真山勇一の発言 (本会議)
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○真山勇一君(続) これは憲政史上例を見ない暴挙です。この決定は参議院規則にも違反するものであり、その根拠を申し上げます。
参議院規則第四十二条の二には、政府に対する委員の質疑は、国務大臣又は内閣官房副長官、副大臣若しくは大臣政務官に対して行うと書かれています。質問者は、官僚ではなく、大臣、副大臣、政務官に対して質疑をすることが大原則です。
また、四十二条の三には、行政に関する細目的又は技術的事項について審査又は調査を行う場合において、必要があると認めたときには、政府参考人の出席を求め、その説明を聴くと明記されているんです。仮に政府参考人の出席を求めるにしても、それが許されるのは細目的又は技術的事項についてのみであり、法案提出の理由や法案の意義などを官僚が答弁するのは明白な越権行為ではないでしょうか。
そもそも、憲法第六十三条には、答弁又は説明のため国務大臣の出席が求められたときは、出席しなければならないという義務が明記されています。憲法が採用する議院内閣制の下では、内閣の構成員である国務大臣が提出法案について国会で説明することは当然の職務であり、義務です。
また、平成十一年の国会審議活性化法で政府委員制度が廃止されたのは、直接国民に対して責任を負うべき国務大臣と議員との政策的な議論を主とするためであり、国会審議の形骸化を防ぐためなんです。
こうしたことを考えるにつけ、共謀罪法案の中身について答弁し説明すべきは、林刑事局長ではなく、金田法務大臣でなければならないのは当然のことです。
にもかかわらず、林刑事局長は政府参考人として常時出席するよう強行的に登録されました。そして、金田法務大臣が挙手をし、答弁しようとしているのを、事もあろうに、安倍総理大臣と盛山副大臣が、金田大臣を両側から押さえてまで林刑事局長に答弁させるという姿がテレビで繰り返し放映された場面は、まだ目新しく、多くの国民の皆さんの失笑を買う事態を招いたのではないかと思います。このようなことが秋野委員長の本意であったとは、私には信じられません。しかし、こうして厳正であるべき参議院法務委員会の審議が委員長の強行的な運営によって本来あるべき姿から懸け離れてしまったことは、紛れもない事実なのです。
もちろん、私たちも林刑事局長に質問すべき細目的、技術的事項があれば、きちんと林刑事局長の出席を求めて、答弁を要求しています。先月、民法改正案の審議の最終盤、覚えておられると思います、私たちの会派の小川敏夫議員は、法務省の小川民事局長の出席を求めた上で、細目的、技術的事項を含む多岐にわたる質問を連続二時間半にわたって徹底的に小川局長に対して行いました。
私たちは、林刑事局長にも同様に、質問すべき事柄があれば、その都度、政府参考人として出席を求めて、きちんと答弁を求めるつもりです。しかし、その必要があるかどうかは質問者が考え、要求することであり、委員長ではありません。共謀罪の第一回目の審議が始まる前に、なぜ林刑事局長の常時登録が必要だと判断できるんでしょうか。
秋野委員長は医師でもあります。ある日のこと、委員会が始まる前のひととき、こんな場面があったのを私は覚えています。腰痛や高血圧など、国会議員の皆さんにもありがちな病気の悩みの話になったときのことです。委員長は、いつもの穏やかな表情で、とても分かりやすく明快に的確な治療法や対応策の仕方を話してくださいました。このとき以来、実のところ私は、秋野委員長は名医だと思っています。
しかし、委員長、よくお考えください。共謀罪法案の最初の委員会審議の冒頭で政府参考人の常時登録を議決したことは、あたかも診察もせずに処方箋をいきなり出すようなものではないでしょうか。委員長、こんなやぶ医者みたいなことをやってはいけません。
私は、再三にわたってこの包括議決を撤回していただきたいと秋野委員長に申し入れてきましたが、受け入れられることはありませんでした。徹底審議を行うこと、これが会期末を控えた今、私たちがやらなければならないことです。
委員長、一体何があったんでしょうか。もし仮に、秋野委員長ですら政権の意向をそんたくせざるを得ないような圧力が働いているのだとしたら、日本国民としてはこれほど腹立たしく悲しいことはありません。
参議院における共謀罪の審議をめぐっては論点がようやく明確になってきているのに、政権側の横暴さはむしろ加速し始めています。安倍総理は、ラジオ番組で、国会における私たちの法案審議について、不安を広げる議論を延々しているなどと、まるで言いがかりのような許し難い発言をしました。そんなことはありません。逆に、今回の法案には一般の方々が不安に思われても仕方がないような条文が多々あるからこそ、それを一つ一つ問いただしているのです。法案の中身について広く国民に知ってもらい、国民の理解を深めていくことが国会の役割であり、それに応じるのが内閣の義務、安倍総理の務めではないでしょうか。
大切な議論を小ばかにするような総理の言葉は、国会軽視、いや国会無視も甚だしいことです。人々が不安にならざるを得ない欠陥法案を出したのは安倍内閣ではないですか。たとえ野党から求められなくたって、法案に対する疑問や懸念を明快な言葉で解消していくのが安倍政権の義務ではありませんか。議論を求めている野党が悪いなどという印象操作は、国会議員の質問権を妨害する大変な弾圧行為です。
疑念や懸念を抱いているのは日本国民だけではありません。国連特別報告者のカンナタチ氏は重大な疑念と懸念を公開の場で提起しています。政府は、TOC条約締結を共謀罪法案の立法事実、法律を作る根拠に挙げています。国連の権威を利用して法案の成立を図ろうというなら、この法案の疑念や懸念について、まず国連に対して誠実かつ丁寧に説明してこれを解消すべきでしょう。
また、政府は、法案への懸念を表明したカンナタチ氏に対して回答すると委員会で明言しています。それならば、回答の期限を明確にし、そしてその回答の内容を踏まえて審議をしない限り採決は行わないというのが当たり前の話ではないでしょうか。こうした当たり前のことを私たち野党は再三にわたって求めてきましたが、今に至るも誠実な答えは何一ついただいておりません。
私たちはこの共謀罪法案の徹底的な審議を求めています。衆議院では三十時間の審議時間でしたが、良識の府たる参議院では三十時間をはるかに超えた審議でもよいくらいだと私は個人的に考えています。この法案は、憲法十九条に規定する思想及び良心の自由、つまり内心の自由を侵害する違憲無効の疑いが濃い大変重要な法案です。だからこそ、通り一遍の審議で成立させてしまっては、国民の皆さんに対して私たちは申し訳が立ちません。
政府・与党も、この法案が合憲で安全なものと自信があるのなら、どうぞ徹底した審議に応じてください。そして、これだけ重要な法案であるからこそ、その審議は議会のルールにのっとり、賛成派も反対派も納得できる形で慎重に行うことが大原則ではないでしょうか。
しかし、秋野委員長は、初回の委員会審議の冒頭で包括議決をやってしまい、昨日六日の委員会をも職権で強行に開催しようとしました。
このところの世論調査では、共謀罪に対する反対が賛成を上回りつつあり、八割近い方が政府の説明は不十分と言っているんです。また、森友学園疑惑、加計学園疑惑の問題についても国民の不信と不満が広がり、こちらも国民の七割以上の方が政府の説明は十分ではないと言っています。それなのに、とにもかくにも強引に委員会を開催してしまい、政府・与党が勝手に決めた審議時間が消化できたからといって、はい、これでおしまいとばかり国会を閉会するつもりなんでしょうか。そんな国民軽視、国会無視の姿勢は断じて許し難いことです。
こうしたことがまかり通ってしまうのは、安倍政権はやはり常軌を逸しているとしか言いようがありません。そして、そんな政権の手先となり言いなりになってしまったかのような秋野委員長に私たちは失望し、じくじたる思いでこの解任決議案を提出しました。与党、特に公明党の皆さんの中には、日本の立憲主義、民主主義の未来を憂える方も数多くおられること、承知しております。
果たして国会は、とりわけ良識の府である参議院の在り方はこれでいいのかと、いま一度、真剣熟慮の上で、この解任決議案への賛否を決めようではありませんか。
ありがとうございました。(拍手)
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