安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山下芳生君にお答えいたします。
森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
国有地の売却における当事者間でのやり取りについては、現在捜査が行われており、捜査の場及びその後の司法の場において明らかになっていくだろうと思います。
ただ、私の妻が、一時期、名誉校長を務めていたこともあり、国民の皆様から疑念の目を向けられたとしても、もっともだと思います。
その上で、本件については、私自身、閉会中審査に出席するなど、国会において丁寧な説明を積み重ねてまいりました。今回の衆議院選挙における各種の討論会でも質問が多くあり、その都度、丁寧に説明をさせていただいたところであり、今後もその考え方に変わりはありません。
なお、国会における審議の在り方については、国会においてお決めいただくことと認識をしております。
特区認定のプロセス、加計理事長の国会招致についてお尋ねがありました。
今回のプロセスは、規制改革項目の追加、事業者の選定のいずれについても、御指摘の四項目も当然踏まえた上で、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適正に行われてきました。その際、節目節目で、農林水産大臣、文科大臣も会議に出席するなど、関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で関係法令に基づき実施してきたものと理解しています。
このように、法令にのっとり一貫してオープンなプロセスで進められる中で、関係大臣の合意の下、四項目の充足は確認されており、その選定のプロセスについては、民間有識者も一点の曇りもないと述べられていると承知しています。
そして、さきの閉会中審査では、関係大臣を始め誰一人として、誰一人として私から何らの指示も受けていないことが明らかとなったところであり、そのことが今回の行政プロセスを評価するに当たり最も重要なポイントであると考えています。
その上で、国会の運営については国会がお決めになることであると考えます。
北朝鮮問題についてお尋ねがありました。
まず指摘したいのは、挑発を行っているのは北朝鮮の方であり、世界の脅威となっているのは北朝鮮であります。私も、世界中の誰一人として紛争など望んでおりません。
韓国でトランプ大統領は、北朝鮮が対話のテーブルに着き、北朝鮮の人々や世界中の人々にとって良い合意を結ぶことは筋が通っている、また、米国は北朝鮮に対してより良い未来への道を提供することができると述べており、これに対し、非核化に向けた対話を拒否しているのは北朝鮮です。
北朝鮮に政策を変えさせるため、あらゆる手段を使って北朝鮮に対する圧力を最大限にし、北朝鮮の方から対話を求めてくる状況をつくっていくことが必要です。
我が国としては、国際社会とも緊密に連携しながら、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。
もとより、政府として、他の国・地域の体制を力により転換することを目標として掲げたことはありません。米国の今後の対応を予断することは差し控えますが、日米間で北朝鮮問題への対応に関し、緊密に連携してまいります。
福島の復興の現状と原発ゼロについてお尋ねがありました。
今年春には大幅に避難指示解除が進みましたが、これは福島復興のスタートにすぎません。いまだ多くの方々が避難生活にある現状を胸に刻み、一日も早い生活再建、なりわいの再生に向けて、お一人お一人の事情に応じたきめ細かな就労支援、住まいの復興などに引き続き国として責任を持って取り組んでまいります。
原発については、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減することが安倍内閣の一貫した方針です。同時に、資源に乏しい我が国にとって、電気料金のコスト、気候変動問題への影響、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。
高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるのが政府の方針であります。
軽度者向け介護サービスと認知症対策についてのお尋ねがありました。
御指摘の軽度の要介護者に対する生活援助サービス等については、経済・財政再生計画改革工程表に沿って、認知症の方を含め、高齢者の自立支援等の観点から、引き続き検討を行ってまいります。
なお、平成二十六年の介護保険法改正では、要支援の方を引き続き介護保険の地域支援事業の対象として、市町村が必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるよう仕組みを見直したものであります。
認知症は誰もが関わる可能性のある身近な病気です。認知症の方の意見が尊重され、できる限り住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる取組を進めていくことが必要です。そのため、一昨年、我が国の認知症国家戦略として新オレンジプランを策定しました。
今後とも、新オレンジプランに基づき、認知症の方やその家族の方の支援を進め、認知症の方々が自分らしい生活を営めるよう支援してまいります。
消費税率引上げの中止等についてお尋ねがありました。
消費税については、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合うという観点で、社会保障の財源と位置付けております。
消費税率の一〇%への引上げに当たっては、その使い道を見直し、子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当することとしており、引上げを中止することはありません。こうした使い道の見直しによって、我が国の社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる全世代型へと大きく改革してまいります。
企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかり確保しております。
また、税制の再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げ等を講じてきたところです。
今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果を見極めるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討をする必要があるものと考えています。
働き方改革についてお尋ねがありました。
過労死、過労自殺の悲劇を二度と繰り返さない。強い決意で長時間労働の是正に取り組みます。
罰則付き時間外労働の上限規制の導入などの働き方改革については、働き方改革実行計画の内容を踏まえ、法案の早期提出を目指します。まず、時間外労働の上限は、月四十五時間かつ年三百六十時間と法律に明記します。その上で、労使が合意した場合でも上回ることができない上限を年七百二十時間とし、その範囲内において、複数月の平均では八十時間以内、単月では百時間未満と定め、これらに違反した際には罰則を科すこととします。
なお、高度プロフェッショナル制度は、働く方の健康を確保しつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであり、残業代ゼロ制度との批判は当たりません。
無期転換ルールについてお尋ねがありました。
まず、無期転換ルールを避ける目的で雇い止めをすることは、法の趣旨に照らして望ましいものではないということを申し上げます。このため、無期転換ルールの適切な適用のため、都道府県労働局に特別相談窓口を設置するなど、企業への周知や啓発指導にしっかりと取り組んでまいります。
御指摘の企業における事例については、現在、厚生労働大臣において実態を調査中であり、調査結果を踏まえて必要な対応を取ってまいります。
憲法九条についてお尋ねがありました。
我が国は、第二次世界大戦後、再び戦争の惨禍を繰り返すことのないよう決意し、不戦の誓いをより確かなものとするべく、平和国家の建設を目指してひたすらに努力を重ねてきました。恒久平和は日本国民の念願であります。
この平和主義の理念は、国民主権、基本的人権の尊重と並ぶ日本国憲法の基本原則の一つであり、憲法前文は我が国が平和主義の立場に立つことを宣明し、第九条は平和主義の理念を具体化した規定であると考えています。
憲法九条の改正についてお尋ねがありました。
憲法改正の内容については、私は今、内閣総理大臣として答弁しており、自民党が検討している改正案についてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で、自衛隊の存在が憲法に明記されることによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないものと考えており、御指摘は全く当たらないことを申し上げておきたいと思います。(拍手)