経済産業委員会

2017-12-05 参議院 全171発言

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会議録情報#0
平成二十九年十二月五日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                伊藤 孝恵君
                石上 俊雄君
                浜野 喜史君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                岩渕  友君
                小池  晃君
   国務大臣
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  西銘恒三郎君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       平木 大作君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      進藤 秀夫君
       内閣府大臣官房
       審議官      荒木 真一君
       経済産業大臣官
       房長       高橋 泰三君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   飯田 祐二君
       経済産業大臣官
       房審議官     中石 斉孝君
       経済産業大臣官
       房審議官     前田 泰宏君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       渡辺 哲也君
       経済産業省製造
       産業局長     多田 明弘君
       経済産業省商務
       情報政策局長   寺澤 達也君
       経済産業省商務
       情報政策局商務
       ・サービス政策
       統括調整官    江崎 禎英君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       中小企業庁長官  安藤 久佳君
       国土交通省道路
       局次長      和田 信貴君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (原子力発電立地地域に対する施策に関する件
 )
 (原子力規制行政の在り方に関する件)
 (エネルギー基本計画の検討に関する件)
 (再生可能エネルギーの導入拡大に伴う課題に
 関する件)
 (経済産業省における情報発信に関する件)
 (消費税の軽減税率制度導入への対応に関する
 件)
 (商工中金の危機対応業務における不正行為に
 関する件)
 (中小企業に対する税制・予算措置に関する件
 )
 (経済連携協定に係る中小企業支援に関する件
 )
 (東京電力福島第一原子力発電所事故に係る損
 害賠償に関する件)
 (二輪車に係る産業育成施策に関する件)
 (製造業における品質管理に係る不正事案への
 対応に関する件)
    ─────────────
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斎藤嘉隆#1
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、辰巳孝太郎君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君が選任されました。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#2
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斎藤嘉隆#3
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#4
○委員長(斎藤嘉隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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斎藤嘉隆#5
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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斎藤嘉隆#6
○委員長(斎藤嘉隆君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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滝波宏文#7
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。
 この秋から筆頭理事を務めさせていただいてございまして、本日は、自民・こころを代表して、大臣の所信に対する質疑を行わさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、イノベーションと地方創生について伺います。
 イノベーションといえばシリコンバレー。日本でも、シリコンバレー型のイノベーションにつながるベンチャー、スタートアップを育むエコシステム、これをつくらなきゃ駄目だと言われ続けて久しいわけでありますが、なかなか果たせぬ中、ずるずると、俗に言う失われた十年、二十年になり、アベノミクスで今盛り返しておりますけれども、我が国の経済の輝かしい技術先進国ぶり、これは高度成長期に比べるとむしろ後退しているかのような思いさえあります。
 日本でこのシリコンバレー型のイノベーションエコシステムができない原因として、硬直的、内向き、減点主義の人事評価を含む、いわゆる大企業病、これについて指摘されることは比較的多いかと思いますけれども、私は加えて、忘れられていることがあるのではないかというふうに思ってございます。それは何かというと、本家本元のシリコンバレーは、大都会ではないということであります。
 当委員会でも何度かお話をさせていただきましたが、御案内のとおり、世界的なIT企業の最大集積地であるシリコンバレーは、実は周りには自然が広がる、言わば大いなる田舎であります。グーグル、フェイスブック、アップル、ヤフー、インテル、いずれも人口十万ぐらいの町にその本社がありまして、シリコンバレーを生んだと言われるスタンフォード大学、私も同大学の研究所にいさせていただいたことございますが、その大学の裏山には、山ライオンに注意というふうな看板も掲げていられるような、そういう大変豊かなる自然の中で、新しいビジネスを世界経済に打ち出していく、これがシリコンバレーであります。
 でも、なぜか、日本版シリコンバレー、これを作るとなると、すぐ大都会前提の企画になっていく。最先端のことは当然東京とかじゃないとできないよ、こういった根強い大都会崇拝主義みたいなものが我々の思考を制約しているのではないかというふうなことを思ってございます。
 なぜ、このシリコンバレーの大いなる田舎環境、これそのものを直視しないのか。東京にも、またシリコンバレーにも住まわせていただいた者として、正直私には、満員電車に押し込まれて通勤して、新時代をつくる豊かな発想が出てくるとは、なかなか正直思えません。
 そういう意味で、実は地方創生、中小企業対策、これやや二次的な政策、本丸ではないと、こういう位置付けになりがちではないかと思いますけれども、日本経済が再び世界を主導するようなイノベーション大国になるためには、実はこの地方のベンチャーを含む中小企業の技術を磨き上げてイノベーションを引き出し、全国そして世界経済に直結させていくことが、まさに本丸のイノベーション政策なのではないか、というふうに思ってございます。
 こういった考えから、私は、最初に選挙に出たとき以来一貫して、福井県シリコンバレー化計画、これを提唱しておりまして、地元でもちょっとそんな大それた計画というふうに思われている向きもなくはないんですが、私には十分にその可能性があるというふうに思っております。
 それは、福井が、帝国データバンクが記録を出し始めて以来ずっと人口当たりの社長輩出率ナンバーワンを維持しておりまして、創業、進取の気性に富む土地柄であります。また、伝統の繊維や眼鏡産業に培われたものづくりの基盤があり、そして、そこからカーボンファイバーや医療機器等への横展開を見せるなど、目立たないものの、日本版大いなる田舎シリコンバレーになる素地があると認められるからです。
 最近では、永平寺町、かのアイフォンも作ったアップル創業者のスティーブ・ジョブズも、禅の教えに導かれて一度行ってみたいとおっしゃっていたというふうに聞いておる曹洞宗大本山永平寺のお膝元でありますけれども、こちらにおきまして、経産省に選ばれたモデル地として自動走行の実証実験、これについて町を挙げて取り組んでおります。また、日本一の眼鏡の産地として有名な鯖江市ですが、昨年度、ベンチャー等のサテライトオフィス進出を推進する、総務省のお試しサテライトオフィス自治体に、全国十か所の一つに選ばれて、既に数社の進出も決まっていると聞いてございます。
 ついては、このような世界経済への直結、自立に向けた地方におけるイノベーション創出、シリコンバレー化について、経産大臣の御所見と経産省の取組状況、そして御決意を伺いたいと思います。
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世耕弘成#8
○国務大臣(世耕弘成君) 私も今、鯖江の眼鏡を使わせていただいています。また、最近、和歌山の結構先進的な企業が次の工場は福井県に造るという例がぽつぽつと出ていまして、私的にはちょっと焦っているんですけれども、福井県が非常に企業立地とか集積の構築に大変な努力をされているということ、まず敬意を払いたいと思います。
 シリコンバレー、今お話しになりました。私はまだ残念ながら行っていなくて、できれば次、どこか夏休み辺りで行けたらなというふうに思っているんですが、ちょうど昨日、ジェトロのサンフランシスコ事務所長が帰国していまして、いろいろ状況を聞きました。ちょうどサンフランシスコの都心から南南東に向けて八十キロぐらいのゾーンにそれぞれ小さな町があって、そしてアメリカの名立たる特にIT企業が立地をしているということでありました。ただ、最近は、逆にシリコンバレーのブランド力で地価が高くなり過ぎて、逆にサンフランシスコの都心に帰る傾向があるなんという話もあったわけでありますが、残念ながら日本にはそういう集積がきちっとできている地方都市というのはなかなかないわけでありまして、まだまだ頑張らなきゃいけないなというふうに思っております。
 特に、都市部だけではなくて、本当の地方も含めた全国津々浦々でこのイノベーションの集積地というのをつくっていかなければいけないと思います。過去、何もやってきていないわけではないんですね。いろいろ、地域クラスターとかいろんなことをやりました。やりましたが、なかなか花開いているケースがないというわけであります。
 そういった反省も踏まえながら、この間の通常国会、この委員会で御審議をいただいた地域未来投資促進法、これを活用して、予算ですとか税制ですとか金融、規制緩和、こういった政策手段を総動員をして、地域内の取引拡大などによって地域経済への波及効果が出る大きな事業をこれから重点的に支援をして、そういったことが各地における集積地の形成に役立てばなというふうに考えているわけであります。
 こういった事業を効果的に支援するためには、単に企業だけではなくて、これ地域にもうたくさんあります、公設試験研究機関なんというのもありますし、産業支援センターみたいなものもあります。あるいは、現地に立地している大学ですとか、あるいは資金という面では金融機関、地銀ですね、こういったところがやっぱり連携を取っていくことも重要だというふうに思っています。こういう複数の支援機関が連携して事業を支援する取組を連携支援計画として位置付けて、国が承認することによってしっかりと後押しをしていきたいというふうに思っております。
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滝波宏文#9
○滝波宏文君 丁寧な御説明ありがとうございます。また地方創生の話もしたいと思いますが、ちょっと時間制約もありますので、ここでエネルギー、原子力問題に移っていきたいと思います。
 本日、更田新委員長もおいでいただいているところ、更田委員長にも是非ここからよく聞いておいていただきたいと思います。
 泊三号機の定期点検入りで全原子力発電所が止まってから約五年八か月、三・一一を発端にエネルギー問題が国民的議論の荒波にさらされ、中央メディアではエネルギー、原子力が大きく取り上げられておりますが、一方、立地地域では今、強い疎外感が広まっております。
 三・一一を原子力立地自治体地域から見ると、自分たちは今まで思っていた以上のリスクを抱えながら安定、安価な電力を大都会始め消費地に供給してきたのだと、もっと感謝されてもしかるべきだと、こういうふうに見えるわけでありますが、しかしながら、この立地の思いは、単純な原子力推進バーサス脱原発、こういった座標軸には素直に乗らないものでありまして、十分に大消費地、中央で理解されていないと思います。
 例えば、避難道整備を含めた原子力防災、そして使用済核燃料の処分、こういったものは立地にとって本当にクリティカルでありまして、原子力の是非にかかわらず進めなきゃならない、そういうものでありますけれども、この脱バーサス推進という二極対立の構図の中に埋もれてしまって、推進力が十分に見えておりません。
 また、本年度見直しの年を迎えるエネルギー基本計画についても、以前より最もリスクに直面し、我が国社会のためにと覚悟を持って原子力に真剣に向き合ってきた立地自治体地域の思いに、しっかりと応えていただく必要があると思います。
 何よりも、原子力問題の本質は、これは原子力立地という特定地域の人々のリスクの上に、安定、安価な電力という公共財が、大消費地始め広く国内に供給されることであります。その本質は、沖縄の基地問題にも通じるものがあると私は思ってございます。原子力立地自治体地域に対する消費地、国からの感謝を確保し、そして、この立地と国、消費地との信頼関係を維持せねばならない。この思いが、三・一一後、私が地元福井から国会議員を志した大きな理由の一つであります。
 私は元々ファイナンスがバックグラウンドでありますけれども、そのファイナンスというのはリスクを扱う分野であり、学問であります。ファイナンスの世界では、リスクプレミアムという言葉があります。ざっくりと話をすれば、リスクに応じて価格が決まるというのがファイナンスだと言えましょう。その中で、とりわけ標準よりも高いリスクに対して支払われる対価のことを、リスクプレミアムと申します。
 放射線リスクについて言えば、日本で普通に住んでいて受ける自然放射線というのは年間二・一ミリシーベルト、この標準よりも高い放射線を浴びるリスクに対し、原子力立地にリスクプレミアム分がコンペンセイト、日本語で言うと補償されなければならないというのが、ファイナンスの正当な考え方であります。補償とは、補う、償うの補償ですが、硬いので、私はよく、報いるというふうな言葉を使っておりますけれども、国家、社会、コミュニティーが存立するためには、一定のリスクテーカーが必要であります。基地周辺の沖縄の方々もそうですけれども、このエネルギーの世界では原子力立地自治体地域の住民の皆さんなど、社会のためにリスクを引き受けていただく方々に、報いることができなければ、その社会もコミュニティーも立ち行けません。
 先ほど申したように、今回、三・一一で原子力立地の抱えるリスクは想定していた以上に高いということが明らかになりました。であれば、その超過リスクプレミアム分、立地が報われなければならないはずなのに、そのことに中央も大消費地も余りに無頓着で、議論は脱原発バーサス原発推進の単純二極対立に矮小化されてしまっている、この現状に立地住民は嘆いているのであります。
 この原子力立地自治体地域の正当な思いに対しまして、経産大臣の御所見、御対応の決意をお伺いしたいと思います。
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世耕弘成#10
○国務大臣(世耕弘成君) まず、原発の立地地域がなくして日本の原子力・エネルギー政策は成り立たなかったわけであります。そして、立地地域がこの日本の電力供給を支えてきてくれたこと、このことは政府として常にしっかりと肝に銘じておかなければならないことだというふうに思っています。その上で、まずは国と原発立地地域との間で感謝とそして信頼に満ちた良好な関係というものを構築していかなければなりませんし、それに加えて、電力の消費地と供給地という関係でも同様の関係が構築をされていくことが必要だというふうに思っています。
 政府としては、もちろんいろんな交付金とかそういう措置もあるわけですが、それに加えて、電力消費地も含めた全都道府県でやはり原子力・エネルギー政策について国民的理解を深めてもらわなければいけないということで、シンポジウムですとか説明会を平成二十八年一月からの累計だけでも二百六十回開催をしてまいりました。
 さらに、私の方から、これ、立地地域の首長さんと話すと、もっと広報をしてくれと、もっともっと国民に原子力の意味、立地地域がどういう負担をしているかということをもっともっと政府が前面に立って広報をしてほしいということをよく言われます。
 そういう意味で、私が指示をしまして、ウエブ上でエネルギーや原子力に関する分かりやすい情報発信ということも強化、拡充しています。経産省、エネ庁のホームページ見ていただければ、以前とはもう格段に違う量と質と分かりやすさの情報をいろいろと提供をさせていただくようにさせていただいています。
 いずれにしても、この理解活動というものには終わりはありませんので、今後とも、電力の消費地を含めた、国民全体に原子力に対する信頼ですとか原発立地地域への理解と感謝が十分得られるよう、しっかりと政府として取り組んでまいりたいと思います。
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滝波宏文#11
○滝波宏文君 続けての御丁寧な答弁、大臣、本当にありがとうございます。
 それで、先ほど申し上げたように、原子力避難道整備、この必要性というのは、脱あるいは推進という原子力発電の是非にかかわらず、認められなければならないものであります。稼働していなくてもそこにはリスクがあり、実際、福一の事故におきましては、停止中の原子力でも事故が起きました。今、稼働していない原子力発電所の立地であっても、早急な避難道整備が必要であります。
 福井県は、本州中央部で日本海側と太平洋側が最も近接するところに存在しまして、原子力避難道だけでなく、逆に、いつ起きてもおかしくない南海トラフ巨大地震のことも考えれば、嶺北地方の、これ福井県北部でありますが、の中部縦貫自動車道や冠山トンネルを含め、日本海側と太平洋側をつなぐ最短経路として、早急に県内を通る幹線道路の整備が必要と、当委員会でも質疑をしてまいりました。本日も改めて、その国土強靱化上の重要性を訴える次第であります。
 そして、とりわけ原子力立地地域である嶺南地方、福井県南部については、東西に抜ける、青葉トンネルを含む国道二十七号線整備が不可欠であります。また、私の初当選の翌年でありましたけれども、三年前にやっと通った舞鶴若狭自動車道も、これいまだ暫定二車線であります。早急な四車線化で、スムーズな東西への移動、これを確保する必要があるかと思います。加えて、南北に、山越えをして逃れる各種の道の整備も不可欠であります。東西南北と、はしごのように格子のように、整備をしておかなければ、避難も、そしてそれに先立ち逆方向に車両が動く災害制圧、これもままなりません。
 以前に取り上げた敦賀半島西浦の道、敦賀そして美浜から滋賀県高島市に抜ける道や、高浜の音海の制圧道などももちろんそうでありますけれども、本日はお手元に、先週、福井県知事も再稼働同意に至った大飯発電所三、四号の所在する、おおい町議会の方から整備要望をいただいた、この生命・生活・避難道の地図をお配りしております。
 そこにあるまず第二青戸大橋、これは、大飯発電所のある大島に渡るため、工事も多く、大型トラック頻繁に行き来して、今老朽化が心配されている青戸大橋、このバックアップを図る第二青戸大橋であります。そして、おおいから小浜市の中名田に山を抜ける岡田深谷線、おおい町に合併した旧名田庄村に抜ける坂本高浜線、台風で度々崩れる国道百六十二号線、京都の綾部に抜ける小浜綾部線など、いずれもその整備は国家的課題であり、急務のはずでありますけれども、先日いらしたおおい町議会の先生方がおっしゃったように、めどが、道筋が見えてこない。国は我々原子力立地を放置するのか、見捨てるのかという強い訴えに、関係各省は、縦割りに堕することなく結束して前に進み、立地の思いに応えていただく必要があります。
 従前からの私の質問も踏まえて、関係各省の検討状況をそれぞれ伺います。
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和田信貴#12
○政府参考人(和田信貴君) お答えいたします。
 まず、道路整備につきましては、その現状を踏まえまして、防災の観点あるいは交通の円滑化や交通安全、こういった多様な観点からその必要性について総合的に検討した上で事業を実施しております。
 避難道路の整備につきましても、東日本大震災から得られた教訓を踏まえ、津波や重大な原発事故などの災害が発生した際に住民生活の安全確保や広域的な緊急活動の経路となることから、国土強靱化の観点からも防災上重要な視点の一つであると認識しております。
 避難道路につきましては、経済産業省あるいは内閣府等の関係省庁と連携しながら、地方自治体における避難計画、ここに避難ルートなども入っているわけですが、こういった避難計画の策定状況も踏まえながら、国土交通省としても必要な道路整備についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
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進藤秀夫#13
○政府参考人(進藤秀夫君) 内閣府原子力政策担当室でございます。
 原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法の改善の検討状況について御報告申し上げます。
 この法律は、原子力発電施設等の周辺の地域について、当該地域の防災に配慮しつつ、生活環境、産業基盤等の総合的かつ広域的な整備に必要な特別措置を通じてこれら地域の振興を図ることを目的としております。この法律に基づきまして、関係省庁においては、原子力災害発生に備えた避難道路の整備に対する補助率のかさ上げを含め、様々な特別措置を講じているところです。
 本制度の運用に当たりましては、六月十二日に関係省庁における連絡会議を内閣府が主催しまして、どのような改善の余地があるか意見聴取を行いましたけれども、各省においては、本制度の適用申請については全て受け入れているとの回答でございまして、特に具体的な課題はここでは見出されませんでした。
 その後、八月から九月にかけまして、内閣府においては、更なる改善に向けて制度の活用主体であります立地地域の市町村に対してアンケート調査を行ったところでありまして、今後、その結果をしっかり分析し改善につなげてまいりたいと思っております。
 例えば、運用面においては、手続に関する情報や関係基準の周知の充実に係る御指摘をいただいておりまして、これを速やかに対応すべく、連絡会議の場等を活用することにより検討を進めてまいりたいと思っております。また、制度面に係る御指摘もいただいておりまして、将来的な制度の見直しの可能性について、関係省庁とも連携しつつ精査、検討を進めてまいりたいと考えております。
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村瀬佳史#14
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、避難道路の整備を含む原子力防災対策の充実におきましては、再稼働をするしないにかかわりませず、地域住民の安全、安心の観点から重要であると、このように認識してございます。
 政府といたしましては、内閣府が中心となりまして、関係省庁の協力の下で各地域に地域原子力防災協議会を設置いたしまして、関係自治体と一体となりまして地域防災計画、避難計画の充実強化に取り組んでいるところでございます。
 地域原子力防災協議会におきましては、原子力災害対策指針の防護措置の考え方に基づきまして、地域の実情を踏まえた具体的かつ合理的な対策を講じることとしております。
 必要な避難道路の整備につきましては、地域原子力防災協議会での検討、それに加えまして当該地域の実情などを踏まえつつ、内閣府、国交省など関係省庁と緊密に連携しながら具体的な対応に取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
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荒木真一#15
○政府参考人(荒木真一君) 内閣府の原子力防災担当でございます。
 道路の整備を始め避難経路の多重化等によります避難の円滑化は、住民の皆様の安全、安心の観点から重要でございます。
 そのため、内閣府といたしましては、平成九年度の予算におきまして、地域防災計画に位置付けられた避難経路上の阻害の要因などの課題を特定し、その改善についての調査経費を支援するためのメニューを新たに追加するなど、避難の円滑化対策に取り組んでいるところでございます。
 また、これらの調査や国、自治体等が行います訓練などを通じまして抽出された課題については、内閣府が原発の立地地域ごとに設置をしております地域原子力防災協議会の枠組みなどを活用いたしまして、地元の自治体や国土交通省、経済産業省などの関係省庁と一体となって改善策の検討を行ってまいりたいと考えてございます。
 今後とも、地域の声をしっかりとお聞きし、住民の皆様の安全、安心を第一に、避難経路の多重化等によります避難の円滑化や避難計画の具体化、充実化に政府一丸となって取り組んでまいります。
 済みません、先ほど平成九年度と申しましたが、平成二十九年度予算でございます。恐縮でございます。
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滝波宏文#16
○滝波宏文君 関係各省、しっかりとめどを立てて進めていただきたいと思います。
 それでは、続けて使用済核燃料の処分についてお聞きします。
 こちらについても、原発の是非にかかわらず、進めなければいけないものです。ただ、よく脱原発の立場の方から、使用済核燃料の最終処分地が決まっていないから再稼働は駄目だというふうな話がされますが、今、白地から原子力を始めるか始めないかを議論するなら別ですけれども、我が国はもう既に何十年も、原子力の安定、安価な電力を基礎に高度成長を成し遂げ先進国になっている、現に我が国の使用済核燃料は既に存在するという現実があります。原発に対する是非にかかわらず、必ず現世代の責務として、使用済核燃料の処理についてきちんと前に進めていただく必要があります。これは、まさに使用済核燃料を抱える立地にとってクリティカルなことですし、本来消費地にとっても重要なことです。
 これが明らかになったのは三・一一後のことでした。すなわち、三・一一後、民主党政権が原発ゼロをやろうとしましたが、できませんでした。できなかったのは二つの理由がありまして、一つは、アメリカが反対したこと、もう一つは、青森県が、そのようなことをすれば核燃料サイクル目的で持ち込まれている使用済核燃料はごみとなるから、搬出元に戻すぞと、こういうふうに抵抗したからであります。
 この後者の話は、決して青森が核燃サイクルをやっているからというものではなくて、軽水炉にも適用されることであります。すなわち、例えば福井県にしても、もしこの瞬間に原発ゼロとするぞというふうに国が言うのであれば、県内に残っている使用済核燃料はまさにごみになるのですから、これは各々これまでの消費量に合わせてそれぞれの消費地に返すということにならざるを得ません。最終処分地が決まっていないとき、これは消費地は耐えられないでしょう。よって、原発ゼロはできなかったし、できないということになります。
 ビジネスを少しでも分かっている方であれば分かると思いますけれども、事業がゴーイングコンサーン、継続事業として存在しているときと、清算段階に入っているときでは、全く質的な違いが生じること、これは消費地にもしっかりと分かってもらわなければなりません。これが立地からの視点であります。すなわち、消費地がこのことをきちんと覚悟をしていただかなければいけませんし、原子力事業が続いていくことの前提での信頼感を持ってやっている話と、原発ゼロと言った瞬間の質的な違いがちゃんと分かった上で、対応していただく必要があるということになります。逆に言えば、原発ゼロにしたいのであれば、むしろ最終処分地を見付けていただく必要があるということになります。
 これらを踏まえ、使用済核燃料の処分についての検討状況と決意を経産省にお伺いします。
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村瀬佳史#17
○政府参考人(村瀬佳史君) 委員御指摘のとおり、原発を活用する中で既に相当量の使用済燃料が存在することは事実、現実でございます。最終処分場の確保という課題を避けて通ることはできないと、このように考えてございます。また、御指摘のとおり、処分場をしっかり確保していくことは現世代の責任であると、このように認識しているところでございます。
 かかる認識に立ちまして、国といたしましても、最終処分、それから使用済燃料対策につきまして、電力消費地を含めまして広く国民の皆様に対してしっかりと理解促進活動に取り組んで、しっかりとした理解を得るということで取り組んでいる、させていただいているところでございます。
 特に最終処分につきましては、平成二十七年には最終処分法に基づく基本方針を改定いたしまして、それまでは単に自治体からの手が挙がるのを待つという方針で対応していたわけですけれども、これを改めまして、国が前面に立って取り組むと、このように方針を変えたわけでございます。
 そのような具体的取組といたしまして、今年の七月には科学的特性マップというものを公表させていただいたところでございます。このマップ公表は、最終処分の実現に向けた長い道のりの最初の一歩ではございますけれども、重要な一歩と認識してございます。
 きめ細やかな対話活動を丁寧に行いまして、電力消費地の方々も含めまして、広く国民の皆様がしっかりと得られるように取り組んでまいりたいと、このように考えます。
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滝波宏文#18
○滝波宏文君 よろしくお願いします。
 続きまして、廃炉交付金についてお伺いしたいと思います。
 地元の立地からも大きな疑問の声が出ているものに、いわゆる廃炉交付金があります。現在、経産省の廃炉交付金は十年で終わってしまうということであります。しかし、廃炉は終わるまでに三、四十年掛かるとされておりまして、少なくとも、完全に廃炉が終了するまで立地は放射線リスクを負うわけであります。その途中でリスクに対応するはずのリスクプレミアム、すなわち廃炉交付金が切れてしまうことは、これは理屈にかなっておりません。
 先般、福井県にある「もんじゅ」、これは残念ながら廃炉と決まってしまいましたが、こちらを所管する文科省の廃炉交付金は廃炉完了まで継続すると聞いております。経産省の廃炉交付金が短期で終わることの問題がこれで強調されるわけでありますが、財源の問題なのかもしれませんけれども、先ほど来申し上げているように、これはリスクに対する正当な対価でありまして、それ以上に、消費地と国からの立地に対する感謝、そして消費地、国と立地との信頼関係の問題であります。
 文科省同様、経産省も廃炉完了まで廃炉交付金を継続すべきではないかと考えますが、経産省にお伺いいたします。
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村瀬佳史#19
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 文科省の立地交付金につきましては、これは「もんじゅ」等の原子力関連研究施設を対象としておりまして、たとえ廃止措置中でありましても、引き続き研究開発が行われている間においては交付が行われるものと承知をしております。
 それに対しまして、電源立地地域対策交付金は商業炉を対象としております。つまり、発電炉を対象としておりまして、電気を供給しなくなる廃止の時点から交付金が原則交付されないということになってございますけれども、この廃炉等の稼働状況の変化が自治体財政に与える影響を緩和するという観点から、廃止後もしばらくの間、つまり十年という期間につきましては交付が行われるという措置を講じているところでございます。
 したがいまして、廃炉の工期の、工事の期間と交付金の期間が必ずしも連動してございませんけれども、むしろ、この十年という期間を設定することで、将来に向けた新たな産業構造の確立など、自治体の中長期的な発展の観点から集中的な取組を行うことができるものと、このように考えてございます。
 さらに、この交付金に限らず、地域産品の開発ですとか販路開拓、それから観光誘致等の地域振興支援、再生可能エネルギーの導入による新たなエネルギー構造への高度化の支援などの政策を行っているところでございます。
 これらの様々な政策手段を活用しまして、地域自治体の実態を踏まえながら、原発廃止後も新たな地域の発展のための支援を行ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
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滝波宏文#20
○滝波宏文君 いろいろ踏まえた上での答弁だと思いますけれども、先ほど来話しているリスクプレミアム論からすれば今の話はおかしいということでありますので、しっかりと廃炉完了に向けての、もちろん、先ほどおっしゃった自治体の財政状況等々も踏まえて対応されるんだと思いますが、理屈をしっかり踏まえて対応していっていただきたいと思います。
 そして引き続いて、エネ高、いわゆるエネ高ですが、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業、これについてお伺いします。
 衆院選の公示前に、このエネ高について、今年度から原子力発電所三十キロ圏内の自治体に拡大されることについて、批判記事がありまして、ばらまきではないか、再稼働理解のためではないかというふうな記事でありました。ただ、私は、本件についても先ほど来のリスクプレミアム論から考えれば、この拡大というのは肯定し得る、理解し得るものだと考えております。
 すなわち、三・一一により足下の立地自治体地域のリスク、これはもちろん高まっているわけでありますが、これと同時にリスク範囲についても、例えばおおむね三十キロ圏内はUPZ、緊急防護措置準備区域とされたように、拡大をしております。もちろん、従前より最もリスクに直面しているのは引き続き立地自治体地域、足下のそのものでありますので、例えば、再稼働同意は引き続き立地自治体によるべきものであって、差はあってしかるべきではありますけれども、一方、超過リスクが周辺地域にも広がっている以上、それに対する消費地、事業者ないしは国からのリスクプレミアムが手当てされても、これはしかるべきだと考えております。
 少なくとも、これは決してばらまきなどではなく、超過リスクに対する正当な対価であると言えると思いますが、これらを踏まえ、本件についての経産省の見解を伺います。
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村瀬佳史#21
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 本事業、エネルギー構造高度化・転換理解促進事業につきましては、廃炉ですとか長期停止など原発をめぐる環境変化によりまして影響を受ける地域に対して、再生可能エネルギーの導入促進などのエネルギー構造の高度化、多様化を促すための事業でございます。昨年度の制度創設時には立地自治体のみに対象を限っておりましたけれども、周辺自治体もこうした様々な環境変化の影響を受けるというように考えられるため、今年度より各事業の実情もしっかりと踏まえた上で対象を拡大をさせていただいたと、こういうことでございます。
 先ほど来申し上げておりますとおり、地域の将来の発展に向けてしっかりと様々なこうした手段を使いながら御支援を申し上げたいと、このように考えているところでございます。
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滝波宏文#22
○滝波宏文君 ちょっと済みません、順番を変えさせていただいて。
 本日、先ほど申し上げましたが、今年九月に新たな原子力規制委員長に就任された更田委員長においでいただいております。田中前委員長とは当委員会でも様々に議論をさせていただきましたが、三条委員会たる規制委員会をチェックできるのは国会だけでありますので、更田新委員長ともこれからしっかりと議論をさせていただきたいと思います。
 まず、この規制委員会の活動原則に掲げる現場主義についての姿勢をただしたいと思います。すなわち、規制委員会のホームページにも出ておりますが、規制委員会は活動原則として、「実効ある行動」として「形式主義を排し、現場を重視する姿勢を貫き、真に実効ある規制を追求する。」と現場主義を掲げております。しかし、残念ながら、田中委員長はほとんど現場には行ってはおりませんでした。就任後四年がたっても、現場に行ったのは僅か一桁。私がこの問題についてさんざん質問をいたしまして、任期終盤の駆け込みもあり、一応二桁には届きましたが、それでも任期五年で十三回であります。
 資料をお配りしてございますけれども、田中委員長、五年間で十三回ということであります。私が質問当時に取り上げた、高木復興大臣、丸川環境兼原子力防災担当大臣、今日いらっしゃっていますけれども、任期十か月を務め上げられる中で、この表を見ていただければ下の方に書いてございますが、約三、四十回現地に足を運んでいます。これを任期五年に単純に比例換算いたしますと、百回から二百回以上というペースになります。明らかに現場主義に掛ける努力が桁違いに異なっているわけであります。私は、この現場主義の軽視が、田中委員長退任の一因ではないかと思ってございます。
 本件についての最後の質疑において、田中委員長は、私は大臣ではありません、ほかに原子力規制委員長としてきちっと仕事をし日々忙しく過ごしております、全くそれは比較にならないと言い放ち、まるで大臣は日々のきちっとした仕事をしていないかのような発言でありました。私は、これは思い違いも甚だしい失言だったと思っております。
 大臣も規制委員長と同様に、あるいはそれ以上に重い仕事をやっていらっしゃいますし、加えて政治家であります。選挙民との関係も構築せねばなりません。それは、より大変なんじゃないかと思う。その中での大臣の方々の現地入りの努力を、まるで認めないような残念な失言でありました。
 この田中委員長の発言の問題、思い違いということでありますけれども、とりわけ原子力規制委員会が八条委員会ではなくて三条委員会だけに深刻だと私は思ってございます。
 御案内のとおり、三条委員会というのは所管大臣の指揮監督系統から独立しておりまして、強い権限を持っております。それは、大臣の下で助言をする八条委員会とは全く異なります。強い権限にはより大きな説明責任が求められます。八条委員会であれば対外的な説明等、社会への対応を最終的に大臣に委ねることもできましょうが、大臣から独立する三条委員会は、自ら対外的な説明、ステークホルダーとの対話を行い、関係者の納得を得る社会的な責任を有していると言えます。それだけに、現地に足を運び、現場の状況を自らの目で確認をして、立地の声を聞くことが、これは規制委員会、とりわけトップである規制委員長には強く求められるのであります。そのことを忘れ、象牙の塔にこもり、立地の人々の心に届かない技術用語を並べる専門家然とするのであれば、三条委員会の資格はないと思います。
 以上を踏まえ、新委員長には、頻繁に現場に行ってもらい、立地の気持ちをしっかりと酌み取っていただきたい。規制委員であったときは、両大臣と比べると、この紙にもございますが、見劣りはするものの、田中前委員長よりは多く現地入りをされていらっしゃいました。残念ながらまだ委員長になってはゼロ回のようでありますけれども、田中委員長に比べお若く、活発な活動に期待しておりますところ、現場主義への見解、現場に赴く決意について、更田新委員長にお伺いしたいと思います。
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更田豊志#23
○政府特別補佐人(更田豊志君) 安全を確保するための議論ですとか検討、取組というのはまさに現場を対象としたものでありますから、現場を大事にする、いわゆる現場主義というのは原子力規制委員会にとっても非常に重要な認識であると考えております。
 九月二十二日に私が着任をいたしまして、また、更に新たに委員一名が加わって原子力規制委員会は新しい体制となりました。この新しい体制の下で、これまでの五年間を振り返るという五年の振り返りという議題におきまして、自治体の方々や立地地域の皆様とのコミュニケーションの在り方について、その方針について議論をいたしました。そして、その充実強化のための方針について五人の委員の間で確認をしたところであります。
 この議論を踏まえまして、原子力規制委員会としましては、新たに現地の方々と対話をする、コミュニケーションをより高い頻度で図るための具体策を検討しておりまして、五人の委員が手分けをしまして近く実施を予定をしているところであります。
 現地訪問、現地を訪れるに当たりましては、自治体の方々であるとか立地地域の方々との調整も必要でありますけれども、今後も可能な限り現地を訪れて、私たちの役割はあくまで科学的、技術的観点からの安全の確保でありますけれども、この議論に関わる現地の方の生の声、またさらに現場で働いておられる方々の声を聞くことも重要であろうと考えております。
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滝波宏文#24
○滝波宏文君 いろいろお忙しいことも当然あるかとは思いますけれども、その関係でちょっともう一つの問題を提起したいと思います。
 規制委員会の規制行政のマネジメント、それからプロセス、これを見ていると、まだまだ改善の余地が十分というか、もう大変あるんじゃないかと思ってございます。あれだけの大きなことが起きたのですから、一定期間、規制行政が揺れ動き、落ち着くまでに時間を要するのは分かりますが、既に規制委員会発足から五年以上が経過し、再稼働、廃炉、延長等々、各事例が積み上がってきました。各判断のルールをしっかりと文書化することで個別事例での恣意的、場当たり的な適用を回避し、関係者の予見可能性を、これは時間的にも質的にも、高める必要がある。
 これは、法学、法律学でいうところのデュープロセス、適正手続の確保であります。これを理解するリーガルマインド、これが規制行政、巨大な規制行政を進めるために大変必要でありますけれども、こういったマネジメント改革、プロセス改革、これをしっかりとすることで、規制委員長にも規制委員の皆さんにも時間的な余裕ができて、本来の三条委員会の長として、委員会として努めなければならない現場視察、立地を含む関係者との対話、これをより行うことができるはずであります。
 ついては、更田委員長に、この強大な権限を有する三条委員会として、厳に権限濫用を戒め、規制行政の時間、質的、両面にわたる予見可能性を高め、適正手続を確保することの重要性、そしてリーガルマインドについての御認識と、この規制委員会、規制庁のマネジメント、プロセス改革についての御決意を伺います。
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更田豊志#25
○政府特別補佐人(更田豊志君) 先ほどのお答えの中での地域とのコミュニケーションも一つでありますけれども、やはり、透明性の確保というのは、意見や情報の発信だけではなくて、それを透明なプロセスの下で規制委員会自身が聞くということも重要な要素であろうと考えております。
 そういった意味で、今後とも、立地自治体、それから事業者もそうですけれども、コミュニケーションのより一層の効率化と、これはもちろん透明性を確保した上でのコミュニケーションが、そういった意味が、例えば申請者の審査に対する予見性を高めることになりますでしょうし、更に言えば、更に広い意味での利害関係をお持ちになる方々にとっても規制委員会の行政活動に対する予見性というものを高めることになるだろうとは思います。
 ただ、そうはいいましても、やはり重要なのは、一つは私たちのプロセスの可能な範囲での文書化でありまして、原子力規制委員会におきましては、新たな知見、新たな科学的な知見や技術的な知見に基づいて、より高い安全性を確保すべく基準の策定でありますとか見直し等を永続的に続けておりますけれども、その際に原子力施設の特性等を考慮して、あるいは事業者の置かれている環境であるとかあるいは立地地域の置かれている環境等を考えて、より効率的で、かつ安全確保上有効な基準、規則の策定、見直しを進めているところであります。その際には、その策定プロセスも含めて文書化を進めることが、申請者のみならず被規制者、規制に関わる方々全てに対して予見性を深めていくことになるだろうと思っています。
 申し上げながらなかなか難しいことだというふうにも思っておりまして、その文書化に費やさなければならない時間、リソースは相当なものに上ります。ただ、我が国の規制が規制に関連する周辺の文書の厚みに欠けていることは事実でありますので、今後ともその努力は続けてまいりたいと思っております。
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滝波宏文#26
○滝波宏文君 田中委員長とお話をしたとき、いつもその透明性だけで押してきたところがありましたが、適正手続の確保というのは、今申し上げたように、予見性の確保とか文書化とか、様々もっと広い部分がありますので、今のお答えはかなりそういったところに配慮いただいていた感じもいたします。しっかり進めていただければと思います。
 それで、このデュープロセス確保の重要性を理解するリーガルマインドの観点からすると、前委員長時代に突如法的な根拠もなく設置された活断層、破砕帯についての有識者会合、これは大きな問題でありました。
 本件も田中委員長とかなりやり合いましたけれども、一般的な政策立案に向けて参考となるためにつくる専門家の会合と、個別の行政処分に向けての審査プロセスの中で、法的根拠なく突然新たに有識者会合通過を、これを要求するというのでは、被規制者に対する自由制約上、全く質的に異なる。こういうことが残念ながらちょっと田中委員長はついにお分かりにならなかったんじゃないかと私は懸念をしてございますけれども、結局、この有識者会合については、各発電所の土を掘ったり、いろんな調査を進める中、有識者会合の当初の見解に第三者の専門家たるピアレビューアーからの疑問も続出するなどして、この有識者会合の法的な位置付けは、もう有識者会合の意見はあくまで参考だと、すなわち法的な効果は無効だということになりまして、規制委員会が自ら判断するということになっております。
 そうであれば、それまで有識者会合をめぐり費やされた時間と労力は何だったんだと、こんなことも思ったりはいたしますけれども、これは一旦おくとしても、いまだこの法的には効果を失ったはずの有識者会合の意見でスタックさせられている敦賀発電所や志賀発電所があります。これらについて、しっかりと現場、立地の声を聞いて前に進める必要があると思いますけれども、有識者会合についての見解も含めて、更田委員長の決意を伺います。
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更田豊志#27
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今御質問いただきましたいわゆる破砕帯に関わる有識者会合ですが、少し田中前委員長の発言に私通じていないところがありますけれども、有識者会合は元々参加をされる先生方の科学者としての責任によったものであって、その判断を行政処分するに当たって規制委員会が参考にするという位置付けで、行政処分上の責任はあくまで全て原子力規制委員会が負っている、この認識は当初から全く揺らぐものではなかったと私は理解をしております。
 有識者会合は、それぞれ地層や地質、地震学といったところの専門の先生方から、対象とする特定のサイトに関して、その調査結果等に基づいて科学者としての責任を負った意見を述べていただくものです。これは、当然のことながら、その後のそのサイトの適性を行う審査において私たちは、科学者の責任として行われたものですから、当然私たちはそれを参照してまいります。しかしながら、行政処分としての結論はその後の審査において下すものでありまして、敦賀発電所を例に取りますと、事業者のデータの蓄積、準備が整いつつあるというふうに聞いていますので、近々再びまた審査の場で事業者との間での共通理解をつくる努力を始めるものと理解をしております。
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滝波宏文#28
○滝波宏文君 そういうふうなお話も今お聞きしましたけれども、やっぱり行政処分の決定の前に、個別に内々に参考にほかの科学者の意見聞くというのは否定するわけではありませんけれども、仰々しく有識者会合というのをつくって、それをその処分の前に置く、前置をする、これは本当に問題であったと私思いますので、一から、白地からちゃんと規制委員会として、志賀も含めて、敦賀もそうですけれども、審査をやっていただきたいと思います。
 さて、ステークホルダーとのコミュニケーション、これは三条委員会の長たる規制委員長の重大な責務である、これも先ほど来申し上げてきたところでありますし、この件、ステークホルダーの一つに事業者があって、最近事業者との意思疎通、これは定期的な面会も来られて、向上していると認識しております。
 しかしながら、ちょっと懸念されるのは、立地とのコミュニケーションであります。現場に足を運ぶのに加え、立地の首長さんなどが上京したときに、大臣に並ぶ社会的責任を有する三条委員会の委員長として、規制委員長は時間の許す限り会うべきだと思っております。
 ところが、これもまた資料を配付してございますけれども、田中前委員長は、西川福井県知事が初めて会ったときの地元新聞の記事なんですが、全国の代表者でないと会わない、単なる個別の立地自治体首長では面会しない旨の方針を述べられました。これも私はゆゆしき問題として議論してきました。原子炉が一つでもあればそこにはリスクが存在し、その重みは全国の代表者かどうかとか町の大小で変わるわけではないはずです。
 そして、更田新委員長が国会同意の前に一度議運に呼ばれて、友党公明党の熊野正士先生からの質問を受けられたと思います。そのときの質疑記録を読むと、どうも立地自治体の方とのコミュニケーションについて奥歯に物が挟まったような感じでありまして、あるいは立地よりも事業者の対話をむしろ重視されているような疑念さえあります。先ほど来申し上げているように、最もリスクを負うのは立地であります。私は、新規制機関ができるのであれば、まさに立地の方々の思いを基礎としてできるべきであったと考えております。
 立地に対するコミュニケーションを後回しにしているのではないかということについて、先ほどの地元新聞紙、記事にあった田中前委員長の方針への見解も含めて、更田委員長にお伺いします。
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更田豊志#29
○政府特別補佐人(更田豊志君) 私を含めまして原子力規制委員会としての最も重要な仕事、ほとんど唯一と言っていい仕事は、科学的、技術的な判断に基づいて、より高いレベルでの安全性を確保し、東京電力福島第一原子力発電所事故のような災害が二度と起きないような原子力利用の在り方を規制を通じて実現していくことにあります。
 私たちは、その判断を行う際にはあくまで、原子力利用における安全に関して、あくまで科学的、技術的な観点からのみ判断し、またその観点からのみ発言することができるということにとどまる、これを踏まえて、この判断をまず優先させることについて、業務において科学的な判断、より成熟した技術的な判断を形成するということを優先させなければならないということについては御理解をいただきたいと思います。
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