安倍晋三の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 長浜博行議員にお答えいたします。
地球温暖化対策、パリ協定の評価、COP24に向けた取組についてお尋ねがありました。
地球温暖化対策については、内閣の最重要課題の一つであると認識しております。徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入により、国内での大幅な排出削減を目指すとともに、世界全体の排出削減にも最大限貢献し、これらの取組を我が国の更なる経済成長につなげてまいります。
パリ協定は、歴史上初めて全ての国が参加する公平かつ実効的な枠組みです。政府としては、気候変動という国際社会の深刻な課題への対応において世界を主導していくとの立場から、パリ協定の着実な実施を進めてまいります。
地球温暖化対策推進本部の下、関係省庁が一体となって、来年のCOP24におけるパリ協定の実施のための国際的な詳細ルールの構築に向けて、我が国としても積極的な役割を果たしてまいります。
地球温暖化に対する米国への働きかけに関してお尋ねがありました。
先般のトランプ大統領の訪日では、パリ協定についてのやり取りはありませんでした。他方、五月のG7タオルミーナ・サミットでは、米国がパリ協定にとどまるよう他のG7首脳と共に働きかけを行いました。米国はイノベーションを通じた先進的な環境技術の導入等を行っており、引き続き、米国に対し気候変動問題への取組の必要性を働きかけ、共に協力していく方法を探求していきたいと考えています。
国会の召集、衆議院の解散についてお尋ねがありました。
まず、憲法五十三条による臨時会の召集の決定と憲法七条による衆議院の解散とは個別の事柄です。
臨時会については、本年六月二十二日の臨時国会召集の要求を踏まえ、同年九月二十八日に召集しました。これは、予算編成に向けた概算要求作業、北朝鮮情勢が緊迫する中での外交日程など、内閣として諸般の事情を勘案した上で適切に行ったものです。
内閣が衆議院の解散を決定することについて、憲法上これを制約する規定はなく、いかなる場合に衆議院を解散するかは内閣がその政治的責任で決すべきものと考えています。
国民の信任なくして、緊迫する北朝鮮情勢、急速に進む少子高齢化といったまさに国難とも呼ぶべき課題を乗り越えることはできないため解散を行ったものであり、国会軽視との御指摘は当たりません。
総選挙で示された国民の意思を踏まえ、この国会においてそれぞれの政策を大いに闘わせ、建設的な議論を行ってまいりたいと考えています。
内閣の助言と承認についてお尋ねがありました。
日本国憲法においては、天皇の国事に関する全ての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣がその責任を負うこととされています。御指摘の国会の召集、衆議院の解散、国会議員の総選挙の施行の公示及び国務大臣の任免の承認については、いずれも憲法にのっとり、内閣の責任において適切に助言と承認を行ったものです。
平成二十八年度決算検査報告についてのお尋ねがありました。
今月八日、会計検査院より、平成二十八年度決算検査報告として四百二十三件、八百七十四億円の指摘を受けました。これらの指摘については、十七日に私から各大臣に対して確実に改善するよう指示を行っており、指摘の内容に応じて一つ一つ着実に改善策を講じ、今後の予算や会計事務などにしっかりと反映させてまいります。
森友学園への国有地売却についてお尋ねがありました。
森友学園への国有地売却に関する会計検査院からの検査の結果がまだ公表されておりませんので、お尋ねのことについては現時点でお答えしかねます。なお、会計検査院の報告については、本日夕刻公表予定であると聞いております。
大学設置・学校法人審議会における意見と四項目の充足についてお尋ねがありました。
大学設置・学校法人審議会では、加計学園の作成した設置計画に対して設置基準への適合性といった観点から意見が付されたものであり、これは御指摘の四項目の充足に対して疑義を呈したものではありません。
今回のプロセスは、規制改革項目の追加、事業者の選定のいずれについても、御指摘の四項目も当然踏まえた上で、民間有識者も加わった特区諮問会議やワーキンググループが主導し、適正に行われました。その際、節目節目で農水大臣、文科大臣も会議に出席するなど、関係大臣の間に異論がないことを確認し、合意の上で関係法令に基づき実施してきたものと理解しています。
このように、法令にのっとり一貫してオープンなプロセスで進められる中、関係大臣合意の下、四項目の充足は確認されており、その選定のプロセスについては、民間有識者も一点の曇りもないと述べられているものと承知しております。
国家戦略特区に係る議事の公開、今治市の文書の公開、国会での質問時間についてのお尋ねがありました。
今治市の文書の開示については、今治市が条例に基づき適切に御判断されるものと考えます。
国家戦略特区ワーキンググループの議事については、運営要領に基づき原則は公開とするとの八田座長の方針に基づき、議事録並みの詳細な議事要旨を公表するとの運用が行われてきたものと承知しています。こうしたオープンなプロセスの下、関係大臣を始め誰一人として私から獣医学部新設について何らの指示も受けていないことが先般の閉会中審査において明らかとなったところであり、そのことが今回の行政プロセスを評価するに当たり最も重要なポイントであると考えております。今後とも、必要があれば私もこの点を説明してまいります。
なお、国会での質問時間の配分につきましては、まさに国会がお決めになることであり、内閣総理大臣の立場として私からコメントすることは差し控えます。
公文書管理についてお尋ねがありました。
公文書管理については、様々な御指摘をいただいたことも踏まえ、まずは現行法の中において、行政文書の作成、保存に関する基準の明確化、文書の正確性の確保等を内容とするガイドラインの改正を年内に行うこととしております。また、現在及び将来の国民への説明責任を全うするとの公文書管理法の目的を果たしていくためには、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要です。各府省職員向けの研修の充実等を図るなどの取組を推進してまいります。
こうした公文書管理の質を高めるための取組を推し進め、その上で、必要に応じ、更なる制度の見直しについて検討してまいりたいと思います。
消費税率の引上げ等についてお尋ねがありました。
御指摘のあった消費税については、世帯当たりの消費を捉える家計消費は世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっていますが、一国全体の消費を捉えるGDPベースでは、二〇一六年以降プラス傾向で推移しています。実質賃金についても、二〇一六年に前年比プラスとなった後、二〇一七年に入ってからはおおむね横ばいで推移しています。
二〇一四年四月に消費税率を引き上げた際には、消費に影響がありました。これまで二度引上げを延期しましたが、引上げが可能な経済状況をつくるために経済財政運営に万全を期し、二〇一九年十月には引上げを実施いたします。
さらに、消費税率の一〇%への引上げに当たっては、その使い道を見直し、子育て世代への投資と社会保障の安定化とにバランスよく充当します。これにより、子育て、介護等現役世代が抱える大きな不安を解消し、また、財政の持続可能性に対する不安も解消していきます。消費の喚起にもつながるものと考えております。
消費税率一〇%への引上げは、社会保障と税の一体改革において決定したものであり、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するために必要なものです。
引き続き、責任を持って、経済再生と財政再建、社会保障改革の三つを同時に実現してまいります。
皇室会議の運営、儀式などの検討状況及び安定的な皇位継承のための方策についてお尋ねがありました。
本日、私は、皇室会議に対し、天皇の退位等に関する皇室典範特例法の施行日について意見を求めました。これを受け、十二月一日に皇室会議が開催されることになりました。皇室会議においては、皇室典範特例法の施行日に関して十分に御議論をいただき、御意見をいただけるものと考えています。
政府としては、国民がこぞってことほぐ中、天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位がつつがなく行われるよう、最善を尽くしてまいります。
安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題です。男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行ってまいります。
政府としては、安定的な皇位継承を確保するための諸課題について、衆参両院の委員会で可決された附帯決議を尊重し、しっかりと対応してまいります。(拍手)
─────────────