安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上義久議員にお答えをいたします。
今後の政権運営と政策実現への私の決意についてお尋ねがありました。
先般の総選挙において、私たち連立与党は、国民の皆様から、三分の二を超える力強い信任をいただきました。その責任の重さを深く胸に刻み、自由民主党、公明党の強固で安定した連立基盤の上に、謙虚な姿勢で真摯な政権運営に当たってまいります。
急速に進む少子高齢化を克服し、子供たちの未来を切り開く、北朝鮮の現実の脅威に対して国民の命と平和な暮らしを守り抜く。この選挙で国民の皆様にお約束した約束を、公明党の皆様のお力も得て一つ一つ実行し、結果を出していく、その決意であります。
北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていく必要があります。
我が国としては、日米、日米韓で協力し、中国、ロシアを含む関係国とも緊密に連携しながら、国連安保理決議の完全な履行を全ての国連加盟国に働きかけ、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。
成長と分配の好循環についてお尋ねがありました。
安倍内閣が進めている政策は、成長と分配の好循環をつくり上げていくというものです。成長し、富を生み出し、それが全国津々浦々の国民に広く均てんされ、多くの人たちがその成長を享受できる社会を実現していきます。
政権交代後、アベノミクスによって、極めて短い期間で、デフレではないという状況をつくり出すことができました。
特に、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しており、就業者数は百八十五万人増加し、有効求人倍率は史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて一倍を超えています。また、賃上げは、中小企業を含め、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施されております。
こうした成果をより広い地域、より多くの人々に届けるため、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。
経済最優先。アベノミクスをさらに加速させながら、成長と分配の好循環をつくり上げ、持続的な経済成長の実現に取り組んでまいります。
生産性革命、人づくり革命に向けた取り組みについてお尋ねがありました。
我が国が直面する最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命、人づくり革命を車の両輪として断行いたします。
二〇二〇年を大きな目標に、生産性革命の実現に向けて、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含め、企業による人材や設備への力強い投資、並びにソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションを促すため、これまでにない大胆な政策を講じていきます。
人づくり革命については、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて、社会保障制度を全世代型へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充します。これらの政策を力強く進めていくため、消費税率一〇%への引き上げに伴う増収分などを活用した二兆円規模の政策を取りまとめます。
これにより、女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、一度失敗を経験した方も、誰もが生きがいを持って、一人一人がその能力を存分に生かせる一億総活躍社会を、公明党の皆様と力を合わせてつくり上げてまいります。
社会保障と税の一体改革についてお尋ねがありました。
少子高齢化が進展する中で、社会保障制度の持続可能性の確保と財政健全化を同時に達成する観点から、社会保障と税の一体改革を推進してきたところであります。
その上で、足元の経済の成長軌道を確かなものとするために、我が国の最大の課題である少子高齢化の克服に向け、人づくり革命を断行します。
子育て、介護といった現役世代が直面するこの二つの大きな不安の解消に大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。
今後とも、世界に誇るべき社会保障制度を次世代に引き渡していく責任を果たすとともに、少子高齢化を乗り越え、我が国を力強く成長させるため、必要な政策を実行してまいります。
消費税の軽減税率制度の実施についてお尋ねがありました。
消費税の軽減税率制度については、税制抜本改革法に基づく消費税率一〇%への引き上げに伴う低所得者への配慮として、二〇一九年十月に実施することとされています。
政府としては、事業者の準備状況を把握しつつ、着実な実施に向け、万全の準備を進めてまいります。
教育負担の軽減についてお尋ねがありました。
どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば、高校、高専にも、専修学校、大学にも行くことができるようにすることが重要です。
そのため、真に必要な子供たちには、高等教育を無償化します。授業料の減免措置の拡充と、給付型奨学金の支給額の大幅増加を検討しています。
また、無利子奨学金については、今年度から、低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃や残存適格者の解消を図るとともに、卒業後の所得に応じて返還月額が変わる所得連動返還型奨学金制度を導入したところであります。既に返還を開始している方に対しては、減額返還制度の拡充により、返還負担の軽減に取り組んでいます。
私立高校の授業料の無償化については、先般の総選挙の前に行われた党首討論会において山口代表から申し入れがあり、検討しているところであります。
また、高校生等奨学給付金のあり方については、今後検討してまいります。
幼児教育の無償化については、二〇二〇年度までに、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼稚園、保育園の費用を無償化する、ゼロ歳から二歳児についても所得の低い世帯に対して無償化するとの方針のもとで、現在、具体的な検討を進めているところです。
あわせて、これまでも保育士や幼稚園教諭の処遇改善や労働負担の軽減などの働きやすい環境整備を進めてきており、引き続きこうした取り組みの推進に努めてまいります。
幼児教育や高等教育の無償化については、現在、与党においても議論が行われていると承知しており、政府としては、与党の提言をいただいた上で、十二月上旬に新しい経済政策パッケージを取りまとめてまいります。
我が国農林水産業の持続的な発展についてお尋ねがありました。
TPPや日・EU・EPA交渉においては、農林水産分野について、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得しました。
それでもなお残る農林漁業者の方々の不安や懸念にもしっかり向き合い、安心して再生産に取り組むことができるよう、十分な対策を講じてまいります。
このため、これまでも、TPP対策として、産地の国際競争力の強化や農林水産物の輸出拡大などの体質強化対策を実施してまいりました。さらに、今月下旬に改定する総合的TPP関連政策大綱に基づき、平成二十九年度補正予算も含め、農林水産業の強化策等の措置を講じてまいります。
意欲ある農林漁業者が将来に夢や希望を持てるよう、政府一体となって、強い農林水産業の構築に全力で取り組んでまいります。
働き方改革の取り組みについてお尋ねがありました。
働き過ぎにより健康を損なったり命を落とすようなことはあってはならないことであり、こうした事態を何としても防いでいかなければなりません。罰則つき時間外労働の上限規制の導入などの働き方改革については、働き方改革実行計画の内容を踏まえ、法案の早期提出を目指します。
その際、取引関係の弱い中小企業は、発注企業からの短納期要請や顧客からの要求などに応えようとして長時間労働になりがちです。商慣習の見直しや取引条件の適正化を一層強力に推進します。
また、自動車運送業、建設業、医師などについても、関係省庁が一体となって、それぞれの業界の実態に応じたきめ細かな対応に取り組んでまいります。
教員については、業務の効率化、精選や、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実などについて検討し、年末までに緊急対策を取りまとめてまいります。
がん対策の強化についてお尋ねがありました。
国民の二人に一人がかかると言われるがんは、国民の関心が高く、早期発見、早期治療とともに、療養中の生活の質の向上が重要であると考えます。
このため、昨年改正したがん対策基本法に基づき、本年十月に、第三期がん対策推進基本計画を、御党からの御提案を踏まえながら策定いたしました。この計画では、がん予防、がん医療の充実及びがんとの共生を三つの柱としております。
今後、この計画に基づき、がん教育の全国展開、がんゲノム医療提供体制の構築、傷病手当金制度の見直しの検討を含む治療と仕事の両立支援、医療者に対する緩和ケア研修の普及などの取り組みを通じて、がん対策をさらに推進してまいります。
また、二〇二〇年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙対策を徹底するため、必要な法案を取りまとめてまいります。
防災・減災対策の強化についてお尋ねがありました。
本年七月に発生した九州北部豪雨を初めとして、近年、多数の災害が発生しており、防災・減災対策は我が国にとって焦眉の急であります。
このため、社会全体で水害に備える、河川の氾濫を防ぐ対策とともに、氾濫した場合にも被害を軽減する対策や、地域住民への水害リスクやとるべき避難行動の周知等の総合的な取り組みを、地方自治体と一体となって推進してまいります。
また、九州北部豪雨においては、住民と行政が協力して作成し、自主避難場所等も記載した防災マップが減災につながったと言われており、このような取り組みを、中山間地域を含め、全国的に広めていく必要があると考えています。
今後も、国民の生命と財産を守るため、これまでの災害で得られた貴重な教訓を生かし、ソフト、ハードを組み合わせて、防災・減災対策に万全を期してまいります。
福島の避難指示解除に伴う介護、福祉等を含めた生活環境整備や担い手確保策についてのお尋ねがありました。
特に高齢者を初め、帰還した住民の皆さんがふるさとで安心して生活できる環境を整備するため、介護サービスや医療の提供体制の確保を図ることが重要な課題です。
介護サービスの提供体制を整備するため、避難指示解除区域の介護施設等の安定的な運営の支援に取り組むとともに、介護、福祉の担い手を確保するため、この地域で働くことを希望する方に対する就職準備金の引き上げなどの支援に取り組んでまいります。
医療の提供体制についても、被災地域における医療機関の再開支援や医療従事者の養成確保のために必要な予算を確保しています。
安倍政権は、今後とも、福島の復興再生に向けて全力で取り組んでまいります。
帰還困難区域における復興拠点の整備促進についてお尋ねがありました。
帰還困難区域については、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、まずは復興拠点から、着実かつ段階的に、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいく考えです。
このため、新たな制度のもと、帰還困難区域に特定復興再生拠点を設け、避難指示解除後の土地利用を想定した整備計画に基づき、除染、解体事業についてもインフラ整備などと一体的に実施することとしています。
この特定復興再生拠点の整備に当たっては、町村が計画を作成する段階から、国も前面に立って必要な支援を行ってまいります。
あわせて、福島イノベーション・コースト構想を推進することにより、浜通り地域に新しい雇用を生み出し、町村、県、国が一体となって新たなまちづくりを力強く進めてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣石井啓一君登壇〕