加藤勝信の発言 (厚生労働委員会)

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○加藤国務大臣 厚生労働委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げます。
 厚生労働大臣に就任してから三カ月が経過しましたが、厚生労働行政の幅広さ、責任の重さを改めて実感しております。国民の生活を生涯にわたって支える厚生労働省の長として、国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。
 一億総活躍社会の実現は、安倍内閣の最重要課題であります。
 少子高齢化が進む中、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けて全力で取り組みます。
 その最大のチャレンジである働き方改革は、一人一人の意思や能力、置かれた事情に応じた多様な働き方の選択を可能とするため、働く方の視点に立って行う改革であります。既に、働き方改革を実現するための法案要綱を取りまとめ、九月には、労働政策審議会から、おおむね妥当という答申をいただいております。長時間労働の是正や同一労働同一賃金を初めとする改革を実現するため、法案の早期提出に向けた準備を着実に進めます。
 働き方改革の実効性を担保するため、長時間労働が行われている企業に対する監督指導を徹底します。また、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善等に取り組む企業に対する支援を進めます。さらに、地方の中小企業まで働き方改革の取り組みが浸透するよう、地方自治体等とも協力しながら、全国各地で説明会を開催するなど、きめ細かく支援をしてまいります。
 最低賃金については、働き方改革実行計画等において、年率三%程度を目途として引き上げを進め、千円を目指すとされています。本年度は全国加重平均で二十五円引き上げ、時給換算になって以降、昨年度と並んで最大の上げ幅となりました。
 賃金引き上げの流れを後押しし、生産性革命を実現するため、介護、生活衛生分野における生産性向上のためのガイドライン作成や、保育園等におけるICT化の推進、中小企業事業主による生産性向上に向けた取り組み等への支援を進めます。
 また、人的投資を強化するため、リカレント教育の抜本的拡充などにより、生涯にわたる学び直しと新しいチャレンジの機会を確保します。加えて、二〇二三年の技能五輪国際大会の我が国への招致を通じ、技能尊重機運の醸成等に取り組みます。
 転職、再就職支援については、年齢にかかわりない多様な選考、採用機会の拡大に向けた検討を進めるとともに、働く方の希望や能力に応じた転職支援等に取り組みます。
 六十五歳を超えた方の継続雇用や定年延長を行う企業に対する支援、ハローワークによる再就職支援の強化など、働きたいと願う高齢者の希望をかなえるための支援を一層進めます。
 女性が輝く社会の実現に向け、女性活躍推進法に基づく女性活躍に関する企業の情報の見える化を推進するとともに、仕事と子育て等との両立を図るため、育児休業制度を初めとした両立支援制度の普及等に取り組みます。
 人づくり革命を進めるため、子育て世代、子供たちに大胆に投資し、お年寄りも若者も安心できる、全世代型社会保障制度を構築します。
 待機児童の解消等に向けて、子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度までに三十二万人分の保育の受け皿を整備するとともに、そのために必要な保育人材の確保等をさらに進めます。幼児教育、保育の無償化について、三歳から五歳児については全面無償化し、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯について無償化を行います。放課後児童対策についても、量的拡充を進めるとともに、社会のニーズに応じ、子供の自主性、社会性を育む観点などからそのあり方について検討します。
 また、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する子育て世代包括支援センターの全国展開、産後ケアの充実、不妊治療への支援等にも取り組みます。
 全ての子供には、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される権利があります。改正児童福祉法の着実な施行を通じ、地域における児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策を推進するとともに、新たな社会的養育ビジョンの内容も踏まえ、里親制度の充実強化等を推進します。
 さらに、一人親家庭を支援し、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当による経済的支援、就職に有利な資格の取得支援等に総合的に取り組みます。
 団塊の世代が全員七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、地域包括ケアシステムの構築を一層推進していくことが必要であります。二〇一八年度は、医療計画、介護保険事業計画、障害福祉計画の新たな計画期間が始まる年であり、また、六年に一度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定が行われる重要な節目の年です。このため、国民一人一人に必要なサービスが提供されるよう、新たな計画の策定や報酬改定に向けた検討を進めます。あわせて、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進を両立し、国民負担の軽減と医療の質の向上を実現する観点から、薬価制度の抜本改革に取り組みます。
 今後、少子高齢化に伴い医療、介護のニーズが増加する中で、質が高く効率的な医療提供体制の構築に向け、地域医療構想の達成に向けた取り組みを一層進めます。医師の働き方改革を進めるため、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえ、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、時間外労働規制の具体的なあり方、労働時間短縮策等に向けた検討を進めます。また、医師等を初めとする需給推計、養成確保、偏在対策等についても検討を進めます。
 さらに、健康、医療、介護に関するデータ利活用基盤の構築を軸に、保険者機能の強化やゲノム医療、AI等の最先端技術の活用等、データヘルス改革を戦略的、一体的に推進していくとともに、審査支払い機関の改革を進めます。
 医薬品、医療機器産業については、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに、後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します。また、C型肝炎治療薬の偽造薬が発見された事案を初め、医薬品に対する国民の信頼を揺るがしかねない事案が相次いでいることを重く受けとめ、医薬品の製造及び販売における法令遵守の徹底や、医薬品等の安全性の確保に努めるとともに、制度的対応を含めたさらなる安全対策を検討します。
 国際保健の分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、薬剤耐性菌を含む感染症対策等のグローバルな課題に的確に対応します。
 家族の介護のために離職せざるを得ない状況を防ぎ、働き続けられる社会の実現を目指します。このため、介護の受け皿五十万人分の整備を進めるとともに、他の産業との賃金格差をなくしていくためさらなる処遇改善を進めるなど介護人材の確保に取り組み、二〇二〇年代初頭までに介護離職ゼロを目指します。
 受動喫煙による健康影響が明らかとなる中、国民を望まない受動喫煙から守るための対策を徹底することが必要です。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック等を契機に、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、できるだけ早期に法案を国会に提出できるよう準備を進めるとともに、各種支援策の推進、普及啓発の促進など、総合的かつ実効的な取り組みを進めます。
 がん対策については、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生の三つを柱とした第三期がん対策推進基本計画に基づき、がんゲノム医療の実現や希少がん、難治性がん対策の充実、がん患者の就労支援の推進等、総合的ながん対策を進めます。
 いわゆる民泊サービスの制度化にあわせた旅館業の規制緩和を進めるとともに、無許可の民泊に対する取り締まりの強化等を内容とする法案を今国会に提出いたしました。
 また、水道施設の老朽化の進行、人口減少等が課題となる中、水道事業の基盤強化を図るための水道法の見直しに向けた準備を進めます。
 さらに、東京オリンピック・パラリンピック競技大会等を契機として、我が国の食品衛生管理について国際標準との整合性を図るとともに、先般の腸管出血性大腸菌O157による広域的な食中毒事案を踏まえ、こうした事案に的確に対応するための体制整備を進めるなど、食品安全をめぐる環境の変化を踏まえた食品衛生規制の見直しを進めます。
 人口減少や急速な高齢化、地域社会の脆弱化などの社会構造の変化の中で、人々が、さまざまな生活課題を抱えながらも住みなれた地域で自分らしく暮らしていけるよう、地域の住民や多様な主体が支え合い、住民一人一人の暮らしと生きがい、そして地域をともにつくっていく地域共生社会の実現を目指し、包括的な支援体制の構築等を進めます。
 さきの通常国会で成立した改正介護保険法に基づき、地域包括ケアシステムの構築を一層推進していくとともに、生活困窮者自立支援制度について、生活保護に至る前の段階で、支援が必要な方をしっかりと相談支援につなげ、就労、家計、住まいの支援などを組み合わせた支援を行う体制の強化に向けて検討を進めます。また、生活保護制度については、必要とする人には確実に保護を実施するという基本的な考え方のもと、医療扶助のさらなる適正化、就労支援や大学等への進学支援といった自立支援に向けた見直しを検討するとともに、生活保護基準の検証を進めます。
 障害のある方々がみずからの望む地域生活を営むことができるよう、生活や就労の支援を充実させるほか、グループホームの整備などに取り組みます。また、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を確実に受けられる仕組みを整備するなど、精神障害を持つ方々が地域で安心して生活できるようにするため、精神保健福祉法の見直しを含め、必要な対策を進めます。
 アルコール健康障害対策やギャンブル等依存症対策については、専門医療機関の選定や相談体制の整備、民間団体の活動支援等を総合的に推進します。
 自殺対策については、七月に閣議決定された自殺総合対策大綱に基づき、関係府省と連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取り組みを一層強化します。また、座間市における事件の再発防止に向けて、若者向けのSNSを活用した相談機会の確保等を進めます。
 年金制度については、昨年の臨時国会で成立した年金改革法に基づき、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進や、年金積立金管理運用独立行政法人を国民から一層信頼される組織とするための体制強化などを着実に進めます。また、八月から施行された年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮について、対象となる方へ着実に年金が支払われるよう、引き続き万全を期していきます。
 さらに、一月から加入範囲が大幅に拡大された個人型確定拠出年金制度の周知、広報を図り、私的年金の一層の普及に取り組みます。
 年金事業運営については、振替加算の支給漏れ事案を踏まえ、これまでの事務処理誤り等の総点検を行います。また、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進、情報セキュリティー対策等に着実に取り組みます。
 援護施策については、海外遺骨収集等事業における不適正経理に関して会計検査院から指摘を受けたことを重く受けとめ、再発防止に努めるとともに、戦没者遺骨収集推進法に基づき、国の責務として、一柱でも多くの御遺骨を収容し、御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くします。
 また、慰霊事業に着実に取り組むとともに、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策について、引き続き、きめ細かく実施します。
 東日本大震災の発生から六年半がたちましたが、避難生活が長期化している被害者の方々も依然として多くいらっしゃいます。私自身、九月に被災地を訪問し、復興に向けた歩みを自分の目で見てまいりました。私自身も復興大臣であるとの強い意識のもと、被災者の心に寄り添い、復興に向けた取り組みを進めます。
 また、台風による豪雨被害を初め、全国各地で相次ぐ自然災害からの一日も早い復旧復興に向けて、関係省庁とも連携しつつ、スピード感を持って全力で取り組みます。
 委員長、理事を初め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 加藤勝信

speaker_id: 5843

日付: 2017-11-22

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会