豊田俊郎の発言 (本会議)

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○豊田俊郎君 自由民主党の豊田俊郎です。
 私は、自由民主党・こころを代表して、ただいま議題となりました平成二十八年度決算について質問をいたします。
 冒頭、十一月二十九日に行われた北朝鮮による弾道ミサイル発射に対して厳しく抗議をしたいと思います。本院では、先ほど非難決議を行ったところです。政府におかれましては、更に一層、北朝鮮に対し厳重に抗議を行うとともに、関係各国と緊密に協力し、挑発行為の自制を強く求めていただきたいと思います。
 では、決算の審議について伺ってまいります。
 二院制の下、予算においては、憲法等の規定により衆議院での優越が認められている一方、参議院では決算審査を長年重視し、審議を行ってきたと承知をいたしております。
 予算の使われ方に関する議論において最も重要なことは、プラン・ドゥー・チェック・アクションといういわゆるPDCAサイクルの中で、予算がプランの求めている成果をしっかりと出しているかをチェックし、その結果をアクションとして次の予算に反映させることができるかという点です。本年も、予算編成の前に前年度の決算が提出され、本会議で議論されることは極めて意義深いと考えています。
 そこで、今回の参議院での決算審議に対してどのような議論を期待するのかという点について、総理の御所見をお聞かせください。
 次に、平成二十八年度決算に関して伺います。
 一般会計歳出は、総額約九十七兆五千億円と、前年度より僅かに減り、三年連続して百兆円を下回りました。歳入も、租税及び印紙収入は対前年度比一・五%減少し、七年ぶりの減少となりました。厳しい財政状況の中、社会保障関係費や文教及び科学振興費など、国民の安心、安全や人づくりにつながる必要な歳出を捻出した苦労がにじみ出ている決算だと思います。
 一方、プライマリーバランスの赤字幅は、五年ぶりに拡大をいたしました。入るを量りて出るをなすという故事からすれば、プライマリーバランスの赤字幅にもっと注視すべきでしょう。しかし、デフレからの完全な脱却を目指すためには、この故事よりも、経済再生なくして財政再建なしという考え方の下、経済政策を進めていくことが現在の我が国の基本姿勢であり続けるべきと考えております。
 そこで、総理に、デフレからの完全な脱却と経済の好循環の実現のために、この平成二十八年度決算を踏まえて、平成三十年度の予算編成をどのように行っていくつもりか、その基本方針をお伺いをいたします。
 参議院では、決算重視の立場から、ODA経費の効率的運用を図るため、ODAをめぐる諸問題の調査を積極的に実施しております。その観点から今回の会計検査報告を見ますと、ODAにおいて効果が出ていない事業があることが指摘をされております。
 一つに、公立の無料診療所や職業訓練施設の建設を通じて、保健医療サービスの欠乏や稼ぐためのすべを知らないことによる貧困といった脅威から人々を解放することで、ひいては国際社会の平和、安定及び繁栄を確保する観点を持った大切な事業です。また、病院に通う人々が我が国のODAを直接目にし、我が国への理解を深め、ひいては我が国の外交の存在感を高めるチャンスを損ねたという点でも残念であります。
 検査結果を踏まえた上で、現場を知り、相手国と直接話をする大使館やJICA事務所の強化も含めて、ODAを効果的に運用するための制度や体制を向上させるべきと考えますが、外務大臣の御所見をお聞かせください。
 さて、平成二十八年度決算の歳出を個別に見ますと、公共事業関係費が対前年度比五・二%と、僅かながら増えています。
 昭和三十九年に開催された東京オリンピック前後に集中的に整備された社会資本は、既に五十年以上が経過し、更新時期を一斉に迎えつつあることから、維持更新のための予算の確保が必要です。また、地球温暖化の影響もあってか、集中的に局地的豪雨の発生が顕著になるとともに、長期にわたる渇水も懸念されており、これまでとは異なる気象パターンに対応した防災・減災対策が必要となっています。公共事業関係費の歳出増は、急増するニーズへの対応として極めて的確と考えています。
 平成二十八年度予算で見れば、公共事業関係費約七兆五千五百億円のうち、約一兆五千八百億円は補正増額によるものです。もちろん、災害対応や経済対策といった必要性があれば、ちゅうちょなく補正予算を編成し社会資本整備を進めるべきであります。
 その上で申し上げたいことは、社会資本は用地買収の着手から工事完成までの長い時間を要することから、中長期的な視点を持って計画的に事業を執行しなければ求められる事業効果を十分発揮することができず、場合によってはコスト増となるということです。社会資本の事業効果は長期にわたり発揮され、将来世代にも大きな恩恵をもたらすものです。財源不足を理由に必要な社会資本整備を後年に遅らせるのではなく、是非とも建設国債を活用し、当初予算に計上して、中長期的な計画に沿って事業を進めるべきと考えております。
 そこで、建設国債は赤字国債と位置付けが異なることを明らかにした上で、建設国債を積極的に活用し、中長期的な視点に立った社会資本整備を進めることができるよう必要な予算を当初から計上することが好ましいと考えておりますが、財務大臣の御見解を伺います。
 最後に、社会資本整備の推進の観点から、所有者不明土地問題について質問をいたします。
 公共事業や復旧工事の円滑な実施の支障として、事業などに必要な土地を確保したくても、その土地の所有者が誰なのか分からず、用地交渉が難航、難しいというケースがあります。現在の制度では、事業主体が土地所有者の了解を得なければならないので、所有者の探索に膨大な費用と時間を費やし、その挙げ句、所有者が判明しない、あるいは相続が重なりネズミ算式に増えた権利者と交渉しなければならないという事態が発生しています。登記簿を見れば所有者が分かると思われがちですが、我が国の登記制度は公示の原則主義を取っており、いわゆる対抗要件のみを備えております。土地所有者を確定させるための公信力を持たないところに課題があると思います。
 国土交通省の地籍調査を基にした推計によれば、全国の私有地の約二割は既に所有者の把握が難しくなっており、面積に当てはめると九州を上回る規模となっています。しかも、少子高齢化社会のますますの進展に伴い、相続は増加し、今後も所有者不明な土地が更に増加していくことが見込まれます。所有者不明土地の問題が解決しなければ、せっかく予算を計上したにもかかわらず、用地の手当てもできないので、事業に着手ができないという予算執行上の問題が増える可能性が高くなります。
 最近では、相続等により所有者となった者が土地の活用に意欲を持たず、管理を放棄する、さらには権利の放棄を望むという事態も生じています。その結果、登記簿上の名義が変更されない土地が増え、所有者不明土地問題の深刻化に拍車を掛けています。
 憲法が保障する財産権は、公共の福祉のための制約を受けるものであり、また、土地所有者も土地を適切に管理する責任を果たすべきです。そうでなければ、我が国国土は、公共事業も進まないし、土地は荒れ放題という状況になってしまいます。我が国の国際競争力強化も地方創生も大きく遅れてしまいます。
 少子高齢化社会、人口減少社会を迎え、今こそ所有権と土地の利用ニーズとの両立を目指して公共的事業推進のための法制化を行った上で、中長期的には所有権の在り方に関する検討を着実に進めて所有者不明土地等対策の総合的な推進を図るべきと思いますが、総理の御見解をお聞かせください。
 以上です。御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 豊田俊郎

speaker_id: 5785

日付: 2017-12-04

院: 参議院

会議名: 本会議