安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大門実紀史議員にお答えをいたします。
トランプ大統領の上下両院合同会議における演説についてお尋ねがありました。
トランプ大統領は、この演説において、税制改革やインフラ投資、規制改革等により強い経済を実現し、国防予算の拡大や国境制度改革等の推進を通じて、米国を再び偉大な国にするとの決意を強調しました。
世界に不確実性が増してきている中にあって、米国が強い国となり、日米同盟が更に強化されることは、地域や世界の平和と繁栄に資するものであり、トランプ政権と緊密に連携し、揺るぎない日米同盟のきずなを更に強化していきたいと考えています。
今回の日米首脳会談で立ち上げた経済対話についてお尋ねがありました。
これまでも日米構造協議などの二国間協議を行ってきましたが、これは日本の経済構造に課題があると米側が言ってきたことに対し、あくまでも我が国の国益に照らし、その指摘が正しいと考える部分については対応し、他方で、そうでない部分に対してはノーと言ってきたものであります。したがって、米国の要求に日本が譲歩させられてきたのが二国間交渉の歴史であるとは考えておりません。
今般、日米がウイン・ウインの経済関係を一層深めるため、麻生副総理とペンス副大統領の下で新たな経済対話の枠組みを立ち上げることで合意しました。日米主導で自由で公正な市場を世界に広げていくという日米共通の目標の下、今後、建設的な議論をしてまいります。
なお、二国間FTAについては、今回、具体的な要請はありませんでした。今後の日米対話の中で、どのような枠組みが最善かを含め議論してまいります。二国間であれ、多国間であれ、日本の国益をしっかりと守ってまいります。
賃金政策に関するお尋ねがありました。
まず、政府が進めている働き方改革については、長時間労働の慣行を断ち切り、同一労働同一賃金を実現し、正規と非正規の労働者の格差を埋め、多様な働き方の選択肢を処遇の差を気にすることなく選べる社会を実現するものであります。長時間労働を追認する等の御批判は当たりません。
アベノミクスにより、政権交代後極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出す中で、雇用と賃金の環境は大きく改善をしてきています。
雇用については、就業者数が百七十万人増加しました。特に正規雇用は、最近二年間で七十七万人増加し、非正規雇用の増加を上回っています。また、有効求人倍率は一・四三倍と約二十五年ぶりの高水準となり、史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、その状況が続いています。失業率は三・〇%と約二十二年ぶりの低い水準となっています。
賃金についても、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが三年連続で実現し、パートで働く方々の時給はここ二十四年間でも最高の水準となっているなど、所得環境の改善が進んでいます。さらに、最低賃金について四年間連続で引上げを行い、合計七十四円の大幅な引上げとなりました。最低賃金については、今後も年率三%程度を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていき、全国加重平均が千円に到達していくことを目標として取り組みます。
さらに、労働環境の改善に向け、非正規から正社員への転換などを行う事業主へのキャリアアップ助成金の拡充など、企業における正社員転換や待遇改善の強化を進めることとしております。
働き方改革での同一労働同一賃金については、働く人の立場に立ち、不合理な待遇差の是正を求める労働者が裁判で争えることを保障する実効性ある法制度としてまいります。働き方改革実現会議等の場でしっかりと議論いただいて法改正の内容を具体化します。
企業の内部留保の活用については、これまで取り組んできた法人税改革や二十九年度税制改正における所得拡大促進税制のめり張りを付けたインセンティブ強化により、企業に対して前向きな取組を促しているところです。これを受け、経済界も賃上げに向けて取組を進めていく旨表明しています。このような政策を積み重ねることにより、今後とも労働者の賃金、待遇の改善に努めてまいります。
研究開発税制の見直しについてお尋ねがありました。
御指摘の研究開発税制については、大企業を優遇するためのものではなく、将来の経済成長の基礎となる企業の研究開発投資を後押しするためのものであり、中小企業も含め幅広く利用されております。
今般の平成二十九年度税制改正においては、本制度について、特に大企業について、研究開発投資を増加させる場合には高い税額控除率を適用する、一方で、減少させる場合には従来よりも低い税額控除率を適用する制度とするなど、めり張りを付けた見直しを行ってきたところであります。
研究開発税制を含む政策税制については、今後ともその必要性や政策効果を見極めて、適切に見直しを行ってまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕