安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田直樹議員にお答えをいたします。
天皇陛下の御公務の負担軽減等についてお尋ねがありました。
昨年八月、天皇陛下が国民に向けてお言葉を発せられたことを重く受け止めております。この問題は、国の基本、そして長い歴史とこれからの未来にかけての極めて重い課題であります。決して政争の具にしてはならず、政治家がその良識を発揮しなければならないものです。
現在、有識者会議で御議論いただいており、一昨日、論点整理が行われ、公表されました。昨日には、衆参両院の議長、副議長にもお示ししたところです。今後、衆参両院におかれまして、議長、副議長を中心に各党各会派からの意見聴取が行われるものと承知しております。それをしっかり受け止め、政府における検討を更に進めていく所存であります。
防災・減災対策についてお尋ねがありました。
糸魚川の大規模火災で被災された方々に、改めて心よりお見舞いを申し上げます。
一日も早い生活再建や事業再開のため、被災者生活再建支援法を適用するとともに、瓦れき処理や事業再開の資金調達の支援を厚くするなど、できることは全て行うとの考え方の下、被災地の復旧復興に全力で取り組んでいるところです。
今回のような木造建物が密集した地域における消防の在り方については、有識者を含めた検討会を設置し、今回の消防活動等を検証した上で、火災予防や消防活動、消防体制等の充実強化の在り方について検討を行ってまいります。
今後とも、様々な災害から国民の生命と財産を守るため、これまでの災害対応の在り方を検証し、そこから得られた貴重な教訓をしっかりと踏まえ、避難に関する情報提供の迅速化や自治体への人的、物的支援の充実など、ソフト、ハード一体となった総合的な防災・減災対策の体系的な見直しを不断に行ってまいります。
災害後の復旧復興の円滑化についてお尋ねがありました。
東日本大震災はもとより、昨年の熊本地震や北海道、東北地方を襲った一連の台風など、災害からの復旧復興を円滑に進めるためには、建設業の人材を確保し、災害復旧事業や復興事業を着実に実施する必要があります。
特に、入札の不調が増加している熊本地震の被災地では、東日本大震災の際にも実施したように、被災地の実情を反映した予定価格の設定を行うなどの対策を講じるなどして、事業の円滑な施工確保に努めているところです。また、北海道や東北などの積雪地においては、国庫債務負担行為を活用し、雪解け後直ちに工事着手できるよう事前に工事契約を行っているところです。今後とも、被災地の復旧復興に向けて、スピード感を持ってきめ細かく対応してまいります。
国際組織犯罪防止条約の国内担保法の整備についてお尋ねがありました。
東京オリンピック・パラリンピックの開催を三年後に控える中、テロ対策は喫緊の課題です。御指摘のとおり、テロを防ぐためには、逃亡犯罪人引渡しや捜査共助、情報収集において国際社会と緊密に連携することが必要不可欠であり、既に百八十七の国と地域が締結している国際組織犯罪防止条約の締結は、そうした協力関係を構築する上で極めて重要です。
国内担保法の在り方については、現在、犯罪の主体を一定の犯罪を犯すことを目的とする集団に限定し、準備行為があって初めて処罰の対象とするなど、一般の方々がその対象となることはあり得ないことがより明確になるよう検討を行っているところであり、国民の皆様の御理解を得られるような法整備に努めてまいります。
東日本大震災から見事に復興を成し遂げつつある日本の姿を世界に示すことは、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の大きな目的の一つです。被災地を駆け抜ける聖火リレー、被災地での大会イベントの開催等を進めるとともに、被災地における取組を世界に伝え、風評被害を払拭し、産業面を含めた着実な復興へとつなげてまいります。
大会の開催により多くの選手、観客等が来訪することを契機に、地域の活性化等を推進します。そのため、事前キャンプの誘致等を通じ大会参加国・地域との人的、経済的、文化的な相互交流を図る地方公共団体をホストタウンとして、被災地を含む全国各地に広げていきます。
また、伝統的な芸術からクールジャパンとして世界中が注目するコンテンツ、地域性豊かな食文化などを通じて、日本全国で大会の開催に向けた機運を醸成するとともに、これらを世界に発信し、地方創生、地域活性化につなげてまいります。
教育再生についてのお尋ねがありました。
我が国の未来、それは子供たちであり、一人一人の個性を大切にする教育再生を着実に進めることが重要です。
どんなに貧しい家庭で育っても夢をかなえることができるよう、誰もが希望すれば進学できる環境を整えなければなりません。このため、幼児教育無償化や高校生への奨学給付金を拡充するとともに、成績にかかわらず、必要とする全ての学生が無利子の奨学金を受けられるようにします。さらに、新年度から、返還不要の給付型奨学金制度を新たに創設することとしました。
また、先般成立した教育機会確保法を踏まえ、いじめや発達障害などの様々な事情で不登校となっている子供たちが自信を持って学んでいける環境を整えます。
教育は未来への先行投資です。全ての子供たちが未来に希望を持ち、それぞれの夢に向かって頑張ることができるよう、今後とも、必要な財源を確保しつつ、教育再生にしっかりと取り組んでまいります。
女性の活躍についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、子育てや介護、日頃の家事など様々な場面で活躍している女性の視点がより広く社会で活用されることで、様々な場面における意思決定の質が高まるものと確信しています。
今回の税制改正では、配偶者控除等について、配偶者の収入制限を百三万円から百五十万円に引き上げるなどの見直しを行うこととしています。これにより、女性を含め働きたい人が就業調整を意識せずに働くことのできる環境づくりに寄与するものと考えています。
出産などを機に離職した方の再就職や学び直しを支援するため、復職に積極的な企業を支援する助成金を創設し、職場で求められるスキルに直結する専門教育講座の受講料の補助を拡充する雇用保険法の改正案を今国会に提出するとともに、子育て女性が土日、夜間でも受講できる講座を増設してまいります。
安倍内閣は、これからも全ての女性が輝く社会の実現を最重要課題として全力で取り組んでまいります。
鉄道ネットワークの整備についてお尋ねがありました。
鉄道は、定時性、高速性に優れ、信頼性の高い交通機関であるとともに、環境に優しい交通機関です。特に新幹線は、開業から五十二年間にわたって乗客の死亡事故がゼロであり、最短三分間隔の運行での定時性の確保など、まさに世界に誇るべき日本の技術の結晶です。
全国をつなぐ鉄道ネットワークは、地域の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の推進に大きく寄与してきました。また、災害時における代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要な意義を有するものであります。
鉄道がこのような役割を最大限に発揮できるよう、利便性の高いネットワークの構築が重要です。一昨年は北陸新幹線、昨年は北海道新幹線が開業し、地域に大きな活力をもたらしました。これから、札幌や敦賀、長崎へと整備新幹線の着実な整備により、地方に成長のチャンスを生み出してまいります。また、リニア中央新幹線について、財投の活用により、大阪までの全線開業を最大八年間前倒しし、整備効果を早期に発現してまいります。
リニアと新幹線による高速鉄道ネットワークを軸に、東京や大阪、名古屋がハブとなって、日本全国、北から南まで地方と地方をつないでいく。地方創生回廊をつくり上げ、全国を一つの経済圏に統合することで地方に成長のチャンスを生み出していきます。
地方創生の更なる推進についてお尋ねがありました。
政府関係機関の地方移転の取組については、政府関係機関移転基本方針等に基づき、京都への文化庁の全面的な移転や石川県への東京国立近代美術館工芸館の移転、産業技術総合研究所の研究連携拠点の設置などを進めることとしております。こうした各機関の移転について、今後、関係省庁と地元が一体となり、国と地方の双方にメリットとなるよう着実に具体化してまいります。
企業の本社機能の地方移転については、株式会社小松製作所が本社機能の一部を石川県小松市に移転した先駆的な例があります。こういった取組を更に広めるため、地方拠点強化税制を拡充し、企業の本社機能の地方移転をより一層支援してまいります。
今後とも、情報、人材、財政面での支援など、あらゆる手段を活用し、地方創生にチャレンジする地方の皆様を全力で応援してまいります。(拍手)
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