宮家邦彦の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(宮家邦彦君) 大変難しい御質問でありますが、私なりのお答えをいたします。
まず、トランプ政権について言うと、私は、彼はまだ選挙キャンペーンのモードから統治モードに完全に移行し切っていない。恐らくトランプさん自身は四年間これからツイートをし続けると思うし、その意味では彼はずっとキャンペーンモードのままなのかもしれません。これがまず第一に。そういいますと、申し上げるということは、例えばキャンペーン中に金正恩さんに会うとか会わないとかいう議論がありました。あれもキャンペーンだと思って聞き流すしかないんだと思うんです。これがまず一つの要素ですが。
もう一つの要素は、そうはいっても、トランプさん、先ほども申し上げたとおり、国際情勢について、意識しているかどうかは別にして、一種の戦略的な動きをしていることは間違いはない。そして、戦略的な問題について、彼はあえてはっきりと政策を打ち出すケースと、それから、あえて曖昧にしたままの、戦略的な曖昧さを維持した部分があると思うんですが、例えばロシアとか中東についてはまだ曖昧にしていますけど、アジア政策についてはかなりはっきりと、選択的にしっかりとした立場を表明しています。これがいい意味でも悪い意味でもアメリカの基本的な方向になっていく可能性が高いのかなと思っています。これが二点目です。
そうなると、やはり今後は、北朝鮮とアメリカ、もちろん中国もそうなんですが、腹の探り合いを、これから始まる可能性があると思います。恐らくアメリカにとっては一九九四年以来初めて北朝鮮若しくは朝鮮半島で力を行使する可能性があるよということを、本当にやるかどうかは別として示している。これ一つのメッセージであり、テストですよね。それに対して北朝鮮がどう出てくるのか。いろいろなこのせめぎ合いをやった後で次の方向性が出てくると思っています。
軍事的なオプションというのは、いろいろなところで言われますけど、非常に無責任な話だと思います。オサマ・ビンラーディンと金正恩の話を同一することは不可能です。パキスタンの小さな町にいた人をやっつけるのと、平壌のどこにいるか分からない、別のところにいるかもしれない、北朝鮮をピンポイントでという話とは全く別のオペレーションになると思います。幾ら、私、特殊部隊が優秀でも、そこまでの情報はないんじゃないかと。さらに、その場合に、もし打ち方を間違えると、それは休戦協定が壊れる可能性すらあるわけです。そのようなことを考えますと、そんな簡単に実力行使をすることは考えられない。当面は、今申し上げたような腹の探り合いをやった中でシグナルを送りながら、強く押したり引いたりしながら次の方向性が見えてくるのではないかなと思います。
それから、今のクアラルンプールの話については、ますます分からないことだらけで、無責任なことを申し上げるつもりはないんですが、私の先ほどの仮説をもし思い出していただければ、先ほど申し上げたとおり、トランプ政権がもしアジア方面においてはより力を示す形の外交政策に変更しているのであれば、それは北朝鮮に対していろんな形で伝わっているはずでありまして、亡命政権だクーデターだといろんな議論があります、そこは私は分かりませんけれども、何らかの形で、北朝鮮の上層部若しくは正恩さん本人が何らかの疑心暗鬼を持った、若しくは過剰反応したという可能性は否定できないだろうと思います。