安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大家敏志議員にお答えをいたします。
 円滑な事業承継に向けた取組についてお尋ねがありました。
 これから数年のうちに多くの中小企業が世代交代の時期を迎えます。企業価値を高めるほど相続税が重くなり、やる気がそがれるといった経営者の声も上がっています。中小企業の事業承継の円滑化は待ったなしの課題であります。
 こうした相続税の負担については、事業承継税制を措置しています。御指摘のとおり、来年度の税制改正において、災害や主要取引先の倒産があった場合でも適用を継続できるよう、また小規模事業者であっても使いやすいよう、雇用維持の要件を緩和します。
 後を継ぐに当たって個人保証が求められることが後継者不足を悪化させます。経営者保証ガイドラインを融資慣行として定着させ、金融機関が取引先企業の事業内容や成長可能性を適切に評価し、経営者の個人保証によらない融資等を行うことを促します。
 事業引継ぎ支援センターにおいては、後継者不足に悩む中小企業や譲受けを希望する事業者とのマッチング支援を行ってまいります。今後とも、あらゆる施策を総動員して、中小企業の事業承継の円滑化に向け全力で取り組んでまいります。
 今後の所得、給与の引上げについてお尋ねがありました。
 アベノミクスにより、政権交代後、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出す中で、賃上げは中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続で実現、長らく言葉すら忘れられていたベースアップも三年連続で実現し、税や社会保障負担等を差し引いた家計の可処分所得は二年連続で増加するなど、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれています。
 この流れをより確かなものとするため、今年の賃上げに向けて、少なくとも昨年並みの水準の賃上げ、特に、四年連続のベアの実施、期待物価上昇率も勘案した賃上げの議論、下請等中小企業の取引条件の改善を産業界に対してお願いをしているところであります。
 経団連が今年の春季労使交渉に向けた基本スタンスを取りまとめた経労委報告はこれを受けたものとなっています。今年の春季労使交渉においても前向きな成果が出ることを期待しています。
 政府としても、賃上げの流れを後押しすべく、最低賃金については四年間連続で引き上げ、合計七十四円の大幅な引上げを行いました。今後も、年率三%程度を目途に引き上げ、全国加重平均で千円を目指すこととしています。
 また、中小企業の賃上げに向けた環境整備についても、五十年ぶりに下請代金の支払についての通達を見直し、現金払を原則とするなど、下請等中小企業の取引条件の改善に取り組むとともに、高い賃上げを行う中小企業に対する所得拡大促進税制による税額控除の拡充、固定資産税の軽減措置の拡充、生産性向上のための設備投資等を行う中小企業に対する助成金の拡充など、税制、予算措置を総合的に講じてまいります。
 地方拠点の強化税制及び地方創生に向けた決意についてお尋ねがありました。
 地方において急速に進みつつある人口減少に歯止めを掛けるためには、地方に安定した良質な雇用を確保しなければなりません。地方拠点強化税制については、平成二十七年度に導入して以来、百件を超える事業者の計画が認定され、約七千人の雇用創出が図られています。
 例えば、ある大手製造企業は、東京都内の本社機能の一部を富山県に移転させ、研究開発部門を集約して四百人規模の拠点を設けています。このように、企業の本社機能の地方移転や地方拠点の拡充に向けた具体的な取組が動き始めています。
 さらに、御指摘のとおり、来年度税制改正には、地方における無期かつフルタイムの新規雇用に対し年間最大九十万円を税額控除額とするなど、更なる拡充を盛り込みました。
 もちろん、税制だけではありません。自由度の高い地方創生推進交付金による財政面の支援、地域経済分析システムによって官民のビッグデータを分析し、自治体のどのような取組が高い効果を生むかを見極める情報面での支援、地方の活性化に情熱と知見を有する国家公務員等を市町村に派遣し、また地方創生の様々な担い手を育成するなどの人材面の支援など、東京一極集中の是正に向けてあらゆる施策を組み合わせ、若者を引き付ける個性豊かな地方をつくり上げる挑戦を支援してまいります。
 就業調整を意識しなくて済む仕組みについてお尋ねがありました。
 就業調整を意識しなくて済む仕組みの構築は、税制だけで達成できるものではありません。御指摘のように、就業調整の一因となっている企業の配偶者手当や社会保険制度についても取組を進めていく必要があります。企業の配偶者手当については、経団連は、その再点検や見直しの検討を企業に促しており、一月の経済財政諮問会議では、私からも企業の配偶者手当の見直しなどの取組をお願いいたしました。
 社会保険制度については、働きたい人が働きやすい環境を整えるとともに、将来受け取る年金を充実させていくため、昨年成立した年金改革法により、中小企業で働く短時間労働者にも被用者保険の適用拡大の道を開きました。今後とも、このような取組を進めていくことにより、働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる環境づくりに努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119315254X00720170308_014

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2017-03-08

院: 参議院

会議名: 本会議