安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 岡田直樹議員にお答えをいたします。
拉致問題についてお尋ねがありました。
トランプ大統領が、全世界が注目する国連総会の演説で横田めぐみさんに言及したことに加え、訪日の際に、拉致被害者の御家族の皆様と面会し、御家族の方々の思いのこもった訴えに熱心に耳を傾けていただいたことは、拉致問題の早期解決の重要性を世界に訴える上で非常に大きな力となりました。
拉致問題は安倍内閣の最重要課題です。全ての拉致被害者の御家族が御自身の手で肉親を抱き締める日まで私の使命は終わりません。私が司令塔となって、北朝鮮に対する国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の早期解決に向けた決断を迫ってまいります。
あらゆる事態において拉致被害者の安全を確保することは極めて重要です。半島有事の際は、同盟国たる米国との協力が特に重要であり、米国政府に協力を依頼しています。
敵基地攻撃能力の保有、非核三原則及び弾道ミサイル防衛体制の強化についてお尋ねがありました。
いわゆる敵基地攻撃能力については、日米の役割分担の中で米国に依存しており、今後とも、日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりません。
その上で、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しくなる中、国民の命と平和な暮らしを守るため何をなすべきか、我々には常に現実を踏まえて様々な検討を行っていく責任があると考えています。もとより、今後とも専守防衛の考え方にはいささかも変更はありません。
非核三原則については、国是として堅持しており、これを見直すことは全く考えておりません。
弾道ミサイル防衛については、現在、弾道ミサイル対応のイージス艦を四隻から八隻に増強中ですが、これを可能な限り前倒しして体制の強化を進めます。さらに、陸上配備型イージスシステムを中心として、弾道ミサイル防衛能力の抜本的な向上を図ってまいります。
平和安全法制の意義と今後の運用姿勢についてお尋ねがありました。
今、我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しいと言っても過言ではありません。特に、北朝鮮による核・弾道ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっています。このような中、平和安全法制により、日本を守るため、日米は切れ目なくスムーズに互いに助け合うことが可能となりました。助け合うことのできる同盟は、そのきずなを強くします。
実際、繰り返される北朝鮮の核実験及び弾道ミサイル発射への対処に当たって、日米は従来よりも一層緊密かつ円滑に連携できています。先般来日したトランプ大統領は、米軍人と自衛隊員を前に、日米は今日、かつてないほど高い自信と信頼関係の下、優れた能力を発揮できる状況にあると述べています。また、この地域の米軍を統括するハリス太平洋軍司令官は、平和安全法制は日米の能力を向上させ、日米間の連携が向上したと述べています。これが現実であります。
米議会の上院外交委員会と軍事委員会も共同で、平和安全法制について、重要な同盟を強化するものであるとの声明を出しています。
また、さきの大戦で戦場となったフィリピンを始め、東南アジアの国々、かつて戦火を交えた豪州や欧州の国々など、世界の多くの国から強い支持と高い評価が寄せられています。これは、平和安全法制が日本と世界の平和と安全に貢献する法律であることの何よりのあかしです。平和安全法制の整備により、私たちの子や孫の世代に平和な日本を引き渡していく基盤を築くことができたと確信しています。
今後とも、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、対応に万全を期してまいります。
在韓邦人の保護と避難についてお尋ねがありました。
政府としては、様々な状況を想定し、必要な準備、検討を行ってきています。韓国とは在韓邦人の安全確保について平素から緊密に連携しており、米国とは日米防衛協力のための指針も踏まえ協力を進めてきていますが、日米韓の方策も含め、その内容は、事柄の性質上及び相手国との関係もあり、差し控えさせていただきます。
Jアラートの改善やシェルター整備なども含めた国民保護の体制の充実についてお尋ねがありました。
緊急事態に際し、国民の生命と財産を守る上で、国民に対し、情報を迅速、的確に伝えることは極めて重要です。そのため、政府では、Jアラート機器の更なる高度化や情報伝達ルートの多様化を進めるとともに、情報を受け取った国民の皆様が身を守るために取るべき行動について、広報や住民避難訓練の実施を通じて国民の皆様により一層理解を深めていただくよう努め、住民が避難する施設として堅牢な建築物や地下施設の指定を促進してまいります。
政府としては、迅速、的確な情報伝達に向けた体制の強化を始め、様々な取組を通じて国民保護の措置が実効的に実施されるよう万全を期してまいります。
大和堆での北朝鮮等による違法操業対策についてのお尋ねがありました。
大和堆周辺の我が国排他的経済水域における北朝鮮漁船等による操業は、単に違法であるのみならず、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題と考えております。
このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、水産庁漁業取締り船及び海上保安庁巡視船を重点的に配備し、放水等の厳しい対応によって我が国排他的経済水域から退去させております。
今後とも、政府として、我が国排他的経済水域内での外国漁船による違法操業の防止のため、毅然として対応してまいります。
地方の産業の維持、継承についてのお尋ねがありました。
農林水産業や建設業を始め、地域の産業の維持発展は、地方の活力向上や国土保全を図る上で極めて重要であると認識しております。
地域経済の核である農林水産業については、その成長産業化を実現するため、農地集積バンクの創設、六十年ぶりの農協改革、輸出促進など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてまいりました。林業改革、水産業改革を含め、引き続き、農林水産業全体にわたって改革を展開し、若者が将来に夢や希望を持てる農林水産新時代を切り開いてまいります。
地域の建設企業は、社会資本整備の担い手であると同時に、地域経済や雇用を支え、災害対応、除雪といった地域を維持する役割を担っています。将来にわたって地域を支えていけるよう、受注機会の確保やダンピング対策の強化等にしっかりと取り組んでまいります。
中小企業や小規模事業者は地域経済の主役です。収益力の向上と地域に根付いた事業の次世代への継承を、税制や予算措置などあらゆる施策を総動員して促進してまいります。
ふるさとへの情熱を持って地方創生にチャレンジする、そうした地方の皆さんを安倍内閣は全力で応援してまいります。
東日本大震災等の自然災害からの復旧復興についてお尋ねがありました。
東北の復興なくして日本の再生なし。あの大震災、困難の日々を胸に刻みながら、被災地の皆さんと力を合わせ、新しい東北の未来を切り開いてまいります。
東日本大震災からの復興に向け、必要なことは全てやり遂げるという強い決意の下、切れ目のない被災者支援、道路、鉄道の復旧や住まいと町の更なる復興、震災支援機構等を通じた債務免除を含む二重ローン対策などによる産業、なりわいの再生を進めてまいります。
福島では、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除され、復興再生に向けた動きが本格的に始まっております。今後とも、帰還困難区域における特定復興再生拠点の整備や福島イノベーション・コースト構想の推進、風評の払拭等、復興再生に向けて、国が前面に立って全力で取り組んでまいります。
また、近年、熊本地震や九州北部豪雨等の甚大な災害が頻発しております。政府としては、これらの災害に対し、激甚災害の指定を始め、インフラの復旧復興や被災者の生活、なりわいの再建など、政府一丸となって取り組んでまいりました。
いずれの災害においても、被災者に寄り添いながら、被災自治体と密に連携して、一日も早い被災者の生活再建、被災地の復旧復興に全力を挙げてまいります。
鉄道ネットワークの在り方と社会資本整備への追加的な予算措置についてお尋ねがありました。
全国各地を結ぶ鉄道ネットワークは、地域内及び地域間の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の推進に大きな役割を担っています。また、災害時における代替輸送ルートの確保など、国土強靱化の観点からも重要な意義を有しています。
これらを踏まえ、整備新幹線については、現在整備中の三区間の工事を着実に進めるとともに、本年ルートが決定した敦賀―大阪間の詳細調査を進め、財源の確保を行うことで、整備計画路線の確実な整備にめどを立てていきます。
リニア中央新幹線についても、財投の活用により、大阪までの全線開業を最大八年間前倒しし、整備効果を早期に発現してまいります。
さらに、基本計画路線を含む幹線鉄道ネットワーク等の在り方の検討に必要な様々な課題について、国土交通省において調査を行うこととしております。
一方、地方部の鉄道については、人口減少や他の交通手段の発達により輸送人員が大きく減少し、厳しい状況にあります。持続可能な交通体系の在り方について、地域の関係者が検討を進める場に積極的に参画し、急増する訪日外国人旅行者の交通手段としての役割も踏まえつつ、必要な支援を行ってまいります。
社会資本の整備は、未来への投資により次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものであり、国土強靱化、防災・減災対策、老朽化対策などの分野について、選択と集中の下、効果が最大限に発揮されるよう進めていくことが重要です。
なお、平成二十九年度補正予算については、災害対応を始めとする追加的財政需要に適切に対処するとともに、防災・減災対策等を講じるため、編成を指示したものであります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣小野寺五典君登壇、拍手〕