうような試算もあるぐらい、経済成長を後押しする効果もあるかと思いますし、また、二割司法という、今までずっと叫ばれていた、実際に弁護士や司法が救済するべき案件のうち僅か二割しか実際に司法サービスが利用されていないということに対する解決肢にもなるかと思います。
 是非このような新しいリーガルテックという流れを法務省としても普及に向けて検討すべき時期に来ているのではないかと思いますが、法務大臣の御見解を御教示いただければと思います。

発言情報

speech_id: 119315206X00420170406_012

発言者: 元榮太一郎

speaker_id: 33322

日付: 2017-04-06

院: 参議院

会議名: 法務委員会