西田昌司の発言 (本会議)

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○西田昌司君 自由民主党の西田昌司です。
 自民・公明を代表し、ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案、いわゆるテロ等準備罪を新設するための組織的犯罪処罰法改正案について、賛成の立場から討論を行います。
 本法案は、昨今世界各地でテロ行為が頻発する情勢の中、テロを含む重大な国際的組織犯罪を未然に防ぐため、国際協力体制の強化を図る国際組織犯罪防止条約、いわゆるTOC条約を締結することを目的とし、そのための国内担保法の制定を目指しています。
 テロリストが国境を越え、活動し、貴重な命をも奪う事件は頻発しております。英国、フランス、ドイツ、ベルギーなど欧州各地で続いた悲惨なテロ事件は記憶に新しいところであります。統計的に見れば、これまで日本は国際テロの件数が非常に少ない北東アジアに位置していることもあり、テロについて身近な脅威として緊張感を抱くことが多くなかったのかもしれませんが、今やテロ組織はグローバル化しており、世界中どこでもターゲットとなり得ます。
 我が国では、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。海外からの大勢の選手、観客などが集まるビッグイベントです。無関係の市民を標的とする事件が多発している現実を前にして、我が国は、世界各国の方々が集まる国際的競技大会の開催国として、テロを現実に差し迫った脅威として認識し、安全な大会の開催に向けて万全の対策を講じていかねばなりません。
 TOC条約を締結することは、テロなど組織犯罪の発生を未然に防止し、かつ闘っていくための国際協力の枠組みを形成し、緊密な協力連携関係の促進を図っていくための前提です。TOC条約は、既に世界百八十七の国・地域で締結されており、日本を除くG7加盟国も締結済みです。市民の生命を脅かし、命を人質に自由を奪うテロ等に立ち向かう国際的な連携に入れない、ひいては卑劣なテロ行為を防ぐ国際的ネットワークの抜け穴になるおそれがあるという我が国の現状は一日も早く解消されるべきであります。
 TOC条約の締結には、重大な犯罪を行うことの合意又は組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪化することを求めています。組織的犯罪処罰法改正案なしに現行法のままで条約に加盟ができるという一部野党の主張がありましたが、これまでの丁寧な審議の過程で、その主張は正しくないということが明らかになったと言わざるを得ません。本条約を所管する国連薬物犯罪事務所、UNODCの口上書では、重大な犯罪の合意罪、すなわちテロ等準備罪の創設が不可欠であることが確認をされています。
 また、野党は、この法律を共謀罪と呼び、治安維持法の復活だとか一億総監視社会が始まるなど、国民を欺くかのような主張を何度も何度も繰り返してきました。しかし、本法案は、以前政府が提出をした共謀罪新設の際に国会審議過程の中で挙げられた懸念等を踏まえ立案されており、国民の不安や疑念を十分に払拭するものとなっています。野党の本法案への非難、レッテル貼りは全く根拠がありません。
 まず、共謀罪とは大きく異なり、構成要件が厳格化されており、犯罪対象となる主体は重大な犯罪の実行を結合の目的とする組織的犯罪集団と明文化しています。さらに、行為については、具体的かつ現実的な計画とそれに基づく準備行為を要しております。これら三重もの厳格な構成要件に限定することで、懸念されているような組織的犯罪集団とは関わりのない一般の人々は捜査対象とはなり得ないことは明らかです。また、組織的犯罪集団に限定した処罰を科す刑法であり、我が国の憲法において尊重される内心の自由を侵すものでないことも明白です。対象犯罪も、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される二百七十七の罪状に限定されており、抑制的な内容となっております。
 にもかかわらず、ただただ質問のための質問に時間を費やした挙げ句、審議時間が足りないと言いながら、法務委員長解任決議案や法務大臣問責決議案を提案する野党の姿勢は、国民の生命と自由、テロに立ち向かう国際的な協力をないがしろにしており、参議院議員としての責任のある態度とは言えないのではないでしょうか。
 以上、我が国において断じてテロを起こさせない、卑劣な行為から国民の命を守り抜く、そして、テロに立ち向かい、自由と国民の生命、平穏な生活を守るという各国との連携に加わるという強い決意の下、本法案への賛成を強く訴えて、私の賛成討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 西田昌司

speaker_id: 19213

日付: 2017-06-15

院: 参議院

会議名: 本会議