安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 橋本聖子議員にお答えをいたします。
我が国の課題解決に対する私の決意についてお尋ねがありました。
いかに困難な課題であっても立ち向かい、次の時代を切り開いていくことこそ、政治に与えられた使命であります。
百五十年前、誕生したばかりの明治国家にあって、近代化を牽引した岩倉具視はこう述べています。国民みんなが心を一つにして、国力を盛んにするならば、世界で活躍する国になることも決して困難ではない。明治の日本人にできて、今の日本人にできないわけはありません。
急速に進む少子高齢化を克服し子供たちの未来を切り開く、北朝鮮の現実の脅威に対して国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜く、まさに国難とも呼ぶべき課題を国民の皆様とともに乗り越えていく覚悟であります。
今回の選挙での信任を力に、また参議院の皆様のお力も得て、オールジャパンで、日本の未来をしっかりと見据えながら結果を出していく決意であります。
北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
そのためには、日米両国のみならず、日米韓の三か国による緊密な連携が非常に重要です。
私は、これまでも日韓首脳会談や日米韓首脳会談の機会に三か国の緊密な連携の重要性を訴えてきました。今後とも、機会あるごとに、日米韓の連携強化を図り、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。
日中関係についてのお尋ねがありました。
習近平主席は、先般の中国共産党大会での報告において、過去五年間の成果を強調するとともに、二〇三五年までに社会主義現代化を基本的に実現させ、今世紀半ばまでに社会主義現代化強国を建設するという今後の国家発展のロードマップを示したものと承知しています。
我が国としては、中国に対し、地域及び国際社会の平和と繁栄のために積極的に貢献していくよう引き続き働きかけていく考えであります。
先般、習近平主席及び李克強首相とそれぞれ日中首脳会談を行い、北朝鮮問題、日中間の経済関係の強化についても有益な意見交換を行うことができました。特に、習主席からは、今回の会談は日中関係の新たなスタートとなる会談であったとの発言があり、私も全く同感であります。
本年は日中国交正常化四十五周年、来年は日中平和友好条約締結四十周年という節目の年であり、戦略的互恵関係の考えの下、大局的な観点から日中の友好協力関係を安定的に発展させていく好機であると考えます。
今後、日中韓サミットを早期に開催して李克強首相の訪日を実現し、その後、私が訪中し、その後には習主席に訪日していただきたいと考えています。
このような日中首脳の相互往来を通じて、日中関係を安定的に発展させていきたいと考えています。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けたサイバーセキュリティー対策の体制強化についてお尋ねがありました。
御指摘のとおり、サイバーセキュリティーの確保は、安全、安心な東京大会の実現のため、極めて重要です。
そのため、私自身が本部長を務めるオリパラ推進本部の下にワーキングチームを設置し、サイバー攻撃事態のシミュレーションや、これに基づくリスク評価の実施等の事前対応のための取組を進めているところです。
さらに、関係機関等への情報提供やサイバー攻撃への対処調整を行うセンターの構築等により、事案発生時における対処体制の強化を図るとともに、諸外国との情報共有など、国際連携を一層緊密に進めてまいります。
開催国としての責務を果たすため、政府一丸となってサイバーセキュリティー対策に万全を期してまいります。
経済財政運営についてお尋ねがありました。
安倍内閣においては、経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、機動的な財政政策を含む三本の矢の取組を進め、名目GDPは一〇・八%、五十三兆円増加し、過去最高となりました。
国民生活にとって最も大切な雇用についても大きく改善しました。就業者数は百八十五万人増加し、有効求人倍率は史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超え、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて一倍を超えています。
この経済の成長軌道を確かなものとして、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、生産性革命と人づくり革命を断行するため、新しい経済政策パッケージを策定します。
強い経済、成長の果実なくして分配を続けることはできません。成長と分配の好循環をつくり上げてまいります。
健康長寿社会の確立に向けてのお尋ねがありました。
我が国の健康寿命は、男性が七十一歳、女性が七十四歳と世界でもトップレベルの水準にありますが、国民が健やかで心豊かに生活し、健康で長生きできる社会を実現するためには、健康寿命の更なる延伸が重要です。このため、平成二十五年より進めている第二次健康日本21においても健康寿命の延伸を目標に掲げたところです。スポーツや適切な食生活などを通じた国民の健康づくり、健診や保健指導を通じた疾病の発症及び重症化の予防などの取組を進め、健康寿命の延伸を図り、活力ある健康長寿社会の実現に努めてまいります。
人間性の育成と教育についてお尋ねがありました。
幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な時期であり、この時期に質の高い幼児教育を保障することは極めて重要であります。このため、新しい幼稚園教育要領において、道徳性、規範意識の芽生えや生命尊重の内容を充実するなど、幼児教育の質の向上を図っています。あわせて、安全、安心な教育環境の整備を進めてきたところであります。
また、労働人口の減少など、社会変化に対応した教育を行うことが重要です。このため、初等中等教育段階における情報活用能力の育成や、外国語教育、キャリア教育の充実など教育内容の充実を図るとともに、大学等での学び直しを支援しているところであります。
今後、政府としては、人づくり革命として、幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じて社会保障制度を全世代型社会保障へ転換するとともに、真に必要な子供たちに限った高等教育無償化など、人への投資を拡充します。また、リカレント教育を抜本的に拡充します。
引き続き、教育費負担の軽減と教育の質の向上を図り、我が国の未来を切り開く人材の育成にしっかりと取り組んでまいります。
林業改革と国産材の利用拡大についてお尋ねがありました。
我が国の森林資源は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎えていますが、十分に利用されず、また、適切な森林管理も行われていないという課題に直面しています。こうした状況に対応するためには、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の両立を旨として政策の見直しを行う必要があります。
このため、政府においては、現在、森林所有者の経営管理権限を市町村を介して意欲と能力のある林業経営者に集積し集約化するとともに、経済ベースに乗らない森林については、市町村等が公的に管理する仕組みの創設と、あわせて、森林環境税を含めたその財源について検討をしているところです。年内には、森林・林業政策の抜本的な改革プランをまとめ、実効性のある施策を推進し、次世代へ豊かな森林を引き継いでまいります。
また、国産材の利用拡大に向けては、中高層の建築物に活用できるCLT等の利用促進や内装材への木材利用の促進を図ること等により、東京オリンピック・パラリンピック関連施設を始め、公共建築物や商業施設などの木造化、木質化の取組を進めていきます。
スポーツを産業として育てることについてお尋ねがありました。
スポーツには、人々に感動をもたらし、勇気を与える力があります。そして、地域、経済の活性化や国民の健康増進など、様々な分野の課題を解決し、我が国の未来を切り開いていく大きな可能性を秘めています。このため、政府は、スポーツ産業の開拓について未来投資戦略二〇一七に盛り込み、スポーツを核とした地域活性化、スポーツ関連団体の経営力強化、スポーツの海外展開の促進、スポーツ実施率の向上など、精力的に取り組んでいます。
また、このスポーツ産業の開拓に当たっては、民間事業者の投資やノウハウを呼び込んで行うことが重要であり、スポーツの振興はもとより、地域や経済の活性化などの観点も踏まえ、官民の力を結集して取り組んでまいります。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまであと千日を切りました。このスポーツの世界的祭典という絶好のチャンスを最大限に生かし、二〇二〇年以降も展望しつつ、スポーツ産業の活性化を図ってまいります。(拍手)