西岡力の発言 (北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会)

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○西岡参考人 御紹介いただきました、救う会の会長をしております西岡でございます。
 トランプ大統領と金正恩のチキンレースが続いております。私は、今こそ拉致被害者救出の機会が来たと考えています。しかし、危険も多いです。慎重に、できる限り最大の努力を傾けて、全被害者の安全確保と帰国を実現しなければなりません。
 先ほど斎藤さんもお話しになりましたが、我々は、ことしの二月に、政府に拉致問題を最優先としてことし中に全ての被害者を救出することを求めるという運動方針を決めました。その背景には家族の高齢化という現実がありますが、それだけではありません。核問題でアメリカを初めとする国際社会が強い圧力をかけている今こそ、全被害者救出のチャンスだと考えているからであります。
 もちろん、我が国が何もしなければ、国際社会の核問題をめぐる暴風の中で、拉致被害者救出の旗は飛ばされてしまうでしょう。しかし、ここで踏みとどまって、我が国が主体的に最優先で取り組めば道は開けると信じております。
 北朝鮮は、過去、米軍が軍事的圧力をかけたとき、譲歩しました。過去二回あり、今が三回目だと思っております。
 一回目は、寧辺の原子炉でプルトニウムをつくっていることが発覚し、クリントン政権が爆撃の準備をしたときであります。金日成が出てきて、原子炉をとめました。
 しかし、その後もパキスタンから濃縮ウラニウムをつくる技術を導入して核開発を続けたのでありますが、そのことが発覚したのが、テロとの戦争の真っただ中のブッシュ政権のときでありました。このときが二回目のチャンスです。そのとき、有名なブッシュ大統領の悪の枢軸演説があり、北朝鮮の核開発を戦争をしてでもやめさせるとブッシュ大統領が言ったとき、小泉総理が平壌に呼ばれました。
 しかし、残念ながら、当時の外務省は、拉致被害者救出を最優先にしておらず、国交正常化を優先していたので、五人生存、八人死亡、それ以外いないという北朝鮮の調査結果を検証なしに公表して既成事実化を図ったり、帰国した五人の被害者を再び北朝鮮に戻そうとさえしました。
 今、三回目のチャンスが来ていると思います。このチャンスを生かすために、幾つかのことが必要です。
 まず第一に、アメリカに十分な事前説明をしなきゃなりません。核・ミサイル開発をやめさせるために日本はともに戦うが、拉致問題は深刻であるので最優先で取り組むということを、まずアメリカに説明しなきゃならない。そのことはかなりの程度成功したと思っております。トランプ大統領が国連の演説で、国連の演説というのは通常は自国のことを話すのでありますが、日本人拉致問題を話された。これは初めてのことであります。この間の努力が実ったというふうに思っています。
 そして、アメリカへの説明の後必要なことは、この根回しを背景にして、金正恩政権に対して、国際社会は核、ミサイルで制裁をかけている、日本は拉致と核、ミサイルの両方で制裁をかけている、あなた方にとって相対的に容易なのは拉致の方だろう、秘密協議で全被害者帰国について話し合おう、見返りも出せるという提案を金正恩に届くようにし続けることであります。
 ただし、その見返りについては、あくまでも全員一括帰国という条件を崩してはならないと思います。それがあれば核問題が進展しなくても一定の見返りを出すという形で交渉ができるというメッセージを金正恩政権に発し続けるべきだというふうに思っております。
 例えば、人道支援については、二〇〇四年、めぐみさんと松木さんのものと称する骨がにせものだったときに、日本政府はそのことを理由に人道支援をとめておりますが、国際制裁で人道支援ストップは入っておりません。
 ただ、このようなことで北朝鮮が日本との交渉に先に乗ってきた場合、アメリカが日本を、裏切ったといってとめないような装置は今できている。あるいは、アメリカとの間で先に話し合いが始まったときも、アメリカが拉致を無視できないようなことに一定程度今なっている。
 しかし、その前に北朝鮮で政変が起きるかもしれません。アメリカの今の政策は、軍事的なこれ見よがしな圧力をかけて、戦争ではなくて心理戦で政変を起こそうとしているように私には見えています。その後、どのような体制になるか。その政変が起きた場合に、その次の政権との間で素早くパイプをつないで全被害者の救出という交渉をしなければならないと思っておりますし、最悪の場合、戦争ということが、可能性はゼロではないというふうに思っております。あるいは、政変の後混乱が起きる、三枚目のケースで、混乱が起きるということもあり得ると思います。そのようなときに何ができるのか。
 これは、先生方がぜひいろいろな観点から、今の法制で何ができるのか、今の法制で足りないのであれば何が必要なのかということを真摯に、そして静かに議論していただきたいというふうに思っております。
 そして、政府に強く求めたいのは所在情報であります。生存情報よりも難しいのは所在情報です。しかし、救出のためには、今どこにいるのかという情報がなければ何もできません。そのために、より一層の努力、人材、予算を投入してほしいと思います。
 最後に、加藤担当大臣は、十二月十六日の政府主催のシンポジウムで、北朝鮮に対して圧力を最大限に高めて政策を変えさせることを目指すという戦略を語りました。私はそれに基本的に賛成であります。ただし、その政策を変えさせるものの中に、核だけではなくて、全被害者救出というものも日本の要求だと言い続けなきゃならないということであります。
 きょうも被害者が日本からの助けを待っています。私たちは、苦しいとか諦めたとか、絶対に言えないと思っています。この闘いは勝たなきゃならないと。先生方のお助けをよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 西岡力

speaker_id: 5754

日付: 2017-12-21

院: 衆議院

会議名: 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会