滝波宏文の発言 (経済産業委員会)

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○滝波宏文君 丁寧な御説明ありがとうございます。また地方創生の話もしたいと思いますが、ちょっと時間制約もありますので、ここでエネルギー、原子力問題に移っていきたいと思います。
 本日、更田新委員長もおいでいただいているところ、更田委員長にも是非ここからよく聞いておいていただきたいと思います。
 泊三号機の定期点検入りで全原子力発電所が止まってから約五年八か月、三・一一を発端にエネルギー問題が国民的議論の荒波にさらされ、中央メディアではエネルギー、原子力が大きく取り上げられておりますが、一方、立地地域では今、強い疎外感が広まっております。
 三・一一を原子力立地自治体地域から見ると、自分たちは今まで思っていた以上のリスクを抱えながら安定、安価な電力を大都会始め消費地に供給してきたのだと、もっと感謝されてもしかるべきだと、こういうふうに見えるわけでありますが、しかしながら、この立地の思いは、単純な原子力推進バーサス脱原発、こういった座標軸には素直に乗らないものでありまして、十分に大消費地、中央で理解されていないと思います。
 例えば、避難道整備を含めた原子力防災、そして使用済核燃料の処分、こういったものは立地にとって本当にクリティカルでありまして、原子力の是非にかかわらず進めなきゃならない、そういうものでありますけれども、この脱バーサス推進という二極対立の構図の中に埋もれてしまって、推進力が十分に見えておりません。
 また、本年度見直しの年を迎えるエネルギー基本計画についても、以前より最もリスクに直面し、我が国社会のためにと覚悟を持って原子力に真剣に向き合ってきた立地自治体地域の思いに、しっかりと応えていただく必要があると思います。
 何よりも、原子力問題の本質は、これは原子力立地という特定地域の人々のリスクの上に、安定、安価な電力という公共財が、大消費地始め広く国内に供給されることであります。その本質は、沖縄の基地問題にも通じるものがあると私は思ってございます。原子力立地自治体地域に対する消費地、国からの感謝を確保し、そして、この立地と国、消費地との信頼関係を維持せねばならない。この思いが、三・一一後、私が地元福井から国会議員を志した大きな理由の一つであります。
 私は元々ファイナンスがバックグラウンドでありますけれども、そのファイナンスというのはリスクを扱う分野であり、学問であります。ファイナンスの世界では、リスクプレミアムという言葉があります。ざっくりと話をすれば、リスクに応じて価格が決まるというのがファイナンスだと言えましょう。その中で、とりわけ標準よりも高いリスクに対して支払われる対価のことを、リスクプレミアムと申します。
 放射線リスクについて言えば、日本で普通に住んでいて受ける自然放射線というのは年間二・一ミリシーベルト、この標準よりも高い放射線を浴びるリスクに対し、原子力立地にリスクプレミアム分がコンペンセイト、日本語で言うと補償されなければならないというのが、ファイナンスの正当な考え方であります。補償とは、補う、償うの補償ですが、硬いので、私はよく、報いるというふうな言葉を使っておりますけれども、国家、社会、コミュニティーが存立するためには、一定のリスクテーカーが必要であります。基地周辺の沖縄の方々もそうですけれども、このエネルギーの世界では原子力立地自治体地域の住民の皆さんなど、社会のためにリスクを引き受けていただく方々に、報いることができなければ、その社会もコミュニティーも立ち行けません。
 先ほど申したように、今回、三・一一で原子力立地の抱えるリスクは想定していた以上に高いということが明らかになりました。であれば、その超過リスクプレミアム分、立地が報われなければならないはずなのに、そのことに中央も大消費地も余りに無頓着で、議論は脱原発バーサス原発推進の単純二極対立に矮小化されてしまっている、この現状に立地住民は嘆いているのであります。
 この原子力立地自治体地域の正当な思いに対しまして、経産大臣の御所見、御対応の決意をお伺いしたいと思います。

発言情報

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発言者: 滝波宏文

speaker_id: 4777

日付: 2017-12-05

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会