宮家邦彦の発言 (予算委員会公聴会)
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○公述人(宮家邦彦君) 私は外務省で、国際法の専門家ではありません。地べたをはいつくばっておりましたので、必ずしも正しいお答えができるかどうか分かりませんが。
おっしゃるとおり、フィリピンのやり方というのは、いわゆる領有権の問題ではなくて、領有権以外の問題について裁判所にうまく管轄権を持たせた非常にうまいやり方だったろうと思います。中国からすればとんでもないやり方だろうと思います。
しかし、あれはそれで効果がありましたけど、じゃその後どうなったかというと、フィリピンに対して物すごい圧力が掛かって、そしてフィリピンも、今はどのような状況か分かりませんが、中国と戦争したくないから、戦いたくないから、まあいろいろ、今の状況では少しずつ、和解には向かいませんけれども、棚上げまでいかないけれども、ふにゃふにゃふにゃとしているわけですね。
それを日本が、私は法的に確信を持って言えませんけれども、やろうとすることは一つのオプションとしてあり得ると思っています。ただ、本当に同じような問題、十五ぐらいありましたよね、あれだけのものが竹島の周辺にあるのかどうか私分かりません。しかし、方向として、通常型の国際法上、つまり国際裁判所でも、管轄権、両当事者が認めなければ生じないというその問題を棚上げする意味で、今おっしゃったやり方は一つの方向性だと思います。
しかし、それをやるとなると、これは小此木先生の御判断だと思いますけれども、これ本当にけんかになるんです。ガチンコのけんかになります。そして、結論が出たときに相当もめます。そして、それこそ取り返しが付かないぐらいもめるかもしれません。その可能性はゼロではありません。
したがって、私は、それも一つの方法なんですけど、今委員おっしゃったように、未来永劫返ってこないかと、まあそうかなと思いつつ、希望を私は持っておりますし、この問題はそもそも昔からある話であります。昔はどうしていたかというと、御承知のとおりアグリー・ツー・ディスアグリーだったんです。同意しないことに同意していたんです。お互いに外務大臣レベルで話し合っても、片っ方が文句言って片っ方が文句言い返すと。それで、じゃ次はという形で何とか処理をしてきたわけですよね。それをもし白黒を付けようとして、そして裁判所に行って実際にあれが出すとですね、そのアグリー・ツー・ディスアグリーができなくなるんですよ。それでいいのかという問題と、それから、今、日本ができることは、確かに不愉快なことなんですが、時効を止めなきゃいけないんです。時効を止める方法をほかに考えなきゃいけない。その意味では、提訴をしておくというのも一つの方法かもしれない。何らかの形で国際法的に、日本はそれを認めたのではないんだ、まだまだ先があるんだという形にしておいて、アグリー・ツー・ディスアグリーでいくのが本来一番いい方法かなと私は思っているんですが、どうも今の日韓関係を見ていると、そこまでいかないような気もいたします。